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表題作龍と竜 ~虹の鱗~

一之瀬組3代目組長 高科次郎・50歳
龍一郎の養子で次期4代目高校生 石神颯太・18歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

兄の竜城とその恋人龍一郎の三人で家族のように暮らし始めた石神颯太。颯太は、子供の頃から可愛がってくれる市ノ瀬組三代目組長の次郎が大好きだ。キスも・・・その先も少しだけしてくれたけど、何故か最後まではしれくれない。俺ってそんなに魅力ないの?
(出版社より)

作品情報

作品名
龍と竜 ~虹の鱗~
著者
綺月陣 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
シリーズ
龍と竜
発売日
ISBN
9784796401531
3.1

(27)

(4)

萌々

(9)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
10
得点
75
評価数
27
平均
3.1 / 5
神率
14.8%

レビュー投稿数10

No Title

推し作家さん&絵師さんの、シリーズ4作目。
ううーん、モヤった……
まさか真藤がそんな形でくい込んでくるとは…!
最後は良い形に収まったけど。

次郎のこと、颯太が受け入れられるならいいのよ、
でも私は次郎を消化するまでにもっと時間がかかりそう。
龍が竜樹に言った「お前を選んだ時からこっち、他の誰にも嵌めちゃいねぇ」のセリフを次郎にも期待したんだけど、次郎の立場とビジネススタイル的にそうもいかないようで。
次郎の愛は伝わってくるんだけど、組長のイロとして生きる颯太、苦労するね…

モヤるんだけど、ハピハピラブラブだけじゃない読み応えのある作品でした。

0

まるで餌(愛)を欲しがる雛鳥のよう

 龍と竜シリーズの四作目です。
 私がこのシリーズを読み始めたのは、綺月陣先生の「背徳のマリア」に登場した黒崎和巳の行方を追いかけてきたからなので、詳細も評価も調べずにシリーズ全作品を大人買いして、今に至ります。
 それを踏まえて本作の感想を書くので、「背徳のマリア」を未読の方は注意してください。

 表紙の色気を漂わせた颯太があまりにも大人びていて、次郎を見るまで竜城と勘違いするほどでした。
 前作で心が結ばれた颯太と次郎がようやく体も結ばれるのだと確信して読み始めたのですが、颯太がたっちゃん呼びを復活させた中学一年生の颯太のままだったので、表紙とのギャップに驚きました。
 次郎に貞操を守ることを誓った颯太は、颯太の唇は次郎のもの=龍一郎とはキスしない宣言をしたり、嘘の理由で愛撫すらしてくれない次郎には浮気はしないでとかわいいことを言います。
 しかし、二人の蜜月はここまでです。

 まあ颯太は十三歳だし、親子ほど年の離れた良識ある恋愛ならキスやハグが限度だと思います。その点においては次郎はちゃんと自制できています。
 このシリーズを読んできて、次郎が颯太の言いつけ通りに誰とも寝ないなんてありえないと分かっていました。愛する颯太を抱けない間は、仕事や和巳の定期検診で性欲を発散させるのだろうと思っていました。仕事で他の誰かを抱く次郎に、颯太が嫉妬して切なくなるお話かなと予想すらしていました。
 その上で次郎に言います。和巳との最後の情事は完全に裏切り行為です。
 颯太は最後あたりの声を聞いただけですみましたが(全然良くないけど)、読者は次郎の心情や和巳と交わす言葉の数々まで全て見せられます。不快でした。
 仮に和巳が東京に残ったとして、颯太が大人になったとしても、次郎が穴埋めと称した関係はずっと続いてたとしか思えません。まさに次郎のイロです。
 颯太に和巳との情事を知られたのではないかという予感が的中した時、次郎は大賀をボコボコにしましたが、そこまで憤慨するということは裏切っている自覚があったんでしょうよ。

