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表題作フロム・グリーンキッチン

名切 晃太郎 スーパーの惣菜売り場担当
高野 渡 サラリーマン

その他の収録作品

  • EXTRA PAGES ①②

あらすじ

名切晃太郎はスーパーの惣菜売り場で働いている。
ある日、よく見かけるサラリーマン・高野渡が
自分の作っている惣菜ばかり買っていることに気づく。

好物の惣菜が売り切れて落ち込んでいた高野に
名切が声をかけたことで二人はご飯を一緒に食べる仲に。
段々と高野に惹かれていく自分を自覚する名切だったが…

二人で囲むしあわせな食卓。それには、期限があって…

作品情報

作品名
フロム・グリーンキッチン
著者
上田アキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一迅社
レーベル
gateauコミックス
発売日
ISBN
9784758076173
3.9

(170)

(59)

萌々

(64)

(36)

中立

(9)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
19
得点
668
評価数
170
平均
3.9 / 5
神率
34.7%

レビュー投稿数19

読みとれてないところがきっとありそう

初めて読んだ感想は、う〜んきっといっぱい詰まってるんだけど表現があっさりで注意深く読まないときっとサラッと読み終わっちゃうな…。

サラッと読むと、若くてイケメンで料理上手な男前が、なんか朝ご飯も夜ご飯も毎日作りたいって言ってくるんですけどってお話?

いつもスーパーの惣菜売場で自分の作った商品を買っていくサラリーマン高野が気になる名切。
名切思い出の鶏肉炒めを美味しいとお気に入りで、昔から現れたら…と思っていたやっと会えたねな相手になり…。

視線とか体の向きや表情で、気持ちを表現されてるんだろうけど、ただこの関係に迷ってるのか?それとも?と思ってたら!

うーーーん、待ってて戻って来たら…とか言うけどさ。いつよ?何ヶ月後?何年後?
それで弁当屋を勧めたの?

惚れたもんが追いかけるしかないのかな。

いいなあ。イケメンが毎日美味しいご飯やお弁当を作ってくれて、追いかけてくれて。

0

唎き酒ならぬ唎き鶏肉甘辛炒め

お惣菜が縁で始まる2人。

仕事熱心で顧客が何の惣菜を買っているかのデータ取りなどしているスーパー店員さんの晃太郎。
忙しい独身で食事は出来合いの惣菜頼みのリーマン・高野。
自分の作ったお惣菜を美味しく食べる高野にもっと食べてほしくて。
そうやって始まっていくんだけど。
晃太郎にひとの胃袋をガッツリ掴む料理スキルと、高野ひとりにという熱情があるのはそれとして。
高野に「この味は晃太郎が作った料理」とわかる舌があったから、とも言える。
ていうか、やっぱり心の引力あってこそ!でしょう。
比較的早くに両想いになって甘い空気感なんだけど、高野転勤!という一波乱もあって緩急もつき、晃太郎の大きな飛躍が真のハッピーエンドに繋がって読後感良し。
高野は人のいい雰囲気、晃太郎はなんかドキッとくるカッコよさがあります。

