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表題作花降る王子の婚礼

グシオン・ラビ・ゾハール・アレゴエイダス,24〜25歳,武強国イル・ジャーナ国王
リディル・ウニ・ソフ・スヴァーティ,17歳,魔法王国エウェストルム第一王子

あらすじ

武力を持たない代わりに、強大な魔力で大国と渡り合う魔法国──。
身体の弱い姉王女の代わりに、
隣国のグシオン王に嫁ぐことになった王子リディル。
男だとバレて、しかも強い魔力も持たないと
知られたらきっと殺される──!!
悲愴な覚悟で婚礼の夜を迎えるけれど、
王はリディルが男と知ってもなぜか驚かず…!?
忌まわしい呪いを受けた王と
癒しの魔力を持つ王子の、花咲く異世界婚姻譚!!

作品情報

作品名
花降る王子の婚礼
著者
尾上与一 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199009983
4.4

(258)

(178)

萌々

(42)

(25)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
30
得点
1137
評価数
258
平均
4.4 / 5
神率
69%

レビュー投稿数30

激萌えの壮大なストーリー

はぁ…良かった…

300ページ超えの大ボリュームを感じさせない面白さ。壮大なファンタジーを、この時間まで読み耽ってしまいました…

掌から花を生み出す王子、ってだけで激萌えですが、攻めのグシオンもいい男すぎて、2人の運命と背負ったものの切なさに胸を突かれました。

王女と偽って輿入れするリディル。リディルを迎えるグシオンにも実は大きな秘密があって…

リディルが男だと知っていながら、優しく心の込もった声をかけ、リディルの心を解そうとするグシオンの姿に、リディルと一緒にぐずぐずに絆されました。

互いを想う気持ちは大きくなるばかりなのに、救うことができない辛さ、リディルの心の痛みがリアルに伝わってきて切ないこと切ないこと…!

そしてSSでグシオンが照れくさそうに語る言葉が最高に良くて。

実はリディルにほとんど一目惚れだったんだね…!なんてキュンとさせてくれるんだー!

最高に萌え狂う物語でした。

0

夫婦愛の絆が最強

死を覚悟した婚礼から始まるファンタジックストーリー。めちゃくちゃ面白かったです!

魔法国の王子が武強国の王の元に嫁ぐ序盤から悲しさいっぱいで物語が始まっていくのですが、このドン底の悲壮感が最後には幸せに満ち溢れたエンディングに続いていく道のりがなんと素晴らしいことか。魔法が介在する世界観により、壮大なスケール感、独創的なストーリー、そしてドラマチックにドラマチックを重ねた息をつかせぬ展開に胸が熱くなりました!


嫁ぎ先のイル・ジャーナ国を騙すカタチの政略結婚ではありますが、死を覚悟していたものの王妃として迎えられたリディル。王のグシオンは誠実で優しい男で、リディルの気持ちがグシオンに寄っていくのは当然の流れと言えるでしょう(^^)

でもなんの問題もないかというとそうではなきてですね、グシオンにかけられた呪いだったり、イル・ジャーナが度々奇襲をかけられてピンチに陥ったりと問題山積です。実はこれらのことは、リディルが輿入れすることで解決するはずだったのに、リディルが偽りの花嫁だったことで解決せず……役立たずだと責められるし、リディルも自分を責めるしで苦しい状況に陥ります。


リディルのいいところはここでメソメソするわけじゃなく、前向きに自分に出来る最大限のことをしようと頑張ることです。周囲がなんと言おうとイル・ジャーナのため、グシオンのために無理をしちゃう美しき王妃の姿がカッコいいったらありゃしない。口先ではなく行動で示すリディルのグシオンを想う気持ちが、物語のスケール感にも劣らず大きいことを読めば必ず知ることになりますよ。


もうね、最後の怒涛の展開は色んな見どころがありすぎてぜひ実際に読んでその驚きと余韻に浸って欲しいです。リディルに秘められた魔法の秘密も、グシオンにかけられた呪いの顛末も全部まるっと含めて解決しますが、そのスッキリ感と読後感に酔いしれました。
甘くて優しい2人のイチャイチャも楽しい見せ場となっていますので、余すところなく全部が楽しい作品だと思います。イラストも世界観に合っていて、どれもこれもが最高でした。

0

無題

自分が勝手にBL文体と呼んでるのですが文章が平易で感じが多過ぎる、若しくは少なすぎる割にやたらと比喩に凝っていて甘ったるい。

そういう特徴がこの作品にも見られるのですがまあ気にする程ではないです、ただシリアスな内容とあまりにも嚙み合ってないと感じます。

花婿物がBL小説では流行りらしいですが恥ずかしながら初めて読みました、ファンタジー設定なので男子が嫁にいくという描写も一応受け入れられました。

ただやはりこの内容ならもう少し硬い文章表現があってるかと。

0

もっとじっくり読みたかった

とても面白かったです。
いろんなファンタジー要素を彷彿とさせる物語で読んでてわくわくしました。
リディルもグシオンもどっちも好きだったな。

ただもっとじっくり読みたかった。
最初の方は割とじっくりでなんならまだイル・ジャーナ着かないのかな…なんて思ったりはしたのですが、
″ここ″というシーンの描写があっさりしすぎていてちょっと物足りなかったです。
一冊におさめるには正直いろんなことが起こりすぎていたような気がして、せめて上下巻とかだったらあの場面はもっと詳細に見れたのかも…とか脇キャラにももっと愛着が湧いたのかも、と思ってしまいました。

でもそう思うくらいもっと読みたくて楽しいお話でした。
続編もあるとのことなので読んでみます。
特にグシオンの溺愛の仕方が程よくて最高でした。

1

素晴らしすぎる…!

初めての作家様です。


魔法王国の王子のリディルはとある事情で、ジャーナ国王のグシオン王の共に嫁ぐことになります。
でもリディルには魔力が無くしかも男なので死を覚悟しての嫁入りとなります。

嫁入りに行く前のお話もだし、嫁入りに行く最中も辛く切なかったです。
自分が死にに行くとわかってるから周りの人間が泣きます。
そんな人たちを励ますリディル。
死ぬのはリディルなのに、彼は弱いところを他の人たちに見せないんです。
でも誰だって死は怖いじゃないですか。
一人で泣いている描写がすごく辛かったです。

城についてから王と話をするリディル。
王が呪われている事や、自分の話をするのですが
どちらも辛くて悲しかったです。
ここにまでに既に何回か泣いたのですがここでも泣けました。

リディルも可哀想だしグシオンも可哀想で
どうなってしまうんだろう…とすごく心配な気持ちになりましたが
ちゃんとハッピーエンドで良かったです…!
ほんとによかった…!
お互いがお互いの存在によって救われたことがもう…(T_T)

