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表紙のイラスト通りの心があたたかくなるお話。誰にだって辛い過去があって、今も苦しんでいる人もいて、そんな中で人に頼ることを覚えたり、信頼される喜びを知ったり。恋愛要素だけではなくて、人と人との繋がりが描かれたハートフルなお話でした。
このお話の主人公の春川は大企業の社長の息子で、セレブリティなんですが、すごく庶民的でそこがツボ。庶民的というよりかは、子供っぽいのかな。でもまっすぐで真面目に相手を思いやる素敵な人だと思いました。
比較的ゆっくり話が進んでいくし、恋愛要素は後半にといった感じだったので、もう少しドキドキ感を味わえたら良かったかなと思いました。
隆二は健気ですね~~好き!商店街にある食堂と子ども食堂を切り盛りしていた店主が入院したことにより、かわりに子ども食堂を続けるためにバイトして食材代を稼いでいる、すごい子。
なんか貧乏とか過去とかいろいろ可哀想で心臓きゅっとしますが…。
ある日、春川という家出御曹司が食堂に転がり込んできて…!?という話。
そこから始まる物語です。
隆二は、過去が過去なのでいろんなことを諦念しており、コミュニケーションも不十分なため周囲から理解が得られていないのがつらい…。うう……。
しかしそこが健気ですね、言い訳せず一生懸命、自分ができることをして…。
子どもの貧困や親からの虐待なんかも作中で取り上げていて、春川は通報したほうがいい、隆二は通報してその子たちの居場所(子ども食堂)を奪うべきじゃない、と対立するシーンもあり…。隆二は自分の過去や生い立ちから、親の気持ちもわかってしまうんですよね。
ふたりとともに何が正解なのか、はたまた正解など決めること自体がおこがましいのか…、色々考えることができました。
萌えもありますが、なんだか考えさせられる小説でしたね。
中卒で身寄りのない隆二と社長の息子春川の物語。幼い頃から生きる事に必死で、信じて頼るのが難しい隆二。それでも道を踏み外さずギリギリの所で頑張っていて、人のために尽くそうとする姿がいじらしい。こども食堂の話や、虐待、地域支援活動の話までなかなか深いテーマでした。虐待されているのではないかという子供を児相に通報すべきという春川に隆二が告げた言葉は現実的で、春川も自分の甘さを知る事になる。春川が隆二を雇わない展開も好きだし、彼の自立を手助けしつつ共に寄り添っていく姿勢が見られて好きなお話でした。
海野幸先生の現代もの、本当に大好きで…
こちら、不憫受けの不憫さに涙が出そうになりながら(出てないんかい)読みました。
中学を卒業して酒乱の父の元を飛び出し、日雇いの仕事をしながらその日暮らしをしていた受け。
やがて祖父の営む食堂で、こども食堂の手伝いをしながら暮らすようになるのですが、その祖父が倒れて意識不明となってしまい…
祖父に頼まれたこども食堂をなんとかやっていくために、頼れる人もいない中、アルバイト代をすべてこども食堂の運営費に充てその日一日を必死に生きていました。
そんなある日、突然大企業の御曹司が現れ、「家出中なんだがここに置いてもらえないか」と言われ、共同生活が始まるのですがー!?
と続くお話です。(なんだかうまく短くまとめられなかった…)
今日明日のことを考えるのに必死で、とても将来のことなど考えられない…というのが本当に苦しいぐらいよく理解できてしまい、読みながらううう…と苦しくなるほどでした。
そんな彼が春川と出会い、行政や人に相談すること、力を頼ること、そしてそれは決して恥ずかしがる必要はないということ…
そんな考え方を学び、新たな生き方へと一歩を踏み出していく物語にグイグイ惹きつけられ、一気に読んでしまいました。
そして、とてもいいなぁ…と思ったのが、19歳で学歴もなく、その日暮らしの隆二が一方的にスパダリに救われる物語ではない、ということ。
春川もまた、こども食堂で事情を抱えた子供たちの状況を、ただ親に注意するだけでは問題の解決に繋がらないことを、隆二の経験や言葉から学ぶんですね。はあ…沁みた…
2人の初セッッの際、年上で経験のある春川に嫉妬してしまう隆二に対し、でも君が最後になるよ、と春川がかけた言葉に、グッときてきゅん…でした。
家出の理由は正直ちょーっと、おい、と思いましたけど、優しくリードする年上攻め、頼っていいんだよって教える攻め、うん、やっぱりものすごく格好良かった…!
現実味のある貧困問題や子どもたちの事情に胸がきゅーっと痛くなりつつも、受けの再生の一歩に勇気をもらえる、温かで素敵な作品でした✨
作中の隆二の言葉を借りるのならば、なんだこの宇宙人攻めは…?と、序盤の印象からてっきりコメディ寄りのお話なのかと思っていたのです。
いやはや、違いました。もちろんクスッと笑えたりもするのですけれど、もっと深くて社会派なテーマを扱ったしっかりと地に足の付いたお話です。
良い話というか、考えさせられる話というか…なんでもないようなさり気なさで描かれた1シーンの中で、思わずハッとする気付きがあるんです。
海野先生の表現の上手さが光る作品でした。
こちらの作品。萌えたか萌えなかったかで言うと、BL的ではない方のエピソードの数々がドスドスと刺さってしまって、読み進めながらそういう萌えを楽しむジャンルの作品ではないかもしれないぞと感じてしまったのです。
でもですね、育った環境が真逆な2人のキャラクターが本当に良かったんですよ。
お互いが知っているもの・知らないものを持ち寄ってそっと教え合える2人の人柄がすごく好きでした。
大人子供のようなかわいらしい一面も持っているけれど、大人なところは大人な春川と、まだ子供だというのに頼り方を知らず、大人よりも大人にならざるを得なかった隆二。
30歳の御曹司の家出という突拍子もない出会いが見事な化学変化を魅せてくれます。
どちらも素敵なキャラクターだったけれど、やっぱり隆二が好きですね。
子ども食堂を舞台に、重みのあるテーマを描きながら重たくなりすぎず、かといって綺麗すぎない。
どこかであるかもしれない現実的なお話で読み応えがありました。
今日はピザを取ろうと思います。
