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10

ぼくのブルーキャット

My Dear Blue Cat

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表題作ぼくのブルーキャット

当真 臣
ピアノ調律師
御崎依鈴
ピアニスト

その他の収録作品

  • Bonus Track

あらすじ

僕には、この手をとる資格があるのだろうか?

恋心と贖罪に揺れるドラマティック・ラブストーリー

「僕はあの日 ピアノを選んだんだ」

天才ピアニストとして国内に名を馳せる依鈴(いすず)は、充分な実力があるのに海外での活動実績はいまだゼロ。
理由は、幼なじみの当真(とうま)とどうしても離れることができずにいるから…。
当真の右手にある痛ましい傷痕は、彼がかつて奏でた猫と戯れるような弾む音色を奪ってしまった。
その原因をつくったのは自分だと、依鈴は今でも”あのとき”のことを後悔していてーー。

好きなのに、罪悪感が邪魔をする。一歩踏み出せない二人のビタースイート・ラブ。

作品情報

作品名
ぼくのブルーキャット
著者
井波エン 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784396786137

ちるちる評価ランキング

10

4.6

(104)

(80)

萌々

(16)

(4)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
479
評価数
104
平均
4.6 / 5
神率
76.9%

レビュー投稿数15

読んで損なし。心に染みるエモーショナルな一冊。

素晴らしい…!
美しい表紙から伝わってくる通り、とても繊細で情感豊かな作品でした。読んで損はありません。とても内容も濃くて練り上げられた一冊だと思いました。

こちらの表紙、夜明けの海と受けが印象的ですが、裏表紙の攻めもめっちゃいい。見てくれ。

攻めと受けが罪悪感で繋がっている関係って基本的には好まないのですが、2人のお互いへの想いが純粋であり焦れったくもあり…付かず離れずな関係性と恋愛感情に珍しくドキドキしてしまいました。

2人の別離のシーンは美しく、関係性としても一回2人が離れるところが良かったです。あと結局離れられないところも。

ひとつひとつの場面や展開を思い浮かべては感想を言いたいのですが、細かいところまで丁寧に表現されていてとても追いつきません。作者様のこだわりを感じます。逆にピアノの演奏シーンはダイナミックに表現されていて、とても素敵でした。

ピアノを選んだ受けからこれが最後だと言われるのを躱そうとする攻めも、
最後攻めの目に浮かんだ涙も、
のらりくらりとしてて本音が読めないタイプの攻めの感情が伝わってきて、すごく心に刺さりました。

受けも美しくて強気で、でも弱くて…攻めがそばにいてくれることが支えになっているのがエモくて最高ですね。ちょっとツンとしてるのに表情も豊かで可愛いんだよなあ。

ラブラブの甘いところ、もっと読みたくなる2人でした。
心に染みるエモーショナルな一冊。ありがとうございました。

0

なくてはならない存在

カバー絵が最高に美しくて惹かれました。
当真と、依鈴、2人とも麗しいビジュで、さらにストーリー展開も素晴らしく、読後感最高でした。


当真の「すずがピアノを弾いてくれていたらいい、俺の近くで」という言葉。
前半で出てきたこの言葉が最初から最後まで変わらない当真の気持ちだったんだろうなと。。
すずのピアノの腕を認め、いつもそばにいた当真。
おそらく当真のために、海外への挑戦をしないすず。
巡の言葉で、動き出す。
すずに好きだと告白しつつ、鈴の元を離れる当真が切ない。


お互いが相手を大切に思うが故に、がんじがらめになっている2人が切なかった。
2人が保っていたバランスが崩れる。

全てを捨てて守ってくれた当真への罪悪感は、ピアノを弾き続けることででしか消えない。
当真はすずの精神安定剤みたいに、そばにいるだけで安心できる人。
もっとあまあまな2人も見てみたかったです。