とても素晴らしいお話でした。
読めて良かったです…!
続編を読むのが今から楽しみです♪

0

魔法

ヨーロッパ風ファンタジーで読みやすい作品でした。自分の好みとはだいぶ違うので評価高くありませんが、一般的には楽しめる方が多いと思います。続きの「雪降る王妃と春のめざめ」がより好きでした。そちらは萌2。
自分の好みだと、そもそも"魔法"が出てくる作品が苦手なので…魔法で解決できることが多すぎる反面、そこは魔法では解決できないんだ〜という。すべて作者のご都合ではないかと思えてしまう。そこを凌駕する設定や展開の面白さをもつ作品も勿論あります。
溺愛攻めで本人の資質には欠点のない(回りくどい言い方ですが、呪いという欠点がある)グシオンは完璧すぎでもう少し抜けてるところが欲しかった。人間味というか。呪われた姿を見られた後のリディルへの振る舞いはやや一方的だったものの。「雷王のしあわせ生活」ではタイトルらしい抜け感がで恋は盲目っぷりを発揮してましたね。これを本編でやる程緩いシーンを作る隙間はないよな〜
リディルは健気系かわい子ちゃんで無知シチュエッチなど萌える点はありつつ、こちらも好きなタイプの受けではなく。
主役2人が次巻でもっと好きになれると良いな。

0

最後ちょっと違和感が…

yocoさんの大ファンで表紙買いでした。
事情により隣国に王妃として嫁がされる王子と呪いもちの王様の、おとぎ話のようなラブストーリー。
リディルは思いやりのある優しい王子様。自分で身を守れる身体的・精神的な強さもあって好印象です。
グシオンもかっこいいし、側近達も良いキャラ揃いで、魔法やら呪いやらでてくるファンタジーで、シリアスありスリリングだったり、甘々だったりすごく良いお話でした。
が、最後の最後、生まれた隣国の子供を盟約によりもらえるという話を、リディルがただただ喜んだことにものすごく違和感がありました。自分の母親が、子供と引き離されることに散々苦しんだという話を聞いて心を痛めた後に、どうして手放しで喜べるのか…嬉しそうにお乳が必要な1ヶ月を過ぎた後母親から引き離す話をしているグシオンとリディルにちょっと恐怖すら覚えました。え、何、、私の知ってるグシオンとリディルじゃない、、的な。。。
リディルが愛するグシオンの統治する国の今後を思いやって、また自分では子供が産めないという負目もありつつ、というのはわかりますが、とはいえ今まで読んできた人物像がだいぶブレて何とも言えない気分になりました。

1

表紙と挿絵はとても好き

表紙がとても好きでハマりたい一心で読んだが、無理だった。前半は違和感とハテナがいっぱいで、後半は既存設定のごった煮状態で味付けが馴染まなかった。
文章にはたまに陶酔感が漂う。入り込んで読んでいれば堪らないかもしれない。

世界観の作り込みは凝っていて、輿入れまでの経緯は丁寧に仕立て上げられている。おかげで違和感をスルーさせてくれず、細かな設定が綴られるほどにハテナが増えてしまった。
特に謝罪と自害は、リディル側のことしか考えなければ、そこまで不思議でもない答えを出しているのかもしれない。グシオンの国側に立ってみれば何も解決しておらず、違和感しかない選択だが。

各所で覚える違和感を象徴していたのが、森で梟を助けるシーン。梟を襲う鷹も必死に生きているだけなのに、理不尽に餌を奪われ痛い思いをさせられている。だがそこに言及されることはなく、梟側に立った視点からのみ語られ、弱者に肩入れしているのが分かる。
ただ助けるだけなら道端で弱っている梟でも良かったはずで、わざわざ鷹を出すエピソードにしている時点で、話に期待を持てなくなった。ものの見方の偏りや視野の狭さは萎え要素で、これを正しいことのように描く作品は合わない。

不安は的中し、各所で同種の違和感を覚える。リディルの国は結構な不実を働いており、リディルはいわばその片棒を担いでいるのも同じこと。それなのに考え反省し責める内容は、かなり内向き。狭い城の中だけで育ったにしてもちょっと……。
妃になってからはお約束展開しかなかった。

グシオンはとても好き。最初の挿絵で、縋るような目でじっと見つめるグシオンに心奪われた。呪いのせいで常に哀愁が漂っているようなところも。いつのまにあそこまでリディルに惚れたのかが謎で、そこが分かるともっと良かった。

花降らし設定は何のために必要だったんだろう。ストーリーに活かされるでもなく、女性向け感を強めるだけで、不要に思えた。

読後感は悪くない。表紙と挿絵は神。

8

一途な受けが良い

自分の運命に争うでもなく、かと言って流されるのでもない。
運命を受け入れ、そして与えられた地と環境で健気に生きる二人の恋が良い。
脇役というには主要な登場人物の面々、動物たち、植物と全てに愛情たっぷりに書かれた作品で読んでて先生の思いに胸が熱くなる。
続編、スピン希望です♪

4

一人称の魅力

私、小説を読む上で登場人物の一人称が何かで好みが加速するタイプなんですが、この作品でまた新たな扉を開いちゃったので是非ご紹介させてください。

主人公のリディル王子の一人称は予想だと『私』もしくは『僕』『俺』あたりですよね。身代わりとして嫁ぐなら『私』が有力候補かと。

正体がバレた時点で一人称がかわる可能性もなくもないなと思っていたんですが側近イドとの会話で『私』とあったので日頃から『私』なのだとわかります。冒頭の父王との会話でも『わたくし』なので大きくかわることはなさそうだなと。

この時点で私の萌えポイント点灯しました!

リディルの聡明さや謙虚さが伝わり、甘々なタイプではなさそうだと感じたからです。やったね!私の好きな受けタイプだ!と。

さらに神ポインをつけるには攻めであるグシオン王の一人称がどうなるかにかかっていました。

この一人称で王の性格もある程度わかるはずなのです。わがままや横暴なタイプなら『俺』や『私』とか。でもリディルが『私』なので、できれば『私』ではない方が読みやすい。リディルより年上なので『僕』もちょっとタイプじゃないなぁと思っていたんですが、尾上先生が何をチョイスされたと思います?

なんと『余』ですよ!

でも、まだ私は驚かなかった。公の場で王が『余』と言うことはこれまで読んだ小説にもありましたから。

閨での場面や受けと想いが通じ合ったら素の一人称がでるやつでしょって思ってたんですよ。それがあらあらまぁまぁ最後まで一貫してこの王は『余」だったんですよ!!

この一人称チョイスが素晴らしいと思ったのは実に王の『らしさ』をあらわしているにもかかわらず、素が見えるようで見えない絶妙な一人称だったからです。

ストーリー展開をよませず、さらに王とリディルが絶妙な距離に感じるのはこの一人称のチョイスがあったからではないでしょうか。

ちなみにリディルもクライマックスシーンで『私』ではなく『余』を使います。これがまた効果的で凛々しい!

リディルと王の想いが通じ合ってからの王が『余』と話すたびに甘い言葉の中にさらに王としての威厳が伝わるような、、、とカッコよさに惚れ惚れしていたらラストのセリフですよ。やられましたね。

私達をどうしたいの(笑)

もう、この王じゃなきゃ物足りない!
私、イル・ジャーナの国民になります!!

是非、皆さんもリディルと一緒にグシオン王に骨抜きにされてください!








10

神評価なのがわかります!

