11/21発売amazonの電子書籍版です
青山先生挿絵だったので購入。なんとなく攻め受けともピンとこなかったので中立寄りの萌にしました。雑誌掲載分150Pほど+その続き70P弱+あとがき。現代日本、ファンタジー要素なし。毒親が大丈夫な方で、執着攻めが好きな方だったらいいのかも。
結婚相手が子供置いてとんずらしたため、その養子(高校生)を育てつつ漫画を描いている有城(うじょう)。ある日、担当者と打ち合わせをしていたカフェで7年前に突然姿を消すように別れた元恋人に出くわし・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
琉斗(受けの養子、高校生)、受けクズ家族、受け元嫁ぐらい。クズっぷりが想像越えていて「ほんまでっか」という気持ちが大きい。
++
攻めはとある企業の御曹司。受けは「万引きしたのをSNSに上げたらダメって誰も教えてくれなかった」と悔しがる方が周囲にいるような環境で育った方。で、この受けの母親(クズ)、兄姉(クズ)、元嫁(クズ)の行動が、理解できなかったんですね。それを是としている訳ではないけど、一旦受け止める受けも、ちょっと理解できなかったでした。それで今一つシンクロできなかったのかなあ。
受けの養子の琉斗はめちゃいい子で、そのいい子もやむなく作り上げた部分もあるであろうというところは痛かったかな。
受けと受け養子の今までの事を思うと、ちょっと盛り上がれなかった一冊でした。攻めが受けをずっと忘れてなかったという執着が大好物な方でしたら、もっと違う評価になったかも。それか、後半の養子のカップルに対する気遣いに萌え萌えする人もいるのかな。
今回は社長子息の元同僚とWEB漫画家のお話です。
受様が元カレの攻様と7年ぶりに再会する本編と
元サヤに収まった後の日々を描いた後日談を収録。
受様は3年前にシンママと結婚し
12才の息子ができます。
その後、妻は男を作ってで行きますが
受様は施設入所を快諾した息子と暮らす事を選択
一念発起して漫画家としてデビューして
今は何とか親子2人で生活しています。
受様の母は水商売、父は元客で酒癖が悪く
ギャンブル好きで機嫌次第で子供に当たる親で
年の離れた兄や姉には奴隷扱いされました。
周りの友人の家庭環境も似たり寄ったりで
それが普通と思っていましたが
高校生の時にバイトテロで友人が炎上すると
両親の呵責も感じない周りに違和感を覚え
ここから抜け出したいと一念発起し
身体を壊す一歩手前まで頑張って
奨学金の貰える特待生として進学、
卒業後は入ったた会社で出会ったのが
今も想いを残す攻様です♪
攻様は受様が新卒で入社した総合電メーカーの
社長子息でしたが出自を鼻にかける事も
気取る事もなく必要以上に謙遜することなく
明るく堂々として誰からも頼られていしました。
受様が攻様に出会った瞬間に惹かれますが
攻様からも恋愛的な好意を向けられても
自分の気持ちを周囲に知られたくなくて
良い友達としての距離を持ち続けます。
攻様は根気よく想いを伝えてくれて
お付き合いを始めましたが
受様が攻様を振って退社した事で
幸せな時間は終わりを付けたのです。
それから7年がたったある日、
担当編集者と打ち合わせをした喫茶店にて
かつて付き合っていた攻様を見かけ・・・
雑誌掲載のタイトル作に書き下ろしをつけての文庫化で
家族の搾取され続ける受様が手ひどく振った攻様との
再会がもたらす物語になります♪
御曹司な攻様と庶な受様が付き合って別れる展開は
攻様側の横やりが鉄板なので
最初2人が別れた事情も攻様で何かしらあったのか!?
と思いましたが
全く違っていて受様事情であり
受様もいっぱいいっぱいでとにかく離れる事で
攻様を守ろうとした過去が切なかったです。
そして7年たって再会した攻様は
捨てられたトラウマをがっちり育てながらも
受様への気持ちは変わらなくて
攻様が受様が攻めるのではなく
自分の何が悪かったのかと責め続けても
受様との再会を逃さず
受様の拒絶にもめげず受様の息子も取り込んで
受様の退路を断って元サヤ目指す姿勢が
男前すぎてキュンキュンでした ヾ(≧▽≦)ノ
そして攻様と離れた攻様が
成り行きながらも結婚して離婚しても息子を離さず
漫画家となって頑張ってきた日々があったからこそ
昔は逃げる事しかではなかった受様が
攻様との未来を考えられるようになっていて
文句のないハピエンでとて良かったです。
切なさに途中涙がほろりと流れた、沁み入るお話でした。。
レビュータイトルは書き下ろしのタイトル「幸せの◯」から拝借。
その意味が分かったとき、胸がじん...と幸福感で痺れました。
渡海奈穂先生の新刊は、タイトルどおり7年越しの愛の成就、
再会もの。
執着スパダリ攻め、健気不憫受けと健気な連れ子(高校生)、
再会、復縁、夜明けのストーリー...