ほこりが可愛くて、癒されました❤︎

素敵な作品をありがとうございました。

0

心に音が流れ込む

表紙の美しさ!水彩画のような透明感
この絵だけで胸がキューっとなります。
タイトルは幸せの青い鳥のような?
誰がブルーキャットなのか
以下ネタバレ含みます


美しく湿度を感じる作画。
音が水の絵に描かれ流れて伝わるようです。
そして寂しさを感じる暗さもあり
読み進めているうちに理由がわかってきます。

当真、弟の巡くん、ピアノの先生の佐伯先生、
皆依鈴を愛していて、よくをみてる。
お父さんもそういう意味ではちゃんとみてるので、みんなが依鈴を見守っています。
何が依鈴を葛藤させているのか。
「良い調律師はごまんといる」
依鈴といる時の当真は笑顔ですが
離れている時の寂しげな表情、
煙草を吸うシーンは本当にたまらなかった。
当真が依鈴のために自分が離れるという選択を差し出すのがとても切なかったです。

自分が中々読み進められなかったのは
きちんと途中で注意書きされていたためです。
なんて真摯な注意事項なんでしょう⋯。
わりと読んでしまってからショックを受けることが多いので、とてもありがたいです。
しかし改めて書かれるとこうも覚悟がいるものなんだなあと思いました。

当真がひけなくなってしまった理由がわかります。
依鈴の当真への罪悪感。つらい⋯。
それでも選ぶピアノ。
当真の愛情の深さに触れ、依鈴が吹っ切れて演奏笑顔で出来た時⋯泣きました。
よ゙がっだ⋯(泣)

「ここは僕の河岸なのに」当真は依鈴の憩いとわかります。
別れだと思う当真の涙を拭い、「この手もはなさない」と告げる依鈴。
傷が絆というには辛すぎるけれど。
依鈴の手と心と音が癒してくれることを願います。
この当真の傷ついた手と依鈴が包んだ手が、表紙の手と重なります。

猫のキス⋯!可愛い。当真にとって依鈴がブルーキャットなのですね。
結ばれたであろう情景は少なく
それも作風にとてもあっていて素敵でした。
当真の奏でる音も雫で表現されます。
音が聴こえてきそうです。
一緒に伴奏するシーンでまた泣く⋯可愛い二人の背中。

最初の方と違い、差し込む朝陽が暖かそうに描かれています。
作品の中の光と影の情景に心が捉えられました。
本当に美しかった⋯。
BONUSTRACKでは当真が猫に。
互いがかけがえないブルーキャットなのでした。

この二人のこれからを、この作風のまましっとりと読みたいです‥!
二人が寄り添って歩いていくところを見守りたい。
読み終えたあとすっかり自分も見守り隊の一員となってました。

3

No Title

あー胸熱です。
井波エン先生の作品は前作も含め、過去に影があり暗さを抱えた男の子たちの描写が抜群に上手いです。
物語に引き込まれますね。
もっと肉体的な絡みがあったらよかったなぁとおねだりしてしまいそうです。

4

すべてが臨場感溢れる一冊!!

ブルーキャットとは、幸せの象徴だそうです。

知らなかったな、、
ということで、最初から不穏なご様子のこちらの作品。
才能あるのに、ピアノのコンクールに出ようとしないピアニストで主人公の依鈴と、その幼なじみで調律師の当真とのお話です。

過去、依鈴の身にとあることが起こり、そのせいで当真は手に傷を負ってピアノをやめてしまいます。
そして、依鈴と傍にいるために、調律師としての新たなる人生を選んだ当真。

個人的に、まずこの歪な主役cpの設定が大好物でした。
もう、この、どう頑張っても対等にはなれない、後々までふたりの間に禍根を残すような切なさ設定に、ギュンとしました。

当真は罪悪感を持ってほしくなくて、依鈴には好きにしてほしいと思っているし、
依鈴は罪悪感から当真の傍から離れたくないと、海外へ行くことを拒否しているし、、


平行線をたどる、もだもだなやりとりに、どう決着つけるのか。
また、ブルーキャットはどう微笑むのか。


繊細なふたりだからこその、途中の当真の決断にショックを受けつつ、
過去のふたりの関係が対等ではなくなってしまったあの男も制裁を受け、
たどりついたというか、依鈴が覚悟を決めた幸せに祝福が訪れたラストには震えました!!
いや、本当のラスト、ふたりでピアノ弾くシーンは、絶対あるだろうと分かっていても、実際見たら感慨深くて胸が熱くなりました。