というタイトルにしておいて萌1ってどういうことやねんという感じですが。

物語、とても壮大でよくできたファンタジー長編でした。
魔法が存在する、尾上先生が作り出す世界に引き込まれます。
読む前はタイトル的にふわふわ可愛い嫁入り譚みたいなのを想像しましたが、そこは尾上作品。そんなことはなく。
波乱万丈でシリアス展開が続きます。

物語は、一国の王子が王女のフリをして嫁ぎ、騙したことを謝罪し殺されないく、というところからスタート。
式をあげるまでは決して身分を性別がバレてはいけない、この序盤の花嫁道中からBLというよりも冒険譚という言葉の方が似つかわしいドキドキハラハラ展開でした。
更に、結婚後も周辺諸国との戦が始まって…。

ファンタジー要素が強く、シリアス展開が続く中で元々両方が得意でない私には読みにくい作品でした。
が!これを神作品だという評価をつける気持ちもわかるのです。
なぜなら、殺伐とした展開の中に2人の純愛がしっかり存在していたから。
望んでいた結婚ではなかったかもしれないけれども、夫婦となった2人はお互いがお互いのやり方で大事にしたいと思っています。
考え方がすれ違ってしまい、切ない展開もありますが…それがまた良し!愛のスパイス!笑
また、受けもただ守られるだけではなく、しっかり剣技を習った王子として困難に強く立ち向かっていきます。
ただ守ってもらえるお姫様的な受けは苦手なので、今回受け攻めどちらも好きになれました。

萌1にしたのは只々私がファンタジーが苦手で甘々展開を期待してしまったからです…。
しっかりとした読了感を味わえる作品であることは間違いなく、yoco先生の挿絵も素晴らしくうっとりします。

5

受け様の真心と献身に涙(つд;*)

 読み初めてすぐに物語に引き込まれました。

 受け様のリディルは、魔法国エウェストルムの王子。
約束のため女王と偽り、武強国イル・ジャーナへ輿入れすることに。

この輿入れ先イル・ジャーナの王、グシオンがこの度の攻め様。

 約束を違える結果になるので、リディルは自害、もしくは殺害されることは承知の上、というかその使命をもって、嫁ぐのですよ。

 祖国では皆に愛され、リディルも皆を大事に思っていて。
もうこの辺のリディルの悲壮な覚悟や、迎えに来たグシオンへの申し訳なさ加減の気持ち。
加えて、グシオンのリディルに対する甘いんだけど我慢しきれないギリギリの強引さ。
ハラハラ胸キュン(≧▽≦)
私の萌えメーターは、しょっぱなから急上昇です。


 2人の抱えていた秘密が大事な相手を苦しめる流れに、2人とも、自分より相手の痛みを心配して苦しんでいて、くぅ〜〜〜(つд;*)

 特に、リディルがグシオンに魔法を渡すために自分で傷付けるとかΣ(´□`;)
倒れたリディルをどんな想いでグシオンが見守っていたのか、想像するだけできゅんマックス。

 こんなにも真心を注いで献身的なリディルの姿を見て、なんでグシオンの側近カルカは認めないの!?
グシオン大事なのは当たり前だけど、石頭すぎるわ、と悔しくて悔しくてι(`ロ´)ノ


 リディルが自身の側近イドと敵の城に乗り込んで、グシオンの呪いを打ち破った時は拍手喝采(≧▽≦)

 受け様視点だっので、リディルの想いや行動にもぅずーっと胸アツ(*´ω`*)
加えてグシオンから感じるリディルへの気遣いや愛情にきゅんきゅんさせてもらいました(///∇///)
私の萌えやらきゅんが詰まった、とても好きなお話でした(*´∀`)


 イラストはyoco先生。
この物語にはyoco先生のイラストしかない、と思える雰囲気に合ったとてもステキなイラストの数々でした。










5

花嫁ものでも、やっぱり尾上与一さんだった

正直言って、この作家さんで花嫁?どんな話に!?甘々?
・・・と、思っていたらとんでもなかったという。
いやその、結果的には甘いんですが、ストーリィとして全然甘くなかった!リディルは命がけだし、グシオン王も・・・波乱万丈!
王を助けようとして、敵陣に突っ込んで、背中を切りつけて魔法円を回すシーンがド迫力。その後で王のそばで見守って、倒れるのが切ない。
またグシオンがリディルの為に、国に帰れというのも哀しい。
そして敵の隠れ家?での、リディルとイドの奮戦記w よっしゃー!いけいけ!(イドご苦労様です)
カルカもリディルの敵だか味方だか? 王様至上主義が徹底してるのも面白い。

そしてyocoさんのイラストがどれも素敵です!没作品とかラフとかがあったら、物凄く見たい!

そして続編を期待したいです。リディルの兄だった姉上2人の話とか、カルカとイドの丁々発止とか。3作品出来ますね!(期待したいです)

5

raburadoraido

間違いが訂正出来ました

raburadoraido

すみません!リィデルじゃなくてリディルでした!

ベール越しのキス

体の弱い姉王女の身代わりに隣国に輿入れする王子リディル。
幼い頃からそれは決まっていて自分の力でどうこうできることではない。
のに、その運命を受け入れて、自分の命を差し出す代わりに国民と国王の命乞いをしようとする。

いやー、泣けました。リディルが健気すぎて。
王はそれはそれはリディルの輿入れを楽しみにしていて、待ちくたびれて、迎えに行っちゃうんです。
リディルは婚礼までは男だとバレないように、ベールを深く被って顔を隠す。そのベール越しに唇を奪われるのですが・・・

リディルは無事に婚礼をあげて国民を救えるのか。そして王の真っ直ぐな気持ちに答えられるのか。

最後までハラハラしながら一気に読みました。
そして、Twitterで作者様が小ネタを披露してくれてます。
こちらもクスッと笑えます。

6

受の健気さがいい

読み応えのあるボリューム、しっかりとした世界観や設定が良かったです。
おとぎ話のようなイラストも好みです。
BL要素よりファンタジー要素が強めで、どちらかというと戦記物が好きな人におすすめしたい作品ですし、攻受にはすれ違い期間も結構あるので常にいちゃこらしているのが読みたいという人には向かないかもしれません。
が、周辺国に娘を差し出さなければやっていけない国なのに…という設定からしてめちゃくちゃBLという感じがするので、やはりこの物語はBLなのだと思います。
なにより受の健気さに私も応援したくなりました。
特に攻の優しさに触れてからの尽くし様は堪りません。

ベール越しのキスや、すれ違い中の受が攻から思わず身を隠したシーンのやり取り、電子限定の両想いになってからのお互いの髪を結ぶシーンなど、ふとした行動の中にその時のキャラクターの心情を目一杯表すのが上手い作家さんだなとも思いました。

ただ受視点だからというのもありますが、攻から受への気持ちが少し唐突に思えました。
終盤になってほとんど一目惚れだったとわかるのですが、その肝心の一目惚れしたシーンが受視点故に描けないというのもあるのかもしれません。
攻視点でキュリからの映像を眺めるシーンがあり、始めはキレイな受に惚れつつも長年待たせて約束を反故にするなどみたいだったのが、キュリを救ったり故郷や周囲の人を思ったりする受に段々と惹かれていくなどの描写が少しでもあれば神作品でした。

