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表題作密林の彼

青山真聡、テレビ番組制作会社の新米AD24
月ケ瀬漣、国立民俗学博物センター研究員で文化人類学者27

その他の収録作品

  • まだ密林の彼
  • あとがき

あらすじ

番組制作のため先住民の暮らす熱帯雨林にやってきたADの青山。
そこで出会った研究者の月ヶ瀬は、ジャングルに似合わない美しい人で……?

作品情報

作品名
密林の彼
著者
小林典雅 
イラスト
ウノハナ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
国民的スターに恋してしまいました
発売日
ISBN
9784403524752
3.8

(60)

(20)

萌々

(21)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
14
得点
223
評価数
60
平均
3.8 / 5
神率
33.3%

レビュー投稿数14

至る所で笑わせてくる

 初っ端、『ダヌワ族の村に行ってほしい』と言っているつもりが、『ワ族の村に行ってほしいんだぬ』に聞こえてしまったのか〜って文章にすごくジワジワきました。
 やはり典雅先生のギャグセンは高い。

 ちるちるで書かれているキャラクター設定の攻め(ヘタレ)受け(クーデレ寡黙)がドンピシャで読むのを楽しみにしてたが、受けがクール寡黙というよりも、ツンツンツンデレでただ態度と口が悪いだけでちょっと違うなーってなってしまった。口調もクールだったらなあ……。

 ただ自分の好みを無視したら、二人ともとてもいいキャラクター。
 攻めに対して態度が悪かった理由も語られるが、それがグッとくる。
 両思いになった途端、攻めに対してデレデレの素直になる(口は悪い)のが可愛かった。

 好きすぎたシーンは、受けのフェラと、攻めのアナル舐め。
 受けには早急に日本に戻って攻めとイチャイチャしてほしい!

0

ジャングルで恋なんだぬ

朗らかなテレビマン×ツンデレゲイの美貌の研究者です。

タイトルに使った「〜だぬ」というのは作中の小ネタですが、こういうのを入れてくるセンス、どうでもいいタイミングで笑わせてくる感じ(失礼)がまさに典雅節で、あ〜先生の作品読んでるわ〜と味わわせてくれます(笑)。

トラブルによりたった1人でジャングル奥地に取材に行くことになった攻。そこでダヌワ族という人々の研究をしている日本人である受の協力を何とか得られることになるのですが、受はツンツンしまくりで…という始まり。

典雅先生の作品らしく、あ〜最初からお互いちょっとイイなと思ってたじゃん、ということがわかりやすい、親切設計。
頼れる相手が受しかいない状況で、ツンツンしつつ攻の代わりにゲテモノ系の料理をさりげなく食べてくれる受にときめく攻に共感しました。
2人が恋人同士になってから、受が1人で過ごしている時の、初めてできた彼氏に浮かれまくっている姿は、めちゃくちゃ可愛かったです。

ダヌワ族は性的な触れ合いでコミュニケーションを取る種族。ここまで奔放な人々が実際にいるのかはわかりませんが、なんかまあ世界は広いからいるかもしれないな…と思わせていただきました。パタエカはびっくりしたけど(笑)。いや、これ、女同士だったらどうするのよ。別の儀式があるんでしょうか。

メインの2人の次に出番の多かったトゥクトゥムは、有能でピュアでとても良かったです。トゥクトゥムの挿絵欲しかった〜!

物語後半のブンデス野郎(ブンデスリーガに失礼)にはもう少し暴れてほしかったというか、あそこでトゥクトゥムにやられておしまいだと、ちょっともったいなかったかなと思いました。あと一回、受に求愛しにくるぐらいの根性見せて、ストーリーを盛り上げてほしかったですね。
というかブンデスリーガって言葉が何の説明もなく出てきて驚きました。本筋には関係ありませんしユニフォームと書いてあるのでだいたい雰囲気はわかるとは思いますが、一瞬でも「?」となりそうな表現は避けて、ドイツのサッカーリーグとか書いていただいた方が、サッカー詳しくない方にとっても読みやすかったんじゃないでしょうか。
それにしてもユニフォーム見ただけでドイツリーグとわかるとは、この受、かなり海外サッカー詳しい可能性ありますね。