0

美味しいふたり

上田先生が描く切れ長目メンズ、絡みのシーンが好きでして。

晃太郎がイケメンでした。
モデル体型で料理男子ってかっこよすぎです。

でも、晃太郎は25歳なの?
高野さんが三十路。
晃太郎が年下なのが最初なかなかピンときませんでしたw 顔だけでなく落ち着いてるから。

自分が作ったものを美味しく食べてくれるのがうれしい晃太郎。
胃袋を掴む側も心を掴まれているっていいセリフですね。

くっつくところも、くっついてからのいちゃいちゃの自然なキスもめちゃくちゃ萌えました。
上田先生のこういう描き方ほんと好きです。

転勤する高野さんへお弁当を泣きながら作る晃太郎、泣きながら食べる高野さん、いいシーンでした。ハイライトですね。

濱崎はどういう役割なのかと思ったら、なるほど。晃太郎を動かすきっかけだったんですね。

いいラストシーンでした。

0

鶏肉の甘辛炒めくださいっ

読んでる最中からグーグーお腹の虫が騒いでうるさかったです。
晃太郎の考えたお惣菜が美味しそうで、ほかほかのご飯、またはビールと一緒にいただきたい…。ジュルッ

スーパーのお惣菜担当の攻め、晃太郎とリーマンの受け、高野のお話でした。
キャラの雰囲気から名切が受けかなと思ってたのですが、色気ムンッムンの攻めだった。

お惣菜の感想を言いたくて急いで来る高野や、高野にもっと自分の料理を食べてもらいたい、もっと話がしたいという2人の気持ちが微笑ましく、温かい気持ちになりました。

野菜売り場で会った晃太郎と、名切が同一人物だと気づいた経緯の描写が無いので唐突に感じる部分もありましたが、カバー下のあとがきによると既刊に収録の読み切りが高野目線のお話だとのこと。
それはそちらも読まねばなりませんな!

「朝食まで作ってあげる」と、お弁当を忘れた高野にお弁当を渡して去る姿に色気がありすぎてドキドキした!

高野はいい男なんだけど、晃太郎に頼りすぎなのでは?という部分のみ引っかかりました。心が狭くて申し訳ない。
晃太郎は朝昼晩自分の作ったものを食べてもらいたいという人なので、ぴったりなんだけどね。
転勤の件も、気持ちは分かるがもっと早く言ってよーって思いました。

転勤の日の朝の静かな涙が切なかったですね。
2人で食べる食事の素晴らしさを知った後の孤独が身に染みる。
離れた後にバイトの濱崎がもうちょっと何か仕掛けて来るかな〜(ちょっかい的な意味で)と思ってたのですが、よい働きをしてくれましたね。
彼のキャラ好きだったので、またいつか会いたいです。

ハッピーなエンディングでホントに良かったです。
イケメンの作ってるお弁当、2割マシで美味いはず。
お母さんにも幸せな2人を見せてあげたかったね泣

2

胃袋って大事だな

スーパーのお惣菜コーナーの見切り時間に滑り込むようにして総菜を買いに来るサラリーマン

気になるのは彼が好んで買っていく総菜が自分の作っているものばかり


コレね 何回読んでも泣かされるのよ
新幹線で食べるお弁当に鼻の奥がツーーーーンって



【エンドスタートライン】でさらっと受け目線で描かれてたお話が攻め目線でより深く描かれていて 「もっと話したい」の理由やお互いにハッキリできない気持ちを周りと関わることで自覚していく

母の言葉 職場のアルバイト レジのパートさん
それぞれの言葉を受けて手放せないものを知っていく見せ方なんだけど そのセリフが自分のどっかにも刺さって抜けなくなっていく感じもいいのよ

例えば 誰かのためにご飯を作ったことがあるからなのか「相手の胃袋を掴むってよく言うじゃない でも作る方だって心掴まれてるわけよ」のセリフが変に響いてわすれられなくなる とかね


柵ばかりが増えた踏ん切りの悪い大人同士の恋が戸惑いながら食べることを通じてゆっくり進んでいく

この焦れったさも このせつなさも ほんといい
彼らが選んだ道の先をいまだに期待してるんだけどな   ないよね…… 

1

料理はこってり、展開はあっさり

 攻めの名切がスーパーの惣菜売り場を担当しているキャラなので、美味しそうな惣菜や弁当の描写がたくさんあって、ほっこりしました。BL作品では珍しい職種なので、興味深かったです。一方で、受けの高野は普通のサラリーマン。でも、スーパーのスタッフや、たまたま最後の商品を譲ってくれた人などに元気良く声をかけるところは、現実にはあまりいないだろうなぁと感じつつも、彼がそういう性格だからこの恋も始まったわけなので、素敵なキャラだなぁと思いました。

 名切はどうか分かりませんが、高野は完全にノンケのようだったので、名切の好意をあっさり受け入れるところは少し唐突かなと感じ、引っかかりはしました。互いの性の部分で悩むところはほぼないんですよね。『舌先に夜明けの味』のレビューにも書きましたが、これも親しい友人になったという方がしっくり来る話ではあるんです。ただ、そこまで急スピードだったわけでもなく、読者がついてこれるだけの余韻は持たせてあったので、こういうBLもありかなと思わせてくれました。

