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表題作終わりなき夜の果て 上

深沢直巳
清澗寺和貴

同時収録作品罪の褥を満たす愛

伏見義康
清澗寺冬貴

その他の収録作品

  • 宵闇
  • 滴る蜜

あらすじ

清澗寺家の当主・和貴の前に深沢の義弟が現れ、彼の過去をくわしく知らないことに和貴はきづき…。さらに父・冬貴が倒れ、追い詰められた和貴は、深沢から離れようとし…。
清澗寺家シリーズ第一部完!!
3兄弟・お父様総出演!
(出版社より)

作品情報

作品名
終わりなき夜の果て 上
著者
和泉桂 
イラスト
円陣闇丸 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
この罪深き夜に
発売日
ISBN
9784344820593
4.5

(33)

(26)

萌々

(1)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
8
得点
147
評価数
33
平均
4.5 / 5
神率
78.8%

レビュー投稿数8

求む、文庫化!!

深沢×和貴の一作目『夜ごと蜜が滴りて』から短編を挟んでのメイン長編巻!!
伏見×冬貴も一作目『罪の褥も濡れる夜』からの書き下ろし長編収録!!
加えて第一部完結の上巻ということもあり、三兄弟の曽祖父(実は祖父)にあたる貴久と彼を支える嵯峨野のプロローグまで入ったとても豪華な一冊です。

現在書籍版の入手は難しく、挿絵のない電子版だけが正規の購入手段というのがとても苦しい状態なので、どうか文庫化を願っています…。

それでは推しカプの深沢×和貴についてレビューを!
『夜ごと蜜が滴りて』ではモノローグすらなく謎に包まれていた攻めの深沢、短編では彼視点の描写もあり人間味を感じられるキャラになりつつも、どうしてこれほどの執着心をもって受けの和貴を絡め取ろうとするのか?が分からないままストーリーが進んでいました。

その深沢の過去に迫り、いよいよ全貌が明らかになる巻といっても過言ではありません。
ゆえに超絶ドラマティック!海外が舞台となる長男カプや三男カプと比べて場所の移動が少ない次男カプも、今回は帝都を離れ深沢の故郷・能登に向かいます。
作者さまが当時の時刻表なども調べて作品を書かれたそうで、舞台と時代描写にどんどん浸りながら二人の旅路を見守れるの本当たまらないですね…。
今巻も含めて和貴の弱さがフィーチャーされがちな次男カプですが、深沢の脆さに読者も受けも心を打たれる、そんな素晴らしい展開が待っています。

もちろん旅のお楽しみ(?)、エロシーンも濃厚すぎるほど濃厚!
財閥企業の社長同士ですが家では主従関係に近く、「和貴様」「深沢」呼びがデフォルトの二人が名前で呼び合うのは卑怯ですよ…。
レビューなのでここまで頑張って「和貴」と書いてますが、私ごときが呼び捨てにしていいのか!?と思い出しては興奮で顔が赤らむラブラブ描写です。
またお道具プレイもこの二人ならではですね。針…簪のお店を見つけるとつい蝶の飾り付きのものがないか探してしまう癖が付きました。

旅のシーン以外にも見どころはたっぷりで、冬貴と和貴の受け×受けっぽい絡みは電子版で挿絵ないの許されないと思っています。。。
BL続編に出がちな当て馬…ではなく、男色嫌いなのに深沢の才能を欲しがる脇役かつキーパーソンの久慈も良い味を出していますね。

この二人の話が一段落後、急に場転して道貴と国貴の再会シーンから下巻への期待が高まるのも最高の引きです!!
2023年の今年は『夜ごと蜜が滴りて』の発売から20周年ですが、『終わりなき夜の果て』上下巻の文庫化などで改めてシリーズが注目されないか…と願ってやみません。

2

どこまでも深い愛…

何年経とうが変わらぬとこしえの愛を今回も見せてくれます。
だけどそれは決して綺麗なものではなくて……

人間らしい負の感情もまざり合いつつどこまでも深く…
それこそまるで深淵で愛し合っているような…とてつもない重みを感じます。


『終わりなき夜の果て 上』はドラマCDで散々堪能しているのですが、原作を読み改めてこの世界にとりこまれました。
リアルで追っていた方にとっては3年ぶりだったんですね、私だったら待ち遠しくて発狂しそうな長さですよ。