0

さすがの小林典雅先生

切なさは皆無でしたが、月ケ瀬のツンデレぶりが最高でした。

青山が好みのど真ん中だけど、例え好きになっても短期間で帰るノンケだからと邪険に接していたなんて、なんて可愛いのって思いました。

綺麗なのに弓の腕前は凄いし、虫も平気で食べるしと型破りな人物です。

一方で青山は素直でおおらかな性格です。月ケ瀬に邪険にされながらも腐ることなく前向きです。そして月ケ瀬の表面的な態度だけじゃない一面を知って惹かれて行くのです。嫌われないように気持ちを伝えないでいますが、部族の少女が青山に求愛して来た事により2人が両思いだと判明するのです。青山の帰国の前日だったので初めて結ばれてから、遠距離恋愛が始まります。

携帯も通じない密林の奥地にいる月ケ瀬は、遠距離恋愛は続かないと思っています。しかし青山はまめに手紙を出し、例え滞在数時間でさえも会いにやって来る情熱家です。

月ケ瀬の任期があと一月後に終わるという時にやって来た青山は、日本に帰国したら一緒に住もうと提案します。月ケ瀬が照れながら同意するのも素直じゃなくて可愛いのです。

他部族の若者が月ケ瀬に一目惚れして、無理矢理攫おうとした事件もありましたが、青山とトゥクトゥムの活躍によって無事でした。

ダヌワ族の設定が小林先生らしくて、面白くて読後感の良い作品でした。

0

ツンデレの彼


表題作+書き下ろし中編「まだ密林の彼」の二本立て。

さわやかでおおらかな新米ADと美人だけどすごく口が悪いツンデレというかクーデレな研究員の話。


南太平洋に浮かぶ島国のジャングルのいち部族へロケに向かう3人組のクルーのうち二人が順番にダウンし、上司の命令で一人で撮影に向かうことになった新米AD青山(攻め)。
本来の現地案内役は倒れた上司が病院から脱走しないよう見張らなければならず、急遽日本人がフィールドワークしている別の部族に取材先が変わることになり、研究員の月ヶ瀬(受け)が案内を担当することになります。


もうすでにたくさんレビューされているので、感想だけ。
評価が高いところ悪いのですが、私はちょっとこのツンデレのツンがすぎる月ヶ瀬がどうにも可愛いと思えず、あまり入り込めませんでした。
特に表題作は青山視点なため月ヶ瀬が何を考えているのかわかりにくかったのもあると思います。
せめて、月ヶ瀬視点が間にちょっと入っていればもう違う評価だったと思うのですが・・・

急に案内を頼まれたから機嫌が悪いというのはわからないでもないし、テレビの考え方の無責任さに腹を立てるのもわからないでもないけど、月ヶ瀬の態度はちょっと度が過ぎると思いました。
青山が好みど真ん中で、二週間で帰ってしまうからわざと仲良くならないように
きつく当たったというのは青山にしたらすごい迷惑な話です。
断る選択肢もあったのに引き受けたからには社会人として仕事に私情を持ち込むのはどうかと思いました。
わざと怒らせるような言葉を選んで会話しているようで読んでいて嫌な気持ちになりました。
ただ、青山は秘境の地で放り出されたら困るというので終始低姿勢なので、ほとんど言い争いになることはなく、なんとか取材を続けているといった感じでした。
話が進むにつれて月ヶ瀬の態度が軟化し少しづつ歩み寄っていくのではと読み進めましたが、全くそんな風に感じられず、終始わざと感じ悪く対応しているので、この二人は本当に恋人になるのだろうかと心配になるくらいでした。
だから、青山が月ヶ瀬を好きになるのが全く理解できませんでした。
確かに、時々デレが出たり、嬉しさを隠しきれない様子は見れますが、基本こちらに対する態度は機嫌が悪い感じで、青山はドМなのかと思いました。
せめて、月ヶ瀬の態度がもう少し可愛くなっていけばもう少し読んでて楽しかったと思ったのですが。