1

美味しいご飯

◾︎名切晃太郎(スーパーの惣菜屋さん)×高野渡(課長)
上田アキ先生の作品て、攻めの色気がすごいんですよね〜年下攻めですが、晃太郎の色気がすごい。
惣菜屋さんなのにヒゲOKの謎。イケメン無罪か?笑

受けたる高野くんの魅力にあまり気づけず、トマト辺りの出会い方もちょっと強引に感じてしまったり、高野はヘテロだよな…とか色々思うところはありつつ読んだのですが、それを押して面白いです!!
あとがきで「エンドスタートライン」に元の作品が収録されていると知り、そっちを見たら高野の魅力や、トマトの出会い方辺り納得がいったので未読の方は是非!ただ晃太郎が別人なのが気になる。

初出の収録場所なんとかならなかったのかね…

萌〜萌2
上田アキ先生好きなので萌2で

0

穏やかに時間が流れる作品

この先生の作品が大好きです
この作品もとても素敵でした
穏やかに時間が流れていく過程がとても素敵
穏やかな時間が永遠に続くと思ったら‥

そこからの展開も無理がなく
穏やかにしかし熱く展開していきます
それがとても心地よい

攻めも受けも、ノンケなのかゲイなのか
どんな人なのか、どんな背景があるのか
必要最低限しか描かれていない中で
読み進めるうちに、ちゃんと人物像が
イメージされる不思議

お互いに思い合っているのが手に取るようわかるのに、お互い大切にし過ぎててもどかしさすら感じました

付き合いたてなのに、連れ添って何十年みたいなところも良かったです

6

男はやっぱり、胃袋掴まれると弱いのか。

前に読んだ時、ちょっと高野さんがワガママに思えたんですよね。何かヤダな、と。
晃太郎はご飯を作ってあげたい。美味しいって、喜ぶ顔が見たい。
しかも彼はプロの調理師だ。レストランで無くても。スーパーの惣菜コーナーだとしても。
そこには正当かどうかはともかく、然るべき報酬が支払われるべきもので。
晃太郎がプライベートで作る料理は純然たる好意によるもの。
高野さんが、たかっているように思えたんです。
物語だから、金銭の授受、の様なのは省いたのかもしれません。(材料費だけでも相当だよ。)
晃太郎はただ美味しそうに食べてくれる笑顔が欲しいだけ。…って、そんな。
晃太郎の無償過ぎる愛と。高野さんのそれは、見合って無い気がしました。
久々に再読して、やっぱりそう思いました。
極め付けはラスト。いつも晃太郎が少し無理をして、側に居ることを選ぶ。
晃太郎は変なのに捕まっちゃったな、と思いました。
晃太郎のお母さんが素敵で、この母とのエピソードが一番好きかも。
出てくるお料理は、お惣菜屋さんらしく、いずれも家庭料理で、美味しそうです。

0

お惣菜やごはんが主役級の働き

食べ物が出てくる作品が好きすぎて、作品一覧から表紙に食べ物が描かれている作品を片っ端から購入するという暴挙に出ています。
この作品はタイトルとコックスーツが決め手で購入。期待以上のおいしさでした。

母子家庭で幼い頃に「自分がつくったものを食べてもらえる喜び」を知った晃太郎。
高校から始めたスーパーの惣菜コーナーの仕事が楽しすぎて、彼女にもフラれるありさま。
そんな晃太郎には来店を心待ちにしている客がいて…。

晃太郎と晃太郎がつくった惣菜をいつも買ってくれる高野の話です。
物語はずっと晃太郎サイドで進みます。
職場でのシーンはもちろん、バイトの子たちとの食事会や晃太郎に片思いする濱崎くんとの会話、母親とのエピソードも絡めてあって、晃太郎の人となりがよく分かるようになっている一方、高野はモノローグはいくつかあるし、高野メインのシーンもありますが、バックグラウンドは一切明かされません。
この情報のギャップが良かったです。
晃太郎の知っている高野しか知り得ないことで、一緒に恋している気分。
激しい感情のぶつけ合いや胸が締め付けられるようなことはなくて、静かにゆっくり育っていく大人同士の恋という感じでした。
この雰囲気がすごく良くて、濱崎くんを晃太郎がやんわりいなすシーンも「おっとなー」という感じでカッコよかったです。
見た目もイケメンだけど、高野に対してはかわいい晃太郎も必見です!

