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平河寮シリーズで未読だった最後の一冊。読み終わってしまった…寂しい( ; ; )
組対の刑事・山下 × 検事・須和。幼馴染で再会ものっていうのは、シリーズでも唯一かな。
他作品のようにハリウッド映画のようなドカーン!バーン!という銃の撃ち合いや、凶悪事件の現場に踏み込んで…などがない分、ちょっと地味にも思えるかもしれないこちらの作品。好みは分かれそうかな。
事件面では確かにちょっと物足りない気もしたけれど、その分、高校時代には叶わなかった二人の恋愛の続きがじっくり見られ、個人的には大満足の一冊でした◎
育った家庭環境の事情もあり、「ずっと続く愛」というものを信じておらず、どこか諦めている須和。そんな須和を「今度こそ!」と追いかけ続けて離さない攻め・山下が良かった〜!!
かわい先生が後書きでも書かれているように、この山下という男が、ワンコ系でも溺愛系でもいい人でも悪い人でもなく、”どこにでもいそうな普通の人”なのが良かったな、と。
キャラがぐっと身近に感じられたし、そんな”普通の男”が最後の最後、指輪を須和に渡して…というシーンがもーめちゃくちゃ良くて感動して、ため息が出ました。
そして、なにより平河寮にいるメンバー!シリーズ他作品のキャラがいろんなところで見られたのが嬉しい❤︎
サンタのコスプレした不機嫌そうな篠口さん、荒れてやさぐれてる峯神(胸ぐら掴んできた山下を逆に締め上げるの、格好いい…さすがSP)、そして寮のメンバーではないけど黒澤まで出てきて、その後のお話を知っているからこそなんだかじーんとして感慨深かったです。彼らにもこんな時代があったんだな〜…
シリーズは読み終えてしまったけれど、お気に入りのものからもう一度、またじっくり読んでみようと思います。
本当に大好きなシリーズ✨
峯神さんがやさぐれてるし、篠口さんが寮にいるあたり時代はちょっと前なんだよな。クロサワさんは墨と雪に出てくる感じか?今回はちょっと毛色が違う話でしたね。山下と須和高校、大学の同級生で偶然再会して一気に距離が縮まるけれど…とにかく須和が切ないね…。山下がんばった
大好きな平河寮シリーズの一作。
他の作品は全て拝読して、こちらもやっと読みました。
他作品同様、攻めと受けの両視点が交互に。二人の心情がわかりやすいです。
他の作品にも少し登場する山下は組対二課の刑事で、もちろん平河寮住まい。
受けは山下の高校の同級生で、検事の須和。
高校時代、友達以上恋人未満のような微妙な関係だったが、大学で徐々に疎遠となった二人が、十数年振りに偶然再会するところから始まります。
序盤は二人とも仕事に疲れた様子で、気持ちにも温度差もあり、ちょっと切ないです。
人生に疲れ切っていたような須和が、山下と再開してときめきを取り戻す様子にはきゅんとします。
一方山下も、須和と会ううちに昔のような須和への気持ちが蘇ってきて、グイグイ迫っていく雄みが良きです。
二人の初めては紙面を割いて丁寧に描かれます。この濡れ場が大変官能的でエロチックです。
須和が挿入にはそんなに気持ちよくなれないのが、ちょっとリアルでいい。山下の攻めフェとか、翌朝の仲睦まじい様子とか、すごく好きだな〜と思いました。
本作でも山下の警察官としてのお仕事シーンがたくさん描かれて、こちらも面白いです。「墨と雪」の黒澤が少し出てきて、得体の知れない雰囲気です。
平河寮の様子も少し描かれて、他作品の面々が出てきて面白いです。
「天使のささやき」の峯神が、まだ荒れている様子で登場します。天使の〜より過去のお話なんですね。
峯神が山下にアドバイスするシーンは、峯神がすごく格好よくてグッときました。
「墨と雪」の篠口は、まだ寮住みで登場。他作品ではクールですが、本作では雑用を押し付けられてイライラしてるのが新鮮でしたw
