キスしたいとか、抱いてほしいとか、好きになって欲しいとか、 本当のことは口にできない

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作君の公式をください

黒崎颯馬,25歳,大学院博士課程学生
白石廉,21歳,大学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし「この雨が止んでも」
  • カバー下(登場人物情報,小ネタ集)

あらすじ

大学生の白石は、博士課程の黒崎に片思いをしている。
見た目はいいけど空気は読まず、こだわりの強い黒崎に、
人当たりがよく、空気を読み過ぎてしまう白石。
ゲイの白石は酔ったふりをして黒崎と関係を持って以来、
セフレのような関係を続けていた。
ストレートの黒崎がどうして関係を続けるのか、
わからないまま。
だけど、キスしたいとか、抱いて欲しいとか、
好きになって欲しいとか、どんどん気持ちは強くなっていって…

作品情報

作品名
君の公式をください
著者
里つばめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
大洋図書
レーベル
H&C Comics CRAFTシリーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784813033479
4.3

(223)

(118)

萌々

(63)

(35)

中立

(6)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
20
得点
953
評価数
223
平均
4.3 / 5
神率
52.9%

レビュー投稿数20

里先生の描く最高にかわいいふたり

連載で追っていたのだけど(白石くん視点で語られるので当然といえば当然ですが)初見だと黒崎さんが何を考えているのか本当にわからないし二人の関係がみえなくて前半はこの作品がどういう話なのかを理解しようとする頭が働いてしまいます。
ひとつひとつのエピソードは可愛くて黒崎さんの魅力もわかるけど『?』が頭に浮かぶかんじ…
それもそのはずで黒崎さんに言わせれば『白石君のほうが数学の難問のように理解できない』存在なのですが、その言葉の正しさを読者もあとから知ることになります(笑)

このあたり本当に里先生のストーリーテラーとしての才能が光っていて、私が先生の作品を大好きな理由なんですけど、ふたりの物語のどこを切り取り何を描くかがスゴイ。
出会いのシーンから両想いになるまでを描く作品が多い中、出会いは回想の数コマで、それでもどんな出会いだったのかが把握できて、黒崎さんの性格を知ったあとではその後ふたりがどうやって距離をつめたのかも想像できます。
そして後半お互いの気持ちを確認しあってからも性格的な問題ですれ違ったり元に戻ったりするんですけど、告白あたりから二人の可愛さが加速して本当にどのコマも可愛くてあまくて最高です!

桜の季節が初々しいふたりの雰囲気にあっているし、儚さが気持ちの頼りなさと重なって印象的でした。
描きおろしも甘いので是非コミックスで読んで欲しい作品。読み返すたびに幸せな気持ちになれます♥

0

独特な空気感がもどかしくたまらない

理系男子の独特な空気感のあるBL

唐突に物語が始まり、親密な関係性ができている前提のお話なので何度読んでも前日譚があるのではないか、続編なのではないかと思ってしまうような、彼らの関係性を一から追うのではなく日常の一部を切り取ったかのようなお話でした。

感情の発露が少なく、ともすれば冷たい印象を受けてしまいそうな黒崎さんが、あまり表に出さないけどホッジくんに対してすごく心を許しててすごく好きですごく大切にしていることが端々から伝わってくるのが読んでいてたまらなかったです。加えて結構ムッツリ感もある。
そしてそんな黒崎さんのわかりにくい好きに気付けずに1人てんやわんやしてしまうホッジくんも愛しい。

派手な出来事が起こるわけではないけど2人の関係性をじんわりと見守れるこのお話でしか味わえない雰囲気がすごく好きでした。できれば彼らの出会いや身体の関係が始まった関係の起こりを見てみたいです。何があったら片方は告白しようともがいて、片方は別れ話されるのかと勘違いするすれ違いが起こるのか気になります。笑