母親のエピソードもとってもいいです。
子供の頃も、高校生になってからも、本当にいいお母さま。
はっきり描いてはいないけれど、晃太郎が決断をしたときのシーンで「え、あのお母さまは…」という衝撃のあと、「絶対しあわせになって!」と応援したい気持ちでいっぱいになるはずです。

そして何と言っても新幹線のシーン!もう!!泣く!!!好きだ!!!!
読んでいない方、もう絶対に読んでください!
可能であればお貸ししたいくらいです。それくらいおすすめ。

食べ物が出てくる作品は数あれど、この作品ほどいい仕事をしているものはなかなかありません。
惣菜コーナー、晃太郎の自宅のキッチン。舞台はほぼこの2つです。
添え物的に扱われる食べ物にやきもきされている方でも、きっと満足いただけるであろう作品でした。

4

お惣菜売り場で始まる恋

スーパーの惣菜売り場で働くスタッフの晃太郎とそこによく買いに来るサラリーマン・高野とのお話です。

惣菜売り場の常連客である高野と、ある惣菜がきっかけで会話するようになります。自分が作った惣菜を本当に気に入ってくれている様子を見て、すごく嬉しくなっていく晃太郎。その喜ぶ顔が見たくて明日も来てくれるかな、もっと自分が作ったものを食べて欲しいな、そしてもっと話をしてみたいなと段々思いを募らしていきます。

攻め視点でお話が進むので晃太郎が料理を好きになった背景なども含めて、高野に惹かれていく心の内や葛藤は良くわかるのですが、受けの高野の言動が人懐っこいキャラだとしても突飛というか距離感を急に縮めすぎるように感じる点があります。
スーパーの野菜売り場で名前を聞くくだりや、毎晩自分にご飯を作ってくれるように言うくだりなどです。

ただし前作の「エンドスタートライン」に収録されている短編の「フロムグリーンキッチン」は受け視点で描かれており、そちらを読むと名前を聞くくだりでは唐突に名前を聞いたのではなく、晃太郎のカゴの中身が山盛りなのに気づいて、全部自分で料理するの?などというやり取りの後にようやく名前を聞く流れになっています。そして毎晩自分にご飯を作ってくれるよう言うくだりの前には晃太郎のお弁当を食べて気づいた様子や、会社の終業と同時に飛び出していく様子が描かれています。高野は自分の気持ちに気づいていないにしても晃太郎を好ましく感じており、夕飯を作ってくれたらもっと一緒にいられるんじゃないか?という気持ちで提案したのだろうという事が判るので、併せて読むと突飛な印象がかなり減ります。

晃太郎が色っぽくてとても好きです。お互いに眠れなくてキスをするシーンがすぐにキスするのではなく徐々に近づいていくところ、晃太郎が下から見上げるようになっているところなどがたまりません。

私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品です。
料理・食事が中心に描かれているので日常生活の延長上のストーリーであり大きな波乱などはありませんが、晃太郎の作ったお弁当が喉を通らないシーンはホロリときますし、やりたい事を掴んで幸せそうな姿にもジンワリできる、心が満たされる作品だと思います。
教えてくださり本当にありがとうございました。

3

胃袋を掴む、心を掴まれる。

美味しい料理を食べて身体が温まっていくように、心もジンワリと温かくなっていくような、淡々とした優しい話です。

スーパーで惣菜を作っている晃太郎が、食べるのが好きなリーマン・高野の胃袋も心も掴む。
簡単に言えてしまうストーリーなのだけど、料理を作って料理を食べてって行為を通して、二人が知り合ったキッカケや距離が近づいていくのを丁寧に描いているので、二人の気持ちに寄り添いながら作品の世界に引き込まれていきます。

晃太郎はイケメンでモテるのに、興味が無い人には冷たい。でも高野が美味しそうに料理を食べる顔を見ると、ほころんだ柔かい笑顔になる。生活サイクルや体調を考えて料理をつくるのって、その人への愛情そのものだなと思う。

高野はタレ目で目尻を思いっきり下げて笑う。
晃太郎の気持ちに気付いてるくせに晃太郎を抱きしめて、そうゆう流れを受け入れて、ノンケの自分の気持ちを試そうとする。それって大人のずるさだよなと思いつつ、それをサラッと晃太郎に話せてしまうのは年上のくせに素直で、人懐こい笑顔そのままな人。