このままの勢いで下巻へ進みます。

1

怖かったパパが愛らしく感じた

『清澗寺サーガ』第一部の最終話ということでパパも息子もおじい様方も総出演です。時代も維新の頃から昭和の初めまで、飛ぶ飛ぶ。
上巻は深沢×和貴、伏見×冬喜。プロローグでは嵯峨野と貴久のおじい様方も。
長かった一族のお話のグランドフィナーレ。この神話に登場した全員がシャンシャンを手に持ち、羽根飾りを背負って大階段を降りて来て、スポットライトがあたると二人で踊り出す、的な感じ。

レビューを読むと皆さんには『深沢×和貴』が人気なんですね。
私は苦手で……特に『お互いに肝心なことを話し合わずに、同じことを繰り返す』のがダメで。
深沢が「私が全てを引き受ける」と言い続けている間は、和貴の自己肯定感は萎縮したままだと思うのですよ。その結果、何度も「自分に価値がないから○○になってしまう」と自暴自棄になっちゃう。
深沢は和貴の自立を阻んでいるのを自覚しているのだと思うのですが、それが和貴の身を危うくしているとは思っていない風で、その辺もどうも彼を好きになれない理由です。今回見せた様な弱みを、もっと早く和貴に見せてあげれば、二人してこんなに追い詰められる必要はないと思うのよね、あたしは。
こちらのお話は個人的には『中立』評価です。

小父様×パパは昔の話です。
パパ、素晴らしい。さすが妖怪。自分の力をとことん使い尽くす逞しさです。
こういう過去があるから「また我慢できず男を銜え込んでいたのか」「お前がいない所為だ」なーんて言う『究極のラブラブ会話』が出来る訳で。「怖い怖い」と思っていた冬喜の、なんと愛らしいこと!
この二人を見ていると「諦めからゆとりが生まれ、ゆとりから愛が生まれている」と思うのですよ。
こちらのお話は『萌2』なので、全体に対する評価は間を取りました。

大団円に向けて下巻へ続く(鞠子の言動に不穏を感じちゃうのですが。これはこのお話では決着が着かないんじゃないかな?)。

1

津軽海峡冬景色~♪ 

和泉桂さんの「清澗寺」シリーズ6作目、
2作目で登場した和貴と深沢のお話。

すごいヘビーだった。
和貴はいつもの疑心暗鬼というか、愛するあまりの行動を取るのだが、
度を超えた純愛で今回も津軽海峡冬景色とばかりの、確認作業。
心に刻み付けて、刻み付けて……

私の心も満たされ、とても良かったです。
挿絵の円陣闇丸さんも毎度ピッタリ耽美で良かった。

3

欲しいのはあなただけ

清澗寺家シリーズの総まとめ(?)となる本。
今までのシリーズを読んだのがかなり前で若干記憶が曖昧に…。

和貴と深沢は一番好きな組み合わせです。
ですが、お話としては、前と同じことを繰り返してる印象でした。一区切り付いたと思ったのに、どうして同じ行動を何度も何度も互いに繰り返すのか…。
一重に和貴の境遇と容姿と性格の所為なんですが、それを乗り越えるにはまだ前回では足りなかったという事でしょうか。
和貴というキャラクターは小悪魔的であるけど色んなものを背負って、綺麗で脆い、やりすぎると非常にくどいともいえるキャラクターなのですが、何故か惹かれてしまう。
作ろうと思うと作り易く、けど完成させようとすると大変難しいキャラクターだと思います。和貴がいてこそのこのシリーズだと(後半も読んだ上で)思ってます。

背徳的ですがお父様×和貴の挿絵は非常に萌えました!

後半は冬貴と伏見の組み合わせ。
色んな事の元凶(?)である冬貴のツールを垣間見れるお話ですが…ごめんなさい、私はどうしても冬貴というキャラクターが苦手でした…。
霞を食べて生きているようなおよそ人間らしくないキャラクター、脇役を担うならいいですが、主人公としてみると理解は出来ても共感は難しかったです。
輪姦されそうになっても逆に喰らってしまうあたりは、肉体的な淫乱というより精神的なほの暗さを感じずにはいられませんでした。

冬貴と伏見の互いに「欲しいのはあなただけだ」という台詞。
歌のフレーズによくありあそうな言葉ですが、別に口説き文句で使っているわけでなく、正に物理的にそのままの意味でこれはこの2人の真理なわけです。
結局誰を不幸にしても周りを省みずともそういう事なんだろうと思いました。

1

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