そう、こういうの待ってた!!
という、作品でした。



それにしても、海辺のあの告白からのあの決断は、こちらまでヒヤリとしましたし、潮の香りと冷たさが伝わってくるような臨場感溢れる場面で、ドラマで観てみたいです。




また個人的に、依鈴の弟の喋り方が大好きで、ほこりにまで敬意払ってる接し方が可愛くて、
ほこりと依鈴弟との、ほのぼのSSが読みたくなりました✧


先生があとがきで、音を絵で描くために探り続けた日々とありましたが、
ラストのコンクールの場面、また冒頭の音が聴こえる、という場面では、
本当に音が生きているようで、こちらまで音の洪水に惹き込まれました。



カバーも、カバー下の譜面のお表紙も、あらすじが書かれた帯も、作家様を始めとした、デザインされた方や編集部様すべてセンスの塊すぎて、最上級にオシャレな一冊だったように思います。

4

【こんなふうに、一緒にピアノを弾いていられたらそれでいいのに(依鈴)】


エロス度★

おやおや。ピアノとふたりが奏でる恋模様が繊細で切なくてとても刺さりますね。

当真と依鈴が紡ぐ恋物語で、恋心と贖罪に揺れる心情描写・ストーリーがドラマティック。

とある理由から当真の傍を離れられない依鈴の想い・罪悪感。
ただ一緒にピアノを弾いていられたらそれだけでいいのに天才ピアニストとしての肩書きがそれを許さないことや自分のために全てを手放してくれた当真とは反対にピアノを選び手放せない切なさが刺さります。

依鈴の猫のような美人なキャラや当真の包容力、さらに依鈴のための当真の選択などがたまりません。

6

高め合える関係って素敵

装丁があまりにも綺麗で思わず手に取った作品です。
(手触りもすごく好き)
色合いはちょっぴり物悲しげなんですが、
それぞれの表情からはふたりの間にある温かな繋がりが伝わってくる、そのコントラストが美しい…。
そして中の表紙には物語に関わる楽譜があって、細部までのこだわりを感じることができました。

調律師とピアニストという関係であり、昔からの友達でもある当真とすず。
でもお互いに"友達"以上の熱をこめた瞳で相手を見ていて、どのキッカケでその関係性が変わるのかとドキドキしていましたが…
ふたりに訪れるのは甘い変化ではなく、苦しい過去が絡まったすれ違いでした。
同じ気持ちでいるのは明らかなのに、
過去に阻まれて真っ直ぐに伝え合うこともできないなんて。
何かを選ぶために離ればなれにならなければならいのが本当に切なかったです。

でもその不器用なすれ違いの日々があったことでピアニストとしてのすずは大きく成長し、
ふたりそれぞれの意識が変わるキッカケにもなっていたので読み手としても救われた気持ちでした。
回想シーンはかなり胸クソで、その後もすっごくハラハラしたけれど。
お互いに本心を明かしずっと胸にわだかまっていたモノをようやく手放すことができて、
ふたり揃って前を向くことができる結末になってくれて本当に良かったです…!