0

遠慮がちでピュアな恋にキュン

GAPS・DOGS・バンカーなど、里つばめ先生のシリーズに慣れた身から言うと、とにかく「学生!若い!可愛い!うわーピュアっピュアだわ眩しいわー」となります。里先生の上記シリーズの場合、基本的に常に都会にいて舞台はオフィスや警察署・周囲はビル群・季節とか何月かとかは明記されていない場合が多いのですが、本作では京都の春のほんわかした情緒、そこここに咲き乱れる桜、これまたほんわかした主人公達の恋……上記シリーズ達を愛してやまない者の心もこちらを読むとホッと柔らかくなる、素晴らしい作品です。

2

タイトルが神

なんといってもこのタイトル
「君の公式をください」
神です。これは黒崎が白石へ向けての想いなのか、それとも反対なのか、いやお互いなのか?

無表情で、無口。数学しか興味がない黒崎。
とにかく分かりにくい。だけと数少ない台詞のなかを読み解いていくとわかっていきます。
その一つが

「確かに俺が数学以外の話をするのは君ぐらいだな」
この台詞で白石への想いが伝わります。
彼には今一つ伝わっていませんが。

黒崎がとにかくカッコいい!結婚するならこのタイプと勝手に決めました(笑)

全体的に流れる里つばめ先生の、さりげない知的なワールドが素敵です。
自分も少し賢くなったような気がするからあら不思議
当て馬の宇佐美くんもカッコいいぞ!
スピンオフ期待しています。



3

全てを描ききらないからこその表現力

里つばめ先生と言えば喧嘩ップル。強気な美人受けと俺様な攻めの攻防。そんなイメージでした。この本を読むまでは。里つばめ先生をはじめ、編集部の方、先生のファンの方々皆さんにお詫びしたいほどです。それほどまでに今までの里つばめ先生の描くお話と違っていて、正直驚きました。

既に体の関係にあるDD同士。両片思いだけどそれを言葉に表したことはなくてすれ違っている。それもそのはず(?)、攻めが(私の好きな←どうでもいい)無骨で寡黙な青年なんです。態度には一切現れないけど、受けをよく観察しているし、溺愛してるのも伝わる。でもそれは受けに対してだけじゃなくて他の人に対してもそうで。ちょっと人付き合いが苦手なタイプ。受けは攻めのことが好きだけど攻めはノンケだし酔った勢いから始まった関係だから…とそこから1歩踏み出す勇気が出ない。

思うにこのお話は、「既に体の関係がある」ってことも重要ポイントなんです。2人の出会いから体の関係ができるまでを事細かに詳しく描写なんてしない。でもモノローグや回想で見せてくる。両思いになったあとも、もっと見たい!!とちょっと物足りなく思う気持ちと、このまま自然な流れで2人の時間は続いていくんだろうなと想像して余韻を楽しむちょうどいい塩梅で1冊が終わる、そんなバランスもとても良かったです。とは言っても自分も含め、腐女子って欲張りだから続編読みたい!って気持ちがない訳では無いんですが…笑

3

宇佐美ください

理系&京都弁の受けというど性癖な作品でした。
説明が少ない分行間から伝わるものの多い、硬派なイメージの里先生の作品はやっぱり素敵だな~と思いつつも、ど性癖にも拘わらず爆萌えしなかったのは、受けさんがあんまり私の好みではなかったからかもな~っていうところです。

最初に読んだときに、馴れ初めについての説明もっと欲しい…と思ってしまったんですよね。でも再読したときに、あぁこれ説明ないのがいいんだなと思いなおしました。言葉以上に画で魅せる作品で、良質な青春映画をみているような感覚でした。好き好き言わないけど相手を大切に想っているのが行動でわかる、じんわり両片思いよき…。

透明感のある白石君は可愛いくて好きですけど、里先生だからこそ(?)黒崎と宇佐美みたいな攻×攻カップリングが個人的にはどど性癖だったなぁっていう贅沢な不満がちょっと残ってw。。とはいえ、無表情ながらも実は受が大好きな攻めさんの静かな溺愛や、陰影の演出で魅せる無音のスケベシーンに漂う官能等、堪能させていただきました。

宇佐美がいい奴なのでどこかで救済がありますよーに。

2

安定のかっこよさ

作家様買いです。
先生の描かれる攻めが大好きなんです。
口数少なめ、空気全然読まない黒崎もすごく好きです!

