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諦めなさい……身体はもう私を受け入れている
今回は救命救急センターの救命救急医と中央病院の整形外科医の
お話です。
攻様の双子の兄が帰国し受様と攻様を翻弄しつつ英国に発つまで。
受様は聖生会中央病院に勤務する整形外科医ですが、経験を積むた
めに月に何度か救急救命センターの夜勤をしています。
センター勤務の医師の退職により新たにやってきた医師は金髪に近
い栗色にオリーブグリーンの瞳をもち極上の笑みを浮かべる英米ハ
ーフの攻様でした。
攻様の両親が日本でホテル業を営む祖父の後継者となったことから
攻様は生まれ育ちも国籍も日本で完璧な日本語を話しますが、どう
見ても一般的な日本人には見えません。
しかも攻様はなぜか受様との初対面で「やっと見つけた」と呟き、
受様を口説き始めるのです。合コンキングの異名も持つ受様は性的
にノーマルな上に、攻様の笑みが天使というよりも悪魔に見えて、
あまりお近付きにはなりたくありません。
しかし受様は美味しいものを食べることが大好きで、攻様が拠点を
定めるまでと宿泊している実家のリゾートホテルの美食デイナーの
餌にまんまと釣られ、最後には受様自身が美味しく頂かれる羽目に
なるのです。
以来隙あらば口説いてくる攻様に辟易しつつも、食の好みが一致
していて食についても詳しい攻様との食事はとても楽しいもので
受様は2度目を狙う攻様に戦々恐々としつつも断る事が出来ません。
そして本日も、攻様の常駐するホテルの日本料理店で評判がいい
と言う旬のメニューが明日までだからと言う誘いを断れず、日勤
後にホテルへ向かいます。
そこで受様は攻様そっくりの男性と遭遇することになります。攻様
より沈んだ色合いでオールバックに仕上げた栗色の髪と明るいブル
ーの瞳の彼は攻様の双子の兄だったのです!!
攻様兄はホテルの副社長で鎌倉の祖父宅を拠点に世界を飛び回って
いると言います。不機嫌そうな攻様に対して攻様兄はフレンドリー
に話かけてきます。その雰囲気に記憶を刺激された受様は中学生の
時の交流キャンプで攻様兄と会っていたことを思い出します。
攻様に既視感を覚えたのは攻様兄と似ていたからかと話が弾み、帰
りがけには名刺まで渡されて食事に誘われます。懐かしさと興味で
誘いに乗る受様でしたが、やがてそれがいろいろな誤解を生みだし
ていくのです。
果たして攻様兄の目的とは!?
春原先生の救急救命医シリーズ既刊「恋する救命救急医魔王降臨」
の続刊となります。
本シリーズは1組まとまると、脇キャラが主役となって続いいるの
ですが、巻を増すごとにキャラの背景の複雑さも増していて、まと
まるまでの右往左往状態がどんどん長くなってきてましたね。
前巻で初登場の攻様の事情はある程度明かされたのかなと思ってい
たのですが、まさかの双子、まさかの兄登場でびっくりしつつも、
2人にどう絡むのかとワクワクで読み進めました。
攻様は兄は攻様が嫌いだと言いますが、受様の目には弟が可愛くて
仕方がない兄にしか見えません。しかも攻様も兄をドラ息子と言い
ながらも、彼が家業を継いだ事で医師となれた事が負い目なのか
御曹司らしい兄の上からな言動を咎めないのです。
攻様兄は私には「弟大好き過ぎ」ぽく見えたのですが、攻様の言う
双子ゆえの確執で「弟よりも常に上」がマストならかなりねじれて
いるから、受様では太刀打ちできそうになく、どうなるのかさらに
ワクワク♪
そんな攻様兄の存在が受様の攻様への気持ちを揺さぶることになり、
攻様にロックオンされて押し倒されてアイデンティティが揺さぶら
れ受様のグルグルはさらに深まり、タイトルは攻様迷走ですが、
受様は攻様以上にグルグルなまま(笑)で次巻へと続いていました。
受様の言動の端々に攻様に落ちかけてる感じが散見し、攻様は狙っ
た獲物は逃がさない男にしか見えませんし、受様もけっこう押しに
弱いので、受様以外には終着点は言わずもがな状態ですが、恋物語
には途中経過もすこぶる大事ですから、次巻も楽しみに待たせて頂
きます (^-^)v