イラスト付き
小中先生のオメガバ設定が大好きなんです!!
男のみにアルファ、ベータ、オメガの第二性がある。男の中でオメガだけがアルファ男性との子供を孕める。そしてアルファとオメガの間に生まれる子供はほとんどが男で、アルファ性かオメガ性が多い。
逆にヘテロ夫婦の子供は、ベータか女が生まれることが多い。
ベータは女と、アルファはオメガと番になるのが一般的。それ以外の組み合わせは、法に反してるわけじゃないけど、周囲からは歓迎されない。
アルファ性優位の社会だから、アルファを産むオメガはとても貴重。だが、ヒートやアルファを惑わすという性質上、忌むべき者とされてもいる。
余程のことがない限りは、アルファの両親もオメガの両親もどっちも男性(アルファ×オメガ)ということ。
アルファのことを父、オメガを母っていう呼び方がめちゃくちゃ好き(男がママお母さん母上って呼ばれてるのが最高)なので、この部分も性癖をぶっ刺してくれて有難い。
色んなオメガバース作品を読む度に、既に妊娠できる女にバース性いらねーだろってモヤモヤしてたので、小中先生のこの設定は本当に素晴らしい。他の小中作品にも同じオメガバース設定の本があります。
受けアンジェリンが攻めヨハネスを避けてるメインで話が進むが、その発端となった事件を匂わせるだけ匂わせて、詳細を語るのを引っ張りまくるとこは少しモヤモヤしました。(めちゃくちゃ引っ張る)
設定、ストーリー、キャラクター全部神評価の最高の一冊です。
ただ、このイラストレーターの描くキャラの髪型が昭和臭すぎるのだけが残念。
あとがきの後の特別SSで、アンジェリンがつんつんしてた頃のヨハネス視点の過去話と、現在のイチャイチャ話があります!
アンジェはひっそり恋心抱いてたけど、ヨハネスはうんざりしてたって関係性がまさに私の好きな攻め受けのシチュで最高でした。
小中先生のオメガバースファンタジー。正直いくつか引っかかる点はありつつも…結論から言うと、良かった!
以下、内容に触れつつの感想です。
オメガバースものは運命に抗う方が好みなので、その点今作、二人が運命を乗り越えて愛情で結ばれていてグッと来ました。
受けのアンジェリンは勝ち気で生意気そうに見えるけれど健気で一途に攻めを想っていて、とても好きなキャラ◎
攻めに「子供だね」と言われ傷つきながらも、自らを省みて一生懸命努力し変わっていくことができる頑張り屋。
一方、王子である攻めのヨハネスは…初めはアンジェリンのことを「生意気なガキ」としてしか見ていなくて、高等部の時から好きになったと本人の独白があるのですが、そこのエピソードがもう少し欲しかった…どんな風に心境の変化があったのか、もう少し詳しく知りたかったかな。
あとその、これは小中先生の作品だけ、こちらの作品だけじゃないのですが。他の作品にも言えることなんですが。呼称についてどうしても引っかかってしまいまして。
妻、とか妃、とか、アンジェリンの母(オメガ男性:序盤にははっきり書かれてはおらず、後半に明記されています)とか、そういう呼び名になぜかこの作品では特に違和感を覚えてしまいました。
最初はアンジェリンの「母」が男性だって気づかなくて、ん?と混乱もして。”母”と出てきた後に”彼は”と出てきて、あれ、誤植かな?なんて想っちゃいました。
…ってこれは自分の読解力がないだけだとは思うんですが。。
男性が配偶者やパートナーになる場合は、オメガでも彼、夫、王配とかの呼び方ででいいんじゃないかなあ…
オメガに初めての発情が来るとお祝いをするというのも、女の子の生理が来た時にお赤飯を炊くみたいな感じがして、女性扱い的な感じが全体的に気になってしまいました。
もう私の好みドンピシャすぎて、読んでて怖くなってくるぐらい攻めも受けも大好きなやつでした。
攻めのヨハネスが人間くさくていいですね〜そんでアンジェに意地悪したり冷たい態度を取ったりしてしまう…
そんなヨハネスの態度に一喜一憂するアンジェがいじらしくって可愛いです。こう、自分の気持ちに素直になれない受け最高すぎる。大好き〜〜
オメガバースものによく出てくる運命の番。運命の番同士のお話も大大大好きですが、運命の番を超えた2人の話も大大大大好物です。
あと脇キャラの存在も良くって、特にアンジェのお母さんがいいですね。アンジェのとある時間の後の、お前は何も悪くないって言葉。普段は似てる故に喧嘩ばかりの2人だけどってシーンで、何だかジーンと来ました。
今年度読んできたオメガバースもので1番かも!いやーー最高!みんな読んでくれー!!!