 次郎の裏切りに対する龍一郎の反応にもガッカリしました。あれほどかわいがってきた十三歳の息子の恋心が傷付いているというのに、組の為に情事は必要だと論点をすり替える次郎に理解を示すなんて……。さすが穴兄弟だな、と。
 竜城が現れるまで体の関係があったそうですが、竜城の前にも本気の相手(女性)がいたはずなのに関係を続けていたのか、和巳から離れなければ竜城がいても関係を続けていたのではないか、こっそり和巳に会いに行ったあたり龍一郎も「餞別」を贈ったんじゃないのか、と下衆の勘繰りばかりしてしまいました。
 まあ竜城も戦友と言いながら咲子の部屋に泊まっているらしいので、おあいこかもしれませんが。

 颯太の将来とか、一生かけて守るとか、次郎の言わんとしていることは分かるし、それが次郎なりの大人の愛し方なのでしょう。
 でも、未来を見据えるのも大事だけど、今の颯太と向き合えていたのか疑問です。
 自分の行いで颯太を傷付けたと分かっていながら、今の颯太では大人の事情が理解できないから時期が来るまで距離を置きながら待つって、自分を正当化して体よく逃げているようにしか見えません。
 言い訳なんていらないんです。ただ颯太の怒りや悲しみを受け止める姿勢を見せるだけで良かったのに。ままごとみたいな恋愛をするつもりがなかったのなら、一大事なのに多感な年頃の颯太を突き放すくらいなら、最初から颯太が大きくなるまで手を出さなければ良かったのに。
 次郎から全く誠意を感じられませんでした。

 思春期真っ盛りの颯太は見ていて辛かったです。幸せの絶頂期に恋人に裏切られ、また大人を信じられなくなり、自己肯定感がさらに低下しています。
 真藤と体を繋げては断ち切れない次郎への想いが溢れて傷付いてのくり返し。一種の自傷行為です。
 竜城と二人で暮らしていたアパートへ帰りたがる颯太に胸が締め付けられました。
 心を許さずに真藤を振り回す颯太もひどいですが、真藤も嫌がる颯太に付きまとっていた上に弱みにつけこんで体の関係に持ち込んだので、どっちもどっちな部分もあります。
 とはいえ、真藤母の嘆きはごもっともなので真藤母は全然悪くないです。個人的に病院で逃げた颯太は、死にたいと言った場面と同じくらい駄目だろと思いました。
 いろいろあって竜城の機転で次郎と久々に二人きりになり、何故か過去の過ちをうやむやにした次郎が優位に立った形で仲直りして初夜を迎えましたが、次郎の言葉は浮気男の常套句にしか聞こえないし、愛に飢えた颯太は浮気してもいいし何番目でもいいから愛してほしいと必死に懇願していて、とても痛々しかったです。これじゃ本当に次郎のイロだよ。
 はたして颯太のこれは成長と言えるのだろうか。アダルトチルドレンによる幸せになれない恋愛のお手本にしか見えません。

 あと和巳、前作で薄々嫌な予感はしてたけど、結城との子供はどうなった。
 私は禁忌を重ねた黒崎兄弟が好きで、結城の子供を産もうと決意した和巳を応援していたので、この件が一番ショックでした。
 次郎に安藤の面影を重ねてるのは分かってはいたけど、本当に次郎との子供を産む気なら、颯太のためだけに、次郎に連絡することも姿を現すことも今後一切しないでほしいです。
 この調子だと、北海道へ行ったら安藤にちょっかいをかけそう。北海道の面々の良好な関係が壊れないことを願います。

 個々の設定だと意外と地雷はないのですが、あまりにも見たくない場面や知りたくない情報が多すぎました。
 ただし、ホスト仲間だった拓也がカフェで働いていたことは唯一うれしい情報でした。
 腑に落ちない展開の連続だったけど、綺月先生の文章だから最後まで読めたのだと思います。
 竜城と龍一郎以外興味がない方や颯太と次郎に甘々だけを求めている方は、本作はおすすめしません。
 引き続き、~啓蟄~を読みます。

0

4巻目 颯太の反抗期

「乙部辰城」は、竜宮城の乙姫に因んでいるんですね。だから竜城は、常に浄化されて汚れない美しい人なのか。

「龍と竜~銀の鱗~」で、颯太は自分の次郎への気持ちが恋慕だと気づいたけれど、兄と外観が似ていても、恵まれた環境で甘やかされて育った颯太は、兄の竜城と違って、忍従が出来ない。我儘は、止めるものが無く暴走する。
相手は次郎、任侠の世界や商売の駆け引きもある、子供には理解できない金儲けの妖怪が住む世界。
作品中の描写だと、精神的に兄の同じ年の頃と比較して颯太は守られて育ったので幼すぎる。

