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表題作ピットスポルム 一葉

小田島 苑,高校生
矢野 久哉,高校生

あらすじ

全寮制の高校に通う矢野久哉の悩みの種は同室で学校一の問題児、小田島苑だった。
門限を守らず、男子寮に女子生徒を連れ込み性行為に耽る姿を目撃し初めて見る男女の生々しい営みに混乱と欲情を感じてしまった矢野に半ば強引に自己処理の手伝いを行う。
「生真面目な優等生」を揶揄う小田島、かと思いきやそこには誰にも言えない恋愛感情とトラウマが混在していてーー。

作品情報

作品名
ピットスポルム 一葉
著者
三上志乃 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ジーオーティー
レーベル
picn comics
発売日
電子発売日
ISBN
9784823603747
4.5

(261)

(192)

萌々

(46)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
19
得点
1191
評価数
261
平均
4.5 / 5
神率
73.6%

レビュー投稿数19

思春期の不安定だからこその不可解さ

読み返しレビューです

発売当初読んだままで実は1,2巻同時発売を購入した後に3巻購入を一旦お休みしたのですが4巻発売のペースも早かったので3,4巻もこの度一緒に買ったので改めて最初から読み直しました
今はまだ3,4巻は未読でレビューします&2巻の内容には触れないようにします


最初読んだ時の感想としては高校2年生という設定の割に精神年齢の若さ、幼さに不整合さを感じる行動自体に少し違和感を感じてしまい何となくキャラが掴み切れなかった印象です

小田島は分かり易い1軍だけど問題児
1軍の圧倒的モテオーラを放ちながらも心が不安定で未熟
問題児なのに母親を「お母さん」と呼び、彼を明らかに不安定にさせている原因だろうに無下にしない
心が不安定そうなのにセフレを多く抱え、自身を軽んじる取り巻きのやっかみにも諦観を見せる無の境地
小田島が思春期の中で自我の芽生えを恐れているのか、乗り越えたいのかが見えずにいた所が「掴み切れなかった」んだろうなぁ…と今、冷静に読み返して自分の中での違和感の正体が分かって来ました

「整合性が無いからこその不安定さ」
これこそが思春期の中で性自認に悩むDKのひとつのリアルなのかも知れない…⁉と読み返してみて思い至りました
ここまで自分なりに考えが進むと当初の印象とは違った感情も生まれてきて小田島に俄然興味が湧いて来ます(`・ω・´)ゞ

部屋割り表を大事にしてしまう程繊細で不器用に一途な小田島にとても庇護欲を掻き立てられてしまいます
分からないから知りたい、どうなるのか見守りたい、そんな気持ちに変化している自分がいます
益々この後を読むのが楽しみになって来ました

少しだけ気になるのはお話しの内容ではなくて絵の描き分けは初読みと再読で変わらずチョット気になってしまう点です
特に矢野の髪色トーン…たまに黒くなかったりするのはナゼなんでしょうかね…
2人ともキレイめのお顔で儚げさがある雰囲気に被る所が感じられるので出来たらハッキリとした違いのある髪色は描き分けて欲しいなぁ~と、、、甘えた事を言ってしまうド素人でスミマセン…でも同じ髪色になってるのは困惑しちゃうょ(。・_・。)

1巻はまだ2人共にキャラとしての興味はあるものの魅力!とまでは自分の中で至っていないのと先があるからこそ!という点を踏まえた評価をしていますが確実に先を読みたくなる1巻ではあります
最初に読んだ時に評価していたら多分☆は3かな~?ですが再読で気付いた事が多かったので購入当初に評価付けをしなくて良かったです♪