お話は淡々と進んでいく感じですが、時間の流れ方とかその場の様子とか丁寧に描かれていてわかりやすいです。
宇佐美の登場でこれは一波乱か!?という雰囲気でしたが・・・
黒崎は口数少なめで何を考えてるかわからないところがありますが、発する言葉が刺さるんです。かっこいい事言う!
エロはエロすぎないというかスタイリッシュというか、擬音とかないしこれはこれですごくいい。

里先生の作品はシリーズだったり、上下巻ででてたりするので黒崎と白石の同棲編とか読めたら嬉しいです。
宇佐美くんかっこよかったのでスピンオフとか読んでみたいです。



9

この続きを下さい!

里つばめ先生の他の作品に比べると毒は少ないし、派手さはないけれど凄く良かったです。

無表情な黒崎とゲイであることで臆病な白石の淡々とした日常風景がじんわりと沁みて来る作品でした。最初は大好きな里先生のシリーズものでなかったので購入を躊躇ってたのですが、今では買い逃さなくて良かったと思っています。

当て馬の登場の仕方も絶妙で黒崎と白石の両方ともに現れます。このうち白石に好意を持つ宇佐美の存在感が光っていました。

先に身体の関係を持ってしまったので白石は勝手に片想いだと思ってるわけですが、あの黒崎が身体だけの関係をダラダラと続ける訳はないんですよね。何気ないひと言とかちゃんと意思表示はしてるんです。
ただしずっと白石視点な故に片想いの切なさはありました。

個人的に好きなシーンは白石のお兄さんが倒れた時に黒崎が車を出すエピでした。

この2人のその後の暮らし振りをもっと読みたいと思いました。起承転結のハッキリしたお話も好きですが、川の流れのような緩く淡々としたお話も大好きです。

11

たんたんと。

里つばめ先生の新作は大学を舞台にした
大学院生×大学生のお話でした。

大学生の白石は博士課程の黒崎に想いを寄せています。
容姿は整っているのにマイペースで変わり者だけれど、
自分にだけ優しい黒崎に期待してしまい…。

外から見れば学部の先輩後輩からセフレへと、
するする流れてゆくように距離が近づいてゆく二人。
だけど、当の白石は黒崎の圧倒的言葉不足のせいで、
ドキドキさせられたり、嫉妬させられたり、落ち込んだり、
恋する乙女のごとく情緒が忙しない。

とはいえ、黒崎も決して駆け引きをするような男ではないので、
対白石限定の優しさも身体の関係を受け容れるのも
よくよく考えてみれば彼なりの好意でしかないのだけれど、
何しろ口下手で無表情なものだから感情が見えにくいんですよね。

だけど、それだけに唐突に繰り出される(黒崎の中ではそれなりに
手順を踏んでいるのだろうけれど…)デレが猛烈に刺さるのです///

こんな表情筋が死んだみたいな顔して、案外口にする言葉は
甘やかで愛情が感じられて、浸透タイプの溺愛攻めでした♡

ただ、白石が黒崎を健気に想う視点が中心だったので、
白石のことで感情が揺さぶられたり、動揺する黒崎など、
その内側も見られたら尚嬉しかったです。

当て馬も登場しますが、黒崎に劣らぬ誠実イケメンで
脇役にしておくのがもったいないくらいでした。
シリーズ化のあかつきには彼のスピンオフとかもあるのかな…?