書き下ろしでは両方の視点で読めるので、月ヶ瀬が青山のことが大好きだというのは伝わっています。
ただ、口の悪さは変わらず、ちゃんと月ヶ瀬の意図が伝わっているからいいものの青山が少しでも受け取り方を間違えたら、この二人は続かないんじゃないかと思ってしまいました。

あまりにも、二人の関係に萌えがないので、二人の話より青山が一人で頑張ったこの取材によって番組がどうなったかとか違う方面が気になりました。
月ヶ瀬が帰国した後の計画を立てていましたが、二人が帰国した後も少し読みたかったです。
青山は、誰とでも仲良くなれるタイプのようなので、きっと日本に帰ったら月ヶ瀬はやきもきするんじゃないでしょうか。
二人が恋人らしくいちゃいちゃするところはがあまりみれないのがとても残念です。


萌えとは関係ないですが、取材することになった部族のはじめましての挨拶が股間を触ることだったり、挨拶がお尻や胸を触ることだったり、色々と驚きの習慣に対する青山の取材シーンはとても楽しかったです。

2

違和感なくハマれる!

さすが典雅さんとしか言いようがないですね。
秘境の地へ取材に行かなければならなくなった新米AD青山が
現地で協力してくれる研究員の月ヶ瀬と恋に……落ちないような出会い方が
本当に最高でしたwww
こんなキッツイ性格してないとジャングルで生きていけないのかと誤解してしまいましたよ!
後で真相は明らかになりますがかなりのインパクトでしたね。
青山も結構天然というか抜けてるというか、
最初こんなんで大丈夫なのかなぁと心配になりましたが
素直で誠実な青年でとても好感が持てました。
ダヌワ族の挨拶の仕方や風習が何もかもが予想外で
そんな事ってあるのか!?いやここではこれが当たり前なんだと
常に笑わせてくれるにも関わらず
恋心を自覚するシーンなどはしっかりきゅんとさせられるんですよ…。憎いね!!
“ダヌワナイズされて”ってなんかめっちゃツボりましたww

月ヶ瀬が綺麗な顔してホント歯に衣着せぬどころの話じゃないくらいヅケヅケ言うのが癖になってきましたし
それとは裏腹の本心が青山並みに興奮してしまうのです!
すんげーデレてくれるの、正気を保てないに決まってる…。
青山のド直球の愛が込められた言動があってこそなんだろうな。

ひとしきり笑った読後はとりあえずぺヤ○グ食べたくなります。
(すみません本当はUF○派です)

2

モノローグがうける。(すみません。タイトル被ってたので修正しました)

で、青山さんの持ち帰った映像は使えたんだろうか?という疑問はさておき、とても楽しく読みました。

月ヶ瀬が同居の返事を青山の脳内モノローグに合わせて滑ったのはリアルだわ。
手紙を読みながらバタ足する姿も想像できる。

現実とかけ離れた設定にリアリティ溢れる人物像とその行動に一気に読まされました。
いるよね、こういう人。と、周りには居ないのにそう思わせる何かがあった。行動や思考が的を外れてない感じが読み手の想像力を掻き立てるんだろうか。

とにかく最後まで楽しく読めて良かった。

1

たーのしい!

買おうか買うまいか悩んで購入したところ、これがすごく面白かった。

とにかくダヌワ族設定が面白おかしくて、ついふっふっふと口から漏れてしまう。

タガイー最高、パタエカ最高!

そしてなかなか素直になれない月ヶ瀬さんが可愛いーのなんのって。
青山のワンコ入った好青年ぶりも爽やかで良し!