0

他にもあるようで、ない設定かも

初読み作家さんです。
ドラマCD化で坂田将吾さんが初メインですと!?と気になって原作から読んでみました。

とっても絵が綺麗だしお話の組み立て方も引っかかるところが少なく読みやすい。ただ、1巻はまだ序章って感じで全貌は見えてない。

この作者さんって普段はBL以外を描かれてた?と思うくらい人によっては地雷案件がありました。

全部攻めの子側なんだけど。

①学内でところ構わず来るもの拒まず去るもの追わずで言い寄ってくる女子生徒とSEX三昧
何なら3Pもアリです。ガッツリシーンはないんだけど、女子のおっぱいはチラ見えしてます。
何でこんなにお盛んなの?と思ったらちゃんと理由はあるんだけど、時と場所、相手は選びましょう。

②こんなヤリチン野郎みたいになった原因が結構ディープ。いたいけな小学生時代に父親が男とカーセックスしてるとこをうっかり見ちゃって嫌悪感と興奮がごちゃ混ぜになってこっから拗らせ思春期突入。両親は、なかよし夫婦♡って思ってたらお父さんがネコなんだもんね。
あんな発覚の仕方ある?って思ってしまう。もうちょいありそうなシチュエーションにして欲しかったかな?
あと、お母さんは薄々勘付いていたのかな?あんなの見たなんて母親には絶対に言わないだろうし。その辺もうちょい詳しく知りたかったな。

あと、矢野くん。ご家庭事情からこの高校はなかなか金銭的に厳しそうだけどそこまでしてきたかった理由ってこの後出てくるのかな?公立でも偏差値高い学校もあるんじゃないの?
お昼をパックご飯で作ったおにぎりで凌ぐなんてひもじいよ…。苦学生過ぎる。

この先どうなるのか続き読みます。(そりゃ、くっつくんでしょうが)

シーモアで合本版で購入
白抜き修正

1

小田島…君ってやつは…泣泣

二葉まで読んだ上での感想と評価です(ネタバレ有り。

いや…あの、こちらの作品は支部の一話試し読みでたまたま見つけてたまたま絵柄が好みって理由でたまたま読んでて気付いたら漫画を買っていたというのが三上さん作品との出会いです。
高校生ものだしほのぼのしてる良い感じのやつ〜なノリで読んでいたのですが、第一の感想が小田島…ッ、小田島ッ…です。←何言ってんだこいつって感じですが読み終わった後こうなるはずです。
BL漫画は大抵女性と絡んでる描写あるの、読者さんの中でも苦手な方多くいらっしゃると思いますが自分は個人的にあんま苦手という訳ではなくこの漫画で改めて女性との描写シーンにこんな深い訳があるなんて、、、と痛感しました。

攻めの小田島くんは父の浮気(しかも男)、そしてそれがきっかけで抑うつ状態になる母が原因で自らが同性愛者であるということを隠し認めないようにして生きてきました。矯正(自分が同性愛者では無い事)をするため寮学校へ進学し自分は女にしか欲情しないんだ、と刻印をするかのように毎日のように女性とおせっせしています。

そんな中とあるきっかけで受けの矢野に出会い恋をしてしまいました…………でも本人は認めないようにその想いは隠し続け半年くらいずっと秘めた片想いしていたんでしょうね。その想いは彼にとっては絶対に許されない事であるから必死に必死に押し殺してきたのですがなんと…2年になり同じ寮部屋になってしまったんです。←キャー
小田島にとって恋愛対象になるのは男性で矢野であって、それでも押し殺さなければいけないから女性を抱けば自分は治る、だなんて恋とか恋愛対象とかを治るなんて言葉を使うなんて10年以上悩み続けていた彼の気持ちを想うと胸が痛いです。←しかもトラウマの現場見た歳多分小学生だよね?泣

そんな色々ある小田島ですが矢野という受けは慣れない感情や気持ちに背けながらも必死に向き合って小田島を受け入れるわけなんですよ、二葉です。←良かった…幸せになって……最後の小田島の笑顔と涙といったら泣泣