7

yoco先生のイラストでマストバイ

もう表紙を見ただけで紙で買うと決めました。挿絵は全て芸術でした…。yoco先生ありがとう…。
尾上先生は初読み作家さんでした。ストーリー設定も好みだったので迷わず購入。
読後の感想の一番は文章の表現と素晴らしくリンクする王と王子の美しさです。
攻めのグシオン王はこーんなイケメンどこにいるんだ!っていう王でした。性格も率直で思いやり深いのですが、軍事に長けて冷静に状況を見極めていて世に疎いリディルを守ってくれる…。花嫁道中でもベールの上からキスをして早く先のことがしたい、なんて言うんですよ!もう男と知っていたのに。
嫁ぐ受けのリディルは女でもない、魔法も微力しかないと受け入れ側に利点の無い嫁ですが懸命に役に立とうとしてグシオンの呪いを解こうと試行錯誤します。
グシオンへの恋心で指先から花が溢れ出すのも萌えでした。オメガバースのフェロモンの香りみたいに本能的に溢れ出る設定て大好きです。

ただ、魔法の設定、呪いの設定、説明が分かりづらかったですね。あとリディル側のもう一つの秘密についても、冒頭の説明は朝じゃんと言いたくなるような。そして王妃は身投げしなくてもよかったのになとも思いました。

yoco先生や葛西先生らのイラストで好みの設定ならまた購入しようかなと思います。

登場人物

8

めちゃくちゃ最高だった

ファンタジーもの、そんなに好きじゃないんです。
基本ものぐさなんで、設定とか背景とか独特の用語とか理解しながら読むのが億劫というか。

だけど表紙に惹かれて読んでみたら、これがまぁめちゃくちゃ面白い!!
一気に読んでしまいました。

繊細に、細部まで丹念に紡がれた一枚のタペストリーみたいな作品だなと思いました。
魔法とか、禍々しい呪いとか登場するのに、荒々しい筆致の油絵みたいな感じじゃないんですよね。
どこか静謐さを感じるのが不思議なんだけど、yocoさんの絵とこれまた合っていて素晴らしい相乗効果が!

攻めも受けもどちらも素敵なキャラで、この二人には是非とも幸せになってもらわないと困る!!と思いながら読みました。

特に攻めのグシオン。
惚れる……!
嫁入り道中のリディアをあれこれ気にかける描写、滲み出てくるような愛情の深さ、誠実さ、勇敢さ、これは惚れるしかないって感じ。
私も嫁ぎたいっ!!!とアホなことを思ってしまいました。

そして受けのリディルの健気さがこれまた至高で。
「身代わり花嫁」ものって結構読んだ気がするんだけど、なかにはぶっちゃけ陳腐な作品もあると思うんですね。
そういう陳腐さが一切ない。
たしかに「花嫁」なんだけど、女みたいだなと感じたところが一つもないところが凄いというか。
受け身の愛されなんとかではなく、自分の非力さに打ちのめされながらも、共に戦おうと戦場へ駆けつけたり、身を挺してグシオンを守ろうとするんですよ。

「愛」なんですよ。
ただひたすらに愛。

もう文句なしに神です。

14

正統派ファンタジー

花嫁ものは、もはや形式美。テンプレ導入部からの展開を読ませる、大喜利の域です笑

作者の落ち着いた文体やyoco先生のイラストから、しっとりとした上品な物語なのだろうなと期待したとおりの、欧風ファンタジーでした。

最初から最後まで息もつかせぬ展開でありながら、きっちりと構築された世界観の中で全く破綻なくハッピーエンド。素晴らしいです…!

死を覚悟したエウェストルム国王子、リディルの気丈さと優しい気性がまず魅力的ですし、彼を迎え入れる相手国、イル・ジャーナの若きグシオン王も、凛々しくて思いやりもあって、しかも歴代きっての魔術王なんて…謎めいていてドキドキ…。

それぞれの側近も対照的で面白い。リディル側のイドは絶対服従系、グシオン側のカルカは主君独占系。どちらも主君を思えばこそ、涙を流したり、意地悪したりと生身の感情を見せてくれます。カルカ実はいいやつ説笑

キャラたちもストーリーも完璧でしたし、二人の初夜や睦み合いの、慎ましいようで大胆なエロシーンもすごく好ましかったです。グシオンが地下室で過ごすところを初めて目にしたリディルが衝撃を受けるシーンには思わず涙が…。

美しい風景を想起させる、とてもきれいな文章で読ませてくださるのですが、同じことを何回か繰り返す描写があって、あ、これさっきも読んだな、あ、また出てきたと思うとちょっと醒めてしまったところもあります。特に世継ぎの件については、リディルは男なんだから仕方ないことだとわかっているから…って。

裏で大活躍してくれたキュリには覗き蜥蜴を食べさせてあげたかったな。

ともあれ、お話の世界にどっぷり浸れること間違いなし!

作品を読む前にレビューは読まないのですが、電子書籍でお世話になっている別サイトで、作者が苦手だったけど本作で克服した風なレビュータイトルがチラッと目に入ってしまって。デビュー作で心が折れて同じ思いでいたので、読んでみてよかったです。

これから積み本読むのが楽しみになりました。

10

無駄な言葉がひとつもない

すごく良かったです。
初めから過酷な運命なのに、受けがメソメソうじうじしないで気高い王子なんです。
国のため、民のために命を落とすなら本望。それは決して死んでも良いという後ろ向きな理由ではなくて、みんなを助けるための手段で役に立ちたいという健やかな理由。
そのため、命を落とすことに意味がない従者は一人残らず逃がす。(どうしても言うことを聞かない一人を残して)

それでも怖い訳じゃない。でもそれは誰にも見せない。
本当に好感がもてる素敵な王子様です。

攻めもまた理由があって孤独でありながら人に慕われて、自分も周りを大切にしている。
二人が心を通わせていく場面は読者は応援団。
フレーフレーふたり!
すれ違う場面は胸が痛い。
心を揺さぶられました。

かなり切実に続編読みたいです。

6

1冊があっという間

結構厚みのある本だったのですが、面白くてあっという間に読み進めてしまいました。
最後に差し掛かると、もう終わってしまうのかと寂しい気持ちになります。

ファンタジー好きな私としては、魔法が使える世界観に大興奮でした。
とくに受けの、心情に合わせて手から花が生まれては零れ落ちる、この描写が大好きです。受けの心情を巧みに表していて、すごいなあと思いました。

魔法が蛇足ではなく、しっかりと生かされているところがポイント高いです。とくに相手と契れば、自分の魔力を使わせることができる。という、お話の根幹に繋がる描写が良かったです。

yoco先生の挿絵も美しく、一番最初に収録されているカラーページに見惚れてしまいました。

8

愛と感動

運命を受け入れ死ぬための旅路に1ページ目から涙で文字が滲みました。

他国に対して命を差し出して詫びなければならない国の代表として旅立つ王子リディル。
城の皆に愛されその命が消えることを悲しみ誰もが涙ながらに別れを惜しみます。
逃れることができない運命を知りながら引き止め逃げてほしいを願う人々の悲しみと絶望が伝わり涙無くして読めませんでした。

城内の花や柱の傷や仕える人々との関わりを思い出しては二度と会うことが叶わないと知りながら笑顔で務めを果たすと言いいます。
そして一人になった時思い切り泣くことを自分に許したあとは命と引き換えに国民の命の保証を願うだけだと様々な思いを振り切る場面に一番泣かされました。

この作品もyoco様のイラストは大変美しく物語を一層盛り上げるものでした。
古代エジプトの壁画のような独特な雰囲気が静謐さと神秘的な美しさを感じます。
読み終えてからカバーイラストを改めて見てみると主役二人の優美さ、道中の兵らの荘厳さ、隠された秘密、ふたつの月など重要な場面が描かれ二人の出会いと困難な運命を暗示していて感慨深くなりました。