黒崎医師は、次郎の精子を培養した試験管ベビーを育てる為に北海道へ転居する。
お別れの挨拶、次郎が黒崎と愛し合う(治療と言っている行為)
その様子を目撃した颯太は、心のやり場のないまま暴走する。次郎と約束した18才になるけれど、同級生を相手に気を紛らわせる。
次郎も兄夫婦も、黙認。本人が気づく迄放置しておくつもり。心が荒む颯太には親心が分からない。

どうしようもない未成熟な子供心のままの者が、お金と力を持つと破壊と腐敗しか生まない。
辰城が、やさぐれた弟をどうやって治すのかがこの巻のテーマ。
他の巻より、情事シーン多めでした。

★この巻は、人気低いみたいです。私は、思春期の葛藤が書かれていて、面白いと思いました。子育てを経験した著者ならではの着眼を感じる内容だと思います。

3

颯太が幸せならそれで良し。かな^_^

龍と竜の次郎×颯太のお話である前作銀の鱗では、颯太の成長と変わらぬ可愛さに癒され、最後まで致さぬじろちゃんの倫理観にホッとし、次作(こちらの虹の鱗)を楽しみにしていました。
銀の鱗のお話の終わりの翌日から話が始まる虹の鱗。うそ…颯太まだ13歳なの?と正直ショック。だって、じろちゃんに大人になったら抱いてもらうって約束したから。先が長いな…と。笑

結果。やっぱり一波乱〜(´-`).。しかも特大のビッグウェーブ。
ただただ、じろちゃんそりゃ無いわ、と。

まぁ最後はもちろんハッピーエンドなんですよ♡
でも、やっぱり最後までじろちゃんそりゃ無いわ感は拭えず。あくまで、私は、なんですけどね。颯太はちゃんと幸せ♡

じろちゃんの言う事は、大人ならではの事情(職業込み)だと言う事も理解はできるんだけど、それは自分と対等な立場の人に求めるべき事なんじゃないかなと、どうしても思ってしまう。
良くも悪くもじろちゃんの職業故のリアルさが凄い。

なんやかんやと書きましたが、多感な時期の颯太の感情面など読み応えのある作品!
楽しませて頂きました^ ^♪

2

えっ!

まさかこの展開は予想していなかったぞ。 18歳になったら次郎と結ばれることを信じて成長してきた颯太ですが、やはり相手は次郎さん。 浮気現場をとうとう見てしまったんですよね…。 子供の言う好き好きだけの世界とは違い一応ヤクザですから、体の関係が取引に使われることだって有るわけで。 そんなこと颯太に話しても理解できないだろうし。 でもねショックだったのは解るけど、次郎さん以外に初めての身体を開いてどうするよ。 それが一番この巻で悲しかった。 最初は次郎さんに抱かれて欲しかったなぁ。 でもそれも込みで颯太の成長が見れたし、次郎さんとの関係もちゃんとしたことだし、次郎さんに抱かれた日が私の中で颯太のロストバージンだと思うようにするよ。 うっ、でも最初はやっぱり…。

4

颯太、先は長いぞ

だいぶ颯太が成長しました。前作では、まだあまりに子どもすぎてね~。
今回は18歳にもなったし、身体としても成長したし。でも、まだまだ精神的に幼すぎて相手にならない感がありました。年の差カップルって難しいですね。
次郎も颯太を可愛がってはいるものの、まだまだ虜というには及ばないみたいで、私は颯太の力不足なのかな、と思いました。
相手は次郎、もっと頑張らないと可愛いだけでは夢中になってくれないと思います。小さいころから可愛がってきたという部分でなんとか相手にしてもらってるんじゃないかな。わがままでかわいいだけじゃ同世代には通用しても、次郎の相手はできないと思うー。

