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肩肘張らずに読めるところが好きです。
でも何も残らないのではなく、読後感はほっこりした気持ちになれる。
こけし大好きな直文が営む「喫茶KOKESHI」という店名からして、なんかゆるくて和む。
全体としてほっこりテイストなお話ではありますが、いいスパイスとなっているのがスーパー小学生とでもいうべき朝彦の存在。
小四なのに、大人顔負けの語彙力と、その指摘の容赦のなさに思わず目が覚めるというのかしら。
その朝彦が「店名がダサい」と一刀両断するところは、何度読んでも笑えます。
朝彦、容赦ねーな!って。
対する店主の直文は、のんびりマイペースなんですよね。
そんな二人のやりとりは、どっちが子供でどっちが大人なんだか……と笑ってしまう。
そして、直文がこけしの事になるとついつい饒舌になるところもかわいくて、微笑ましい。
直文は、側から見るとのほほんとしてて商売上手ではないかもしれない。
でも、この世知辛い世間での尊い希少種というのかな、いつまでもこのままでいて欲しいわ。
直文の父親や、常にお茶を飲みにきてくれた周囲の人々も、みんななんて優しい世界なのかしら……。
「意識高い」系の対岸にあるようなお店なんだけど、そこがいいです。
お店の明確なコンセプトがないからこそ、そこから外れる人を生み出していない。
こけしにも深いきっかけや理由があるけれど、それを決して人に押し付けてこないし、相手を否定しない。
何事にも押し付けがましくなく、ゆるやかに相手を受け入れる直文という存在に癒されます。
そんな直文だからこそ、相手を想うが故にすれ違っていた東宮寺親子の確執も解けていく。
朝彦の父である東宮寺とのラブ模様も微笑ましくて良かった。
東宮寺からのラブは割とわかりやすいのだけど、直文にはその意図が伝わらずに一人でドキマギしてる姿もかわいい。
こけしラブでおっとりな直文、スパルタな朝彦というキャラと比べるとちょいかすみがちだった東宮時だけど、いざとなるとあくまで口調は丁寧でありながら割と肉食だったところも萌え。
初読時は萌萌だったけど、再読率が高いので神で。
昨今
お子様連れBLが増えておりますが
まああえてわざわざ読まないルートを取っていますが
海野幸先生は作家買いルートなので購入
でも前述の気持ちからなんとなく後回しにしていましたが読みました
結論
こんな風に
子供が子供である事以外にきちんと意味を持ち
この子でなくてはいけないキャラとして物語に存在しているお話は素晴らしい
小学生の朝彦ではなく
朝彦というキャラクターが小学生である
なのである
当たり前のようで
○○が育てている子供
というニュアンスでの子供が多い気がするので
海野幸先生が子供を登場させるお話をこのように設定されたことが素晴らしい
子育てBLではなく
子供が登場するお話だと思う
とても面白かったです
小学生の朝彦の行動から彼の父と彼の行きつけ(?)の店の店長が結ばれるわけだが
受けちゃんがなかなかの天然ちゃんだし
朝彦くんはお父様への間接的援護射撃をこれからも打ってくれそう
子育てBLじゃないと言いつつ
こんな親子関係っていいな
と思う一冊でした
しかし店名ひらがなにしないんですね
いっそダサさを極めてみるのもある意味いいのかもしれないなあ
人の話を聞くのが得意な喫茶店主と子持ち元コンサルタント
喫茶店「喫茶KOKESHI」を初めて半年の新米店主・沢木直文(受け)。
大好きなこけしを店内に所せましと並べているちょっと不思議な喫茶店。
それほど流行ってないお店をのんびり経営している直文に、ちょっと小生意気な
小学生・東宮寺朝彦が自分の夏休みの自由研究の成果としてこの店のコンサルタントをしてくれると申し出ます。歳に似合わない大人びた言動で直文の喫茶店の問題点を次々と上げていく朝彦にたじたじとなっている直文でしたが、そんな朝彦を父親の東宮寺(攻め)が引き取りにきます。
コンサルタント会社に勤める(今は総務部で元コンサルタント)の東宮寺親子による善意のコンサルタントを受けることになる直文は東宮寺にどんどん惹かれていってしまうのです。
表題作と「特別なのはあなただけ」の中編2本立て
自称「王様の耳はロバの耳の葦の穴」な直文が東宮寺親子のすれ違いを取り持つのに感心したり、のほほんとしていて結構重い過去を持つ直文がこけしに傾倒することになったいきさつに涙したり、新規開店したお店を敵として「KOKESHI」のために敵情視察をする東宮寺親子と同業者を追い落とすのではなくみんなで盛り上げたいと思う直文とのすれ違いにどきどきしたり、とても楽しく読み終えることができました。