エウェストルム王の子供の中で、リディルは第3子なのですが、別の大国に連れていかれた一番目と病弱で魔法の殻の中でしか生きられない二番目にも物語がありそうです。
連れていかれたのも事情がありそうですし幸せに暮らせているのか、殻から出て自由に生きられる道はないのかとリディルも願っていると思うので続編を期待します。
それから末のまだ幼い王子様も含めて大変気になります。

今年1番の感動作で、年間マイベスト上位に連なることと確信しました。

8

グシオンが素敵

尾上先生作品はキャラ文庫アンソロジーで短編しか読んだ事がなく、初めて読みました。

あらすじに惹かれて購入したのですが、人気のある作家さんはやはり実力があってとても読み易かったです。

神評価にはしましたが冒頭からリディルを取り巻く人々がメソメソしてて、悲愴感満載なのには読んでて辟易しました。ちょっと煽り過ぎですね。だから途中で妙に冷めてしまってグシオンに実際に会って、酷い人物だったら悲嘆にくれろよって何度も思ってしまいました。

でもグシオンが登場してイル・ジャーナ国に入ってからはとても面白くて、ページをめくる手が止まりませんでした。

グシオンの優しさにドキドキして、彼にかけられた残酷な呪いにハラハラしたりとファンタジー作品の良い所が全部入ってました。
そしてリディルの諦めない強さはとても好感が持てました。


10

運命を受け入れて生きる強さ

読み始めて20Pにも満たないうちに既に鼻奥がツーン。
『嫁ぐ=一生の別れ』の切なさ・痛みで冒頭からボロ泣きしました。
すっごく面白かったです…!

私は尾上さん初読みで"これが尾上流花嫁モノ!“と宣伝文句を見てもピンと来なかった(表紙の美しさとあらすじに惹かれて購入しました)のですが、男の王妃が王のために戦場を駆け巡る設定を始め、展開自体は特に目新しさはなかったかな。

けれど思わず涙する心情描写や分厚い本なのに一気に読んじゃう引き込まれ具合が素晴らしく高評価に繋がっているんだろうなと感じました。一難去ってまた一難、もどかしさがずっと続くので息つく暇がないんですよね。頑張れ頑張れと願いながら読みました。


内容については素敵なレビューが沢山上がっているので個人的に萌えたシーンを。


なんといっても、受け:リディルの心情を表す「花」!!!これがすっっっっっっっっっごく良き。自然と指先から魔法の花がポロポロと出てくるんですね。寂しい時は儚げな、満たされている時は色とりどりの花が。特に嬉しい時は本人無意識下で花がワサッと出てくるんですw

“グシオンが大好き!”がダダ漏れ状態でリディルは恥ずかしい/リディルが幸せそうで攻め:グシオンは嬉しい/茶番を見せつけられる状態の従者は呆れながら花をワサワサ搔き分ける、みたいな。緊迫した状況下が続くので花のシーンは心が和みました(∩´///`∩)

またリディルが男とバレていない婚礼前に顔を覆うベール越しにするキスに萌え転がるッッッ!!グシオンが流れるように奪うんですよ。布越しだから許して、と。それがなんとも色っぽいんですよねぇ/////一瞬の出来事で心を奪われちゃうリディルのかわいさにキュンキュン。

リディルは子供の時からこの婚礼(=死)を覚悟して生きてきたわけで恋をしたことがなかったのかな?と私は解釈してて、そしたらリディルにとってグシオンは何もかもが初めての相手なんですよねぇ。しかもキスの時は死を覚悟してる最中で、彼にとって残り僅かな命を刻みながら過ごしている最中に初めてのキス!!切なキュンしかねぇ…(;////;)

グシオンにもリディルに秘密があって、あらすじにもあるように呪いを受けた身体なんですね。直接触れると怪我するほど強大な呪い。その運命と折り合いをつけながら生きてるグシオンに涙腺が緩みました。めちゃくちゃ強くて、人徳もあって、精神力も強くて、けれど内に寂しさを抱えるグシオン。その生き様とか遣る瀬無さとかがグッとくるんですよ。

強い人なので弱音は吐かないけれど、リディルの前だけで見せる悲しさが涙を誘うんですよね。リディルに嫌われたくなくて逃げちゃうとことか。大きな国をまとめる若いながらに立派な王も、恋する相手を前にすると途端に年相応の繊細さがでるのにキュンキュンしました(∩´///`∩)

「婚礼=死」を意味して生きてきたリディル。
親の業でその身に忌まわしい呪いを持つグシオン。

どちらも悲痛な運命を背負いながらも、それも運命なら致し方ないと受け入れる強さが非常に良かったです。2人が出会う前は諦め半分な気持ちもありました。けれどリディルの命を救ったのはグシオンで、グシオンの呪いを解いたのはリディルで。なんて言うんだろう。運命に打ち勝つ出会いをしたとのもまた運命なんですよね。2人の心根の強さを感じました。

またリディルの側近・イド&グシオンの側近・カルカの忠誠心っぷりと「我が王が絶対!」でソリが合わずぶつかり合うところが微笑ましい。自分の主人が幸せならば他はどーでもいいモンペ感が好きですw

11

表紙はとっても素敵

yocoさんの表紙、相変わらず芸術的です。背景の小物や色遣いが全体的に絵画みたいで腐女子でなければこれがBL小説だとは絶対気づかないような構図。もちろんポップだったりエロかったりするキャラクター2人が全面に出ている、ザ・BLな表紙も大好きなので全てがそうなってほしいわけではありません。でも一般的なBL表紙の中にyocoさんの絵があると目立つので個性の一つだと思います。特にファンタジーには最適。

大人の絵本みたいな素敵表紙に惹かれすぎたせいか内容はそこまで自分には刺さりませんでした。男なのに嫁入りに行く…という冒頭や受けの心情は萌えましたが、相手国に着いてからはまわりくどいとか名前ややこしいとかちょっと思ってしまいました。ファンタジーは余程魅力的なキャラや早い展開のストーリーに引っぱってもらえないと乗り切れない所があるので。

あとエロもリアリティあるストーリーよりファンタジーの方がやりたい放題という勝手なイメージがあるので私にはちょっと物足りない感じでした。下品な感想ですみません。でもラストでちょっと驚く設定があったのでスピンオフあるかもと思いました。yocoさんの絵ならまた買っちゃうかな。

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一気読み推奨

明日読む予定で、ちょびっとだけ・・・と読み始めたはずが、読み止められませんでした。面白い。引き込まれてなかなか現世に戻れず、読み終わって2時間ちかく経ちましたがまだ余韻半端ないです。ファンタジーお好きな方には迷いなく「まあ読んで」とお勧めしたい、個人的には上半期ベスト3は間違いないと思う一冊でした。本編370Pほど、なんと、あとがき無し(ちょっと寂しい)。

