ボタンを押すと即立ち読みできます!
「蒼穹のローレライ」で泣きすぎて、なかなか手が付けられなかったのだが、「碧のかたみ」も出ちゃったし…と思って恐々読む。
冒頭で、もうたまらなく好きなやつ…!と。
妄愛とでも言いましょうか。受けの盲信的な愛情。好きです。
ところが。読み進めているうちに、あれ?なに?めちゃくちゃ苦しい。。
とにかく、会話が無い。から、攻めの考えを押し計るしか無い。
これが、また、私好きなパターンで。いつからなのか。どこまで計算なのか。そういうのを探らせてくれるキャラが非常に好きなので、攻めが良かった…!
戦場シーンも訓練シーンも無い。が、戦時中の暮らしや価値観が息苦しさを感じるほど。
口に出せない、出してはいけない攻めの気持ちを想像させる。
そして商業番外同人誌「葉隠否定論」は、「天球儀の海」のアンサー本です。天球儀の海上下巻で出せばいいのに、と思った。
坊ちゃん(攻め)の独白本。
答え合わせができて、私は満足。
今年読んだ本で一番好き。
ずっしり重たくて、頭がくらくらするほどの愛でした。
1945シリーズ、復刻の第2弾。
命の恩人資紀の身代わりに、特攻隊として出撃することとなった希。再会しお礼を言う希に対して資紀は冷たく拒絶してきて。でも時折見せる優しさに触れ、その態度の裏にある想いを知った時には……。
天球儀の海、海に希の右手を映すとオリオンとなりそれを辿った先にシリウスがいる。お互いがお互いのシリウスなんですよね。
そして、海に映さなければ坊ちゃんの本当の心を知ることが出来ないという意味も持っていて本当に奥が深いタイトルです。表紙の希の手を愛おしく握りしめる坊ちゃん……。
海に映した坊ちゃんの本当に心は尾上先生の同人誌『葉隠否定論』で読めます。大きくなあれとお餅を食べさせようとしていた坊ちゃんが好きです。
ただ希に「こんにちは」と言いたかっただけだったのに。資紀のシリウスのために生きてきたのに。坊ちゃんのどうにもならない深くて苦しくて大きな愛が詰まっています。
地元の名家成重家の跡取り息子、資紀(坊ちゃん)と、
天文学者の四男、琴平希(ゆき)。
希は成重家の要請で戸籍上成重の次男となり、ひっそりと屋敷の離れに迎えられる。
ごく幼い頃に坊ちゃんに助けて貰った恩を胸に、彼の代わりに「特攻」の出撃命令を待つために。
シリーズ新装版2作目。
帯や裏表紙に書かれていること以外前情報なく読んだ。
まず驚いたのは、「助けて貰った思い出」のささやかさ。喜んで命を差し出すほどのことだろうか。
でも、幼い心に鮮烈に刻まれるような出来事だったのだろうな、すごいことだなと思った。
坊ちゃんの人となりは、ルリビタキのエピソード等から、優しいけれども不器用故に優しさが見えにくい人物なのだと察せられる。
それでも、中盤の理不尽な言いがかりと暴力(乱暴に抱く、というのは酷い暴力だと思う)には戸惑いと混乱が強く、希の健気さにもモヤモヤした。
坊ちゃんから希への愛情は、確かにあると感じたのに、ならば何故こんな仕打ちをするのか。不器用故に…の域を越えていると感じたし、思惑があって…のような気もしたけれど、だからといって希の心を粉々に壊してしまいかねないような仕打ちは許しがたいと思った。
許しがたいのに、事情によっては許す展開になるのだろうなと思ったら、なんだか読み進めるのに苦痛を感じた。
そして幸せなひとときからの衝撃。
ここまでされたら、読者にも坊ちゃんの思惑が分かるというもの。
だからといってそこまでする…?と思ったけれど、逆にいえばそこまでしないと逃れられない状況だということ。
これはもう、優しいとか酷いとか、許す許さないの次元の話ではなく、希の心の心配をしている場合でもなかったのだ。
命。坊ちゃんが守りたかったのは命だ。その為だけの暴挙だ。
当時の状況の厳しさ、戦争というものの恐ろしさを肌で感じた気がして、改めて戦慄した。
ここから先は涙、涙…で心が乱気流の中もみくちゃにされるような読み心地だった。
出撃のときの、希の気付き。
右手の星座や周辺エピソードとの関連付けが秀逸で、モチーフの使い方がとても上手いと感じた。
他に印象的だったのは、坊ちゃんの母親のエピソード。この母子は悲しいほど似ているのだなと思った。
戦後の新しい生活については、ボーナストラックくらいの気持ちで読んだ。「そんなことある??」の連続だった。