彼らを結びつけた「ピアノ」はしっかりとストーリーの真ん中にありつつ、そこに絡めたふたりの想いを知ることができたのが良かったです。
井波先生の繊細な絵柄にマッチしたとても素敵なお話でした。

4

しっとりと切なくも美しいラブストーリー

初読み作家様。
クラシック音楽やピアニストを描いた作品が好きです。本作も試し読みで素敵な導入に惹かれたので読んでみました。全240ページ。以下少々ネタバレあります。

依鈴(いすず・受)は才能あるピアニストだが、友人の当真(とうま・攻)が関わるある事情から、海外での活動ができずにいて…というお話。

まずは作画ですが、2冊目のコミックスのようですが緻密で美しいですね。本作のしっとりとした世界観ととてもマッチしています。
依鈴がえらい美人さんだなと思ったら、作家インタビューによるとハーフでした、なるほど。

依鈴と当真は高校時代からの友人で、お互いそれ以上の気持ちがあるのに、先に進めないでいる。それには過去のある出来事が影響していて…。
その出来事によって、依鈴は当真に罪悪感があり側を離れられず、海外で活動することができない…。
そんな込み入った二人の関係性を、とても丁寧に描いていきます。

過去の当真の弾くピアノをとても好きだった依鈴が、自分が原因でピアノを弾けなくさせてしまったというのは、とてもつらい状況だろうなと胸が痛みました…。

一見平和だけど停滞していた二人の状況が、依鈴の弟・巡の行動によって変化する。
海辺で当真が依鈴にあることを伝えるシーンが、切なくも美しいです。

過去の事件についてちょっと?と思ったのが、依鈴がされたことは、学校側にも報告しないで当真が退学したってことなんですよね。いくら周りの目が気になるとはいえ、学校にも報告しないのはどうなのと思った。当真が不憫すぎる…。しかも逆恨みまでしてきて、とにかくこの元教師がクズすぎて大変胸が悪くなりました…。

どんなにつらいことが起きてもピアノを手放せない依鈴。当真はそんな依鈴だからこそ好きなんだろうなぁ。

最後のコンクールの演奏シーンは、描写がとても素敵でした。そしてバルトークの曲を聴きながら読んでみたら、再びピアノを弾きたい気持ちを取り戻した、一皮剥けた依鈴にぴったりな曲調で、心地よい高揚感が得られました。

最後当真に「この手もはなさない」と力強く伝える依鈴は、男前でかっこよかった!涙する当真も幸せそう…。

過去の不幸な出来事により、心が傷つき、関係が停滞してしまった二人の切ない恋が描かれる、美しい作品でした。

演奏シーンの描写もとても綺麗なんですが、後書きによるとそれぞれの演奏に当てた楽曲があるとのこと。ぜひどんな曲なのか知りたいなと思いました。Xとかで公開してくれないかなぁw

あと当真の飼い猫のほこりちゃんが、すご〜く可愛いくて動きがリアルで、先生の猫愛を感じました♡

しっとりした切ないラブストーリーをお求めの方に、ぜひおすすめしたい良作でした。

⚠︎注意⚠︎
作中でもしっかり注意喚起されますが、未成年への性的加害を示唆するシーンがあります。苦手な方はご注意ください。

電子 修正箇所なし(濡れ場は回想で3コマほど)

6

美しくエモい世界

まず、表紙の美しさ大賞です。
あまりの美しさに購入。
こちらの先生は前作「サヨナラだった良かったのに」も、美しく魅力的な絵とキャラで悶えさせて下さいましたが、今回も表紙の美しい世界そのままに、ピアノの音が聴こえてくるような表現力と想い合う美男子の切なさと可愛さを堪能させて頂きました。

3

近くて遠い幼馴染。「音」を目で感じる物語

とても、とても良かった…
切なくも美しく、聴こえなくとも「音」を目で感じることのできる物語でした。

裏表紙と美しく繋がる表紙のデザインに惹かれ、
先生のインタビュー記事を拝読してから
こちらの作品も拝読しました。

見れば見るほど、表紙が美しくてため息が…!
裏表紙には依鈴(受)が手を繋いだ先にいる人、
明るく微笑みかける臣(攻)が写っています。

そしてカバー下には、二人の関係を大きく変えるきっかけとなった
物語のキーとなる曲の楽譜が。

調律師×ピアニストの幼馴染の物語。
高校時代の性被害(未遂)と、その事件の際
手に怪我を負ってしまった攻めに対する罪悪感、後悔…

そんな攻めのそばに居続けたい気持ちが
(罪悪感と、大好きだと言う気持ちと)、
ピアノで世界へと羽ばたくことを妨げるー

互いの気持ちは丸わかりなのに、事件をきっかけに
素直に表へは出せなくなってしまった好意、
それがなんとももどかしく、切ない気持ちにさせられました( ; ; )

そんな中!
臣(攻)の飼い猫・ほこりちゃんの存在が、
物語の中に暖かさを加えてくれていてとても良いっ◎


そして。こちら色々な方がレビューで書かれていますが
作画がなんといっても本当に美しくて素晴らしい...!