玉座の前で父王と嫁ぐことについて話をしたリディル。魔法で成り立っている平和なエウェストルム王国の第三王子ですが、イル・ジャーナ国へ輿入れすることに。父王含め周囲の人間はみな泣き崩れるばかり。というのも、もともと王女を差し出すことになっていたのに、やむを得ず王子のリディルが行く為、命をもって贖わなければと考えているからで・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
イド(受けの忠実な乳兄弟)、アニカ(イドの妹、忠義な女官)、オライ大臣(忠義者)、カルカ(攻めの側近、いけず)、ヴィハーン(攻めの国の将軍)、キュリ(受けに懐く梟)、リズワンガレス(大魔法使い)等々こまごま多数。あとほとんど伝聞形式ですが、受けの姉二人ロシェレディア(大魔法使い)、ステラディアース。この姉二人も興味深い・・

++好きだったところ 

攻め受けのキャラも好きですが、何よりお話が面白い。世界観に引き込まれて、帰ってこれないこと請け合いです。なのでお時間ある時に是非一気読みで。

竜や耳シッポは出てきませんが、可愛い梟のキュリちゃんが出てきます。そして魔法ばりばり。受けの一族は背中に魔法陣もって生まれるという家系で、各国から魔力を請われて嫁ぐ代わりに不可侵を約束させるというか守ってもらうという関係。受けの父王は魔力持っているけど、ややメンタル弱い方で、泣けば国の気候が乱れてしまうらしい。ステラディアースは命と魔力をきちんと自分の中にとどめることができず、卵の殻のようなものの中でしか生きていけないらしい(!)。そんな魔法一家。面白過ぎてわくわくなんです。

リディルも魔法陣を持っていますがやや難あり。いろんな事情があるのに、こんなにまっすぐ愛らしく健気に育ったのはどういう奇跡なんでしょうか。素晴らしいです。嬉しくなったら、ちょびっと使える魔法で手から気持ちに合った花をぽろぽろあふれさせるという!攻めにちゅ♡されて、オレンジ色のお花をこんもり寝台の上にあふれさせたりしてます!可愛い!!!

そして可愛いだけじゃなくて、待ってらんねーとばかりに王を追いかけて戦場まで行っちゃうわ、イドを従えて単身突っ込んでいくわ、もう大活躍。大好き。

攻めさんも王様らしい王様で、訳あり寂しい環境でお過ごしですが、受けに惚れていて、本当に可愛らしい・・・最後の最後に本当にめでたしめでたしになるし、養子迎えるかという話になった時には、まだ迎えてもいない養子に嫉妬するわ、受け程印象強くはないですが、タイプとしては超好き。

攻め受け好きだわ、お話はごっつ面白いわで神にしました。興奮気味レビューですいませんでした。最高です。

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2020年上半期ベスト5に入るかも

知らずにいる、というのはある意味幸せなことなのかもしれません。
相手を知らずにいれば、それ以上好きになることも、こんなにも狂おしく想うこともなかったのに。
でも、それと同じくらい辛いけれど知って良かったこともある。
物語全体に漂う、そんな切なさが不思議と心地良く、とても美しい作品でした。
ああ、本当に良い作品を読んだなと感じます。

偽りの婚礼という切迫した状況から始まる物語。
序盤から国同士の特色や政治が分かりやすく組み込まれていて、世界観に入り込みやすいです。
なぜ王子であるリディルが死を覚悟しながら婚礼に臨まねばならないのか、なぜリディルなのか。
リディルというまだ年若い少年が、国を、民を心から思う気高く美しい心の持ち主なのだという事が冒頭の数ページから読み取れる。
リディルとの別れに、周囲の人々が涙するほどに慕われている様子にも説得力があり、この時点で主人公のリディルに心を持っていかれてしまうのです。
気丈に振る舞いながら、寂しさと侘しさと虚しさを抱え、性別を偽り、斬り殺される覚悟を持ってイル・ジャーナへと向かうリディルが悲しくも痛ましい。

リディルが嫁ぐ先は、先王の時代には残虐とも言える行いをした事があると噂され、恐れの対象ですらあったイル・ジャーナ国。
そんな噂のある国から、輿入れ道中のリディルを迎えに来た若き国王・グシオン。
グシオンと接する内に、残虐な印象を持っていた国とは真逆の、優しくリディルを気遣い、民や国を心から思う、非常に好ましく誠実な人物だという事を知ってしまう。
道中での2人の交流がすごく良くて。
この、無事に役目を果たせるのだろうかと不安を抱えながらの道中で、リディルの心境が変化していく様が痛いほどに分かってしまうんです。
彼の手のあたたかさを知ってしまったと語るシーンと、序盤の祖国へ別れを告げるシーンの対比が見事だなあと。
どうしようもないやるせなさと切なさ、罪悪感、儚さを感じるというか。
ここだけでも物語の世界観に浸れてしまいます。
しかしながら、ここからがこのお話に更に魅了されてしまうところで。
リディルが王子だと知りながら、予定通りに婚礼の儀を行い、王妃として娶ったグシオン。
それはなぜなのか?
彼にも内に抱えた呪いがあったのですね。
実は、お互いに秘密を抱えての婚姻だったと。

もうですね、辛さの度合いで言うのであれば、グシオンにかけられた呪いの方が圧倒的に辛いものなのです。
こんな呪いをかけられてしまったら、自暴自棄になってしまったとしても無理は無いと思うんですよ。
父王と同じ非道で残虐な道を辿る事だって出来たと思う。
けれど、国王として自分の命が尽きるその日まで、国と民を護ろうと、王であろうとするグシオンが素晴らしい人で。
だからこそ周囲の人々もついて来るのでしょう。
そんな、強く賢く誠実な王である彼が「ただ側にいて隣を歩いてほしい」と、心の奥底にあった孤独や不安をリディルだけにぽろりと見せた姿に、なんだかこう…グッときてしまったんです。
きっと、不安なんて周囲には話した事がなかったのではないでしょうか。
魔力を持たない自分だったからこそグシオンの元へ嫁ぐ事になったというのに、魔力を持たない自分だからこそ救えないという残酷な事実。
彼が、救いたいと思えないほどの非情で残虐な人物ならどれだけ良かったか。
雰囲気は甘いのだけれど、切なくてたまらないのはどうして。
同じような孤独を持つ者同士、寄り添い合うかのように過ごす2人の空気があまりにも優しい。

呪いと共に、徐々に明かされる謎や伏線が回収されていく展開がこれまた見事。
中弛みする事もなく、切なさ一辺倒なわけでもなく、ハラハラとドキドキまである。
本当によく練られ、非常に丁寧に作られたお話だなと感じます。
なんというのですかね…やはり、リディルがグシオンを命がけになってまで呪いを解き救おうとする懸命さや健気さに胸をうたれるわけなのですが…
彼がただの健気な人なのではなく、しっかりとした芯のある人物で、なぜそうまでしてグシオンを愛しく想い救おうとしているのか?
これまでに描かれていた丁寧かつ繊細な心理描写が効いていて、突き動かされるかのような彼の行動理由と気持ちが分かってしまうんですよね。
花嫁ものだからこその「男であり、なおかつ期待外れ」が逆転する展開や、リディルの謎に関しても読み応えがありました。

しっとりとした雰囲気の中にも穏やかな甘さがあり、良い空気感を残したままラストを迎える。
嘘から始まった婚姻が、こんなに素敵な運命と出逢える事になるなんて誰が想像したでしょうか。
グシオンとリディルが互いを愛情深く想い合う姿が幸せに満ちていて、読み終えてもしばらく2人の事が愛おしく思えて仕方がなくなる。
この2人、大好きだなあ。
作中のあちこちでリディルの掌からこぼれる幸せの花が彩りを添えています。
感情と共にほろほろと溢れる花が大変可愛らしかったです。

尾上与一先生の作品を読むのは今作が初めてだったのですが、とても美しくも繊細なお話を書かれる方なのですね。
時間も忘れて没頭してしまうほど魅了されてしまいました。
yoco先生の挿画も美麗で、これほど物語の世界観と相性の良い組み合わせはあまり数多くはないのではないでしょうか。
物語、物語を読ませる筆力、物語により深みを持たせる挿画。
この3つが見事に組み合わさる事によって、本当に魅力的な作品になっていると思います。
2020年上半期発売小説作品の中で、5本の指に入るほど素晴らしい作品でした。

22

手のひらから花を生み出す、美しい王子

尾上与一先生が流行りの身代わり花嫁を?
と正直おそるおそる読みましたが、尾上先生は尾上先生でした!