やはり、何も知らされぬままの親たちはかわいそうに感じる。
坊ちゃんの言い分を読むにつけ、どういう理屈であの行動にいたったのかは理解できたけれども、心情的には受け入れ難い面もあった。
命だけ守れれば、生きていさえすれば「どのような状態で」ということに頓着しない様子は独りよがりのエゴだと思わずにはいられない。
ただ、これらの考え方の違いは、価値観の違い、時代や状況の違いに依るところが大きいと思う。
それだけ、命を失わずにいることが難しい時代だったのだと思うと、掴んだ幸せを尊く感じた。
『蒼穹のローレライ』に出てきた名前が出てくるのが嬉しかった。シリーズ全体で群像劇のようになるのかなと思う。
新装版の今後の刊行が楽しみだ。
幼い頃、自分を助けてくれた坊ちゃんのためならば、特攻隊の身代わりとして命を差し出せると考えていた希。
しかし、再会した坊ちゃん(資紀)からは冷たい態度を取り続けられて、、、
という始まり。
出逢いから丁寧に描かれており、すぐさまググッとお話に惹き込まれました。
が、度重なる坊ちゃんの希への荒ぶりように、なにかその感情に思惑がある! と分かっていても辛く苦しくて、、、
しかもその荒ぶりの果てに待ってたのが、まさかの、、、
ひえっ! と、思わず声を上げてしまったまりあげは。
後に、坊ちゃんの希を思う優しさのベクトルが、すべてそうさせたことが判明しました。
やっぱりなあ、と思うと同時に、結果、坊ちゃんが別姓を名乗りこの世に生きていてくれたことで、そのすべての辛く痛い苦しみから、読者自体も報われたといいますか、、
まりあげはが救われたといいますか、、(BL関係なしに昔から戦争モノが苦手で、実は旧版も未読でした汗)
情景描写とか心理描写などが丁寧だからこそ、余計坊ちゃんの追い詰められた心理状態での優しさが切なかったです涙
色々言いたいことはあるのですが、読了した時点で2人が幸せに暮らせていること。
その事実が確認できただけで、まりあげはは感無量です。
小倉で再会したシーンは、まりあげはも音もなく泣きました…ね…
いや、その前の右手エピソードを薬屋から聞いたあたりから、、涙涙
うまく言えないんですけど、とても良かったなんて安直すぎる言葉で終わらせていい作品ではなくて。(ですので、萌え2です)
改めて色々と考えさせられた作品でもありました。
青いカップの神様のお話が、とてもよかったです。
最後に読めてよかったです。
旧版未読。今回文庫版で再発売されたキッカケで読み始めてます。前回と発売順を変えているのは何故なんだろう?と思いつつ、旧作では第1作目だったらしい今作を読み始めました。(追記:尾上先生のつぶやきによると中古価格が尋常ではない金額に高騰している作品から発売する事にした為とのことでした)
これ一作目に読むのはヘヴィかもしれない。初恋の思い出を胸に身代わり特攻隊を受ける事を決めた主人公 希に対して、坊ちゃん 資紀の態度が冷たすぎる!
読みたい本を書庫から探し出す依頼を毎日請け負う希に正しい本を選べてる筈なのに違う!と激しく咤したり、そうかと思うと2日、3日おきに激しく抱いたり。もう!何なんだよ!って態度をとりまくるんよ。
実は資紀なりの考えがあっての行動なんだけど、知らされずに好きな相手から冷たい態度を取られ続けるのはしんどい。
2人のセッは、一方的に坊ちゃんに求められて痛いのをただただ希が耐える。全然楽しくない行為。
いたいけです、希。
しんどいのがずーーーーーっと続いた末の、優しく快感を得られる夢のような行為の次が本当にショッキング過ぎて
「ええええぇ????!!!!!!!!!」
と心の動揺が収まらず、その後の展開、後日談もずっと狂気と真実の愛は紙一重かもしれない。
この2人ヤベェ。でもそうするしかなかったし、結果大正解だったもんなと読み終わってからもモヤモヤしたままでした。
あぁ、よかったーとは一概に思えないお話でした。
同時収録の短編、[サイダーと金平糖]はとてもロマンティックで可愛いお話でしたがやっぱり言葉足らずでぶっきらぼう酔っ払ってる時だけ本音を話す資紀は好きになれませんでした。
あと、サイダー味の金平糖が出てきたのってつい最近の話じゃないの?戦後にそんなのある?って疑問に思ってしまった。
書き下ろしの[青いカップの神様]は、粋な骨董屋店主のお話で素敵でした。
前作にも出てきていた衛藤新多さんが好きなキャラなので早くメイン作を読みたいです。