特に終盤のクライマックス、オーケストラと共に
依鈴がピアノを演奏する場面、弾ける水の表現と共に描かれるページ全体から
”音”が流れ出すような演出に、最高に痺れました。

文字抑えめの静かでエモーショナルな描かれ方も、
とてもとても好きでした。(語彙力...)

作中、事件が起きた後のコンクールでいよいよすずの番…
となった際に当真の言う
「行っておいで 俺のピアニスト」

この言葉に呼応するかのようなタイトル
「ぼくのブルーキャット」がまた、素敵...

猫のように軽やかに弾けてピアノを弾いていた臣を、
すず(受)視点で表現した愛の言葉だなあ。。と。
「ブルー」は青春のブルー、なのかな。

猫のようにじゃれ合うふたりの姿に、愛おしさが込み上げてきて
たまらない気持ちにさせられる物語でした

終盤、二人の友人・せりなの言うセリフがまた
臣の気持ちを代弁していて、響きます

彼女の言うとおり、すずにとって重いものとなった
「臣の手の傷」こそが、臣にとっては手の届かない存在だったすずの
”そばにいられる”理由になったんですよね...

描き下ろし、そんな二人の控えめながら色っぽい濡れ場描写にドキドキ。
(素股でした)

緩やかに動き出した二人の関係性、流れる空気感が
とても心地よい、エモーショナルなお話でした。


★修正:なし(キスと素股まで)電子シーモア・紙
コミコミさん特典のアクコ、猫のほこりも入った三人の絵柄が可愛すぎますฅ^•ω•^ฅ

2

秋めいたこの時期にフィットする、傷も絆の極上セレナーデが胸に響きます(*˘︶˘*).。.:*♪

インタビュー記事を拝見して読んでみたくなりました!!

当真(攻め)と依鈴(受け)
ピアノを軸に紡がれ、奏でられる2人のセレナーデですね(ღˇ◡ˇ*)♪

作品トーンは切なさベースではありますが、お涙頂戴的なものではなく、しっかり登場人物達それぞれ(メイン2人以外も含めて!)の感情が理に適っていて、とても読み応えのあるヒューマンドラマの一面も楽しめます!

その上で重苦しくならないようなリズム感のある展開や台詞回しが素晴らしく、今のような秋めいた時期にとてもフィットする1冊だと思います(´ ˘ `*)

若い才能を前にしたプロ意識の高い大人達の甘いだけではないアプローチにはすごく痺れました…!!
親子であったり師弟関係であったりしがらみもあるけれど、同じ音楽を愛する表現者としての接し方、すごく信用できる人達でした

当真サイドの友人も素直で人を大事に想うカタチの選択肢の幅をしっかり示してくれているのもとても良かった…!!
こういう風に人の中で起こる様々な感情を偏らずに掬い上げて、1つの作品の中に落とし込める作者さまの豊かな感情描写にすごく感銘を受けました(ღ˘͈︶˘͈ღ)←作者さま自身がこういう柔軟なマインドを持っていらっしゃるからこそ、こんなに嫌味がなく多角度的な感情を扱えてると思うのですよね~✧すごく心象描写に説得力を感じます‼

漫画の為の登場人物ではなく、彼らが居るから物語が動いてる
そんな風に作品を読ませて下さる作家さまだと思います!
今回初めて拝読した作家さまですが、2冊目のコミックスのようですね
絶対に今後の作品も追わせていただきたいと思います .゚(→ε←*)゚ .゚