ストーリーは晃太郎視点で進みますが、いま晃太郎は高野に見惚れたな、高野は晃太郎のこうゆうところが好きなんだろうなって、二人両方の気持ちの動きが伝わってくるので、私自身も一緒に高野に恋して、晃太郎にも恋しながら読んでいた気がします。

それと、晃太郎のお母さんの言葉、晃太郎に片想いしてる職場のバイト君のまっすぐなスルどさ、レジのおばちゃんの名言、脇キャラの使い方も絶妙でうまい!
優しい大人の恋愛を描いた一冊です。

2

おいしそう

サンプルをみて購入しました。
いつも惣菜を買って帰るサラリーマンがいて、そのサラリーマンは自分が作った惣菜ばかり帰っていくので気になるようになった。
偶然だと思っていたが、次の日も自分の作った惣菜を買いにサラリーマンが来たのだが、目の前で売り切れてしまった。
自分の作った惣菜を必真剣に求めてきた彼に対して嬉しさを感じ、その次の日から彼に自分の作った食べてほしいと思うようになります。

偶然エプロンをつけていない状態でサラリーマンの高野と出会った時に、かごの中にいつも入っていたものに気付いたのは、いつも見ていたんだなと思いました。
その後も私服で出会った時に、自分の作った惣菜の話をされると嬉しくなる様子。
そりゃ嬉しくもなるし、もっと食べてほしいと思いますよ! 惣菜じゃない自分の作った料理を。
そのきっかけとなった名切のお母さんが優しくてとっても好き。
あの一言のおかげで、食べてほしい人というのにこだわったんでしょうね。
高野がお礼を言うところの笑顔も好きなんですよ、この笑顔のおかげで読みたいと思うようになりました。

高野が自分に料理を作ってほしいと言い出すところは、いきなりそんなこと言う? と思ったので、みなさんの言う通りもうちょっと描写が欲しいですね。
既刊を未読でしたので展開が急に見えてしまいました。

2

どこにでもありそうな現実味のあるお話。

ちるちるさんの作家インタビューで取り上げられていて、面白そうだなと思って手に取ってみました。前作『エンドスタートライン』は未読。


いい意味で、地味で、華やかさのないお話でした。
普通の人の、普通の恋。
派手な出来事も、ドラマティックな「何か」があるわけでもない。

でもそれがじわじわ来る。

スーパーのお惣菜屋さんで働くスタッフと、そこにお惣菜を買いに来るお客さんの恋のお話。
どこにでも居そうな二人だからこそ、現実味があって話に引き込まれました。

どこにでも居そうなおっさんの高野さん(受け)なのに、自分の作ったお惣菜をおいしそうに食べてくれる姿を見て少しずつ惹かれていく晃太郎の恋心とか。
晃太郎が、母親を助けるために、大切な人に食べてほしくて料理をつくり始めた子ども時代の回想だったり。

読者にも気持ちが分かる展開なので感情移入しやすかった気がします。

ただ、高野さんが晃太郎に恋心を抱いていたのがちょっと強引だった気も。
元々ゲイである晃太郎はともかく、高野さんはノンケさんぽいし、そんなにあっさり恋心を持つようになるのかなあ、と。
高野さん視点で描かれることがなかったために、そのあたりの気持ちの変遷が分かりづらかったのが残念と言えば残念でした。

『エンドスタートライン』の過去編とのことだったので、本屋さんでまとめて買おうと思ったのですが、そちらはお店においてなくて買えなかった…。残念。
探して買おうと思います。

2

品ある料理男子♪

大人っぽい作品だ~(´▽`)ノ
購読後の第一印象です。

スーパーの惣菜コーナーで働く晃太郎と、晃太郎が作った惣菜とは知らず、そればかりを手に取り通い詰める常連サラリーマン高野のお話。

本当に嬉しそうに自分の作った惣菜を手に取る高野の笑顔を見て、自分が料理を始めた時のことを思い出す。
少しずつ、少しずつ。惣菜をきっかけとして無理のない展開で二人の距離は近づいていきます。
ひょんな事から晃太郎の作ったご飯を一緒に食べる関係になる二人。
晃太郎にとって高野の美味しかったの一言は最高の幸せとなっていく。
その笑顔に惹かれている事に気が付く。

