【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
大正浪漫風の時代設定と子育てというストーリーですごく良かったです。
BLというよりは家族愛の小説として読んでいました。
前半2/3は恋愛要素はほぼありませんが、それでも龍郎と子ども達とのかかわりが微笑ましくて続きが気になって仕方なかったです!後半は政隆との関係が進んで、読後はすごく幸せで満たされます。
ただ、BL小説は男性同士であるがゆえの葛藤が醍醐味だと思って読んでいるのでそれが少しでも描かれていたらもっと嬉しかったかなとは思います。
とはいえ読んで良かったと思いますし、また癒やされたい時に読み返すような気がします。
「甘やか」を謳ってる割には、三分の一くらいまで旦那様は登場しないわ、ただの女中に過ぎないのに勘違いした下卑たごうつくババァがのさばってて子供達を虐げてるわで(幼い子供達がひっそりと息を潜めている様子が不憫だった)どーなってるの??と思いましたが……。
ようやく攻めが「旦那様」と登場してからはタイトル通りって感じでした。
縁あって出会った四人が「家族」になっていく様子、特に子供達が子供らしさを取り戻してはしゃいだりする姿が良かったなーと。
二人の恋愛模様にはあまりキュキューンとすることもなく、このまま終わってしまうのか‥‥と思ってたら、攻めがめちゃくちゃ我慢強くて、気持ち通じ合って即合体!に持ち込まないんですね。
かなり気長に時間をかけて待ちの姿勢を保ち続けているところが、萌えポイントでした。
お話は、王道だと思います。
子育て、旦那様、甘め、スパダリといったルチルらしい要素が多めで、読んでると小中作品ということを忘れてしまう時がありました。
ただ、女中イトのえげつなさ、攻め母の狂気っぷり、もし誘拐が成功してたら二人とも死んでたみたいな描写に、胸塞がれたりゾワっとさせられる箇所もあり、やっぱり小中さんって容赦ないなって思いました。
作家買いです。
小中作品としては、おとなしめで雰囲気が初期作品に似てるなと思いました。
ほのぼの恋愛譚みたいな感じ。
最初は、ハラハラするし、登場人物に苛立ちが隠せませんが、峠を越えれば政隆と龍郎が惹かれあっていくのを享受していれば良いです。
あと、子どもたちの行先もモヤモヤして見ていればいいです。
この先、あの子たちはどうなってしまうんだろう…と見守っていたくなります。
恋愛ものですが、ほぼ一目惚れに近く、強烈な恋愛模様は何もないのでそこだけ物足りなかったなと思います。
大正ロマン風なところは、こういう世界にのんびり浸かっていたいなという温泉のような心地よさがあって、良かったです。
ゆっくり小説を読みたいときに、オススメです!
小中さんのキャラクターへの愛を感じたんですよね。
『本当の大正時代だと、それ以降が暗い時代になってしまうので』という様な事があとがきにありまして、作中人物をも大切にしていくんだなぁ、と激しく好感を持っちゃいました。
恋愛と言うよりは、家族愛に近いもののお話なのだと思います。
主要登場人物の4人すべてが両親を亡くしています。
子ども組(龍郎と凛太、珠希)は周りの大人にも恵まれない。
大人の政隆は『屋敷の離れに妾を住まわせる父』と、父亡き後『その妾と子どもに折檻をする母』を諫められないまま、少年~青年期を送っている。
この4人、不憫なんですよ、眞に。
こういう言い方もなんですけれども、捨て子がね、集まっていたわり合いながら暮らしている様なイメージでした。
『やっと見つけたひだまり』的な。
だからこそ大団円にホッとするわけで。
もう、Loveが少なくとも満足です。
唯一の心配は政隆の甘党ぶり。
このままだと体を壊すんじゃなかろうか……そんな匂いがします。
小中大豆先生の作品が大好きなので迷わず購入です。
こんなに短期間に何冊も出しているのに、ひとつひとつの作品が違っていて面白いのは流石でした。
今回はファンタジー要素が無く、なんちゃって大正時代風のお話になっていました。
受けの龍郎と弟の凛太の境遇は悲しいものがありましたが、二人の逞しく生きる姿が眩しくもありました。
珠希が住んでいた隠居屋の女中問題、珠希と伯父である政隆の交流や、伯爵家を巡る後継者問題からの誘拐未遂事件など、話題がてんこ盛りでとても面白かったんです。
でも、肝心の政隆と龍郎の恋愛面が最後にちょこっとあるだけでした。政隆の気持ちはきっとそうなのだろうと想像は出来ましたが、萌が極端に少なかったので萌2にさせて頂きました。