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表題作こんこんキツネのお嫁入り

瀬之上紳太郎,温を助けた売れっ子小説家
紺野温,17歳,純真な狐の半妖

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

狐の半妖・温は住み込みで作家・紳太郎の身の回りの世話をすることに。温の失敗も笑い飛ばす紳太郎の優しさに触れ好きになるが?

作品情報

作品名
こんこんキツネのお嫁入り
著者
安曇ひかる 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344841741
4

(27)

(10)

萌々

(11)

(5)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
109
評価数
27
平均
4 / 5
神率
37%

レビュー投稿数8

健気なもふもふキツネくん

受けの子がケモミミもの(できればイヌ科の)が読みたくて、電子書籍で購入。
かわいくて、甘々で、ほのぼので、ちょっと泣ける展開もありますが、全体的に穏やかなテイストのお話でした。

半妖キツネの温くんがただひたすら健気かわいい。
無邪気で、一緒懸命で、一見あほの子っぽいけど世間知らずなだけで、それを自分でも理解しつつ、自分なりに色々と努力しているところに好感が持てます。
返事がたまに「あい」になってしまうのもかわいい。
あとは、独特の味覚センス!カレーに大福、おにぎりにブルーベリーは衝撃(笑)。

対する紳太郎さんは優しい大人系スパダリ(たまに独占欲が強くなるのもよき)です。
無邪気かわいい温くんに内心煽られつつも、必要以上にぐいぐいいかないところが萌えました。
受けがかわいすぎて、なかなか手を出さないけど、内心もんもんとしている攻めは大好物です。
温くんが作る衝撃的な料理も、頭ごなしに拒絶しないところも優しいです。
自分は頭がよくなくて……って言う温くんにかけた言葉も良かったです。

他にサブキャラとして、紳太郎さんの弟の陽次郎くん、紳太郎さんの担当編集の嶋田さん、温くんの友達のうさぎの三兄弟、温くんの育ての親のイヌワシさん、紳太郎さんのおばあさまなどが出てきますが、みんないいキャラでした。

温くんの出生の秘密とか、彼が普段身に付けているちろり玉の秘密などもきちんと伏線回収されていて、その点でも読みごたえがありました。
でも、温くんのバイト仲間に関しては何らかの制裁はほしかったなぁ……。やっていることがかなり最低ですし。

あとですね、えっちシーンはそれほどないんですが、温くんの尻尾を攻めるシーンがありまして、それがなんだかえっち!
尻尾って性感帯になるんですね……。
新たな性癖に目覚めそうです。

前述の通り、電子書籍で購入したのですが、電子版は本文にイラストが掲載されていないので、いずれ紙で購入したいです。

0

可愛くて可愛い温の嫁入りもの

あいっ!

温が可愛くてとっても良い子で。
紳太郎もそんな温を始めから可愛がって包み込んで。

ケモ耳しっぽと嫁入りと溺愛と。
ふつつか者ですが末永くよろしくお願いします。

はぁ〜、良いお話でした。
紳太郎が大好きな温。身の回りのお世話をさせてもらえることになったけど、失敗ばかりで。でも紳太郎の優しさがしみます。

兎三兄弟やセンセイや陽二郎や嶋田さんとの微笑ましいやりとり。
紳太郎さんを助けるためなら!とちろり玉を使って。自分のことより紳太郎を選んで。

あたたかくて、温の天然?世間知らずにクスっときて、そばでなんでも受け止めてくれる紳太郎とこれからも人間としても暮らしていけることになって。良かったです!

1

「お嫁においで」

受けの温が半妖の狐で、人間として必要最低限の常識は妖のイヌワシ先生から教わってはいるものの、ちょいちょいズレた行動をしてしまうところがなんとも微笑ましくてかわいかった。
それに前向きで一生懸命で、めっちゃいい子なんですよね。
かわいい。

攻めの紳太郎はそんな温を暖かく見守っていてくれる男で、こちらも好人物。
紳士の「紳」太郎、名前負けしていませんでした。

温が純真無垢で、身体の仕組みや性知識が皆無な子なゆえに、お風呂先入ってこい!と言われて、無邪気に部屋で脱ぎすてて廊下を真っ裸で歩いてしまったり(それを見て動揺しちゃう攻め♡)、一つのお布団に寝て紳太郎にギュッとしてスヤスヤ寝ちゃったり(攻めは悶々としている♡)といったように、紳太郎が密かに悶々としてるところも好き。

