愛か憎しみか――。手に入れたはずなのに、お前も未来も、何も見えない…

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表題作凍る月 ~七色の攻防~

梁井轟,獣人
鳳光陽,餌で恋人

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

生まれつき特異体質である鳳光陽は、同じ境遇である梁井轟と「契約」を交わしている。特異体質の人間は、契約相手がいないとひとりでは生きて行けず、そのお互いに生まれる「絆」が、時に独占欲や嫉妬に変わり、同族を傷つける。そんな同族同士の妖しい人間関係のもつれに、梁井と光陽は巻き込まれようとしていた。激しく絡まった幾人もの憎悪や愛情は、誰が正しくて間違っているのか分からない。
人一倍、独占欲の強い梁井は、光陽を奪われまいと、誰も傷ついて欲しくないと訴える光陽を置いて、自ら罠に飛び込むが……。

作品情報

作品名
凍る月 ~七色の攻防~
著者
夜光花 
イラスト
高橋悠 
媒体
小説
出版社
竹書房
レーベル
ラヴァーズ文庫
シリーズ
凍る月~漆黒の情人~
発売日
ISBN
9784812444696
4.1

(36)

(17)

萌々

(11)

(7)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
7
得点
150
評価数
36
平均
4.1 / 5
神率
47.2%

レビュー投稿数7

いよいよ…

『銀月夜』に続く『凍る月』シリーズ7作目です。
前作と少し重なっている部分もありますが、今回メインとなっている梁井と光陽サイドから読めるのも興味深いです。
前作では書かれていなかったシーンもあり、「おっ!」と思いました。
梁井と光陽がメインにはなっていますが、前回メインだった銀と佐倉、獣人の組織のトップの須王や巴、光陽の幼馴染で獣人の亨、組織のトップメンバー達が勢ぞろいしています。
銀が組織に対して大々的な反抗を企んでいるので、ストーリーはかなり暗雲立ち込めている雰囲気ですが、懐かしい面々に再会出来たのは嬉しかったです。
前巻よりも更に血なまぐさいシーンが多くなってますので、苦手な方はご注意を。
梁井と光陽の相変わらずラブラブな様子に一時の安らぎを与えられました。

0

拡がった(風呂敷が)

話もいよいよ佳境感が随所から溢れてきます。このシリーズ、スピンオフも本編と分けずに素直に数える方が絶対にいい。スピンオフといっても「番外編」というわけではなく、視点を変えて大筋のストーリーが進む…というつくりですので。

さて、キャラクターも出揃って、対「組織」(作者様も書いてらっしゃいましたが、結局組織の名前は分からないまま…)との闘いかと思いきや、むしろ政府? 国? との闘いに? いったいどういう風に話が決着するのでしょう…なんて風に思いながら読むので、ラブシーンに「え? いま盛ってる場合? 気持ちは分かるけどさぁ。」なんて思いかけて、「あ、でもそういえば、これBLだし」と思い直したりしてね。

それにしても、どんな場面でもブレない光陽くんのホンワカ脳加減は、もう「危機感薄い」なんてレベルではない何かを感じます。ここまで突き抜けていると、解決の鍵は「光陽くんの天使力」なのかもしれませんね。
やはり続きが気になるので、次巻を用意してから読むことをオススメします。

0

佳境です!

『凍る月シリーズ』四冊目です。
三冊目で本格的に組織のトップ、須王が登場していました。
この巻は、『凍る月ー灰色の衝動ー』で登場した銀が主人公になったスピンオフ『銀月夜』の内容を光陽たちサイドからなぞる形なので、そちらを先に読まれてからがオススメです。


シリーズ本編は受けが光陽、攻めが梁井。
これは変わりません。
梁井は獣人の組織に属さず、普通の人間のように生きていきたいと考える獣人。
しかし、獣人の間で餌と呼ばれる者がいなければ人間の体でいられないため、餌として生まれた光陽と契約し、その過程で愛し合うようになり今に至ります。