遠恋中の手紙エピソードにはこっちもニヤけが止まらず。
純粋で真っ直ぐな二人の様子に畳の上をゴロゴロ転がっておりました。

書き下ろしの当て馬くんが一瞬で消えてしまったのでちょっと拍子抜けでしたが、全編通してとっても楽しく読了。

ウノハナ先生のイラストもとてもマッチしていて、二人のビジュアルが好き♡
(P107の眠る月ヶ瀬さんの頭をナデナデする青山の構図が良かった)

そして個人的にはトゥクトゥム×レトゥ が気になってしまう…

先生、ダヌワカップルも描いてくれないかなあ〜!

2

姉さん!ってドラマ懐かしいな

BLなのにいつも笑わせてくれる典雅さんと漫画も大好きなウノハナさんのタッグなので買わずにはいられませんでした。

初っぱなから兄弟もいないのに「姉さん!」と心の中で呼びかける変な攻めが登場。期待を裏切りません。日本人の旅人とジャングルに住んでいた日本人の恋っていうと、普通現地に最初にいた方がワイルドな攻めってパターンが多いので、逆だったのが意外でした。

受けはジャングルの国の言語の研究者なんですが1年以上あの環境に住んでいたとは思えないくらい涼しげなクール美人です。でも毒舌。ツンデレなんだけど、言葉はツンなのに態度はデレを全然隠しきれていないっていうとってもキュートな人でした。

現地の人の風習とかも笑えるのでBLを読んで楽しい気分になりたい人にはピッタリです。

4

姉さん、ジャングルです!

典雅先生テイストだわーととっても楽しめたし、ウノハナ先生の挿絵も嬉しかったし、買ってよかったと思った1冊。典雅先生お好きな方には間違いないと思うお話、雑誌掲載分140Pほど(修正あった模様)+その続き170Pほど+あとがき。笑い上戸の方は車内読み難しいかも。

一人っ子のくせに昔みたテレビの影響でつい「姉さん、ピンチです!」と脳内ナレーションするADの真聡(まさと)。今回は特別大ピンチ。というのも南太平洋の島国にあるジャングルにロケにいこうとしたら、カメラマンはインフルエンザになって旅立てず、ディレクターは現地到着と同時に腹膜炎で入院・手術となるわ大変。結局一人で奥地に分け入り、現地フィールドワークをしている日本人研究者の手助けを得ることになり・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は、最初は攻め関係者の日本人が出てきますが、その後はダヌワ族の方々。

**好きだったところ

受けさんの超ツンデレ具合が楽しかった・・・・攻めが日本から持参したペヤングにめちゃ反応し、がつっと掴んでいるのに「いいのか・・・?」と聞いたり、「おまえは明日帰っちゃって多分二度と会わねえじゃん」とガチで拗ねたり、言行不一致はなはだしく、ややこしいめんどくさそうな方ですが、傍から見ている分には、めちゃくちゃ面白かったです。

攻めさんは誠心誠意頑張って、楽しんでADやっていけそうな方で、適度に力が抜けていて上手いなあと感心。色っぽい部分では押しが少々強そうで、そういうところも好きでした!

後、現地の動物話、食物話、風習(挨拶であそこ揉む等)が、なかなかスリリングでこれまた面白い。典雅先生のこれぐらいのコメディ加減、好き!面白かったです!

6

ジャングルで咲く恋はかなり変化球です

今回はテレビ番組制作会社の新米ADと
国立民族博物センター研究員のお話です。

攻視点で2週間のジャングル生活の顛末と
受視点で遠距離恋愛中の後日談を収録。

一人っ子の攻様の両親は共働きで
攻様は学校から帰ると2人が揃えた
ドラマのDVD類を見て過ごしていた為に
ドラマから強い影響を受けて育ちます。

その結果、
テレビ番組の制作会社に入社し
ドラマ部門の配属は叶わなかったモノの

海外の面白情報を提供する
情報バラエティの担当ADとして
西に東にと飛び回っていました。

今回はジャングルの先住民のロケのため
南太平洋に浮かぶ島国を訪れますが
取材クルーが次々と急病で倒れ

現地協力者もクルーに付き添った為に
当初予定していた「マヌイリ族」ではなく
更に奥地に住む「ダヌワ族」の取材を
する事となります。

というのも「ダヌワ族」の集落には
日本人研究者がフィールドワーク中だそうで
攻様は面識のない日本人研究者を頼りに
予備知識ゼロのぶっつけ本番で
ジャングルロケ決行する事になります。