7

ほっこり

黒崎さんと白石くん。見た目も黒と白なので覚えやすいです。
ゆっくりと歩み進めるふたりの物語でした。

里つばめ先生の作品は自然な会話の掛け合いが秀逸で大好きです。

そして毎回、題材にしている職種や場所が知り尽くしていないと描けない内容だと思うのですごいなぁと思います。

当て馬くんもいるのですがちょっと弱かったかな。。
最初から割とふたりの世界だったように感じます。

人気シリーズも面白いですがこういった単発物もまた読めたら嬉しいです。

6

シンプルさの中に光る想い

普段から何を考えているのかわからなくて、おまけに空気も読めない(読まない?)黒崎。
そんな彼に片想いをしている白石は"無"の表情の奥にある黒崎の気持ちが知りたくて仕方がないけれど、一緒にいる時間が増えても酔った勢いで「友達」の一線を越えても、その内側はなかなか見えてこないんですよね…。
一筋縄ではいかない恋を追いかけている白石の気持ちを表しているようなタイトルに感心しつつ、お話が進んでいくとそれが黒崎にも当てはまっていたのかな?と思えるのが面白かったです。
まるでタイプの違うふたりに見えて、実は似た者同士だったのかもしれないですね。

あえて避けていた核心に触れてみると、お互いに望んでいた結末が待っていて。
とても素敵な片想いの終わりに胸がキュンとしました。

ふたりの出会いや身体の関係を持つきっかけなどはさらりと紹介される程度でしたが、あれこれエピソードを詰めこないシンプルな展開だからこそ光るモノがあったなと感じるお話でした。

5

表情がなさすぎ

黒崎の表情がなさすぎて、それなのに気持を推し量れるようなエピソードがあるわけでもないので白石の独り相撲に見えてしまう
白石の方もなんで好きなのか、出会いも省略されているし、かと言ってどう親しくなっていったのかも描かれていないので(あ、そーなん?君が彼を好きなのね?)てモノローグ見て納得して読むしかない

どこが良いのか解らない とか いつの間にか とか読者が言われる側なの新鮮で…あと何回か読んだらもしかしたらちょっと変わるのかも知れないけれど、2回読んだところでは恋心が解りにくくあらすじを読んだみたいな印象

言葉では言っているのかも、特別だって

8

淡々とした雰囲気が好きならぜひ!

京都を舞台にした大学院生と大学生のお話。

どうして攻めって無口なんでしょうかね?伝わってるって思い込んでいるんでしょうかね?
どうして受けはいつも攻めに対して素直になれなくて卑屈になっちゃうんでしょうかね?
けっきょく第三者(友人だったり当て馬だったり)によってふたりが気持ちを伝え合うんですよね。

今作もそんな感じです。

出会いや好きになった過程が描かれていなかったからでしょうか?
日常系とはちょっと違うかな?なんだろう??ふんわり、雰囲気、ニュアンス、淡々と、読み込んで・・・って感じで、そういう作風が好きな人にはたまらない作品になっています。
1巻ではものたりないので、もっとじっくり読みたいですね。

読んでいて、攻めの黒崎も受けの白石も互いのことが好きなんだなってわかるんですけどね、でも個人的に宇佐美がいいなって思ってしまった作品です。
メインキャラ以外の多くのモブキャラが魅力的に描かれているので、やっぱり里先生のうまさですね!

宇佐美のスピンオフ、読みたいです!

4

君の公式をください

あっさりと、淡々と、進んでいくのにじんわりと深みのあるお話でした

すごくシンプルなのに、味わい深い
黒崎さんのお人柄がとても魅力的で白石くんが真面目で一生懸命で可愛い

宇佐美くんのスピンオフあったらいいな
当て馬だったり将来だったり家族だったり波乱はあるのに、たんたんと進んでいくのがスゴイ
そしてそれがとてもリアルで、現実ってこんな感じだかと思う
タイトルは青春!って感じなのに、そのギャップが好きです

同級生とか教授とか、クセのあるキャラクターがいててそれも面白かった
関西弁、いいですよね
独特の雰囲気や空気感が伝わってきました

3

あっさり

続きがあっても良いかな?
案外あっさり?
あの女の人か
あの男の子が
何かやらかすかと思ってたんやけど
スルッとおさまる主役2人……
あちらのシリーズの方が
私の好みかな??