あと、、、べらぼうに作画が好き過ぎる…(o→ܫ←o)♫
キャラのビジュアル最高だし、大事なキーアイテムになるピアノを始め小物や背景なども描き込みがしっかりあって、作画で伝わる部分がめちゃありました♡
そして何と言っても”ほこりちゃん”(当真家の飼い猫さま)が非常にねこねこしくってw癒し過ぎてもぉメロメロでした~~~ฅ(ↀᴥↀ)ฅゴロニャン♡

肝心の恋のお話しは、、、静かにでも強く!お互いを大事に想い続けてるのが多くは語らないながらも要所要所でキメテ下さるのですごく応援したくなる2人でした♡

何十年か経った時に、あの縁側で2人が寄り添ってる姿が目に浮かぶようですし、もしかしたらドナウ河の流れを辿って2人で演奏旅行してるかも知れませんね(ღ˘͈︶˘͈ღ)
そんな未来を信じられる2人のお話し、とても素敵でした♡

濡れ場と修正|修正は不要な濡れ場です(本編朝チュンで実際は描き下ろしで素股である事が判明wかわいい)

⚠10代に理不尽に手を出す制裁必須なキャラ、居ります⚠
└井波エン先生がこの描写を入れ込む事にすごく配慮されてる事が伝わり、そんなお人柄にもとても敬服いたしました…!
でも、苦手な方は注意して下さいね

6

Ende gut, alles gut.

タイトルをどうしようかなぁと余韻に浸りながらレビューを書いています。

「罪悪感でゆるくお互いを縛るような不器用な愛」であった二人が周囲の働きかけで一歩踏み出し、救済されていくような素敵な作品です。

(注)途中、性的被害の表現があるので読み進める上での注意書きがあります。

天才ピアニストである依鈴はテクニックは十分だが楽譜を正確に追うだけになっていた日々、高校で当真に出会い、活き活きと楽しくピアノを弾く当真に惹かれ、家に通うようになる。当真もピアノを依鈴に教えてもらうようになり親密になっていく二人。そんな時、高校教師にイタズラされる依鈴。
当真は教師を殴り退学してしまいます。ピアノが弾けなくなってしまった右手を抱えて。

それでもピアノを選ぶ二人。当真は調律師になり、依鈴はそのまま音大(?)へ。
けれどもどこか常に罪悪感を抱えていて、自由に海外へ羽ばたけずにいる依鈴。
マエストロである実父や師匠からはコンクールに出たり留学するようにすすめられるも、当真のことがあるから、一歩踏み出せない。
そんな状況を打開すべく動いたのが、依鈴の弟、巡くん。
兄の才能に嫉妬するわけでもなく純粋に兄を思い、当真に詰め寄ります。

一旦は離れた当真と依鈴ですが、コンクールで賞をとるための肝として選んだ曲が、高校時代、当真との楽しかった日々を過ごした時に出会った曲であり、高校教師にイタズラされるきっかけともなった曲、
バルトークピアノ協奏曲第3番なんですよね。
これを乗り越えられるかが鍵でした。

脱線しますが、バルトークのこの曲を先生が選ばれた理由についても深く考えさせられます。
ハンガリー出身のバルトークが、政情不安からアメリカに移住し、順風満帆とはいかなかったアメリカ生活において、最後に、1945年に作曲した曲なのです。
逆境に負けず、生き抜いたバルトークに思いを馳せます。

最後に依鈴の父がカレンに言った「Ende gut, alles gut.」(意味;終わりよければ全てよし)にジーンとします。

映画やドラマを見ているように素敵で丁寧な描写、そして緻密に練られたストーリーと音楽に対するリサーチが素晴らしくて素人の私も(娘がピアノを習っている程度です)惹き込まれる素晴らしい作品でした。

前作も素晴らしかったのですがそれを超えてくる名作でした!