コマ割がとにかく上手くて小田島の視線や瞳の色
等細かく見れば見るほど全部読み終わった後にあ〜こういう事だったのか〜!と気付きます。
特に一葉で矢野の首から顔を見るシーンがあって、何だこのいやらしい視線はなんて思っていたんですけど全部読み終わってまた読み返してみるとアッ…ずっとずっと好きだから、矢野が大好きだから、でも手が出せないからパジャマ姿の女を抱きに行ったんだッ…うわ〜泣となりました。その日に女を抱きに行ったのってそういう意味だったのか……。多分矢野を見て欲情する度に女を抱いて自分は男は好きじゃないと刷り込ませていたんだな……でも無意識的に矢野に少し似た要素を入れて抱いていたとも思う…。←実際そうだったよね泣いちゃうよそこまでして否定するなんて。

ヤバい書き足りないどうしよう……。
とりあえず三葉出るし小田島母も息子とちゃんと向き合えたようで良かったし続きがめちゃくちゃ楽しみで仕方ありませんね!!!

あとあと個人的に好きなシーンは矢野とゴールインした後に行為中ずーーーーっと矢野を見ている小田島です。幸せだ…良かった。

4

攻めのヤリチン(女遊びひどい)設定を知らず買ってしいました。

ゲイで同じ高校の男生徒たちとの遊びだったらまあ…大丈夫だったかも知れないけど、女子達とのセックスシーンがあって、地雷踏んじまった…

3

そうなった理由

一葉のみの感想です。

初めての作家様だったのですが
即重版が続いていた為、気になり今更購入しました。

攻めが女の子との絡み(性的)が結構あるので
見たくない人は見たくないだろうなぁと
複雑な気持ちになりながら読み始めました。

小田島がなんでこんなにも女の子と絡むのか
かと思えば矢野にもちょっかいを出すし
よくわからなかったのですが、
その理由がわかって悲しい気持ちになりました。

思春期に父のそういうのを見るだけでも辛いのに
母もおかしな方向にいっちゃって
本人も矯正しなきゃってなっちゃって
読めば読むほど悲しくなりました。

自分の中身を見てくれる子がいなくて、辛かっただろうなぁ…。
そんな時に矢野を知って、ある意味彼に救われたんだろうなぁ。

一葉では切ない気持ちが強かったので
二葉では小田島が幸せになることを信じて読みたいと思います。

1

重たくて痛々しい

寮で矢野と同室になった最初の日から部屋に女の子を連れ込んでいたり、夜の点呼の時間になってもセックスをしていて部屋に戻ってこなかったり…何かと性にだらしないところが目立つ小田島。
チャラいというよりは掴みどころがない人だなという感じでしたが、その心に抱えているものが思った以上に重たくて驚きました。

小田島自身も父親のことで傷付いていたのに、さらに母親からの束縛で追い詰められてしまったのでしょうね…
無理矢理にでも「女を抱ける自分」を演じている姿が痛々しくて悲しかったです。
そして矢野に惹かれていく気持ちを受け入れられずに変な方向に暴走してしまう小田島が心配になってしまいました。

矢野も恐らく複雑な家庭の事情を抱えているのでしょうが、ただただ真っ直ぐに頑張る!というピュアなところがすごく眩しくて。
小田島ともきちんと向き合ってくれそうなので、そこだけは救われました。

今後どう纏まっていくのかドキドキしなから二葉を読みたいと思います。

1

ヤリチン男子高生✕真面目な同級生

評価が高かったので読んでみました。

ヤリチンな攻めと真面目な受けがルームメイトになってしまうところから話が始まります。
受けは攻めのことを好ましく思ってませんが、攻めは受けを気にかけているので好きなんだろうなと思わせてくれる描写が多いです。

しかし、攻めは受けには手を出さずに女の子とばかりえっちしてますし、受けにも女の子としてしている場面を見られたりしますので、それが苦手な方は読まないほうが良いです。