しかし
スリル満点の小型プロペラ機にて
届けられた小さな飛行場には
期待していた受様の姿はありません。

攻様はとりあえずと
カメラを回す事にしますが
樹々の間から全身褐色の若者4人が
現れて心臓が爆発しそうになります。

縮れた短髪に鳥の羽根の冠を被り
腰を骨を繋いだ暖簾状のもので覆い
弓矢を背負い槍を手にした姿に

攻様は逃げるべきか、
身ぐるみを差し出すか、
ハグして敵じゃないと示すべきかと
額と脇と背中を汗びっしょりにしますが
とりあえず知っている現地語と
日本語で必死の自己紹介をします。

すると黒い羽根飾りの若者が
「タガイー」と言いながら
攻様の股間を揉んでもみっとしたのです!!

続いて他の3人にも「タガイー」と
股間を触られて意味不明な行為に
攻様は怯えて硬直しますが

その時、つっけんどんで手厳しい
日本語が響きます。

いつの間にか4人の背後に
細身で美貌の日本人男性が立っていて
ズケズケと攻様のロケの世話に対して
文句を並べ立てます。

この男性こそが今回の受様になります♪

受様は国立民族博物センターの研究員で
2年予定でダヌワ族の村に住んで
言語学の研究をしていて

攻様が痴漢された!?と思った行為は
ダヌワ族が敵意がない事を示す
初対面の挨拶だったのです。

厳しい言い方ながらも受様の助言で
何とか挨拶を返した攻様ですが
それだけで大仕事を終えた様に
感じてしまいます。

果たして攻様は無事に
ジャングルロケを完遂できるのか!?

雑誌掲載作のタイトル作に
攻視点の続編を書き下ろして文庫化で

ワンコでヘタレな年下攻様と
美人で口が悪くて強気な受様の
ドタバタラブコメディになります♪

小林作品は
キャラクターの性格付けが独特で
軽快なノリと巧みな状況設定で
読者の常識を軽ーく超えた
非日常の世界が展開するのが
とっても楽しく

今回もそんな典雅ワールドを
期待してワクワクで読み始めました♪

ところ変われば風習や習慣が
ちょっと違っているのは当たり前ですが

現代日本とはほぼ正反対な
南国の島国のジャングルという舞台は
もう想像以上の世界でした o(>_<)p"

攻様が受様の協力の元で
ロケをする事となったダヌワ族は
平和的ながらほぼ裸族な先住民で
挨拶は勿論、ちょっとした行動の解釈が
現代日本人である攻様には
カルチャーショックの連続なのです。

初対面の挨拶が大切な部分を触る事だったり
仲直りの方法が身体の接触だったりと
日本人的には赤面ものなのですよ。

そんな状況なので攻様は
受様の助けがなければ生きていられず(笑)
受様の言動の裏にある真摯さや優しさに
徐々に惹かれていくのです。

受様が性格上、素直になれずに
キツイ言葉を投げつけてもめげず、
ダヌワ族とも積極的に付き合う攻様に
気持ちが傾いていき

攻様が他人と距離を取っていた
受様の心を見事にキャッチするまで
とっても楽しく読めました♪

攻様のジャングル生活は
ノリとツッコミのドタバタ喜劇で
笑わえるシーンの連続ですし

クールビューティ系な受様と
ワンコ系な攻様のカップリングは
MYツボなので

受様に振り回されつつも
頑張る攻様という展開には
かなり萌え萌えでした (^o^)丿

書き下ろされた続編は
攻様には本編では隠されていた
受様の攻様ラブがただ漏れてて

ツンツンしきれない受様も
少ないデレを攻様が楽しむ様子も
すごく面白かったです。

新年1作目から素敵な典雅ワールドを
堪能できました!!