8

音楽が聴こえてきそう

初読みの先生でした。前情報無しに読んだのですが、とにかく絵がとても美しく綺麗で全ページ見入ってしまいました。キャラクターはもちろん、ピアノや背景に至る細部まで描き込まれていて素晴らしかったです。

ストーリー途中で突然あとがきが入り、その後の展開への注意喚起があります。読者への配慮が感じられていいな、と思ったものの、やっと物語の中に入って行けそうになったタイミングでの急な現実への引き戻しに驚きました。
いわゆる"地雷"が多い内容なだけに注意喚起する方がいいとは思いますが個人的には無くてもよかったです。

高校の同級生で現在調律師の臣と天才ピアニストの依鈴(すず)のお話。お互いの距離感や表情、話す内容がすごくお互いに(恋愛として)好きというのが伝わって来る2人なのに、どうして臣はピアノを弾けないのか、なぜ依鈴はコンクールを蹴ってばかりいるのか色んな謎に包まれながら話が進んでいきます。
前述した注意喚起が登場してから2人の過去が明らかに。依鈴が罪悪感に駆られながらそれでもピアノから離れられない気持ち、そして臣とも離れたくない気持ちが伝わってきて胸がギュッなりました。
ラストの演奏は2人が叶えたくても叶えられなかったものが表現され本当に演奏されているように美しかったです。

本編キスのみ。
描き下ろしは2人の初夜(致してない)お話♡
ほこりが可愛すぎた〜!!

3

しっとりとした想いが沁みるエモーショナルな一冊

このお話を描くのにどれだけ設定やバックボーンに力を入れたのだろうかと驚きました。

ピアノや音楽の専門性にしっかりとアプローチしていることによってよりストーリーが深く沁みる読後感でした。
私は音楽にもピアノにも造詣が深くありませんが、物語の世界に深く没入してしまう重みが心地よかったです。ピアノへの愛とか情熱とか、2人のBLを語るのに欠かせない大事な絆の部分がものすごく丁寧に描かれているストーリーが素晴らしかったです!

絵の儚げな雰囲気、物語の切ないテイスト、陰りのある2人のキャラクター性、全てが良い相乗効果を生んでいて、ため息の出るようなエモさがグッときます。
近い距離にいるのに、心はどこか遠くにあるような2人の独特の距離感にはしんみり……。罪悪感によって繋がっているような2人だけど、実はそうじゃない。"そうじゃない"ところを早くオープンにして、心から結ばれてくれよと願いながら2人の恋愛模様を見届けました。

当真には弟が、依鈴には父弟に加えてその道の重鎮たちがどしっと脇を固めるキャスティングがとにかく圧。2人の関係を邪魔するようなしないような……ピアノの道も恋愛の道もハードルが高いのがやるせません。
足踏み状態にある依鈴が今の状況を抜け出せるか否か。当真の存在が依鈴の足枷になっているのかどうかも含め、当真と依鈴の関係から目が離せない恋愛模様でした。
依鈴が出す決断は?当真との向き合い方は?また、当真の依鈴への想いは?などなど、どんな着地点になるのか最後まで見届けて下さいね^ ^

2人でピアノの鍵盤に向き合う最後のシーンは、ジンとくる感動のワンシーン。美しい音色が聞こえてきそうな絵画のような一枚が素敵でした。
2人の輝かしい未来に期待しています♪
(できることなら2人のその後をぜひ!)

5

ぼくのブルーキャット

絵がとにかく美しくて映画のようでした
ストーリーも繊細で痛くて切なくて、けどほんの少しの温かさが愛おしいそんなお話

ピアノの音が聞こえてきそうな空気感のある作品だと思います
途中、キツイ描写がありました

最初のほのぼのとした自覚ありの両片思いはとても深くて切なかったです
あと、出てくるキャラクターがみんないろんな愛し方をしているのが趣深い

すごく読み応えのあるお話

受けから攻めへの矢印が大きい印象ですが、ラストの女の子のセリフがとても重たくて好きです

すごく満足度の高い一冊でした
前作がお好きな方は今作もハマると思います

6

この作品が収納されている本棚

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