山下はどんどん須和に惹かれていく一方で、須和はなかなか山下の気持ちを信じきれずいるのが、ちょっともどかしさを感じる二人でした。
山下が溺愛攻めになってくのはよかったです。
短編の「君と飛ぶ空」は、本編の2年後を描いています。とても綺麗な終わり方なんですが、ちょっとエロも欲しかったかなw
本作も面白く読めましたが、読後にちょっと物足りなさを感じました。
本シリーズの他の作品は2〜3冊で描かれているのに対してこちらは1冊なので、二人の関係が深まっていくのが、ちょっと駆け足に感じるからかも知れません。
「天使の〜」同様、電子(シーモア)は挿絵なしです。残念(泣)
墨雪からスタートした私の平河寮シリーズローラーの終盤戦です。
寮生活があまり好きでない繊細さんたちのw、薄暗い恋模様が好きなんですよね、結局。”天使のささやき”と”甘い水”はマインドも”せっ”も体育会系、墨雪と本作は文芸み強め、とても情緒的という印象でした。
外国人の組織犯罪、そして不正が疑われる同僚という不穏なインシデントと並行して進行する穏やかな再会愛です。攻受の心理描写が秀逸な名作だなと思いました。
学生時代に互いの気持ちに気づきながら、その感情を持て余して成就させることなく別れ、長い年月を経て刑事と検事として再会する攻受なのですが、同じ事件を担当するわけではないので、それぞれが抱えるお仕事が別立て、攻受の視点が交互にくるので心境も別立て、っていう構成が面白いです。また、その分、前半では離れてしまっていた気持ちの距離感が伝わってきて、それが徐々に近づいていく様子がわかりやすい気がしました。
社会に出て諦観を知り、容易く傷つかない図太さも身に着けた大人の二人が、過去に越えられなかった一線を軽々と越える、自然でさりげない流れに萌えました。須和の気持ちに手ごたえを得て行動に移す山下の狡さが、大人っぽくてwたまりません。何気ない会話から親密な空気を醸し出す、かわい先生の筆力、キレッキレだなと思いました。
ぐいぐいな山下に比べて須和の消極的にも見える態度が肝!というか、切なさがあるんですよね。過去のトラウマに加えて、自分の気持ちを背負わせたくない、重くなりたくない(気持ちは圧倒的に重いけど)という雰囲気、、殊勝すぎてしんどい部分がありました。それにしても、”エイ”っていう呼び方がエロいし、なんだかんだエロい受でした!すんごい好きなのに、なかなか信じてもらえない(当たり前だけど…)っていう攻の焦燥感にも萌えます。
事件とラブを通して、山下のなかに”信念”のようなものが生まれる、本当に大切にしたいものがわかる、という展開が尊かったです。これもっと読みたいな…。
平河寮シリーズの一冊ですが、シリーズの中でも…いや、かわい先生の作品の中でもかなり好きなお話。
高校時代、お互い淡い想いを抱いていたにも関わらず、一線を越えられないまま疎遠になっていた二人の再会モノで、こじらせ系や両片思いが好物な自分にはドンピシャでした。
グッときたのが、大人になって再会した二人がはじめて身体を繋げるまでの流れ。
お互いを意識していたのを薄々わかっていたのに、一步踏みこむ勇気がなかったあの頃。
親友として大切にしていたからこそあの頃できなかったことを、大人になった今は、酒を呑んだ流れでやすやすとできてしまうもの哀しさがなんとも言えず切ない。
高校時代の受けは、攻めに壊れもののように大切に扱われていたのにも関わらず、今となってはロマンチックのカケラもない、簡素な官舎の自室でなし崩し的に抱かれることになるという…。
こういうことができるようになるのが、大人になるということなら、大人の恋愛なんて所詮チープでつまらないものなんだなあ…という哀しい気持ちで読んでいくと、後半の攻めの変化に驚かされて。
個人的に「受けが大好きなのに想いがうまく伝わらなくて焦れる攻め」というのがツボなので、この後半の流れもすごく良かったです。
Kindle版は表紙絵あり、挿絵なしでちょっと残念でした。