もうちょっと颯太の魅力が見たかったなぁ。そしたら展開も変わってきたのかな?という気がしました。
あと、次郎は子供っぽいところがあるんだし、子ども×子どもじゃ成り立たないね・・・。そういうことかな、と。

1

そっか、そっかあ・・・

シリーズ4作目まで読み終えました。3作目~銀の鱗~4作目~虹の鱗~の感想を。
本編のカプ竜城の異母弟・颯太と竜城の旦那の義兄弟で組長の次郎のお話。
ちょっと雲行きが怪しそうだったので、色んな方のレビューを読んで予防線を張ってからの
読了となりましたが、全然感情移入できないお話で良かった。
現実に颯太だったら、かなりきついです。
すっごい大好きな人が自分だけのものにならないって。
893さんの親分じゃ、リアルなら身綺麗でいられないのはわかりますがね・・・
BLとは言えども、読者は作家様を選べるわけですから、仕事でイチャができてしまうような攻様
が主人公の作品は避けるしかないのかなあ、と思います。
こんな、男を大好きな受様もよくわかりませんしね・・・
甘い展開なら受様を寝取られてから、攻様があやまちに気づいて、受様一筋で執着して
頂ければ嬉しいですが、作者様がそんなもんは書きたくないのならしょうがないです。
この巻をすっ飛ばしてシリーズ5作目を読んだ、と言う方も沢山いらっしゃる模様です。
人間過ちを繰り返して初めて大事なことに気づかされるという教訓話にしては、価値のない攻様のような気もします・・・
本編の龍一郎は受様以外とはもうイチャしたりしないので、何だかそこがね・・

5

噛み砕けなかった。

発行からかなり経ってから読み終えました。
龍×竜の時同様、やくざの世界に「大人のコミニュケーション」が必要なのは理解できた上でも、颯太が見てしまったものに関して言えば明らかに浮気でしょ~と思っちゃいました。
名残を惜しむ最後の行為はすでに「仕事」じゃないですしね。
しかも次郎が黒崎に対して、愛惜で涙が出そうになり、愛しい、体に痕跡を残したい、と思いながら激しく抱き、行為の後も離れがたく黒崎に甘えてる様子はもはや愛人の様。監禁とか嫉妬なんて言葉も出てきちゃって(汗)
それを完全に「仕事、大人の事情、子供だから理解できない」と言い切る話の流れに、筋が通らない気がして、最後颯太と丸く収まるのが違和感でしかなかった。
無理してくっつけなくてもな~と思ってしまいました。

7

じろちゃんの馬鹿野郎(><)

私は、やっと颯太とくっついたから、
もう少しラブラブ多めで読みたい感じだったので
余計に次郎に腹立ってるかも~っ。

確かに、確かに次郎と颯太がくっついてラブラブで終了~
なんて思ってもいないですよ(一応ヤクザものですし)
だけど颯太、颯太の初めてが~っ!!
すべて、じろちゃんが悪いんだんーっ(><)

そりゃね、まだ13歳のコドモを相手にしてるんだから
他に体だけの関係があるのも分かるさ。
特にこの世界はある意味特殊。
セックスも仕事(コミュニケーション)のうちだろうさ。

でもね~黒崎は、なんか違うだろうと私は思うんだ。
確かに組おかかえ医師かもしれないけど
次郎おまえ流されてるだろう!!
最後黒崎を抱いたとき、ちょっと自分に浸ってないか?!

確かに颯太にしてみたら黒崎相手でなくても浮気されて
傷ついたかもしれないけど…
(私は黒崎以外ならここまで次郎にイライラしなかったな…笑)

なんだかんだで颯太が18になるまで次郎からのアクションはなく
颯太がみんなを巻き込んで、自分の甘えを確認し
1歩オトナになったところで次郎と結ばれたって感じかな。
次郎も一応組長だからね、きれいな事ばかりじゃないさ
これからその全てを1つ1つ颯太が受け入れて、また大人になるのかな。
(でないと次郎と一緒にはいられないだろうし)

一番割りにあわないのは、やはり真藤?!
かわいそうだけど、これからいい男に成長すること間違いなし!!

