イラスト入り
愛している。心から、君のすべてを
アーサーのお兄ちゃん、エドワードがずっと不憫で可哀想なお話でした。溺愛甘々とは少し違うなって感じ。そもそもチヒロが哲也の話を断っていればあんなことにはならなかったのに、哲也のいいようにされて犯罪に手を染めようとするなんていやいや断れよ!!って感じでしたね。ゲイをバラされたくないから犯罪に手を染めるなんて、、、。名倉先生らしくないお話でした。好きな人は好きだと思います!エドワードはめっちゃかっこいいしスパダリヘタレですき!
「アーサー・ラザフォードシリーズ」は未読の状態で読みましたが、問題なく楽しめました。
この本のあらすじ及び内容はたくさんの方が既にレビューされているので、千紘と哲也の関係性について私なりの考察というか妄想を備忘録ついでに書き記しておきたいと思います。
この本のストーリを動かす元となるのが、「千紘が哲也に産業スパイを頼まれること」でした。
ここで生まれる疑問というか、なぜ?というポイントが、「どうして千紘は頼みを断ることができなかったのか?」そして、「どうして千紘は事件後に哲也を罪を深く問うことはしなかったのか(懲らしめなかったのか)?」という2点なんですね。
なんというか、終始、哲也に対して甘いというか、ほとんど厳しい側面を見せることがなかったように思います。
いやしかし、これの点について別に気にならない方もいるかもしれませんし(メインは千紘とエドワードの物語なので)、既に自分なりの答えを見つけられている方もいらっしゃるかもしれませんね。ですので、ここは私、一個人のただの意見に過ぎないということを念頭に置いて読んでいただけると幸いです。
上の2点の理由として、「千紘の抱く哲也への想い」が関わっているのではないかなと思います。
千紘は幼い頃に両親を亡くし、伯父夫婦に引き取られました。
そこで両親がいなくなったことの孤独や寂しさを埋めてくれたのが「哲也」という存在でした。
子どものころって自分の周りにいる人が世界の全てというか、とっても小さい世界で生きていると思うんです。
年を重ねてだんだんと大人になっていくと身近な存在である家族や友人以外もだんだんと見え始めてきますよね。
しかし、千紘が伯父夫婦に引き取られたのはまだまだ小さい世界で生きている年齢。
いくら親戚だからといって、気兼ねなく両親以外の大人に接することって難しいのではないかなと。
そこで、千紘にとって年の近く、優秀な哲也はある種、唯一のヒーローとも呼べる存在だったのではないでしょうか。
「お金を貸してくれ」と言われ、貸さずにはいられない、「スパイをしろ」と言われて断り切れない千紘でしたが、それは単に哲也に恋心を抱いていたからなのでしょうか?
これは、単なる「恋心」という言葉で片付けるのはなんだかもったいない問題のような気がします。
先にも述べたように、幼い頃の千紘を救って(直接的ではないにしろ)心の面で救ってくれたのは他でもない哲也だったと私は考えています。
それは哲也がすっかり変わり果ててしまった今でも、千紘にとっては揺るぎない事実なのではないでしょうか。
だから、千紘は哲也のことを完全に嫌うことはできないまま、事件の起こった後、罪を赦し、あらゆる世話を焼いていたのではないかなと・・・。
なかなか言いたいことをうまくまとめられないまま、だらだらと書いてしまいましたが、結局のところ、千紘は哲也を憎むことは一生できないのではないかなと思います。
それは千紘の優しさであり弱さで、著者の名倉先生はそのあたりを書きたかったのかな、なんて勝手に妄想してみました。
アーサーのお兄ちゃんエドワードのお話です。
「アーサー・ラザフォード氏の揺るぎない愛情」と繋がる部分もあります。あのとき!だったんですね!
うーん。確かに紳士的で熱愛だった。
だけど半分くらいはとにかく主人公の千紘が辛くて、従兄の哲也がドクズで読むのがしんどくて止まってしまいました。
自分の親を脅す道具に使うなんて…。
確かに哲也は千紘の心の支えだった期間もあっただろうけど、延々とお金を取り上げたり傲慢で挙句の果てには脅して産業スパイをさせるなんて。
あぁ早くエドワードに打ち明けていれば。その期待も虚しく千紘は苦しみ悩み…。
明後日の方に努力して貞操を無くしそうになるのも、エドワードに誤解されるのも、もう見てられなくて。
結局は治まるんですが哲也の制裁がヌルくて納得がいきません。
そして千紘はエドワードの言葉の解釈を勘違いしてすれ違ってしまいます。
もう、助けてください!甘さを、溺愛を、攻めの暴走を与えてください!と祈りましたよ。
なんとかお互いの認識のズレを確認しあって、そこからは覚悟を決めてきた千紘が潔くて、誤解も解けて、んもうエドワードが暴走しちゃうんですけど。
なーんか物足りない。哲也がスパイスどころじゃない。やりすぎです。こちとらもっと溺愛変態暴走攻めを読みたいんだよ。甘々を読みたいんだよ。
エドワードもやはりアーサーのお兄ちゃん、似てますね。受けの千紘の瞳から肌から謙虚さから全てが愛しくて美しくて魅せられてたまりません。
妹と第一秘書が目を光らせてますから無茶は出来ないでしょうが、早く千紘がエドワードの秘書になって仕事でも支えてそばにいてほしいです。
萌=つらさか、萌え<つらさだったのでこの評価で。
アーサーとエドワードの恋人自慢読みたいなあ。
しかし表紙のエドワードはもっと若々しくした方がいいのでは?私には35歳に見えずなかなか手が出ませんでした。本文を読むととっても魅力的な人なのに。
「アーサー・ラザフォードシリーズ」は未読でしたが、問題無く読めました。
予想外に面白くて嬉しかったです。一気に読みました。
千紘がエドワードをアテンドしてボストン本社に行った辺りまではとても楽しく進んでたんですよね。
ところが従兄弟の哲也に連絡を取り始めた辺りから一気に不穏になってハラハラしました。
あんな最低な奴なのに昔から言いなりになってお金を渡し続けていた事にも驚きましたが、哲也が脅して来た内容は自分の母親を人質に取ったも同じ発言で更に驚愕しました。
でも千紘は優しいから伯母を悲しませたく無くて従ってしまうんですよね。
そしてエドワードを誘惑するべく未経験だからとセックスを経験しようとして行きずりの男に誘われて、やはり無理で抵抗して殴られて逃げ出します。なんて浅はかで馬鹿なのって思いました。
エドワードもその頃には千紘に本気になっているから、露悪的な態度の千紘を初めてだと思わなくて酷く抱いてしまうんですよ。両片思い状態が続いてしまいます。
妹のアレックスが千紘の身辺調査をしてくれていなかったらどうなっていた事か!
