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旧版既読です。
主な変更点は、新規収録された「浜辺にて」と、新装版描き下ろしの「不変の想い」の追加といったところでしょうか。
こちらの2作…特に不変の想いは、作中でここはやや物足りないなあ…と感じていたものを補完してくれるとても素敵なエピソードでしたので、旧版既読の方もぜひ。
本編は星4、描き下ろし短編を含めてこちらの評価になりました。
架空の邪馬台国と卑弥呼を題材にしたファンタジー作と聞くと、詳しい知識がなければちょっととっつきにくそうなイメージがあるなんて方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、そこは主人公であるヤマトについていけば大丈夫。
問題なく彼らの生きざまを追いかけられるかと思います。
久しぶりに本編を読み返しましたが、何度読んでも圧倒的な画力に加え、練られた設定とヤマトとシキの一途な想いに心惹かれます。
人はもちろん、建物や装飾品など…細部まで丁寧に描かれていて本当に美しいんですよね。
そんなすばらしい世界観の中で、人でありながら人ならざる者・卑弥呼として生きねばならなかったシキと、誰よりもシキを信じ、行方が分からなくなっても強く想い続けるヤマトの心揺さぶる再会劇が繰り広げられていきます。
彼らの関係性の強さだけではなく、卑弥呼という存在の孤独や葛藤が見られる先代卑弥呼とシキの関係性もすごく良かったなあ。
ただ、うーん。
これはこれでまとまってはいるのだけれど、どうしても旧版を読んだ際にも感じた物足りなさは残ってしまいますね。
設定も登場人物も魅力的な作品なだけに、掘り下げがほしいポイントが片手では足りません。
それはなぜかというと、巻末記載の参考文献や設定資料の数々と本編を読めば読むほど、どう考えてもこの2人の物語はこんなにも小さく収まるわけがないと思えてならないからなのです。
きっと芹澤先生ももっと納得のいく形で彼らと彼らが暮らす世界を描ききりたかったのではないかなあ…と感じていたのですが、やはりさまざまなご事情があったとのことでした。
将来的にこちらのレーベルでじっくりと描き直す予定があるそうで、また2人のドラマを見られると聞いて本当にうれしいです。
芹澤先生が思い描く、彼らの新たな物語を楽しみにお待ちしております。
以前の「秘め婿」は読んでいましたが、今回新装版になって改めて読んだ部分と、加筆されている部分などでより魅力的な作品になったなと思いました。
幼なじみのシキが実は卑弥呼になっていた為に、卑弥呼に仕えて支えているヤマト。
卑弥呼の力は人と交われば消えてしまうので、消して恋仲になる事は出来ない関係なんですが、シキには民を守らなければならない重圧や夜は睡眠を取らなくても良い身体になっていて(ファンタジーな設定があります)神聖な身体であるけれどとても孤独な立場なんですよね。
清らかに過ごして神の声を聞かなれば民を救えないと悩む一方で献身的に支えてくれるヤマトへの思いで揺れるシキの顔がとても上手く表現されていました。
ある時、大陸への使節団の船に人柱として誰かを乗せなきゃならなくなり、生贄のような犠牲を出したくな卑弥呼にヤマトは俺を選べと言うんです。(船が無事なら全員で帰って来られるけど何かあればヤマトは生贄にされてしまいます)
本来なら神の声から人選するものなんですが、ヤマトが俺を選べとシキに進言したのも愛だし、神の声ではなくヤマトの言葉を信じてあげて船に乗せた卑弥呼も並々ならない愛の絆があったからだと思います。
神の声ではなく自分と自分の愛する人を信じて無事に再会を果たせた二人。
卑弥呼の特別な力がなくても、今までに沢山学んできた事やシキの空読みの知識があれば、民を救うには十分じゃないか?って意識が変わったシキ。このずっと神の声に頼らなければ不安だった意識から自分の愛する人を信じる力が自分の判断力の自信に繋がっていった心境の変化がエモかったです。
ラストはとても美しいイベントが用意されているのでそこは直接読んで欲しいのですが、新規収録部分では、オリジナルのラストで匂わせていた部分がきちんとした形になって二人の未来と、そして国のこれからの将来を二人で作っていこうという決意に繋がっているストーリーでとても納得出来るラストに繋がっていました。
弥生時代の衣装や背景、設定などとても良く描かれていて、卑弥呼の髪、ヤマトの刺青なども細かい所まで美しい作画でした。
旧版も紙本で読んでいました。
が、新装版には描き下ろしとコミックス未収録作。
