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貴方と別れたくないと、宮坂の涙でゆがむ、今生の月。
梅の木がぱっと梅の木と分かる宮坂は視野が広いし人当たりもいいし、なんで今まで定職につけなかったのか。(最終巻まで読むと、あぁ宮坂は育ちの良い子だったんだと気付かされます。と言っても良い家庭で育ったとは言い難いので、宮坂自身の良さがほとんどなんだけれども。)
そして恋人としての物わかりも相当いい。アンニュイになっちゃったけど、笑顔で送り出すあたり、もうほんと都合のいい恋人で良い子ちゃんで、矢野さんも当たりくじを引いたものよ。
宮坂の過去もポロポロ出てきます。家事上手な辺りヤングケアラーか親不在あたりかと踏んでましたが、なんとも寂しげな…矢野さんという人がいなければどんな今なのやらと思うと、宮坂も大金星。
圧倒的に面白い‼️でも巻を重ねていくうちに2人の心が通じあい、普通のBL作品に落ち着くのだろうと予想しながら読みレビューして来ましたが…矢野さんの「好き」の概念がここまで来てもやっぱり掴みきれない。彼の心情的にはぐらかしてはいないだろうから、所謂変わり者なんでしょう。その掴み所の無さが宮坂にしてみると今までの女達とは違って思い通りにならず、手に入りきらないから安心できない、必死で追ってしまうのでしょう。恋の魔法が解けない理想的な関係ではありますが、読者としては矢野さんが脳的に常人とは違うのか、それとも硬派の照れ隠し?宮坂になめられたくない?なのかとにかく先がよめなくて楽しいです。当方久しくBLだと思って読んでませんが、エロ描写は巻を重ねる毎に生々しさアップしてますね。美化されておらず変に長くない、終わったらアッサリなのがリアルで好みです。
ドラマ制作も無事終了し、再び矢野さんの元で働ける喜びや、二人で過ごす穏やかな休日に幸せを噛み締めていた矢先、突然、矢野さんの大阪転勤の話が決まり、この巻もまた宮坂ふらふらになってます。
今までにないほどの大打撃でかなり落ち込みながらも、大阪行きを止められず、悲壮感を漂わせながらも、行かないでという気持ちをぐっと堪えて、ただひたすらに仕事に打ち込むワンコ宮坂…もう、君はなんでそんなに健気なんだよ〰️(泣)
しかしながら、矢野さんにはそんな姿を手厳しく叱責されて、凹み、もがきながらも、やるべきことを見つけて歩みだすところが宮坂のいいところ。やっぱり頑張るワンコ大好きです…矢野さんが行っちゃうまで涙をがまんして、ちゃんと見送れた宮坂に読んでる私の方がうるっときました。
そして、そんな宮坂の出した成果を理解して、受けとめて、応えてあげる矢野さんは大人です。わかりにくくて、自己チューで、不器用さんだけど(笑)やっぱりステキでした。
好きなものや、好きな人のために頑張る二人をますます応援したくなる一冊でした。でもちょっぴり切ないなぁ…。
文句なし、一番好きな巻です。
シリーズを通して言えることですが、ストーリーの面白さは、商業BLのそれというよりは22時に放送してるオフィスラブ系テレビドラマという感じで、抜群の読み応えです。
今回はそういうお話としての面白さに加えて、なんと言っても宮坂(攻め)と矢野さん(受け)それぞれの心境の変化、成長が見所です。
二人がほんの少し近くなるシーンでは、うっかり泣いてしまいました…(ネタバレは控えます)
ここまで読む人ってもうすでに東京心中にハマってそうですが、ここからが本番!と思っているのでぜひこの巻まで辿り着いてください。
シリーズ五冊目。とは言えまだまだ初々しい二人ですね。
で、今回はカメラの練習をしていたら思いがけずあの時の声がとれていて、むふっ♥って事件が笑えましたね。録画されていたのに気づき、カメラのアングルを確認した宮坂の顔!それからソッコーでDVDにダビングしてそれを大切に保管しようと必死になる話がめちゃくちゃ笑えました。
でもねー、そんな楽しい生活も長くは続かないと言うか、転勤の話が出ちゃうんですね。それってすごく大事件だし、切なくなるのが普通の漫画なんですけどね、さすがトーテムポールさん、矢野さんらしさ、宮坂くんらしさのある「それから」にしていて好感が持てます。そうそう!距離がなんだ!会えない時間がなんだ!
そして、これまでもそうでしたけど、先輩のゆかさんがいい人!二人のことは面白がりつつも彼女なりの励ましで宮坂を助けます。頼もしいです。
本編とは関係ないのですが、鰻のかしら、初めて聞きました。気になる。前回の落花生をいって作ったコーヒーも試してみたい。