3

さすがです

流石は里つばめ先生!大好きです
宇佐美くんのスピンオフが読みたいです

0

【公式】を得るまでの 公理の話?

あの 正直にいうと里さんの描かれるお話って 専門的なことを長々読まされるときあるじゃないですか 
そこにどうにも苦手が出てしまうんですよね

なら読むな? それ言われたら身も蓋もないんだけど

【GAPS】は面白く読めるんですよ
なのにそれ以降だんだん下降線をたどるみたいに あぁぁぁ…って ついには脱落

で 今回 敗者復活戦みたいな
サラリーマンじゃなさそうだしいけんじゃね?と

言い訳長いですか?



Σ 相変わらず何の話してるのかよくかわかんないとこあったけど なんだかんだ面白く読めたッ!

あたしがお伝えできるのはこれだけです

いや なにが面白かったかって なんだろうね? はっきりココが ってのはないんですよ 
だって ドンドンひゃららピーーひゃらら みたいなお祭り騒ぎがあったわけじゃないので 
まぁそういった作品を書かれる作家さまでもないですしね

そうだな 登場人物三者三様の好意や 想いの伝え方とその態度  攻めの恋に逃げの恋 
一番は 誰かの一言で揺さぶられ 乱される心 が読めたってとこかな

いや 読んでいるのはなんてことない1組の恋の話なのに 金のエンゼル1枚でもらった缶詰の中身のようにいろんな 心情 が詰め込まれていて その1つ1つに思いもしなかった言葉をもらう瞬間っていうのが組み込まれてる

そこを淡々と読めたのがよかったし面白かったんだな たぶん

愛だ恋だだけで世界は回ってないんだぞ みたいなところもあったし
じくっとするものはあったけど 微糖低糖だったってのも良かったうちのひとつかな?


ふたりの関係に関して言えば もらえる言葉が少ないのがいいのか 言葉足らずがいいのか
遠慮や思い込みで飲み込む言葉に愚直さや一途さは楽しめたんだけど どうせなら出逢いの部分も欲しかった

って いやいやいや グダグダ申しましたが 続くなら読みたいなって思える作品ではありんした

え あぁ これって個人的には敗者復活できたってことになるんですかね?

5

じわじわと広がる

理系の標準語攻め×理系の京都弁受け…と、バリバリの理系な学生同士の組み合わせですが、安心してください。数学が2の私でも読めました。

主人公達がいつどこでどう出会ってなにがあって好きになったのか等の詳しい状況説明がない状態なので、読み進めながら「この2人はこうで、きっとこの人はこうなんだな」となんとなく把握しながら追っていく形になります。
なので、もっと説明がほしい方にはもしかしたら合わないかもしれません。
逆に、自分で勝手に解釈をするから状況説明はそんなに詳しくいらないよという方にはぴったりだと思います。

京都にある大学が舞台の、落ち着いた雰囲気を感じる作品でした。
テンポ良くトントンとは進みません。ただただ淡々と静かに進んでいきます。
ものすごく萌えたか?というと、私は黒崎にも白石にもそこまで激しい萌えを感じなかったんです。
どちらかといえばストレートにものを言う宇佐美の方が好きでしたね。
けれど、全体を通して読むと決してこの作品に流れる雰囲気は苦手ではないし、むしろ好きかもしれないと思ってしまう不思議。
セリフがない余白の部分だったり、メイン2人とサブキャラクターたちが繰り広げる独特な会話の間を楽しむお話かなと思います。
なんだか、BGMを極力減らしたニュートラルカラーの映像作品を見ているような気分になりました。

普段多弁ではない人が発する一言って破壊力がすごかったりしませんか?
何を考えているのかが非常に分かりにくい今作の攻め・黒崎ですが、彼から時折うっすらと滲み出る白石への好意と優しさにはむずむずとしますし、何気ない一言に後からじわじわと何かが効いて広がっていきます。
これは即効性の萌えではなくて、ゆっくりじっくり長く効くタイプの遅効性の萌えなのだと思う。