『銀月夜』をお読みの方は、なるほどなーと思われる作りになっていたと思います。
争いを厭っていた梁井が、なぜ結局銀の計画に加担したのかも。

今回は梁井と光陽サイドのお話であったにも関わらず、印象深いのは組織の餌であった昌史や銀でした。
そして、スピンオフ『花の残像』で描かれた組織サイドの獣人たち。

今回組織側で一番光陽と関わりを持った獣人は蓮でした。
彼は確か契約相手を意図的に持たないと記憶して(『花の残像』にて)いますが、その辺りも後々書いて頂ければなあと思っています。
蓮も仲間の相模もひじょうに魅力的なキャラクターですし。

話の展開は、今迄隠し続けていた獣人の存在が白日の下に晒されて…という形になります。
そんなシビアな展開の中で癒されたのは、一貫して光陽を大切にしたい梁井の獣人としての葛藤と愛情。
そして、やはり契約相手である巴を愛してやまない須王でした。
この二組のカップルのやりとりがホッとさせられます。

スピンオフも含めここまですべて読んできましたが、夜光さんの作品でここまで大所帯でありながらあまり嫌なキャラクターが登場しない作品はなかったように思います。
もちろん主人公たちを陥れたりする主要キャラたちもいましたが、みなそれぞれの理由や正義があって気持ち良く潔いです。
あと一冊で終わりなようですが、やっぱり淋しいですね。

2

ウルヴァリンがたくさん

凍る月も四巻目

獣が増えて増えて、獣のパレードです。
獣な梁井に愛し愛されな博愛主義な光陽のヘンテコな行動で助かりもしますが梁井的には生きた心地がしないです。

銀が獣に変身してから何かがかわってしまう。
獣人を嫌い獣人になることを拒み続けていたはずの銀がいつのまにか闘争心むき出しの性格に変わってしまった。とまどう光陽。
銀に触発され梁井も獣としての本能を刺激される。
須王の大事な契約者、巴もでてきます。ちょっと光陽に似てて純粋そう〜。
梁井の暴君も好きなのですが須王の気品あふれる男前には梁井かすむんですよね(笑)
なんてゆーかメインぽくない(笑)
そして織を潰すと息巻く銀を手助けすることになるが、うまくゆかずその代償は獣人全体を脅かす危機に。
組織VSだったのが国の軍を相手に!???で次巻へ続きます。

組織とやり合ってても光陽はまったくぶれない(笑)
梁井によくなぐられる光陽に同情できません。ゲンコツで許されるってむしろ甘いよー!!
光陽の博愛主義で、助かったような助からなかったような、、、。次で終わりのようですが、組織よりさらにうえの国が動きだすとか怖い!

トュービーコンテニュー

3

切なすぎる

佳境に入ってきた凍る月シリーズです。
ここまで、梁井と光陽、組織(須王と巴)、銀と佐倉の各サイドの話があって、それぞれに納得できる考えもあれば、ん?と思うような考えもあって、誰かが絶対的な悪役ということもなく、勧善懲悪ではないので、読んでいて切なくなってしまいます。

今回驚いたのは銀の変貌ぶりでしょうか。
"銀の月"の時は、信念を貫くキャラだと思って好きだったので、この変化には正直がっかりしました。が、以前のままでも彼は停滞したままなので(本人はそのつもりはなくても)、これも通らざるを得ない道なのかなぁ、と思いました。

また、蓮が残酷な爆弾を「えぇぇぇ~!ここでそれを言う!?」という場面で思いっきり炸裂させます。ブラックなキャラだとは、ずっと仄めかされていたのですが、、"花の~" の2作でいつも巴を可愛がっていたので忘れていました。油断してました。
私はこういう傷つけることを意図して言葉を発するキャラは、通常あまり好きではないのですが、巴に優しかったのを思い出すと、嫌いになれない…。

展開が殺伐としてきているので、いつもはたまにイラッとさせられる光陽の頭の中のお花畑が、ありがたく感じるくらいです。
巴は相変わらず可愛くて、強烈な人生を歩んでいるにも拘わらず、周りを癒してくれます。挿絵も可愛いですし。

次作で完結とのことですが、皆が幸せになれたらいいのに、このままでは皆が不幸になってしまいそうで、悲しいです。
好きなシリーズでキャラみんなに思い入れもあるので、バッドエンドは勘弁してほしいのですが…。
どういう風に話をまとめていただけるのか、とても楽しみにしています。


4

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