攻めのトラウマになるのは分かるんですが、真っ昼間に男同士で車のドアを開けたままカーセックスはしないと思うので、もうちょっと説得力のある場所でしていてほしかったな…と思います。

あと、攻めが受けを好きになる理由は分かりますが、受けが攻めを好きなる理由はよく分からないままでした。

4

小田島を幸せにしてあげたい

小田島くん、辛い過去を持ってますね。

お父さんがゲイよりのバイだったなんて、知らなければ今も幸せに過ごしていたんでしょうか?お父さんがバイである事は責められることではないけれど、家族を裏切って浮気してたんですもんね。
それも外で。
ちゃんとホテルでしなさいよ。もしくはちゃんも車のドアを閉めるべき。

お父さんの影響で男同士の恋愛は悪いこと、と小田島くんの身体に刻み込まれてしまった。
愛し合う事は、同性であっても悪いことじゃないのに。

小田島くんの傷ついた心をどうやって矢野は癒してくれるんでしょう。楽しみです。

3

最高の闇

ふわふわ青春DKもよかと思えば‥。結構闇深めな感じでとても面白かった!!
続編も決まってるから楽しみ!

2

チャラ×真面目王道

ネタバレ感想です。
上下巻ものって読み応えあるイメージだし
ランキング上がってきたので気になり購入。
せつない系の
チャラを装うトラウマ持ちお金持ち学年一位×
苦労人真面目優等生の
全寮制DK BLとな?!
攻めのスペックがめちゃ盛り盛りでちょっと複雑?
自分を隠してチャラ装いな共感しずらいキャラ。
で幼少期の父親のエピソードが
ちょっとありえなすぎて
そんなことはないだろう、、って
思ってしまいました。
攻めの小田島の父親のカーセックス
日中子供が歩くような時間帯に
車のドア開けたまま妻子ある男が
同性不倫カーセックスするなんてのはちょっとないですよね、、
ズボンが落ちてたのとかも
なんかえ??って描写で
父親の男同士のセックスを見て
精通してしまった為に
自分の欲を否定する為女子とやりまくるヤリチンになるって原因の物語の大事なエピソードなのに
カーセックス 目撃エピソードが
不自然ありえないに感じて受け入れられず、、、
小田島家は寄付金も多いお金持ちみたいだけど
それならなおさら父のエピソードがなんか微妙で、、
女の子とやってる描写もゲイを否定するためなの?
?が結構浮上して高評価が
私にはちょっとわからないなあってなりました。

4

好きになってはいけない切なさ。

私はBLを好きな理由に同性愛に苦悩する切なさがあるのですが、この作品はまさにそれが詰まっていました。また誰かを好きになる瞬間と片想いの様子が丁寧に描かれています。

ネタバレします。




子供の時に父親と男性が性行為をしている現場を目撃し、それだけでも物凄いショックであろうに自分もその指向があることに気づいてしまった攻め。家庭は破綻し母親は精神的に追い詰められ、自分は絶対に父親と同じようになってはいけないと言い聞かせてきた。不特定多数の女性とのセックスでその不安を払拭していたが、ついに同性である受けのことを好きになってしまう。たぶん初恋なんだろうな。認めたくないが好きな気持ちは大きくなるばかりで、遠くから見つめるだけで恋心と欲望を押し殺そうとしていたが、受けと寮で同室になってしまい、関わっていくうちに押さえ込んでいる気持ちが溢れ出てきて…。

主人公は攻めですね。この攻めの葛藤と苦悩が切ない。受けが節約のため帰省しないと知って大事な母親との約束も破り、話せないのに残り寮に2人だけなのを噛み締めるとか泣ける。いつも離れたところから受けを見つめる姿も切ない。なのに、仕方ないのですが序盤、受けにただのヤリチン問題児と認識されてるのが、もう…。受けに近づきたいのに、いざとなると母親の言葉が頭をよぎる。切なさのオンパレード。
あと父親の描写が結構生々しくて、キスマークは息子に気づかれるし、真っ昼間に外で自分の息子に見られたと気づいたのに挿入れられて喘ぐとか。せめて隠す努力くらいしてよ。この父親の姿を見てしまうと、そりゃ同性愛に嫌悪感とトラウマ植えつけられるわ。母親も攻めも本当に可哀想。途中、苦しむ攻めが吐いてるところがあって痛々しい。