「お嫁においで」と、紳太郎が言うんですよ。
そこがなんかめーっっちゃキュンとしてしまいました。

もし私が「お嫁においで」とか言われたら、真顔で「はっ?!」と返してしまう自信100%だし、普通の現代物、例えばリーマンもので「お嫁においで」なんて攻めが言いだしたら「はっ!?お前は昭和のシンガーソングライターか?(ググったら加山雄三でした)」と突っ込みしたくなるけれど、このお話の世界観、そして紳太郎と温というカプだからこそしっくりきて、胸がキュン&ホワッとしました。
「お嫁においで」いいわー。

2

純粋無垢な受けの可愛さに悶絶


狐の妖と人間とのハーフである温(受け)はある嵐の日、山で道に迷っているところを一人の男性に助けられます。家に帰ってから、大切なお守り石・ちろり玉を無くしてしまったことに気が付きます。ちろり玉は温の狐耳尻尾を隠してくれる大切なお守り石です。捜し回っていると、山の麓の古い大きな家で助けてくれた男性・瀬之上紳太郎(攻め)を見つけるのです。ところが、紳太郎は温を助けたときに足をねんざしてしまっていたらしく、動けなくて不自由していることを知ります。申し訳ないと思った温はせめてものおわびにと、毎日住みかの近くに咲いている
野の花で花束を作り、そっと家の前におき、時には山でとれた果物なども一緒においてはお礼をするのです。
そんなある日、とうとう紳太郎に見つかってしまいまさが、紳太郎はとてもやさしく温を迎えてくれごちそうしてくれるのです。


温は母親は生まれたときに亡くなり、父親は妖の国に帰ってしまったため、一人で洞窟で成長しました。
温を育ててくれたのは通称センセイというイヌワシの妖です。本や衣類など必要なものはセンセイがどこからか調達してくれるのでした。戸籍のない温は学校へ行けないのですべてセンセイから教わるのですが、人里離れたところで育ったのでかなり世間知らずです。センセイに頼りきりになりたくないと、16歳になってからはバイトを始めるのですが、常識を知らないので失敗してはすぐにクビになるということを繰り返しながらも前向きに一生懸命生きています。

紳太郎は売れっ子推理小説家です。旧華族の子息ですが、非嫡出子なことと昔から人に見えざるるものが視えるため気味悪がられ両親から煙たがられており、弟の陽次郎が後継に決まっています。妖が視えたから周りに疎まれたとはいえ、妖を憎むことなく、偏見で物事をみることもありません。
温に身の回りの世話を頼むのですが、温がどんなに失敗しても、知らなかったことを叱ったりせず優しくやり方を教えてくれるおおらかで優しい人です。


とにかく、温がかわいいの一言です。最初の登場シーンでいきなり道端の草をむしゃむしゃ食べ始めたときはちょっとびっくりしましたが、本当に純粋無垢で全く汚れていないのです。
自分がもの知らずなことを理解しており、なんでも知りたがり、前向きで好奇心旺盛な頑張り屋さんです。
返事がすぐに「あい」となるのもすごくかわいいし、「ぎゃふん」を「きゃうん」といってみたり、花の名前も自分のイメージで名前をつけるのですが、それがまたかわいくて、シロポヤポヤとかうっかり草とかとにかくかわいい名前を付けるのです。おおきな尻尾を抱きしめながら寝る姿とか、とにかく温のする行動の一つ一つがかわいくて、きゅんきゅんしまくりで、死にそうでした。
好きなものと好きなものを合わせて食べるとおいしいという持論のもとに、温が作る料理は前衛的でした。紳太郎がどちらも好きだからとカレーの中に大福を入れたときはびっくりしましたし、おにぎりの中の具は基本果物で、それをおいしいといって食べる温にはかなりびっくり。
でも、温が傷付かないよう工夫して食べる紳太郎の優しさにはほっとします。
カレーにリンゴをそのまま入れようとしたのにもびっくりですが、料理に関する見解の違いは読んでいてとても楽しかったです。

