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人間味あふれる大正ロマン調教物
繊細な内面を傲慢さで隠し、男を手玉にとることで、自分自身を保ってる和貴(受け)と、冷静にみえて必死に和貴を手に入れようとしてる深沢(攻め)の人間味あふれる調教物でした。
はじめて、深沢に執着し、好きという自分自身の感情に気付けないまま、自分で自分を追い込んでいく面倒くさい(褒めてる)和貴。追い込まれた和貴を更に追い込み、自分のことを好きだと認識させていく深沢。
本来、繊細で自分を追い込むか、逃げ出すかの行動をする和貴だからこそ、手を伸ばし追い込んで、手を離さない深沢と結ばれたのだと納得してしまう一冊。
和貴の矛盾した行動や、複雑な内面が人間味あふれていて、どこか共感をおぼえるため、置いていかれることなく最後まで読み進めることが出来ます。
そして、攻めが覚悟を決めすぎている。
「調教」がテーマなだけあって、行為のシーンは濃いですが、物語の重厚感とマッチしていて、違和感はなし。そちらの満足感もばっちりです。
すごく耽美なのに、読みやすい。
おすすめです。
プライドの高い受けが快楽で堕とされるシチュエーションと、モブに襲われるシチュエーションが大好物な自分にとっては、BL作品の中でダントツで一番好きな作品です!!!!!!!
BLCDから入ったのですが、ハマり過ぎて原作小説と、和泉桂先生自ら執筆なさっている同人誌も片っ端から集め始めてしまう程、お気に入りの作品になりました!!✨✨✨✨✨✨✨✨✨✨
調教されて、従順になっていく和貴くんの様子も最高なのですが、最初の方の黒和貴くん(?)の非道っぷりも好き過ぎて、またあの頃の和貴くんを…、あの和貴くんが調教されていく過程を…、とループが止まらないのです…!!!
文章の表現だったり、時代背景が作り込まれている所も良きです!!!
「あなたには私しか残してやらない。あなたには私しかいない。私にはあなたしか同じように。」
「愛と絶望は同じだ。」
言葉でうまく表現できないかもしれませんが、本当に彼らの間に流れている何とも言えない特別な雰囲気が好きでたまらないです。
シリーズ一作目が20年前に雑誌掲載されたという2022年、このタイミングで初読→沼落ちしてしまった神作品のレビューを…。
ちるちるTVでBLCD回を見るとよくアンリ54世さんが推しておられるので、タイトルに見覚えある方も多いのではないかと思います。
ドラマCDは現在入手が難しいですが、原作小説は電子書籍にもなっているので手を出しやすいはず。
電子の内容はこちらの新書版なので、文庫の書き下ろし短編が読みたい方はご注意ください。
ただ個人的には新書版&電子版もとても推したいです!!
理由として、文庫版は作者様が加筆修正をしているがゆえに、受け(和貴)の内面描写がだいぶ「わかりやすく」なっています。
わかりやすいのはもちろん良いことですが、受けの真実に気付いているのは攻め(深沢)だけ、となる=読者も騙されやすい楽しさがこちらの版にはあるかなと。
表紙やあらすじで攻めが一筋縄ではいかない男だとバレバレですが、バレていても豹変シーンでは「きたきた!!」となるので、何度読み返しても本当に面白い作品ですね。
アンリ54世さんもドラマCDの方で豹変シーンのセリフを「サビ」と言っておられましたが、原作でもサビなのでどれだけリピートしても飽きない笑。
令和のコンプラ遵守攻めが話題に上がる今日このごろですが、正直BLでコンプラなど要らない派なので、同じ気持ちの方にはとにかくお勧めです!!
異世界よりももはや異世界的に思える大正ロマンの時代。
骨太な長編シリーズなので読破には体力気力を使いますが、好きそうなカップリングの巻から読み始めるもよしで、私のおすすめはこちらの次男編です♡
読めば読むほど二人ともが愛おしくなるカップリングの始まりの巻、20周年だからこそもっと読む人が増えてくれたらなぁと願っています!
うーん……やはりこのシリーズ、私には合わないのではないかと思い始めてきた二作目。
一作目同様、電子書籍版にはイラストがありません。
無理目と知りつつ、必死で手を伸ばそうとする登場人物は好きです。出来ないことを「出来る出来る」と頑張る姿があれば、結果がどうであろうと、もっと言っちゃえば、多少アンモラルであろうと良しとしちゃう所があります。
なのに、なんで和貴はダメなんかなぁ……
「本心では家を守ろうなんて思っていないんじゃないの?」って思っちゃうんですよ。
対する深沢も「ちょっとなぁ……」と。
大変優秀な男として描かれているので、こんなに辱めなくとも和貴の本音を引き出すことが出来たんじゃないかと思うんです。『次々と追い詰めていくことで和貴の思考を鈍らせ、隷属させる』というなら解るんですけれど、どうもそうじゃない風だし。
もう一つ。
前作でもおぼろげに感じてはいたんですけれど、そんなに『性』って怖いかな?
それとも怖いのは『性』ではなく『父』なのかな?『どう頑張っても父には敵わない』ってことなら解るんですけど。
淫乱であることを恐怖と捉える感覚が解らんのです。
やっぱり私にはちょっと良く解らない。
ただ、とんでもない迫力だけは感じたんですよ。
評価が高い名作にこんな感想で申し訳ありませんが。