両者のキャラクターも良いんです。
何もかも恵まれているように見える攻めですが、実は大きな悩みを抱えていて、精神的に寄り添ってくれる存在はなく孤独。調子よくヘラヘラとしているけど内面は陰がある。女性にモテて相手に不自由していないけど本当に好きな相手には一途な純愛とか、忍ぶ恋って萌える!

正反対の受けもいい。金銭的に余裕のない特待生で努力家。家族想いで真面目。僻んだり歪んだところがなく真っ直ぐ。無愛想だけど、八方美人とか偽善っぽさがないのがむしろ好感。誰かを好きになったことがなく性的なことに耐性がない純粋さ。よくBLだと同性に触られて急にあたふたみたいな描写がありますが、この受けは男前でそこは変に過剰反応しないところがアッサリしていて良い。大好きな家族と離れている寂しさを隠して心配かけまいとする姿も健気。
攻めが受けを好きになったきっかけがあるのですが、見た目とかではなく受けの人間性に恋した感じで良かった!

上下巻ではなく、一葉二葉となっているので続きが読みたいです。出会ってすぐに体の関係になるものが多く、あまり心理描写がなくて萌えず、もう面白そうなのは読み尽くしたかなと思ってましたが、素敵な作品に出会えました。

15

賛否両論(仮)

上巻にして既に名作の匂いがプンプンでした。

高校生の矢野はある日、寮の同室の小田島と女子の情事に
遭遇してしまい…という高校生らしからぬ爛れた始まりです。
以来、自分とは正反対の小田島に苦手意識を抱く矢野。
けれど、小田島はことあるごとに構ってくるようになり…。

小田島のキャラが難解でした…。
表面上はいけすかないチャライケメンだけど、ふとしたときに
矢野への好きが抑えきれずにダダ漏れておりなんだか憎めない。
だけど、一途な一方で、矢野への劣情を女子とのセックスで
解消しちゃうようなヘタレ・クズ・ヤリチンの残念攻め要素
三拍子が勢ぞろい!

たしかに、小田島が幼い頃に受けたトラウマ、母親から受ける執着は
中々に重く、高校生でこんなものを背負うなんて可哀想なんです。
そんな重圧と恋心の間で押しつぶされうな小田島が痛々しくて、
切なくて、なんかもう見ていられませんでした!
それでも諦めることもできないくらいに強い矢野への想いに
たった一言、好きだと伝えればいいのに…とこみ上げてくるものが。

ただ、今のところはまだ賛否両論です。私の中で。
というのも小田島×モブ女子の絡みが多すぎるのです。
頻繁かつがっつりエッチ描写有、複数有、受けの前で有、と
割とプチ地雷のオンパレードで正直キツかった…。
小田島の抱えるトラウマを強調するためにも女子との絡みが
不可欠なのは承知の上ですが、できるならもう少しソフトに、
見えないところでヤっていてほしかった…。

そして、そんな現場を事故的に見せつけられちゃったり、
かと思えばいきなり乱暴に唇を奪われちゃったり、終始
振り回されっぱなしの矢野が不憫でした…。

そんなわけで、ストーリーは引き込まれる要素多し!なのですが、
女の子との絡みが地雷の方はよくよくご注意ください。

上巻で割とダメージを食らってしまったため先を読むのが怖いけれど、
ここまで読んでのめり込んでしまったらもう途中で止まることもできないので、
下巻も読みたいと思います!

7

せつないが振り切れてる・・・!