この話のキモはこけしだらけの喫茶店です。
話の中でも自分の心の持ちようでこけしが泣いていたり不気味だったり笑っていたりと不思議な気持ちになりました。
そして、MVPはなんといっても朝彦でしょう。
父親に対する負い目もあって、コンサルタントをするにあたって自分の力量を試すためとはいえ「喫茶KOKESHI」に突撃し、図らずも二人を出合わせくっつけるキューピッドでした。
ませていて大人顔負けの言動をする朝彦が父親への負い目をどうすればいいのかわからなくて反抗的になっていたり、時々する年相応の反応がとてもかわいいかったです。ともすれば大人二人よりも印象深かったかもしれません。
朝彦の活躍にすっかり霞んでしまっていた二人でしたが、これからも穏やかに愛を育んでいってほしいと思いました。
なんかあっても朝彦が間にはいってくれたら大丈夫でしょう。
そういう考え方も大事だよね、と目からウロコな気持ちになってしまいました。
受け様は「喫茶KOKESHI」の店長直文。
ある日、大人びた小学生朝彦からお店の問題点を指摘され、改善点のアドバイスされる。
この朝彦のイケメン父親の東宮寺がこの度の攻め様になります。
東宮寺から、息子が失礼を、と謝罪されるのだけど、すごいじゃないですか、と笑顔で対応。
以来、親子は直文の店を訪れるようになる。
東宮寺のイケメンぶりにボーッとなる直文の様子が笑えてかわいかったです。
朝彦に背中を押してもらって動き出す直文。
私も頑張れって応援しましたよ(≧▽≦)
きっと直文も、朝彦親子をはじめ、これまでにたくさんの人たちの背中をそっと押してきたんだろうなぁ。
書き下ろしの方では、近くに新しくイタリアンのお店がオープン。
客足が減り、直文のお店のために作戦会議に余念がない東宮寺親子。
イタリアンのお店の店長と偶然出会った時に直文がしたアドバイス、私もそれはどうだろう‥と正直思ってしまったのですが。
東宮寺親子に、きちんと考えて謝罪する姿、とてもよかったです。
その上で、直文の考えを知って反省でした。
直文は、自分の店ありき、ではなく、お客様ありき、なんですね。
いつだって、お客様に気持ちよく過ごして欲しいと頑張っている直文に頭が下がる思いでした。
こんな直文が店長なら、きっと喫茶KOKESHIは地域に根付いたお店であり続けるのだろうな。
イラストは雨隠ギド先生。
優しくてほんわかした雰囲気がお話にベストマッチでした。
先生買い。海野先生らしいハートフルな部分あり、お仕事話あり、サブキャラ(今回はお子様)は面白い、いつも通りとは思うものの、こけしが苦手なのと、攻め受けにキャ♡と感じる部分が少なかったので中立より萌にしました。雑誌掲載分150P弱+その続き本編90P超+あとがき。
駅から歩いて10分ほどの高架下で喫茶店を営む直文。ある日、店に小学生がやってきて「ここはこけし販売店か?」「最近客足が落ちてきたのでは?」などと話しかけてきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
朝彦(攻めの子、小生意気な小学生)、北条(後半登場、イタリアンレストラン店長)ぐらいか。朝彦、良いです、小学生なのにめっちゃおもろい。
++ 以下 より内容に触れる感想
こけしだらけの鄙びた喫茶店にあれやこれやコンサルタントする!ついでに恋話も!という印象のお話でして。朝彦はくそ生意気な小学生!というのがピッタリ、分かりやすくてとても面白かったんですけど、攻め受けにビビっとくるものが感じられなかったため萌が減っちゃいました。コンサル話はとても面白かったんですけどねええ・・
受けさんはお人よし、ど天然、超善人という分類でしょうか。ほんわり癒し系、ごりごり前面にでてくる訳ではないけど、するっといつの間にか馴染んでいる という印象の方。喫茶店のマスターにうってつけな人材と思います。
攻めさんはお子様との関係性に悩むところのあるイケメンお仕事ばりばりコンサルタントさん。カッコいいんでしょうねえ・・・なのですが、押しが強いという訳でもないし、フェロモンだだもれというタイプでもなく、なんとなく控えめな印象でした。ほんわり癒し系なイケメンがお好きな方だったら良いのかな?
朝彦にはめちゃ笑えたのですが、恋話に盛り上がれなかったお話でした、皆さん評価高いのになあ。うーん乗り切れなくて何だか口惜しい。