千紘が産業スパイもどきをしていたと知っても、千紘を信じて愛情を失わなかったエドワードは情の深い人物でした。
だけど一連の事件が解決した後にハッキリと気持ちを伝えなかったのはエドワードのミスですね。
でも2人の間の勘違いも面白かったですけど。
チラッとアーサーが出てきてそちらのシリーズも面白そうだと思いましたが、大量に貯まっている本を消化したら読みたいと思いました。
ただ許せなかったのは哲也がそのまま帰国した事です。同棲してた彼女に刺されて父親が迎えに来て、レンタルオフィスも住居の手続きも千紘がしていたし、今迄の千紘への所業も両親は知らないままです。
心臓が悪い伯母を心配して千紘は言いなりになっていたわけですが、哲也が何も反省して無さそうなのが納得出来ませんでした。
また何かしらしでかしそうです。その時はエドワードに思いっきり成敗して欲しいと思ってしまいました。
アーサーシリーズスピンオフ作。
最終巻でとっても紳士的だったお兄ちゃん・エドワードのお話との事で、彼の愛の形は一体どんなものなのだろう?と楽しみにしていました。
結果、さすがお兄ちゃんと言いますか、全体的にアーサーよりも少し大人な感じです。
ただ、愛する人の前ではでろでろにとろけきってしまっている、ちょっぴり残念さを感じるほどの溺愛っぷりと、初恋に落ちたティーンのような余裕のなさはやはりラザフォード家!といった感じでしょうか。
名倉先生の書かれる受けが愛らしすぎて余裕がなくなる盲目溺愛攻めが大好き。
攻め視点だと、受けの可愛さにどんどん頭がやられていく様がよりわかりやすくて笑ってしまいます。
時系列的には、アーサー最終巻の少し手前あたりのお話。
恋に落ちてしまってからというもの、序盤の大人の余裕がある姿から徐々に転げ落ちていくエドワードの様がなんとも可愛らしくって!
この兄弟、恋をしてしまうと妙なところで初心になるあたりまで似ているのですね。
そして周囲の近しい人々に微笑ましいやら呆れられるやら…と、ここまでがワンセットな気がします。
いわゆるスーパーダーリンなだけではない愛嬌のある攻め、好きですねえ。
香水で悩むエドワードが可愛すぎます。
と、エドワードの好感度は高かったんです。
でもちょっと、このお話はもう少し素直に萌えたかったなあというのが正直なところで。
お相手の千紘が控えめで非常に真面目な人物と来れば、これはもうBLの鉄板「誤解・思い込み・すれ違い」路線待ったなしですし、焦ったさに悶えるのを楽しむしかないじゃないか!といった感じになるかと思うのですけれど…
うーん、従兄弟の哲也とのエピソードの胸糞の悪さのせいで、千紘の魅力がかなり薄れてしまったんじゃないかなあなんて。
これじゃあ、初恋の亡霊のような哲也に流されてお金をせびられて言いなりになっているだけの、まるで芯も何もない受けじゃないですか。
エドワードが惚れる要素がどこなのかが分からなくなっちゃう。
と言うのも、千紘が哲也に対してここまで執着や依存に近いような感情を持っている事に対しての説得力がなかったから。
従兄弟である哲也に、ほんの少しでも魅力を感じることの出来る部分があったのならまだ分かるのですが…残念ながらなかったです。
しかも何も成敗されず、中途半端ですっきりしない。ここがだめだった。
途中途中で、千紘に対して「目を覚まして!そんな男より目の前の紳士の元に行きなさい!」なんて引っ叩きたくなっちゃいました。
エドワードが千紘の事を信じてずっと手を広げて待っていただけに、千紘にはもう少し奮闘して欲しかったかも。
受けの千紘が名倉先生作品にしては珍しく、いまいち私には刺さらなかったのですが、想いがしっかりと通じ合ってからの、素直に中をいっぱいにしてなんて言ってしまって、タガが外れた溺愛絶倫攻めに抱き潰される受けの図はものすごく良かったので、もっとシンプルに溺愛される控えめ受けのラブストーリーだったのならもっと萌えられたかもしれません。
2人のその後はきっと穏やかに愛を育むのでしょうし、先生があとがきで書かれていたトキと千紘の苦労話も、アーサーとエドワードの恋人自慢も読んでみたいななんて。