二回目読んだ感想です。
ラストはわかっていながら、一葉部分に対して書きます。


なんだこのDKたち・・・!
今すぐ幸せになってほしい・・・!

はじめは、ただのハイスペヤリチンくんが外部受験(二人は何やらハイソな感じの共学私立高校?に通い男子寮に入っている)の優等生を気に入って手を出して、、という、ウブDKがヤリチンに翻弄される話だと思っていました。

が!

苑くんの境遇が、、くるしい。

たしかに恵まれた家庭で育っているんですが、幼いころ、パパが男性とセックスしているところを目撃してしまい、そこからママも自分もメンタルを崩して、、。

『パパが悪いよね!』で済む話ならば、ここまで苑くんが苦しむことにはならなかったかもしれない。サイテーな父親を反面教師に、生きていけばよかったかもしれない。

でも、苑くんは『自分も同性を好きになる可能性』に気づいてしまい、同時に『それを嫌悪し苦しむ母親』に執着され、、幼心に、『父親と同じになってはいけない』と自分に言い聞かせる。自分を“矯正”するために、何人もの女性と関係を持つ、、_(:3 」∠)_

寂しさからとか、ただセックスが好きとか、そんな理由ではなくて。自分が、母親を傷つけない、自分を失望させない自分であるために、、。

無論、相談相手もおらず、友人にも異性にもスペックで選ばれ、利用され、心をすり減らす苑くん。

そして、目の前に現れた矢野くん。キラキラした彼に惹かれる。自分をスペックで判断しない彼に惹かれる。でも、彼は同性で、彼を好きだということを受け入れることは、自分自身のこれまでを否定し、母親を裏切り、もしかすると、矢野くん自身をも不幸にすることで・・・!

好きだけど、好きになりたくない。
触りたいけど、触りたくない。溺れたくない。

そんな、ハイスペイケメンの葛藤が、ぎゅーーーーーーっとつめこまれた本です。天才?

作画も儚さを感じる、ストーリーにぴったりなもので。目を細める苑くんがせつなくてセクシーでたまりません。好き。

5

一葉だけの感想です

初めて三上志乃先生の作品を読んだのは「湯気のむこうに朝をみる」だったんですが、あちらも凄く良かったですがこちらの作品も負けないくらい面白かったです。

画力ももちろんですが構成力も素晴らしいものがありました。繊細でいて10代の瑞々しさと怒りと諦観を描いてて、苑の視線の動きに何度もゾクっとした色気を感じました。

ヘラヘラした奔放さの陰に隠した傷付いた心を誰もが気が付いていないのが凄く悲しかったです。そんな苑が真っ当な感覚を持った矢野に惹かれて行くのが必然に思えました。

正反対な2人が惹かれあってくっ付くというような単純なお話では無く、苑が何に怯えて何を忌避してるのかを知るととても可哀想に思うのです。

まだまだ親の庇護下で力の無い彼等がどんな困難に向かい、どんな道を歩いて行くのか凄く気になりました。これから二葉に進みたいと思います。

3

繊細な絵と重厚なストーリー!

初めての作家さんです。
とても丁寧に物語が進んでいくのと線が細く綺麗な絵でまた読みたいな…!と思いました。

苑くんが矢野くんを好きなんだろうというのは1話から伝わってきましたが、暫くは不即不離な関係が続き…苑くんの時折見せる表情にアレコレ予想しながら読みました。
にこにこしている時と目がマジな時の差が良かったです!
矢野くんと話して何かを感じたであろうハッとした顔も印象的でした。

後半になって苑くんのお父さんとの過去や矢野くんを意識していくまでの様子が明らかになり、彼が女の子と関係を持っていたのはトラウマの払拭と矢野くんへの想いを隠す為だったのだなと腑に落ちました。
本当にしたくてしてることじゃないから辛くてで切ないです。