性的なことも何も知らなくて、紳太郎のことを考えてて勃ってしまったり夢精してしまったときには自分は病気なんじゃないかと心配するし、本当に真っ白です。
温と紳太郎の何気ない大切な毎日を読むのはとても癒されました。
二人に関してははじめからベクトルがお互いにしか向いていないし、特に邪魔が入ることなく両想いになります


他の主な登場人物は、
超ブラコンの紳太郎の年の離れた弟・陽次郎。
はじめは敵意むき出しで意地悪なことをいうけれど、本当はちょっと不器用なだけで紳太郎のことを大好きで尊敬しているだけのとてもいい子です。

紳太郎の編集・嶋田。
無表情なことが多いけど、紳太郎や陽次郎のことを正確に理解し、温にも優しく、知らないうちに温のことも知っているような聡い人です。彼の恋の相手が気になります。(ちょっと年が離れてるけど陽次郎かなー)

捨てうさぎ3兄弟のピョン太・ウサ太・ミミ太。
気まぐれな人間に飼われて捨てられたためすごい人間嫌い。特にピョン太は温のことを心配します。
ピョン太はもの知りで温にいろんなことを教えてくれます。

センセイ。
イヌワシの姿をした妖で、温の父親に温を託され一人人間界に残り温を育ててくれます。妖力が高く、人間界に深く干渉しない程度に温のために妖力を使って育てます。

紳太郎と陽次郎の祖母・珠子。
紳太郎と同じく妖が視える人で、紳太郎の理解者。温の両親について唯一知っている人です。

いい人ばかりで、穏やかな毎日がつづくのですが、元バイト先のヘルプを頼まれた帰りの温のピンチを紳太郎が救ったことにより今度は逆に紳太郎が世間的にピンチになります。
無事解決するのですが、自分が悪い癖に逆恨みして二人をピンチに陥らせた温の元のバイト先の男にはそれ相応の罰が当たってほしかったです。そして、それに乗っかった連中の金儲けできれば人がどうなっても構わないという態度には本当に腹が立ちました。

この事件の後、温は両親のことを知ることができ、自分が望まれて生まれてきたこと両親に愛されていたことがわかって、本当に良かったです。できれば、いつか父親と再会できるといいなと思いました。
ただ、父親は妖の長ということなので強い妖力の持ち主だと思うのですが、温は父親の妖力は全く引き継がなかったのかなとちょっと疑問でした。妖力がそこそこあってうまく使いこなせたらもう少し楽に生きられるだろうとおもったのですが。

ともあれ、人里離れた田舎で二人で仲睦まじく暮らしていってほしいと思いました。

1

一生懸命で可愛い温

読み始めた時は、純粋無垢が故に失敗ばかりで何もできないアホの子なんじゃないかと少し心配しましたが、そんな事なかったです。
半妖なので山で生活をしているが、街へ出てバイトをしていて人間としての生活もしています。ただ、山育ちの為、センセイというイヌワシの姿をした妖が育ての親代わりです。その先生が人間の世界の知識も教えてくれていました。
人間の生活(社会)に馴染めていないという訳では無く、知識の吸収や探求心も強いので努力家で可愛い子です。

大雨の日に攻めの紳太郎に助けられその際に耳としっぽを隠すために必要な「ちろり玉」を無くしてしまいます。探している内に、大雨の日に助けてくれた紳太郎の家を見つけて色々あって彼の家で住み込みのバイトを始めます。

紳太郎は温が人間ではないという事にも気づいていて、温の知らない事で失敗をしても決して非難する事なく、次に失敗しないようにどうすれば良いのかと諭してくれるような人です。包容力のある攻めです。

紳太郎の弟や編集者の方などサブキャラも良いです。寧ろ良い人ばかりで終始、可愛い甘々な物語です。表紙にもいるウサギの3兄弟も可愛いです。

ただ甘いだけではなく、事件も起こります。当て馬にもならない微妙なただのチンピラみたいなキャラなので、ちょっと役不足なのが残念でした。2人の今後に関わる事だったのですが、その事件もあっさり解決してしまいもう少し何かあればなと思いました。
温の出生についても書かれていて、すっきりして良かったです。

全体的に甘く、攻めが受けを甘やかすのが好きという方にはオススメです。

1

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