かつ、虎さんでは有償特典に小冊子がつくとのことで即予約しました。(まりあげは、小冊子侍なので)
ざっくりあらすじを述べると、邪馬台国を舞台にした、幼なじみ再会BLです。
目の色が違う受け。
いつも邪険にされてきたそんな受けを、庇う攻め。
おかげで天涯孤独な受けは、攻めのおかげで淋しい思いをせずに済んでいたのだが、、、
ある日、受けは邪馬台国のお祭りに贄とされ、いなくなってしまう。
それ以来、攻めは受けが必ずどこかで生きていると信じ続けていたが、まさかの王「卑弥呼」として再会し、、、
というお話。
卑弥呼でいるには、純潔を保たなければならない。
けれど、前の王の言葉通り、神の力がなくとも国を築いていける時代へと移り変っており、また受けと攻めとが国を築いていくだろう余韻がとてもエモかったです。(読みながら、そう! そうだったよね! とシーンと情緒を確認していました)
そしてなんと言ってもこちらの作品の魅力は、美しい画。
旧版のときから感じていたのですが、圧巻の画力。
そして緻密な描き込みと、それ故に生まれた迫力。
素晴らしすぎて、改めて舐めるようにどのページもめくりました。
描き下ろしも、未収録版のストーリーもとても良く(ネタバレになってしまうので、ぜひ読んでみてくださいね←レビューとは??)、やはり買ってよかったと思いました。
個人的に、とらさんの有償特典の小冊子ネタも好きでした。
一瞬、あれ?? 違うマンガ読み始めたっけ?? ってなりますが、すぐに世界観が理解できて楽しめます♡
というか、こちらのパラレル設定のお話ももっと読みたかったです。
今回、新装版を出してくださって本当にありがとうございました! のお気持ちしかありませんでした。嬉
新装版は旧版にはなかった描き下ろしも加わり、設定資料も増えている〜!
大切な幼馴染のシキを祭りの贄にされ失ったヤマト。生きていると信じて過ごしていたある日、森で再会したシキは女王卑弥呼となっていて…。
荒んだ生活を改めシキの傍にいるため宮中へ入るヤマト。クニを守るため巫女としての役割を全うしようとするシキとの、離れていてもずっと変わらぬお互いへの想いがそれはもう尊くて切なくて。
シキを守り抜こうとするヤマトと、力を捨て共に生きる道を選ぶシキが愛おしすぎる。読めて本当に嬉しい。これ以上の続編はもうないのだろうか?
旧版未読で、こちらの新装版・紙本を拝読しました。
芹澤知先生の画力が…もういかんなく発揮されています。圧倒的”美”の世界。
どのページを見ても美しく、ため息が出てしまう…
表情・衣装・背景風景、全てが本当に美しいです。
幼い頃に「力を受け継ぐ者」として村から引き離され、人でもなく神でもない
存在・”卑弥呼”となったシキ(受)。
生き別れていた幼馴染・ヤマト(攻)と再会を果たし宮中で共に過ごすようになるも、
人ならざる者としての力を保つためには純潔であらねばならず、
想い合う二人が肌を重ねることは許されなくてー
と続きます。
死んだものとされていたシキのことを10年間も想い続け、「生きている」と信じて
疑わなかったヤマトの想いの強さ・大きさにグッとくる。
で、実は一度読んだ際にどうも”卑弥呼”としてクニに自らを捧げる覚悟を決めたシキが
、ヤマトと添い遂げたいがためにぐらぐら揺れ動いているように思えて、
モヤっとしていたんですね。。
でもあらためてもう一度じっくり読み返してみると、、、
クニを守るという責務、守りたいと思う気持ち。
一方で、もう一人にはなりたくないという孤独を恐れる心・ヤマトと離れたくないという渇望もある。
そんな気持ちの間で揺れ動き、葛藤する姿が見えて来て、
決してやすやすと誘惑に流されたわけじゃないんだな、と納得。
ただ、最後に二人が一線を越える部分は、そのタイミングで本当に良かったの…?という疑問はチラリと残ってしまったかも。。
魏の国に女王として認められたからといって、
すぐに”神の力に頼らない国”として降臨できるのだろうか?
周囲の反発はいかほどのものか、など色々気になるところ・詳細が語られず、
もやっと感が残ってしまう部分もありました。
魏の国に向かったヤマトの旅路、迎えられた魏の国での出来事なんかも、
きっちり追って読みたかったなー…という気はします。
…などとつらつら書いてしまいましたが。。
幼馴染×生き別れ×再会×和!と心が滾る要素たっぷり、
決して結ばれてはならない二人が運命に抗おうとする勇ましい姿に
ぐっと胸打たれる、美麗なファンタジー。
”設定資料”の詳細ページの隅々まで、まるっとたっぷり世界観に浸って楽しめる一冊でした✨