我慢できず矢野くんに近づきすぎてしまうのも、そのあと距離を取ろうとするのも好きなんだなぁと伝わって来ました。無理やり自分の気持ちを押し殺しているのがク~~ッ!どうか報われてと思って読んだ上巻でした。

矢野くんは真面目な優等生だけど妹たちのことになるとキラキラした表情になるのがとてもかわいかったです…!
家族想いで表には出さないけど裏では血の滲む努力してるし自分の考えをしっかりと持っていて、、苑くん自身を見てない周りに対してはっきり物言うのにスカっとしました。そら惚れるわ…

繊細な絵柄に反して内容は結構がっつり色々かかれていたので良い意味でギャップがありました。続きが気になりながら下巻にいきます。

3

切ない…

↓ネタバレ含みます!

以前読んだ三上志乃先生の別作品が刺さり、連載中だったこちらの作品も単行本にまとまるのを楽しみに待っていました!
一葉、ニ葉という題名ですがこちらで綺麗に纏まっているので上下巻という感じです。二冊構成なので読み応えがあり、また同時発売なので気になるところでお預けにならないのがありがたかったです!


自分勝手な振る舞いを見せたと思ったら矢野の助けになることをしようとして、かと思ったらからかって。なんとなく察するものはありつつも、最初は苑の行動がよくわかりません。たまに見せる可愛い反応や何かを抱えている感じに引き込まれるキャラです。
一葉の後半から苑視点の回想が見れ、抱える苦しみや矢野への気持ちがわかります。苑の葛藤を考えると辛いです…帰省時の行動だったり部屋割り表だったりから滲み出る気持ちの感じが凄い好きです…。前半部分はどんな想いで矢野と接してたんだろうと読み返しました。

矢野は元気で良い子で真っ直ぐで、シスコンな所や方向音痴な所が可愛いです!頑張り屋で自分の意見をしっかり持ってるかっこよさもあります。ザ・光属性という感じなので頼むから苑を救ってくれ…!と思いながら一葉を読み終えました。

描き下ろしは2枝での苑視点の裏側です。3ページですがこれだけでも胸がギュッとなりました。


続きが気になる終わり方なので2巻同時発売で本当良かったです!ストーリーには関係ないですが巻数や話数の付け方がオシャレでめちゃめちゃ好きでした!

3

抑えきれない心の葛藤にグッと来る、大好きな作品!

もどかしくて、切なくて、どうしようもなく好きな気持ちが溢れてしまう、そんな思いがふんだんに描かれたた『ピットスポルム』、一葉、二葉続けて一気読みしてしまいます!
三上志乃先生が描かれるキャラクターの表情も大好き!心の揺れ動きに一緒に見ている側もキュンとなってしまいます!


本当の自分に蓋をして沸き上がる思いを隠しながらそれでも好きが溢れてしまう、小田島くんの心の葛藤が描かれた一葉。

お金持ちのヤリチンのイケメンで常に周りに人がいて、勉強しなくても常に学年一位、何で持っている小田島くんだけど、トラウマで唯一絶対に手に入れてはいけないもの、それが矢野くん…

自分とは真逆の世界にいる真面目で綺麗事を言う矢野くんの事を疎ましくさえ思ってただ見ていたけれど、矢野くんの言葉に救われ、気づいた時には、『可愛い、触れたい、自分の物にいたい』押さえれなくて暴走してしまいそうな感情が芽生え、苦悩する小田島くんの表情の変化にグッときます!ヤリチンになった理由もちゃんとあったのです。

そして矢野くん、もう大好きな受けちゃんですね!頑張り屋で一生懸命でまっすぐで、家族思いで純粋!
家族に電話をするシーンがあるのですが、可愛さと切なさで矢野くんの事をギューっと抱きしめてあげたくなっちゃいます!是非見ていただきたい、矢野くんの人柄が現れている素敵なシーンです!

小田島が抱えるトラウマにどう向き合っていくのか、矢野くんの動き出す思い、続きはニ葉です!!!