そういったワードにセンサーが反応する方に、
ぜひぜひプッシュしたい物語です
二人が復縁してからの”あまあま”の部分をもっともっと
見たかった気もするけれど、救いのあるエンディングには大満足、
文句なし!の「神」評価です。
同じ会社の同期同士(攻めは社長の息子)、
格差はあれど幸せな交際を続けていた荻嶋(おぎじま)×有城(うじょう)。
しかし有城はある事情から姿を消し、荻嶋と一切の連絡を絶つことに。
…それから7年、女性と再婚(契約結婚のようなもの)→離婚し
漫画家となり切りの息子・琉斗と二人暮らしをしていた有城。
ある日、編集者との打ち合わせをしていたカフェで
偶然荻嶋と再会、付き合っていた頃には見たことのない険しい顔で詰め寄られ、
家を特定され、押しかけられて「もう離さない」と言われー
と続きます。
もうまず、受け・有城(うじょう)の境遇が悲惨で心抉られました。
彼の曲がった小指は幼い頃、兄姉たちに試された
「どこまで曲げたら骨が折れるか」というゲーム(!?)によるもの。
機嫌の悪い時には親に殴られ、働き始めてからの給料は全て親に吸い取られ...
と、肉体的・精神的虐待を受けていた描写がリアルで( ; ; )
33歳となった現在も、母親から金をせびるLINEが流れてくる場面。
その口調の豹変ぶりが本当に恐ろしく、怯える有城の気持ちがダイレクトに
伝わってきて震えました。
と、こんなふうに書くと
”家族から逃れられない、ただただ弱いキャラ”のようになってしまうのですが、
決してそんなことはなく!
自分の両親、家庭はおかしいと感じ、
必死に努力して家を出て、バイト掛け持ちで学費を稼ぎ、
自分でも驚くほどの「良い会社」に就職し懸命に働いてー
と、どん底の環境からなんとか這いあがろうと
努力に努力を重ねてきたことが分かるだけに、
より共感し応援する気持ちで物語に引き込まれていきました。
で!
そんな有城の事情、境遇のことは全く知らず(有城が必死に隠していたから)、
なぜだか理由も分からぬまま、大好きな恋人に姿を消された荻嶋(攻め)。
まさにここが萌えどころ!とグッときてしまったのが、
そんな彼が見せる執着です。
実は最初、再会自体も何か荻嶋が仕組んだものだったでは..?なんて
疑っていたのですが;そんなことはなく。
(そういう仄暗い演出のない再会、というところがまた
個人的な萌えどころでした◎)
再会後の「できるものなら紐で括って連れ帰る」的発言、
書き下ろしでの琉斗との会話の中の
「もしまた有城が姿を消そうとしたら監禁する」という、迷いのない発言。
そして琉斗を懐柔し(でも決して、嫌な気分になるやり方ではないのです)、
躊躇い戸惑う有城を置いて外堀から埋めていくやり方。
...執着攻め大好きな自分にとっては、たまらなくゾクゾクする...!
そして、そんな発言をする彼が
有城に触れる時の手つきや視線は、どこまでも優しく甘いー
スパダリだけど、囲い込んで離さない...という執着を香らせる
その振り幅、最高です。。
再会後も、なかなか「別れた本当の理由」を
言い出せなかった有城。
やっとの思いで初めて吐き出せた時、
「大変だったね」と言うことも、軽蔑の目を向けることももちろんなく、
ただただ受け止め、「当時力になれなかったことが悔しい」と語る姿に
胸がいっぱいになり、涙がこぼれました。
有城がね...7年前、荻嶋との初デートの時の思い出で
一番愕然とした、と語るのが、ファミレスでの何気ない注文の一言なんです。
そこに、立ちはだかる高い高い「格差」という壁を感じてしまう。
常に金がなく、注文するのは一番安いアメリカンコーヒー、
一緒に入った店では「興味がわく商品がなかった」ふりをして
何も買わずに出て...
そんな自分の本当の姿、境遇を知られたら
きっと軽蔑される、と恐れる有城だけれど、
本当はそんな自分を嫌だと思い見下し軽蔑しているのは、
誰であろう自分自身なんですよね...
そんな彼の境遇を踏まえると、個人的には
有城の母親にはもっともっと「ざまぁ」展開が
あっても良かったとは思うけれど、、
荻嶋、それに琉斗からもナイスアドバイスを受け、
やっとやっと長い呪縛から解放される姿にほっ...と息をつきました。
そして。
二人の関係を語るのに欠かせないのが、義理の息子・琉斗!
荻嶋との復縁を迷う有城に彼がかけた言葉に、
たまらなくグッときてしまいました。
もし自分が同じ立場だったら、果たして同じ言葉が言えるだろうか...
「自分はどこの円の中にも入っていない」、と自分自身のことを
淡々と語っていた彼が、くっついて並べられた3つのマグカップを見た時、
何を思ったか。
もはやサブキャラではなく、立派な主人公のひとりとなっていた
琉斗にとっても明るい救いの見えるラストに、幸せを噛みしめました。
三人での同居生活が始まり、遠慮して接触できない有城が
荻嶋と二日間の「外デート」を楽しむ終盤のお話が
あまあまで嬉しかったー...(*´◒`*)
心震える、現代×再会×復縁ラブストーリーでした✨