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安西先生の本を読むのは三冊目です。
すっと入り込みやすい文章でサクサク読めます。キャラクターの心理描写もさすがだなあと。
その文章力もあり、今回の話は受けの瀬戸に感情移入して苦しかった…。
女装姿を見られたことがきっかけで距離が縮まる二人。
瀬戸は本当は女装なんて趣味じゃないのに、攻めの加賀谷が喜んでくれるのが嬉しくて、女装した姿でデートを重ねます。
瀬戸がほんとにいじらしくて可愛い人なんです。
ある時、仕事終わりに加賀谷に飲みに誘われて、普通のスーツ姿で飲みに行くチャンスが出来たかと思っていると、悪気なく女装してから来いよと言われて落ち込む瀬戸。
これだからノンケは…!と若干デリカシーのない口ぶりにハラハラさせられました。
加賀谷が女装した瀬戸を「瀬戸子」と呼ぶのも「俺の女」とか言うのも、瀬戸がそれでも良くても見てるこっちは辛い。
ずっと受けの瀬戸視点なので、加賀谷が何を考えてるのか分からなくて心臓に悪かったです…笑
瀬戸が健気で可愛くて、彼を泣かせるストレートの男じゃなくて、スパダリのゲイの彼氏とか出来たらいいんじゃないかと思ってしまいました。
最後の告白のシーンまでは。
優秀な瀬戸に追いつきたくて、瀬戸に似合う男になりたくて、それを原動力に加賀谷が努力していたのを知ると、二人がくっついて良かったのかもと納得できました。
ただ、二人とも女装エッチにはまって、男同士の姿でイチャラブが少なかったのが残念…。
女装しなくても好きだよ、と加賀谷にはもっと伝えてほしかったです。
飲み会の出し物で全力女装したゲイの瀬戸と、同期の加賀屋。ホントは女装癖があるわけじゃないのに、ひょんなことから加賀屋に見られてしまった言い訳にしちゃった。
そこから二人のややこしい関係が始まるんですが、女装してとびきりの美人さんになっちゃう人ってのが(しかも本人の面影がない?)イメージ出来ず。だから神にはならなかったんですよね~。
そこを除けば、両片思い状態から思いが通じるところとか、加賀谷が必死で欧州駐在を勝ち取るとか、面白く読めました。
「超長距離恋愛なんて無理!」
ってシーンは良かったなぁ。
駐在が始まってからのお話も良かった。加賀谷の元カノが来て復縁を迫る所へふたたび女装した瀬戸が現れて…誰も気づかなかったのか。
そこはさておき、加賀谷の瀬戸の女装をもっかい見たい!の願望と妄想が叶って良かったよ~。
「舞台裏のシンデレラ」を読んで、加賀谷と瀬戸カップルに興味を持ったのでこちらを電子で購入してみました。
でも「王子様のタキシード」を読んでて既視感を感じたので、たぶん既読だと思います。
女装趣味は無いはずなのに瀬戸子がどうして誕生して、ノンケである加賀谷がどうして瀬戸子一筋になったのかこれで謎が解けました。
それと「舞台裏のシンデレラ」のカレンちゃんはちょっとしか出てこないんですね。
加賀谷と仲良くなるに従って欲が出てきて、そして自分に正直で前向きな瀬戸が一気に好きになりました。加賀谷が健気でいじらしい瀬戸が可愛くなって、夢中になるのが分かるような気がしました。
今まで付き合って来たのが元カノみたいなタイプばかりだったら、瀬戸のようなタイプが魅力的に映るのも納得でした。
2人の赴任先でのモテモテの加賀谷にハラハラして、でも瀬戸に夢中なのでその辺は凄く安心で、瀬戸子の登場で加賀谷にコナをかける女たちがみな敗北感を味わった事にとてもワクワクしました。
男である瀬戸を全身全霊で愛する加賀谷が格好良く見えてしょうがなかったです。
どんだけ瀬戸が可愛いんだろうと思いました。
瀬戸も加賀谷も前向きな性格なので、こちらのカップルの方が楽しそうで好きでした。
個人的には加賀谷の元カノを懲らしめてやりたかったですね。女性に嫌われるタイプって納得でした。
秘密の共有、二人の時間、喜んで貰うために健気に健気に努力して女装する瀬戸が愛おしい!悩んだりもするけど、うじうじせずポジティブなのが好感持てます。
すれ違ってしまうのは切なすぎたけど、女装が良い塩梅に2人の気持ちを表してて、かえって男らしさも感じられました。
一番ドキドキしたのは女装するための、特殊な下着なんですけどね!!
女装姿が好みでメイクをして自分の手で変えていくのが楽しくて好きになった?それって??と、うーーーんという印象だったけど、読み進めていくと、そこも含めて真面目な人柄を好きになり、女装姿も好きだけど瀬戸を思って我慢する姿も良かったです。
女装モノは嫌煙してたけど、こういう使われ方なら他も読んでみたくなりました。
私、スピンオフの『舞台裏のシンデレラ』の方を先に読んでしまいまして。そちらが大層素敵だったものですから、翻ってあとからこちらを読んだ訳なんですけれども。スピンオフとはちょっと違ってこちらは本当に『直球ど真ん中勝負』のお話でした。
高評価なのが良く解ります!
レビューも大変多いので、グッと来た所だけ書きます。
瀬戸が加賀谷の愛を得る為に一生懸命頑張る姿は私も可愛いと思います。
何と言ってもウジウジしていないのが気持ちいい。
彼は迷った時、いつもポジティブ方面に決断するのよね。
そこがね、とても素敵だと思いました。
でも、最初から中盤にかけての加賀谷に、ちょっとだけ嫌な部分がありまして。
自分が連れている『美しい女』を人に見せびらかしたがっている事なんです。
恋人(加賀谷と瀬戸の場合は恋人ではないけれどもね)の自慢をしちゃう人は好きです。「能天気だなぁ」と思うことはあっても、微笑ましい。
でもね『自慢する人』ではなくて『見せびらかしたがる人』ってその行為の陰に『こんなにいい女(あるいは男)を連れて歩いている俺』っていう感じが見え隠しちゃうんですよ。「その人を自慢したいんじゃなくて『俺』を自慢したいんかい?」って思っちゃうのよね。
そんな加賀谷が、瀬戸には女装癖なんかないって気づいてからどんどん変わって行くのが面白かったの。
自分の趣味に瀬戸を当てはめようとしなくなるのです。
特に、同時収録の『王子様のタキシード』は胸がすく展開!
非常にスッキリしました。
あとね、もうひとつだけ。
どうしても気になったのは小道具が『ルブタンの靴』であることなんです。
あれをプレゼントされるってかなり重いと思うのですよね。
お値段もさることながら、靴そのものが非常にエロティックでしょう?
あれをプレゼントするっていう行為って、かなりきわどいメッセージも同時に送ってしまうような気がするのですよね。恋人でない2人の間でどういう受け渡しがされたのか、気になって仕方がなかったです。
いや、単に私が庶民だっていう所為かもしれませんけれども。