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原作の1(リーフ版)が出たのが2001年、足掛け12年で完結。
CDの1が出たのは2007年。
今作がシリーズ7枚目で、6は2012年発売。
臣さんの言葉じゃないですが、気の長い話。
作中ではそこまで時は流れていないけど、
現実では、この5年の間に堺役の声優さんが亡くなっています。
大川さんに変更なので、心配はないけれど。
最終巻なのに、ディスク1はメイン二人だけの抜き録りであること、
原作者が収録に立ち会っていないことがブックレットで判明。
万全の体制ではないことに引っ掛かりを覚えながらも聴くわけです。
私事ですが、シリーズ1作目「しなやかな熱情」の神谷さんの潔さ&艶っぽさに度肝を抜かれたのがきっかけでBLCDと声優さんにハマりました。
あれがなければその後の800枚はなかった。
自分にとって非常に重大な意味を持つシリーズです。
第一声、中音で響く神谷さんの声に、
「ああ、今の神谷さんが演じてくれている…」と感慨深く、
同時に「臣さんだ…」と思う。
と万感の思いでしんみりしていたら、硬質早口のナレーションに笑うw
ああ、そうだったwこれもアリなんだった。
大川さんの堺さんはさぞカッコイイのだろうと思っていたら、
前任の方にとても寄せている。
意外だった。そして違和感がない。
長く続いたシリーズであることを優先されたのだと思う。
しかしこの堺さんと臣さんの会話も、実際は抜き録りだと思うと…。
残念だし、それ以上に神谷さんの演技力と集中力に平伏する。
女と子供の出てくるBLは鬼門だが、臣母子に関しては聴ける範囲だった。
最初の絡みの、この余裕よ…。
「エロいことしてんだけど、楽しい」ね。
何をしているのかわからないし、かなりカットされているけど、
それでもただ喘いでいるだけではなく。
エロに関係性を落とし込むBLの良さが感じられる。
安心しきった臣さんの声ですが、なかでも「ならいいよ」の可愛さは別格。
アインVS慈英の「グラスだしてきます」のうんざりした感じに笑った。
慈英、人間らしいね。
2回目の絡みは、自分の手で口を塞いで「だめだめ、抜けちゃうからだめ」
と言う臣さんがエロすぎてブラボー。
「うるさい」まで含めて、神谷さん、この臨場感は何事…。
大好き大好き。やっぱり凄い。
慈英が刺された際、堺さんが臣を叱咤する演技がさすが。
ここから取り乱して落ち込んで、号泣プロポーズまでが、今回の神谷さんの見せ場。
「聞けって!」と声を荒げる切羽詰まった感じにグッとくる。
気持ちが高ぶってギリギリで声になって鼻を啜りながら
涙声で「ぜったいおれが護るから」
「お願いがある」「おれと別れないで、おれをおまえのものにして」
「おれと結婚してください」
一気に言って、「ほんとに、なあ」「お願いだ。お願いします」
と言い募るのを聴きながら…
臣さんはこう泣くし、これを聴くための16年間/10年間だと思った。
「おれはあなたに一生護ってもらいますので、責任はとってくれますね」
にボロボロに泣きながら答える「は、い……っ」が全て。
「あなたが怪我をしなくてよかった」のあと、
「号泣した」と原作で書かれている部分は、うわーん!と号泣。
安堵もあるし、いろんな感情が綯い交ぜになった号泣。
「腹の奥から絞り出すような涙に、臣自身が圧倒されていた」
と書かれているので、ハードルが高いけど、
これだと思わせる正解を出してくる神谷さんは臣さん。
ここでBGMが入り、少し余韻があってよかった。
宴会からの帰り道、敬語で話す臣さんが可愛い。
そして初夜。
「濡らして、はやく、いれて」が最高可愛い。
「い、う、いく、もう、いく……なあ……っ」の再現度よ…。
神谷さんほんと…(合掌)。
「もー」のあと、息で「なつき、あまえる」が伝わる。
神谷さんはブレスの音を入れる人だけど、その息だけで演技が雄弁。
「嬉しくて、楽しい」「幸せですか」「うん」
よかったね…。辿り着いたね、ここまで…。
でも二人の日々はここからだよね。
「末永くよろしくお願いします」に慈英も泣いちゃう。
そりゃあ泣くね。
最後、電話で終わる。
「ダンナサマ」「帰ってきたら、いっぱいかわいがってな」「働け、先生」
臣さんも言うようになったなあ。
言えるようになったね。もう怖くないね。
「愛してます」「俺も」とただ穏やかに告げ、
〆は日常のモノローグ。
その日常が愛しいよね。慈英と繋がっているもんね。
よかったね臣さん。
これは臣さんが救われる物語だと思うけど、慈英も救われたよね。
フリト。
ローテンションで始まる。疲れたとしみじみ言う神谷さん。
ドラマCD2枚組の仕事自体が久々とのこと。
10年間同じ役を任されることについて訥々と話しています。
中村さんについて話すときの三木さんが…。
うん…。おつらいですね。
総括。
事件は毎度のパターン(臣が突っ走る)だけど…
非常識な女を登場させて話を動かすはるひ特有の展開だし…
女性の貧困問題や毒親問題は他所でやれと思うが…
でも、小説原作を2枚組でやる、実力派声優で丁寧に感情の流れを描く、
そういうBLCDの存続は願っています。
神谷さんのBLが聴けるのはこれが最後だろうか。
聴かずに死ねないと思っていた今作が聴けて、
満足です。出てくれてありがとう。それだけ。
原作の1が発売されてから16年。CDの1からは10年。
大団円でした。
お疲れ様でした。ありがとうございました。
前巻のお話がかなり荒唐無稽、奇天烈な展開と感じ、あまり好みではなかったのですが、どう終わるのか気になって拝聴しました。
臣がとても不安定で無鉄砲に突っ走るところ、消息不明だった父親の情報が得られるかもしれないとなったときと母親のときと態度が違い過ぎるところ、本当に同じ人物なのか、と思うことが多々ありました。
しかし、今作でその理由がわかった気がします。
非常に重たい背景で理由で、聴いていて楽しくはなく、嫌な気持ちに何度かなりました。
記憶喪失が直って想いを確かめ合って入籍、で終わってもよかったと思います。その方が優しいハッピーエンドだったはずです。
しかし、原作者の先生がこの臣についてどうしても記したかったのだろう、そのためのラスト2巻だったのだろうと思わされました。
ラストのあれこれ種明かし、答え合わせにたどり着くまで、聴いていて本当にきつかったです。
臣が毎回、毎回、こんなにもみんなに迷惑をかけて、周囲の好意を無視するところ、慈英を悲しませるところが受け入れられなくて、臣が嫌いになりました。甘えるにもほどがある、自分勝手にもほどがある、と何度も思いました。最終巻でなかったら途中で聴くのをやめていました。
でも、最後の最後で、こういう背景があったからこその臣、そしてそういう臣を受け入れ愛している慈英、という構図がしっくりきました。
臣から慈英へのプロポーズもずいぶん自分勝手な言い草だと腹立たしくなりつつ、しかし、よかったよかったと思いつつ聴きました。
10年以上かけて綴られてきた物語の重厚な結び、という印象を抱きました。