攻・ヨハネス、α、次期国王(現・王子)
受・アンジェリン、Ω、公爵家三男、后候補
幼馴染でもあり、第二性発現前から周囲から結婚を匂わされてた2人。
中・高校あたりから恋心あり。両片思い状態。
2人とも身分が高く、政治的にも敵が多い家柄なため、本心を悟られないような人付き合いが普通になってしまっている。特にヨハネス。
2歳下のアンジェリンは、可愛いの。三男て感じ。色々あってツンツンしてるけど、頑張って虚勢張って、かわいいの。
アンジェリン視点で書かれているから、余計にアンジェリンに肩入れしてしまうし、何よりヨハネスが何考えてるのか、ほんとにわかりづらい。ヨハネス情報が少ないので、こちらも⁇と思いながら読む。
アンジェリンの親友、トマーシュとデニスが良い奴で救われる(読んでる私が)けど。
トマーシュの「殿下って、実はすごく馬鹿なのかな」に激しく同意。
ヨハネスは周りの出来事や人間については見えていて、人の気持ちにも敏いタイプなんだけど、自分の気持ちが相手にどう伝わっているかに関してだけは非常に鈍い。
すれ違いとか誤解と言うより、わかるわけないじゃんレベルで、そもそもコミュニケーションが無い。
短話で良いから、もう一本ヨハネス視点で書かれたものがあれば良かったかなぁ、と思う。
アンジェリンがとても好きな受けちゃんだったのと、トマーシュ&デニスが良かったのと、アンジェリンパパ&ママが良かったので、星4で。
ヨハネスが、ね。
せめて最後に爆エロヨハネスとかだったら、意外性で星5だったかも。
が。ヨハネスは最後までヨハネスでした。
あらすじを読んで面白そうだなあと惹かれたのです。
今作のメインキャラクターであるヨハネスとアンジェリン。
そのどちらにもあまり好感も愛着も持てないまま読み終えてしまって今に至ります。
じれじれもだもだは好みのはずなのですが、これはじれったさというレベルではなかったかな…と、しゅみじゃない寄りのこちらの評価になりました。
かつて、生まれた時からサフィール王国の王子・ヨハネスのお妃候補だったアンジェリン。彼に対して恋愛感情を持っていたようだけれど、何やら今はとても深く傷付いていて、そしてヨハネスに対して大層お怒りの様子。
しかしながら、その内容がさっぱり出て来ないんですよ。
怒りと深い傷心の理由が分からないまま読み進めるも、理由が分からないがゆえに盛り上がらず…
過去明かし・種明かしはされるものの、明かされるのが遅すぎてその頃にはすっかりダレてしまっていて。
果たしてこの作品は面白くなるのだろうか?と、途中で何度か読み進める手が止まりました。
理由が分からないアンジェリンの負の感情、ヨハネスの行動と言動足らずのせいで本心がどうしたって嘘くさく見えてしまう点、アンジェリンの幼さが残る無防備なお人好しさと意地っ張りっぷりを見せつけられてしまうと、作品に萌えたくてもなぜか萌えられない。
中学・高校時代のアンジェリンがヨハネスを想う、健気な淡い恋心はむずがゆくかわいらしいものだったのですけれど、そこまでヨハネスが素敵にも見えず…うーん。
攻め・受けの信頼出来る友人達とのやり取りは穏やかで心安らげましたが、疑問点やダレる部分が多く、今回はストーリー展開が合わなかったのかもしれません。