3

胸が痛いけど目が離せない

「一葉」が上巻、「二葉」が下巻になる続きものです。上下巻って書かれてないから困惑しますけど、なかなか粋な書き方で素敵ですね。


ピットスポルムを聞いたことが無かったので調べてみました。
切花とかでよく見る植物でした。フラワーアレンジメントにも使用されることもあるとか。
なぜこれがタイトルに?と思い、花言葉を調べてみると、「飛躍」「偏愛」「慈しみ」だそうです。それと名前の由来が、粘着質な種(くっつきむし)からきているともありました。

タイトルを付けた作者さまの思いは分からないですが、「ピットスポルム」の名に合った物語だと思いました。


この作品は上下巻ものなので、併せて読むことを激しくおすすめします。1巻だけでは物語の回収は全くできません。
とにかく切なくて苦しいシーンが多いです。
視点は矢野かと思いきや、小田島の視点も多い。…これがまた何とも言えないのです!

最初はチャラくて遊び人の小田島と寮が同室になって、矢野がはちゃめちゃに振り回されていくのかなー…って思っていたら、どうやら違う感じだぞ、ってなりまして…もうそこからはグイグイ引き込まれました。

小田島の心の闇というか枷というか、これが読んでいて苦しい。小田島は金持ちで頭も良くてスポーツも出来て完成な人間なんですが、その裏に秘めている矢野への想いは、見た目の陽キャとは全く違います。そのミスマッチなギャップが、こう…ゾクゾクっときます。
矢野への気持ちを隠すために、敢えて女子とセックスしまくったり、矢野に陽気に絡んできたりするのですが、それが痛々しいんです…

小田島の抱えているものが大きくて重すぎて、彼が素直に生きてこれない辛さや悲しみに胸がえぐれそうになりました。小田島は笑顔が多いけど、その笑顔の下では泣いているように見えちゃって…もう苦しいです(泣)


こんなに深い話だと思わず、手にとってしまったけど読んで良かったです。
女子とのセックスシーンがあるので地雷の方は注意して下さいね。そういうシーンも矢野への気持ちを押し隠すための行為なので、必要だと思うけど……やっぱあんまり見たくはないですね(◞‸◟)


早くこの胸の痛さを打破したいので、下巻が読みたくて堪らない!
小田島の心に明るい光が照らされる時が来るのを期待して、二葉の窓を開けに行ってきます。


4

仄暗くてどうしようもない感情が素晴らしい!

全寮制の高校に通うルームメイトでトラウマ持ちヤリチン君の小田島と努力型の天才・矢野君のお話です。

とにかく小田島の感情面の描写が読んでいてめちゃくちゃ引き込まれました。

ヤリチンで男子寮に女生徒を連れ込み性行為に耽る彼、そんな彼と同室になりその姿を目撃してしまった矢野君。

字面だけだとチャラすぎる最低男の小田島だけどとんでもないトラウマと矢野君に対する仄暗い恋慕が凄かったです。

彼のトラウマを考えると「クズ男」と断罪するのは忍びなくて…家でも学校でも何処にも休まる場所はなくて。

そんな彼にとって矢野君は唯一の聖域だったのかもしれません。

けれど望んでしまったら、手を伸ばしてしまったら…全て自分の中で終わらせようとしてもがく姿が本当に苦しくて切なかったです、、、

上巻にあたる「一葉」を読んでる時点ではこの二人どうにかなれるのか?ドキドキと心配が先行して結末が本当に気になってハラハラしました。

矢野君は基本努力家で凄く健気に頑張るいい子で嫌なところがひとつもない人物なんです。

でも小田島がどうしても気になって彼の気持ちに読者感情をどうしても寄せてしまいがちでした(笑)

あと、読むなら必ず「一葉」と下巻にあたる「二葉」を一気に読む事をおすすめします!

感想「二葉」に続きます

6

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