今回は典雅ブシが効いた1作で小林さんの
既刊『国民的スターと熱愛中です』を
おススメ作とします。
受様の脳内妄想が楽しいです。

5

口悪ツンデレ受けと超ワンコ攻め

小林典雅さんの新作にウノハナさんのイラスト!すっごく楽しみにしてました。

詳しくはすでにレビューされてるので感想を。

本の半分くらいまで恋愛要素が出て来ずひたすらジャングル生活とダヌワ族のお話で、それはそれで楽しかったのですが、どうなるの?と思ってました。

口は悪いがなんだかんだで世話を焼いてくれる月ヶ瀬を青山が好きだと自覚し、マラリアにかかりうわごとで月ヶ瀬に告白し、実は月ヶ瀬も最初から青山が好みのタイプドンピシャでズドンてなってたんですね。
そのせいでのオラオラツンデレか!

青山が月ヶ瀬に悪態つかれたりキツいことを言われても、素直に受け止めたり変に距離を取ったり腹を立てたり拗らせず、心が広くて打たれ強くて素直で信念を持っていて、とってもいい子です。

月ヶ瀬もどうせすぐ青山はいなくなるからと悪態をついてますが、青山をしっかり看病したり、そもそも研究者としてダヌワ族とそのプライドと尊厳を守ろうという姿勢にも感銘を受けました。

『まだ密林の彼』は月ヶ瀬視点です。
いかに青山が愛情をぶつけてくれるか、月ヶ瀬が青山に恋して浮かれているか、超遠距離恋愛を不安に思ってるけど自然消滅しても決してすがり付くまい、壊れる時は自分が原因だと覚悟しているかがわかります。

美形のわりに実は何もかも青山が初めての月ヶ瀬。萌え要素ですね!任期も後一月、日本での今後の事を相談したり。
まさかの他部族に求婚され拐われたり。
想い出の場所でのしたいことランキングを果たしたり。

色んなパロディや引用に吹き出したり、言い回しや言葉使いにクスッとなったり楽しく読めました。

偏屈超ツンデレ月ヶ瀬には青山が最初で最後のパートナーでありますように。

本当にラライラ~。

3

典雅節、炸裂してます

作家買い。

典雅さんと言えばコミカルで爆笑必至なストーリーに、むっつりな攻めさん、が定番な気がしますが、今作品もそのイメージを覆すことのない、典雅さんらしい作品でした。


ネタバレ含んでいます。ご注意ください。







主人公はテレビ番組制作会社の新米AD・真山くん。
「先住民に会いに行く」という趣旨の番組制作のため秘境である島国に行くことになるが、次々とハプニングが襲い、新米ADでありながら一人でジャングルへ行くことに。

そこで番組制作のために協力を依頼した月ケ瀬という学者と出会うのだがー。

というお話。

舞台が「密林」ということで、そこに住む先住民たちの習慣に、まず笑いを誘われます。

まずtnkを触ってあいさつする、とか。
そこかしこで(屋外で)セックスするのが普通、とか。

架空のジャングルが舞台ではありますが、こういう慣習を持つ部族って実際にいるんじゃないかな?と錯覚してしまう。これぞ典雅マジックか。

そして、主要キャラも、これまたよろしいのです。

のんびり、おっとりしているけれど誠実で優しい真山くん。
そして、綺麗なビジュアルを持ちながら、その見た目を裏切る口の悪さと豪胆さをもつ月ケ瀬。
この二人の掛け合いが、まるで漫才の様で笑いが止まりません。