あ~っ、もう少し次郎×颯太のラブラブが足りないので
同人誌でもいから次郎が颯太にデレデレになってる話が読みたいですっ!!

7

颯太一皮むける

前作で、じろちゃんラブの小悪魔ぶりが、いかにも子供の傲慢さに感じて余り好きなキャラじゃなかったんですが、いよいよ思春期を迎えて颯太も苦しむお話になりました。
そして、颯太の初体験はじろちゃん・・・・ではなかった!?
みたいな意外性に、チクショー!綺月さんにしてやられたぜwwwなんて、この展開が嬉しい自分です。
また、とーっても気になっていた黒崎医師ですが判明しました!!
彼は作者さんの衝撃作品『背徳のマリア』で兄との禁忌の関係の上、受精卵を腹に埋め込まれ云々、、、の、あの黒崎弟だったんですね!!!
本文中に、「子供ができたんだ」と北海道へ旅立つシーンがあります(これのせいで颯太が激しく傷付くのですが)。
そうだったのか・・・と、思わず憎いリンクに♪♪♪
また、じろちゃんが組長になり、勢力拡大して、関西の巨大勢力である岩城組とも、、なんて表記があり、これはホレ!『獣』の岩城組でっせーーー♪♪♪
あのゴジラ若頭は出てきません、組の名前だけですがw
そんなほのかなリンクがここそこに見られて、この作品がもっと面白く感じられました(本編には余り関係ないですが)
もし、興味を持たれた方がいたら是非読まれるのをオススメします。

13歳の颯太は大好きなじろちゃんと早くエチがしたくてたまらない。
これはまだ子供思考ですよね。
一年に何回エチはするのか、とか、キスと触ってはくれても挿入はしてくれないじろちゃんに、気持ちばかりがせく颯太。
あまりの焦りぶりに、やりすぎるとチ○コが腐って落ちちゃうんだ!と説得するじろちゃんもじろちゃんだが、思わずそこはほほえましいv
そんなじろちゃん一途な颯太は18歳になったらしてくれる、という言葉を信じて、じろちゃんは僕だけという事を信じて疑わなかったのに、偶然学校をさぼって訪れた歌舞伎町の黒崎医師の診療所で、じろちゃんと黒崎が交わっているのを見てしまう!!
ショックを受けた颯太は、彼の傍から離れない、颯太の事を好きな真藤と関係を持つようになり、じろちゃんとの溝は埋められないまま18歳を迎えてしまう。

確かに、スムーズに颯太とじろちゃんがくっついてしまっては全然面白くない。
颯太は子供の一途さで、まだ大人の、ましてや極道の世界の男の生き方を知っているようで全く知らないのだ。
その点、じろちゃんは大人だったのです。
ちゃんと大人になるまで待って、その時に颯太がどうあるのか、何を経験して、何を知り、全てを理解した上で自分の人生を選択してほしいと願っている、その思考は、じろちゃんが熟れきった大人であることを考慮しなくても、普通の大人なら考えるまっとうなことだったでしょう。
だから、黒崎との行為を知られてしまった事も、颯太にはその後を苦しむことになる辛い経験だったけど、結果じろちゃんというヤクザの組長であることや、極道の男の生き方を知るいい機会になったのだと思います。

ちょっと真藤はカワイソウな気もしましたが、彼は彼なりの、そしてまっとうな(ちょっと早熟ではあるが)男子の思考だったと思います。
颯太より、もっと覚悟とか色々なものが見えて真っ向から向き合うことのできる大人だったと思います(いい男になれよww)
最初に、じろちゃんが真藤に「惚れているなら、颯太を守れ」って言った言葉がわるかったかな~ww
惚れる、ってヤクザな大人の男にすれば”男に惚れる”というのは決して”恋”だけを表現する言葉ではないのだけれど、言ったのが13歳の子供にむかってだから、そっちと思っちゃうんだ(汗汗)

でも、この本を通して颯太は大人になりました!
彼等が背負っているモノ、そしてその生き方、子供から脱皮して学んだのは、苦しんだおかげだったのですね。
この颯太は好きでしたよ!

4

この作品が収納されている本棚

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