同じように迷っている方、心配ご無用です!

ボリュームも読み応えもガッツリの、一味も二味も違う「花嫁もの」

むしろお題を与えられたら作者の力量が歴然と現れるのだな、としみじみ

鮮やかな色彩溢れる、花々のかぐわしい香りまで感じられそうな確固たる世界
剣と魔法と運命の恋

勇猛で誠実で孤独なグシオンと、美しく健気なリディルが惹かれ合い、互いを捧げるように想い合う過程に涙が零れました

次から次へと謎が解き明かされてゆくラストまで、息も吐かせぬ面白さ!

溢れる花や美しい衣装、戦いの迫力、ダイナミックな魔法、そして二人が交わす秘めやかで甘い褥まで、先生の絢爛たる文章に酔いしれます

そして!
yoco先生の表紙が!口絵が!挿画が!
一幅の絵画のような眼福です

絢爛豪華な目眩く物語絵巻、ありがとうございました!



12

素晴らしく壮大な魔法ファンタジー

読み終えて心地良い余韻に浸っています。
過酷な運命に翻弄される、呪われた王と癒しの魔力を持つ王子…
その運命を自分たちの力で乗り越えていく、強い強い愛の物語です。

ーーネタバレ注意ーー

強大な魔法王国の第一王子・リディル。
身体の弱い姉の代わりに王女と偽り、魔力を供給するために隣国のグシオン王に嫁ぐことになります。
しかし、既にグシオンにリディルが男だとバレていてーー…!?

実は、リディルは魔力を殆ど持っていません。
王女を嫁がせる約束も果たせず、グシオンに魔力を供給することもできないリディルは、元より死を覚悟しての嫁入りなのです。

国と民を守るため、死を覚悟して謝罪に赴くリディルが健気な王子である事は直ぐに分かります。
気丈に振る舞いながらも、誰もいない馬車の中で声を殺して泣くリディルが切ない(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
何のために生きてきたのか、未来で自分が得るはずだったものは何だったのか……そんな事を思うリディルに、生への未練を感じました。
とても優しくて、皆に慕われる心の強いリディルがとっても魅力的なんです。

そのリディルが嫁いだグシオンがまた素敵で!
武術に長けた利発な青年であり、リディルを男と知りながらも受け入れます。
しかし、グシオンにもまた大きな秘密があり、それは前王が受けた呪いによるものでした。
空に浮かぶ二つの月……その二つが満月を迎える時、グシオンは理性を失った獣になってしまうという呪い。
恵まれた王に見えたグシオンは、実はとても寂しい男でした。
そのグシオンがイディルという伴侶を得た事で幸せを知り、ずっと一緒に生きていきたいと願う場面はグッときます。

そして、二人が心を通わせていく中、グシオンとリディルの秘密を知った隣国が攻めてきてーーと、物語は急展開!
獣姿に驚いてしまったリディルとグシオンがすれ違っていくところは切ないですし、自分を恥じるグシオンが悲しい。
それでも、リディルがグシオンの為に出来ることを探して奔走していく姿。
その命をかけた姿にとても感動してしまって、あまりの健気さと直向きさに目頭が熱くなりました。
王妃でもなく、役立たず……だけど、男だから共に戦える!
「一生ともに生きていこう」というグシオンの言葉を生きる力にして頑張るリディルに心打たれました。

グシオンの呪いは解けるのか?
リディルの魔法円が発動しない理由とは?
側近のイドとカルカの存在も大きく、その活躍は必見です!
さらに、リディル姉妹の秘密にはビックリ!?

最後の最後までワクワクさせてくれる展開に、ページをめくる手を止められませんでした。
yoco先生のイラストも素敵でため息もの。
感情の機微によってリディルの指先からあふれ出るカラフルな花はロマンチック♡
最後にリディルが出した花の色を是非確かめてみて下さい!


ラブシーンこそ少ないですが、むつみ合う二人が愛おしい素敵な物語でした。
とても読み応えある素晴らしいファンタジー作品だったと思います。

24

これぞ、真実の愛

気高く哀しい王子と、忌まわしい呪いを受けた寂しい王。
偽りの婚礼から始まった、真実の愛と言った物語になります。

こちら、煽りでは「ロマンチック婚礼ファンタジー」となってて、確かにロマンチックなのです。
ロマンチックなのですが、同時に凄まじく切ないし哀しいし痛々しいお話でもあるんですよね。
運命って皮肉すぎるよ!と、涙が止まりませんでしたよ。
でも、その運命を乗り越えて愛し合う二人に、ただただ感動で。
ああ、すごい話を読んだと言う感想しか出てこないですね。
370P弱と大ボリュームなんですけど、ページを捲る手を止める事が出来なくて、一気に読んじゃいましたよ。

内容ですが、武強国イル・ジャーナルの王でグシオン×魔法王国・エウェストルムの王子リディルによる、身代わり花嫁ものになります。

身体の弱い姉王女の代わりに、隣国のグシオン王の元に嫁ぐ事となったリディル。
魔力も持たず男である彼は、自分の命を代償に、国や民を救うべく悲壮な覚悟で初夜に臨むんですね。
ところが、王はリディルが王子だと分かっても、何故か驚かずー・・・と言うものになります。

まずこちら、一番に訴えたい事なんですけど、その圧巻のストーリー性になります。
序盤なんですけど、偽りの花嫁として無骨な隣国に嫁ぐ主人公と、痛々しい状況から始まるんですよね。

えーと、リディルなんですけど、気高く責任感が強く思いやり深い、とても健気な王子になるんですよ。
そもそも、この世界なんですけど、魔法の力を持って国を治める魔法大国と、武力を持って治める武強国が存在するんですね。
魔法大国では魔力を持った王族が生まれ、その魔力を武力に変えて戦うのが武強国。
その為、武強国では、魔法国の王女を先を競って娶ろうとする。
武力を持たない魔法国は、そうやって他国に魔力を「供給」する事で、国を守りと言った形で。

で、そんな事情があっての、今回の婚礼。

リディルなんですけど、物心ついた時からこの事情を理解していて、自分が死ぬ為に生きてきた事を知っている。
そう、とても落ち着いていて朗らかですが、ふとした拍子にどこか諦めも感じさせてと、すごく痛々しいのです。
生まれ育った美しい王宮の景色を見て、最期の瞬間はこの匂いや景色を思い出すんだろう・・・みたいな。