月ケ瀬という青年はツンデレちゃんです。
個人的にツンデレに萌える性質ではないのですが、この月ケ瀬くんが、とにかく可愛い。

口の悪さが、真山くんへの関心の高さへの裏返しだ、という事が透けて見えているからかも。

彼はゲイ。
それゆえに過去に切ない恋をしている。その失恋を、今も引きずっているのです。

そんな彼を癒し、そして恋心を育てたのは真山くん。
でも、真山くんは仕事で来ただけで、数日後には帰っていく。
だから、好きになったらだめだ。

そんな彼の切ない想いが、ちょっとしたしぐさや言葉から透けて見えてきちゃうんです。読者にはそんな月ケ瀬くんの想いは理解できるものの、真山くんにはこれっぽちも伝わらない。

だからこそすれ違う彼らにやきもきするのですが。

が、そこは典雅作品なので、シリアスになる事はほぼなく、コミカルに進んでいくので楽しく読めました。

一途なわんこ攻め。
そして、悪ぶってるけど、実は健気で可愛い受け。

どちらも萌えツボにまっすぐ刺さる、素敵なキャラ達でした。

これ、続きが読みたいな。
続編を激しく希望しています。

あと特筆すべきはウノハナさんの挿絵。
めっちゃ綺麗です。特に月ケ瀬くんのクールビューティーな容貌がイメージにぴったりで萌え度は確実に上がりました。

8

吹き出したり、感心したり

今回のテイストは昨年刊行された『若葉の戀』と『管理人さんの恋人』の2つを併せ持つ感じです。
『とんでもないクーデレさんと素直なワンコが異文化の中で出会ってさあどうなる?』というお話なんですが、毎度おなじみの典雅節が大炸裂して、読みながら何度も吹き出してしまいました。

しかし、典雅さんは『言葉の魔術師』だなぁ……
南太平洋にある架空の国、ティオランガ共和国が舞台なんですけれど、ここ、元フランス領という設定なんです。で、公用語がフランス語と現地語が融合した『タバック語』なのですが「こんにちは」が「ブンジュー、コマンタレボイ」なんですよ。
なに?この、じわっとした可笑しみ!
いや、可笑しいんですけれど、でも過去に植民地だった国って本当にこういう言葉があったりしますよね。フィクションの根拠があるんですよ。「見てきた様な嘘をつき」ってやつです。
あとね、大笑いしたのは『東京ラブストーカー』っていうドラマタイトル!
たった1字変えただけなのに「一体、どんなドラマだよっ(笑)」って突っ込ませてくれる。

海外情報バラエティ番組の製作をしている真聡は先住民の取材でティオランガ共和国へ行くのですが、本当は3人で現地入りするはずだったのに1人がインフルエンザで搭乗できず、ディレクターも現地で急病。たったひとりでジャングルの奥地に暮らす『ダヌワ族』の取材に行くことになります。頼みの綱は現地で言語や風習の研究をしている日本人の文化研究学者、月ヶ瀬のみ。

この『ダヌワ族』の有り様がまた笑わせてくれるんです。
スキンシップによって人間関係を円滑に保つ風習があるんですけれど、初めて会った人に「敵意がない」ことを示すために、男子には股間を、女子には胸を『優しく触る』というのがご挨拶。
この他にも『争いごとがあった後の仲直りの方法』が奇想天外で、激しく吹きました(115pです。読んで笑って)。
何度もかなり笑いましたけれど、同時に感心もしたんです。
これ、一歩間違うと『自分たちの文化と異なる人を馬鹿にする笑い』になっちゃう可能性があると思うんですね。でも、母系社会でジェンダーの縛りが薄く、部族みんなで子育てをする『不倫も浮気も児童虐待もない社会』が根底にあるためそういう風習になっていることが読み進めていくうちに解るんです。
『言葉の魔術師』であるのと同時に『異文化理解の名教師』だと思うのね、典雅さんって。

さて、LOVEについて書きます。
クーデレとかツンデレはただでさえ可愛いものですが、月ヶ瀬の可愛らしさはとんでもない!
真聡に対して、とにかく意地の悪い言葉を言い続けます。
でも、意地悪のままでいられないのです。
ついつい『本当はいい人』が滲み出てしまう辺りが『憎みきれないろくでなし(いや、優秀な美人学者なんですけれど)』とでも言うか、もう可愛らしくてしょうがない。
対する真聡も『どこか抜けているヘタレ感』がありつつ、やる時はやってくれるし、何と言っても『惚れた相手に惚れ尽くす』という、典雅さん言う所の『アンドレ攻め』!
激しく、大きく、そして夢の様に美しいジャングルの風景の中で繰り広げられる、甘いあまーい恋に、ニヤニヤしたり、うっとりしたりいたしました。

いやー、新年早々、良いものを読んだ!