高野の気持ちの描写が弱く、
好きだ、俺もだ。の、ちょっとご都合主義な結ばれ方の様に思えましたが、
晃太郎の所作が美しく寡黙で。なのに料理男子ってのが個人的に萌ポイントでして。
高野も笑顔はへにゃへにゃなのに、課長としてプライド持って仕事してる姿が格好良くて、
その高野が攻めだと思っていたら受けだったのがまた萌でして。(笑)

全体を通して、絵自体も、細かな描写や人物の所作も、とても大人っぽくセクシーな一冊だと思いました。

2

2日目のカレーライスのような・・・

購買理由…名切さん(攻め)の容姿が好みだったので。
丁寧にスパイスから調合したカレーを、一日寝かせてから提供された様な(そして、もちろん美味しい)読後はそんな気持ちになりました。

心を掴まれた彼と、胃袋を掴まれた彼の甘酸っぱい恋愛模様が描かれています。舞台は主に、スーパーのお惣菜売り場。
名切さんと母親の日常が、時々 効果的に挟み込まれることによって自然と彼の人柄に惹かれていきます。
高野さん(受け)は惣菜ばかりの夕飯に、好物のトマトを必ずプラスする。出来合いのものだけでは やはり健康が気になるのかな?そんな良い意味で 少し小心者な雰囲気の彼が、悪い人な訳がない!と、恋の行方を全力で応援したくなる二人なのです。

少しずつ、相手との距離を間違わないように 慎重に…かと思えば、時に男らしく 大胆に。
料理だって普段とは違う手順を踏んで作ってみたら、いつもより美味しく出来た なんて事もある。
想いが通じた後、眠れない名切さんを抱き寄せて頭をなでなでしてあげたり、高野さんの懐の深さを感じられる描写が色っぽいけど温かさも伝わってきて好きでした。
いつ食べても美味しい料理に愛情が込められているのは もちろんの事。
その味付けの変化=感情の揺らぎ、だと敏感に察知出来る高野さんが とても素敵だなぁと思えました。

本編は名切さん視点でお話が進んでいきますが、所々ストーリーの繋がりが唐突に思える場面も。
その部分は、既刊「エンドスタートライン」収録の読切で、しっかり・バッチリ補完されています。こちらは2話の途中までの高野さん視点です。
読切部分が本作に同時収録されていたなら、文句なしに神評価でした。

9

惣菜屋さんとサラリーマンのメンズラブ

スーパーの惣菜売り場で惣菜を作っている攻め。サラリーマンの常連客が、自分の作った惣菜ばかり買っていることに気づくが、あることがきっかけで言葉をかわすようになり…。


料理が得意な男子と食べる専門のサラリーマンのカップルです。
『エンドスタートライン』という既刊に収録されている読み切り作品の続編らしいです。そちらは受け視点の短編だそうですが、今作は攻め視点で出会いからが描かれているので、既刊が未読でも問題なく読めます。

料理がアイデンティティな攻めが、自分の作った惣菜を気に入ってくれる人に好意を持つのは分かります。でもそこから一緒にご飯を食べることになるのがあまりに駆け足というか、えっもう家に来てご飯食べることになっちゃうの? とびっくりした感もありました。
前作を読むとそのへんは補完されるのかもだけど、大人の男2人が出会い、ちょっとずつ惹かれ合う描写自体はとても素敵なので、そこを掘り下げないのはちょっともったいなかったです。
あと、攻めがこれまで誰にも心を動かされることがなかったのに、自分の惣菜を喜んで食べてくれる受けに惹かれた、というのもちょっと強引かなと思いました。現に同じ職場で働く複数の男女が攻めのことを好きで、その人たちも攻めの作る惣菜が好きなのに、なぜその人たちには心を動かされなかったのかな、と思いました。同僚の男の子なんてワンコで健気で攻めスキスキでなかなか良かったし、個人的には寡黙な攻めと、こちらの同僚くんが出来上がったほうが好みのカップリングだった気がします。

とは言え、リーマン受けとのカップリングも、メンズラブ的でなかなか良かったです。絵が結構好みの絵柄で、それがかなりプラスになっていた気がします。

7

心がじわ〜〜っと癒されます!