いやこれ、めちゃくちゃ悲しい。
まだ序盤も序盤なのに、もうこの時点で涙腺がヤバくなってる。

で、そんな彼を娶るのが、隣国で武強国の王・グシオン。
彼はですね、朗らかで人懐こくて優しい、男としての魅力に溢れた王でしょうか。
輿入れ道中のリディル達を迎えに現れ、警戒心と緊張でガチガチのリディルに、あたたかく接する。
いやね、この輿入れ道中で、リディルの気持ちと言うのが大きく変化するんですよ。
グシオンをただただ恐れていたのが、彼の人となりを知るに連れ、騙してる事に罪悪感を覚え始めと言った具合に。
ついでに、読者の胸の高まりも、このあたりで高騰中。
だって、グシオンですが、リディルに対して、それこそめちゃくちゃ愛を感じさせるんですよー!
嫁いできてくれた事に嬉しさを隠せずと言った感じで、溺愛攻め好きには滾っちゃうんですよーーー!!
あれ、攻め、めちゃくちゃいい男じゃないのよ!と。

まぁそんなワケで、ここから初夜での(素顔での)初対面。
読者の期待通り、既にグシオンは、リディルが男だと分かっていて・・・と続きます。

で、繰り返しになりますが、この作品の凄い所は、そのストーリー性の深さ。
私は単純に、身代わり花嫁ものとしか認識してませんでしたが、ここから更に驚きの事実が分かります。
とある事情を隠していてと、グシオンはグシオンで重い秘密を抱えていたんですね。

これね、リディルには何の罪も無いのです。
でも結果的には、グシオンにとって裏切りに裏切りを重ねる酷い行為となってしまった。
この、婚礼自体が。
事実が分かった時に、あまりの皮肉さに眩暈がしましたよ。

ただ、ここで見せるグシオンの言動に、めちゃくちゃ心を打たれて。
これも呪いで、運命だと解釈するんですよね。
その上で、それを受け入れる。

これが運命なら、共に歩いてくれるのはそなたがいい。
捨てにきた命ならば、余の妃となってくれ。と。

なんかもう、ああああー!と、萌え転がっちゃうんですけど。
リディルが、この孤独な人に寄り添おう、心だけでも癒そうと決意するのにも、グッときちゃうんですけど。

ちなみに、ここで半分くらいですが、この時点で二人は身も心も結ばれるんですよね。
で、あとは甘々かと言えば、ここから更に二人を襲う、試練の山。
グシオンの秘密には更に隠していた事実があり、またリディルが嫁いでからと言うもの情報が漏れと、彼は厳しい立場にも置かれる。

これ、リディルですが、とにかくめちゃくちゃ健気なんですよ。
だからこそ、自分の無力さに苦しむのが、とにかく切ない。
自分の身を投げ出して、グシオンを守ろうとするのが、泣ける。
またグシオンはグシオンで、そんなリディルに心を痛める。
こんなに人を好きになった事は無いと。

もう、マジでこの二人、幸せにしてやってーーー!!

とりあえずですね、そんな感じでかなり切なくはあるものの、ちゃんとハッピーエンドなのでご安心下さい。
リディルは単に守られてるだけのか弱い主人公なのでは無く、愛する人の為にしっかり戦うって所も、とても素敵でした。
様々な伏線が張り巡らせてあってと、物語として本当に面白いんですけど、最後の最後に明かされる驚愕の事実にも、脱帽。
いや、なるほどねぇしか出てこない。

ちなみに、どこかお伽話を思わせるお話でもあります。
リディルが感情の高ぶりによって、花を出すんですよね。
自分の手から。
これもまた、うっとりしちゃいました。

22

読後温かい気持ちになれます

作家買い。
尾上さんは「1945シリーズ」のイメージが強く、痛い作品を描かれるイメージが個人的に強い作家さまなのですが、今作品はめっちゃ可愛い…。バックボーンはややシリアスさを孕んでいますが、でも、登場人物がみんなすごく優しい人ばかりで、そのためかすごく優しく心が温かくなるような、そんなお話でした。







軍力を持たない弱い国は、軍力が果てしなく強い国に吸収されてしまう世界、が舞台。が、軍力が弱くとも、国を維持できる国もある。それは魔力を使える魔法使い=マギがいる国。

主人公はマギがいる国であるエウェストルム王国の王子・リディル。
マギがいることで他の国から攻め入られることはないが、その代わりに魔力を持つ王女を嫁がせることで平和を保っている。
エウェストルム王国の現国王も、第一王女をイル・ジャーナ国の王子に嫁がせる約束をしていた。

が、第一王女は他の強国に攻め込まれたときにその国に嫁がせてしまった。第二王女は身体が弱く嫁がせることができない。そこで白羽の矢が立ったのが、第一王子であるリディルだった。

王女ではなく、男であるリディルでは子を成すことも、王妃になることもできない。それでも、自国に攻め込まれることがないよう、自分の命を持って償いイル・ジャーナ王国のグシオン王に頼み込む。騙された形になるグシオン王に、殺される覚悟で輿入れするが―。

一言で言ってしまうと、よくある成り代わりもの。男でありながら、女と偽り輿入れするお話。

なのですが、これがめっちゃ面白かった!

グシオン王はリディルが王子だということをはじめから知ってるんですね。知っていてなお、そのまま王妃として受け入れる。それはなぜか。

グシオン王にも、秘密がある。この秘密が、このストーリーのキモになっています。グシオン王が抱える秘密が一体何なのか、ぜひとも手に取って読んでいただきたい。

リディルは自国のために命を賭してグシオン王に嫁ぎます。
王子としての矜持があるため。けれど、「それだけ」でもないんです。リディルにもまた、秘密がある。

少しずつ欠けている、グシオンとリディル。
けれど、彼らには他者に対する愛情と深い思いやりがある。
欠けた部分を補うように、そしてお互いを思い合って助け合おうとする彼らの人としての優しさだとか、愛情だとか、温かさが、この作品の大きな魅力の一つ。はじめは恋愛感情ではなかった。そこから相手を知り、歩み寄り、そして愛情を育てていく二人の夫婦としての歩みがなんとも優しいのです。

そしてこの二人の脇を固めるサブキャラも非常に魅力的でした。

グシオンにはカルカ、リディルにはイド。
腹心の部下で、忠誠心に溢れている優しい人たち。忠誠心が過ぎるがゆえに突っ張りる傾向にあるものの、それもこれも自分の主を守るため。壮絶に強く、そして逞しい。この二人がくっついたらいいのになー、なんて妄想しながら読み進めました。

途中、どうなることかとハラハラしつつ読み進めるシーンも多くありますが、最後はきちんと大団円。なので安心して読まれてください。

夫婦としての愛情と信頼。
主に尽くす忠誠心。
そして親から子へそそぐ愛情。
この作品のベースになっているものは、形こそ違えど深い愛情です。それゆえか、読後はほっこり温かい気持ちになれました。

世界観が非常に独特ですごく面白かった。
作中あまり登場しませんでしたがリディルの兄弟とか、カルカ、そしてイドと、スピンオフがたくさん作れるんじゃないかなーと思うので、ぜひともスピンオフを書いてほしいと絶賛切望中です。

23

この作品が収納されている本棚

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