8

最高の彼

面白い!
読んで良かったです!

本当にジャングルを訪れたような読後感で、何より二人の恋愛模様が最高でした…!

以下、ネタバレです。


撮影クルーメンバーが次々と脱落していくアクシデントで、たった一人ジャングルロケをすることになったAD青山さん。
言葉もわからない土地で頼れるのは、以前からジャングルに赴任し、現地で民俗調査をしている月ヶ瀬さんという人物だけ…

青山さんは爽やか笑顔の好青年、月ヶ瀬さんは、クールな年上美人、且つどんな環境でも生きられそうなワイルド受です。


前半は、ジャングル生活の中で二人が少しずつ距離を縮めていくストーリーで、後半にはまさしく遠距離恋愛の醍醐味が詰まっています。

前半ではまず、ジャングルに住む「ダヌワ族」の風習がすごい…!
というかやばいです 笑

みんな穏やかで知的な民族なのですが、「はじめまして」の挨拶がお互いの○○○を握ることで、「仲直り」の作法は擬似○○をすることという…
(けして下品だったりギャグではないのです!)
月ヶ瀬さん青山さんも、郷に入らばなんとやらで、ガッツリこの風習に巻き込まれています。
本文の言葉を借りるなら、アメリカナイズならぬダヌワナイズされていくところが楽しい…!!

これだけ書くとコメディ一色のようですが、舞台のジャングルや人物はものすごくしっかり作られています。

青山さんも月ヶ瀬さんも仕事への真摯な想いを持っていて、ダヌワ族の成熟した人品や穏やかな暮らしに敬意を払って滞在していました。

そんな二人の関係がゆっくりと育っていくところが良いんです…

ゲイの月ヶ瀬さんは、本当は青山さんが好みど真ん中なのに、「どうせ帰ってしまうんだから好きになりたくない!」と、わざと酷い態度をとり、でも青山さんは、ちゃんと月ヶ瀬の美点を見抜いていて、年下の可愛さと素直さでますます月ヶ瀬さんを動揺させていくのです…。


そして!
個人的に後半がさらに良かったです。
作者様は、登場人物の掘り下げが本当にお上手です。

遠距離恋愛をする中で、青山さんは溢れんばかりの想いを込めたラブレターを送ってくれるのですが、愛とユーモアがてんこ盛りで笑ってしまいます。

月ヶ瀬さんを不安がらせまいと、いつも笑顔で、逆に遠距離を楽しんでいるくらいに見えるのですが、本心では、早く月ヶ瀬さんとずっと一緒にいたくてたまらないという切実な想いが伝わってきます。

一方の月ヶ瀬さんですが、「可愛い」という形容詞はほとんど使われていないのに、読んでいる内に「月ヶ瀬さんが可愛すぎてヤバイ…」という症状に陥りました。

クールなふりをしながらも、年下の恋人からの手紙を枕元に置いていたり、
青山さんがジャングルに会いに来てくれると知るや、待っていられず手作りランチ持参で迎えに行ったり、本当は素直に相槌を打ちたいのにプライドが邪魔して、小細工を効かせた相槌を返してみたり…(←この台詞是非読んでいただきたいです!!)
もうクールなふりしてもバレてますよ!

でもさすがは遠距離恋愛中、Hでは月ヶ瀬さんも潔いところが美味しいです❤

オリジナリティのたっぷり詰まった小説でした!
二人の魅力&最後まで気の抜けない展開を是非味わっていただきたいです♫

13

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