思わず表紙買いした作品。
良かった〜〜〜!!
幸せな食卓シーンに癒されて、キャラ達の誠実さに癒されて、幸せをちゃんと自分で掴みにいく前向きなストーリーには元気をもらえました。
理想的なビタミンBL!

自分の作った料理を誰かに満面の笑みで喜んでもらえたら幸せだし、自分じゃない誰かが自分の為に作ってくれるごはんを毎日食べられたら幸せ。
誰かと食べるごはんは独りで食べるごはんよりもおいしいし、そのごはんが美味しかったらさらに幸せ。
共感しやすい日常の「幸せ」を軸に描かれるお話は気負わず読めて癒されます。
でもってキャラも良いんです!
攻めも受けもどちらもとっても誠実で好感が持てる2人だから全力で幸せを願いたくなります。
2人が見せる豊かな表情のひとつひとつにつられながら、優しい気持ちで読み終えることができました。
またお一方、素敵な作風の作家様に出会えて嬉しいです。

「エンドスタートライン」に、この作品が生まれる元になった読み切りが収録されているとのことですが、そのせいか最初の方の展開がやや飛び飛びに感じられるのが少し残念かな。
既刊も読んでみようと思います。

【電子】シーモア版:修正○、カバー下○、裏表紙○

5

愛情のこもった料理

スーパーのお惣菜コーナーを通じて知り合った
惣菜売り場担当の攻め×買い物客のサラリーマン のお話です。

既刊「エンドスタートライン」に同タイトルが収録されており、
そちらは2人の出会いの受け視点となっているようです。
なので今回は、前作の攻め視点ver.+続編といった感じなのかな?

前作は未読なので時々場面切り替えに"おや?"と感じる部分はありましたが
特に問題なく楽しめました!
ちょっと分からない部分は「エンドスタートライン」で補完しようと思います(^^)


1冊丸っと表題作・攻め視点です。
幼い頃から料理を作って食べてもらうことが好きな攻め。職場の惣菜売り場でいつも自分の作った商品を買っていくサラリーマン(受け)と話すキッカケがあり「いつも美味しいお惣菜をありがとうございます」と言われ、嬉しさと同時に受けともっと仲良くなりたいと思うようになります。
ある日プライベートタイムに惣菜売り場以外の場所で偶然出会い、次第に仲良くなり、直接手料理を振る舞う関係に。互いの気持ちを確かめ合い甘く幸せな食卓を囲む日々が始まるものの、受けから突然告げられたのはーーーというお話です。

色んな美味しそうな料理が出てお腹がすきますw
攻めは仕事で1日中作っているのに、家でも受けの為に作って、夜の突然の訪問でも作って、弁当も作って届けてって……う、羨ましいゾ(受けがw)

愛情のこもった手料理にほんわか( ´͈ ᐜ `͈ )
嬉しそうな顔をして料理をしてる姿にキュン♡
他人には無愛想なのに受けの前だと幸せそうに笑ってるのが印象的です。

ですが。
幸せそうな攻めに対して受けは少し浮かない顔…。
離れなきゃいけない期限が迫っていて。

タイムリミットがきた時に玄関で涙を流す攻め
最後に作ってもらったお弁当が喉を通らない受け
このシーンの描写が切ない・・・(´•̥ ω •̥` )
こういう悲しさって後から湧いて出てくるんですよね。

あ、最後はもちろんハッピーエンドですよヾ(*´∀`*)ノ
会いたくて会いたくて仕方ない切なさを乗り越え、明るい笑顔に暖まります♪

上田アキさんの本は2冊目の購入でしたが
今作の攻めも個人的萌えツボストライクで嬉しい!
見た目は大人っぽいのに受けには甘えるギャップとか
淡白そうに見えてエッチがガッツくギャップとか
堪らんです(∩´///`∩)萌
んで、オールバックでお団子頭+ヒゲのキャラデザは
立ってるだけでそこはかとなく漂う色気が良い。

前回読んだのは【廃品回収】今回は【惣菜売り場】どちらも身近で所帯染みたテーマなのに、作者さんのお話を通すとキラキラと暖かい場所になっていくのが素敵です。次回作も楽しみ(﹡´◡`﹡ )

5

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