派手な展開はありませんが、気持ちを言葉で伝える大切さだったり、自身の今後について悩んだり、現実的なものが優しく丁寧に描かれた作品でした。
登場人物が皆気の良い人たちだったのも良かったです。

4

きゅーんとします

雑誌連載をほぼ?追っていたはずなんだけど、適当に流し読みしていたせいでコミックスになって初めて読むような気さえします。
里つばめ先生の「未熟な僕らの卒業論文」のように登場人物が学生で、「GAPS」や「DOGS」程派手な感じはしないけれどこれはこれで好きだなって改めて思いました。

お話が始まるのが既に2人が関係も持ってしまった後、なんとなく付き合っているようなセフレのような間柄から私たちは彼らを視ていきます。
なれそめはかなり省略されています。
というか、里先生の作品って吹き出し少ないですよね。
今回、しみじみそれを思い知らされました。
キライじゃないです、それも含めて里先生が好きです。

で、途中からのお話のようにも見える展開、セリフは少ない、攻めの将来有望な院生の黒崎の視点がない為一層、黒崎の心の内が読みにくいです。
なのに!きゅんきゅんしてしまいます。
萌えるところがおおいにあります。
いやぁ、不思議ですね、さすがというべきですね。
黒崎が白石を特別に扱っている、つまり好きなんだという気持ちが私たちにはよく分かってきます、また黒崎を好きな白石の健気さもよく分かってしまいます。
2人がちゃんとお付き合いし始めた後の日々をも少し見たかった。
1冊にまとめられてしまいそこが不満です。
2冊にして欲しかった。

作家様買いなので少々甘いですが神評価です。
佳作ですのでスーツものが大好きなかたにも読んでもらいたいです。

6

2人なりの恋の方程式

黒崎×白石


ゲイの大学生の白石が、
大学院の博士課程の
ノンケの黒崎に片想いをしている。

ある日、白石が酔ったフリをして、
黒崎と触り合って以来、
2人の関係は曖昧なまま続いている。

黒崎は寡黙な理系イケメン。
彼が数学以外のことを考えているのかどうかよくわからない。
恋愛は数式では解けないから、
黒崎にとっては難問でしょうね。

そんな黒崎の心が読めないから、
白石はどうしようもない。
なかなか本当の気持ちを伝えられない白石の悩みや、
黒崎への気持ちはますます募っていく姿にキュンとなる。

黒崎は白石のことが好きなのか?
白石自身も黒崎と付き合っていることさえもわからないという
もどかしさが迫る中で、
2人の関係を加速させる。

白石の強い想いに比べて、
黒崎が白石に惹かれる理由や
彼の内面が描かれてないのがちょっと残念かも。
でもなんとなく
彼の恋心がちょっと垣間見える感じがする。
最後に、口下手だけど、
真の気持ちを白石に届ける瞬間には最高に感動する!

ノンケとの関係は、
心のすれ違いや障壁があるはずなのに、
順風満帆すぎて、何の困難もないのは不思議だけど、
それは黒崎の不可解な雰囲気にぴったりだと思う。

黒崎からの絶妙なキスや、
2人の微妙に甘く繊細なエッチも、
穏やかで神業級で萌えるし、
ほんわかした気持ちに包まれる。

当て馬の宇佐美、
衝撃的な存在ではなかったのが、
ちょっと物足りなさを感じるかもしれない。

大学と研究室の舞台がリアルで、
白石の健気な真っ直ぐな恋心が可愛い!
黒崎からムッツリしていてもちゃんと報われて良かった〜!
黒崎の頭脳と冷徹なカッコよさに魅了される!
2人の関係がもどかしい方程式のようだが、
愛のパラメータが見つけられたのが最高!
彼ららしい恋の方程式に胸キュンしっぱなしでした!

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP