おまけ付きRenta!限定版
『鴆――ジェン――天狼の眼』を雑誌で途中から読んで興味を持ち、購入しました。
まず絵が美麗! ツァイホンの翼の描写が、国一番の美しさという設定通り、豪奢で眩いです。表紙のカラー絵だけでなく、本編中のモノクロ線画でも、虹色が目に浮かぶようです。古代中国風の装束の描写も繊細で素敵です。
そして漫画が上手い! 設定の説明が必要最小限にしぼられていて、いいあんばい。おかげで無駄に疑問を感じることもなく、ストレスフリーでサクサク読めました。ストーリーに中弛みがなく、不足もなくて、一冊で満足のまとまり感です。
面白いBL漫画が読みたいという人に、ぜひおすすめしたい一冊です。
中華ファンタジーで「鴆」(中国読みでジェン、日本語だとチン)と呼ばれる猛毒をもつ鳥の擬人化もの。
かなり独特で凝った設定なので、最初はとっつきづらかったのですが、世界観が理解できてくるとすごくおもしろいです。よくこんな設定思いついたなと作者様の独特なセンスもさることながら、絵も独特でとても美しいです。
主人公2人の考えが終盤まで分かりづらいのですが、最後まで読むと「なるほど!」と納得。設定も思想も一貫していて良かったと思います。
もう1作短編が収録されており、花とその花粉を運ぶ虫の擬人化ものなのですが、こちらも設定が良くできていてオチも良かったです。
絵柄もストーリーも設定も凄いですね。
ちょいちょい出てくる、毒植物が気になって調べてしまうので、スマホ検索は誰にも見せられない状態ですが。
ツァイホンにもランにも感情移入しすぎて、めっちゃ泣きました。
さらに絵柄でも魅せてくるので、ボロボロです。
最後はハッピーエンドで良かったです!
同時収録の、お花の話は短い話になのにまとまっていて良かったです。こちらは、ハッピーエンドとはいえないメリバですかね。
紙本購入
修正は白短冊です。
文善先生作品、初読み。
鴆(鳥人)は毒が強いほど羽根の色が鮮やかになり価値があるとされる。
鴆のツァイホンと元鴆飼フェイ。
ツァイホンがフェイの兄を殺した理由が悲しい。
お互いを思いやる気持ちが…。
鴆は、美しさを称賛されるけど、毒があるため人とは触れられない。鴆の生きる意味とは?となってしまう。権力者のステータスのためだけに生きる存在?
心があるのに。と悲しくなる。
ツァイホンのことを兄を殺した鴆と見ていたフェイだけど、根っこには鴆への愛があり、ツァイホンの気持ちを知ってしまったら、ああなるよねと。
最初、この設定がどうBLになっていくのかなと思っていたけど、
愛玩やステータスではなく、愛のために生きる話になっていって過程がよかった。
絵が美しい。
描き込みがすごい。
羽根がすごくて、たまに顔はどこ?となったけどw
受けのツァイフォンが強気で健気でとっても愛しかったです。
攻めのフェイ将軍は、ツァイフォンと出会った頃は兄を殺され恨んでましたがツァイフォンを育てる中で本当のツァイフォンを知り惹かれていく姿が良かったです。
ツァイフォンがフェイ将軍の兄を殺した理由も物語の後半になるとわかってくるので読み応えがあり面白かったです。
あと、フェイ将軍がジェンスーをやめたきっかけのエピソードが心がぎゅっと切なくなり好きです。フェイ将軍も昔はジェンスーとしてジェンを育てていたのですが可愛がっていたジェンが譲り主に色の出が悪いという理由で殺されてしまいます。それを機にフェイ将軍はジェンスーをやめ、フェイ将軍の兄は手元に置いて話したくなくなるほどの美しいジェンを育てればいいのだろうと考え...ツァイフォンを育てる決心をします。この出来事が後々のフェイ将軍とツァイフォンの出会いにもつながるのでとっても重要な部分を担っているのですよね。
中国?っぽい雰囲気の世界観と合っていましたし、最後まで楽しんでドキドキハラハラしながら読めました。
最後のあとがきで作者の文善やよひ先生が本作を書くきっかけを4コマ漫画で面白く描かれているので、それも必見です。