BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
記憶喪失男を拾ったことで事件に巻き込まれる話かと思いましたがそんなことはありませんでした。
探偵が主人公ですが、ミステリ的な面白さやバディものの萌え要素はほぼなく、ドタバタエロコメディ的な内容。
読みたかった小説とは違いましたが、全体的にテンポが良いのでサラサラっと最後まで一気に読めました。
しかし、最後まで攻めのことをこれっぽちも好きになれませんでした(笑)
この攻め、受けの生き方をめちゃくちゃ否定してくるんですよ。
探偵業を営みつつも、パトロンが何人もいて、寝たり絵を描いたりして生活している受け。
単に倫理観を説くだけの真面目キャラなら問題なかったのですが、口の出し方が本当に勝手というか……受けに手を出しておいてその態度!? って感じでした。
受けのことよく知りもしない癖に勝手なことをズケズケと〜!!!
そしてエロシーン。
エロのノリはギャグ系なのですが、攻めがウザすぎて楽しめませんでした。言葉責め腹立つ〜!
美少年好きでバリタチを豪語する受けに、お前はネコがお似合いなんだよ! とばかりに敏感さを嘲り責めたてる。
パトロン切らせるのも同居もひたすら勝手で腹が立ちました。
何様なの!?
とはいえムカつきながらも最後までノンストップで読めたテンポの良さはすごいなと思いました。
シリーズが完結したらしいので久しぶりに読み返してみました。とっても読みやすくて盛りだくさんなお話ですね。
なぜ最初にしゅみじゃないにしてしまったのか。
多分、雪也が勝手に嫉妬して映にお仕置きしたり、パトロンと手を切らせたり、マンションを解約させて自宅で同居させて、あと999回ご奉仕とか勝手に決めたり。
そして映にも共感できなかった。
この2点でしゅみじゃないにしちゃったと思うんですね。
でも映も雪也によって寂しさや頼ることを覚えてしまった。手放せない存在になってしまった。
雪也も男なんて絶対に無理だったのに、迫られたら無理じゃないかも…なんてなったり。一人の人間として、またファンとして映にまっとうに生きて欲しいし守りたい。フェロモンにあてられただけじゃないよね?
色々過去がありそうな映に雪也の荒療治が効いてくるかもしれませんね。
シリーズの半分くらいは手元にあるので、最終巻まで揃えるか悩み中です。
会話文多めなキャラ先行型の探偵コメディ。三人称多視点で、二人揃った場面でも視点が不意に変わるため、読みにくいのが難点。この書き方で心理描写まで入れ込まれると、視点が変わるたびに集中が解けて残念だった。
メイン二人は両方チート的な能力・権力・財力持ちで面白い。映は身長160、華奢で女装が似合う童顔と、好みのBLキャラとは真逆の設定。だがコメディの主人公として見ると中身・言動と併せて魅力的に思えてきた。口が悪く奔放な性格は好き。
フェロモンはやたらとセリフやモノローグでアピールしていたが、設定説明のみでエピソードとしてはあまり出て来ず、効果を実感するシーンは少なかった。
雪也は表に出てくるだけで全てがあっけなく解決するという、ある意味最強キャラ。やり方がぶっ飛び少女漫画によくある感じで、お約束が飛び出してテンションが上がる変な感覚に陥った。
いくつかある事件は既視感アリアリなストーリー。気になったのは章タイトルがネタバレになっていて、その後の展開が読めてしまうこと。ただでさえ事件ものの王道をいっているのに、これはいただけない。
……それにしても、BLジャンルだけでも刑事・探偵ものといえば薬と売春と連れ去りっていう安易な展開は何なのか。ちょっと捻りが無さ過ぎでは……。
シリーズ一作目なので、事件は今後面白くなっていくことを期待したい。
恋愛面は、ノンケだったはずの雪也が急激な勢いで執着攻めになっていった。元々ファンだったという下地があったようでまあ納得。映がアレなせいでオカン属性までついてしまって、とても良い。好き。
映の方は次巻以降で深みに嵌まってくれるといいな。
一つ言いたいのは、「依頼人の前では所長と呼べ」と言っていたのに、雪也は一度も映のことを「所長」と呼ばなかったことについて。個人的に肩書き呼びに萌えを感じるのですごく残念だった。
作品の雰囲気は軽く、何より映が明るくしてくれるので、重くなりそうな背景事情もするする読めた。この二人のお話をもっと読んでみたいと思わされる。とにかくキャラが良い作品。次巻も即ポチした。
丸木文華先生のドロドロ系は到底読めないと思われるので、コミカル路線を読んでみよう!と手に取ったのだけど、地雷が潜んでてアウ……となりました。
途中まではテンポの良いコミカルな娯楽作品という感じで、なかなか楽しく読めてたんだけどなー。
やっぱり丸木先生は手強いなーと思いました。
受けは26歳には到底見えない童顔で、小柄ということもあり美少年という感じ。
なのにバリタチで、小柄な美少年が大好物というところが毛色が変わってて面白いなと思ってたんだけど、それには深い理由が。
思春期を迎える前に、6歳上の兄の知人にアナル開発されていたという過去。
「排泄を我慢させられて、その感覚の兆しを覚えさせられた。次第に、遊びの延長で、肛門を弄られるようになった。色々なものを、入れられるようになった。そして、最後は。気づけば習慣になっていた」
という程度でそれ以上の描写はないんだけど。
そのせいでやたら敏感になってしまった自分を受け入れられず、強烈な自己否定やら捻じ曲がったあれこれのせいで、自身が美少年風でありながら美少年専門のバリタチという倒錯した感じになってしまったという……。
開発済みの身体だからめちゃくちゃ敏感で触られてないくせに達してしまったり、とにかく乱れっぷりがすごいんですね。
そして受けは複数のパトロン持ちということもあり、彼らによって開発されたと攻めは思い違いしてるんですね。
だから言葉責めの一環として、受けの感じまくってる様子を嘲ったりするんだけど、なんかそこも読んでて辛かったです。
パトロン達によって開発されたんじゃなくて、幼年期に出会った変態ヤローのせいだよ……やつのせいでこんな身体に仕込まれてしまったんだよ……と何も言わない受けに代わって攻めに物申したくなるというか。
そしてエッチが独特の濃さで2回目にして尿道責めが登場して、これまた受けが乱れに乱れまくってるという……。
エロが濃くても、受けが乱れまくってても全然いいんですよ。
だけどこの乱れっぷりの根底には、変態ヤローによるアナル開発という薄暗い事実が横たわっているので、それが常にちらついてしまい楽しめなかったです。
あとがきを読むと
「同性愛者が主人公だけど、同性愛者である事をあまり悩んでなくてあっけらかんとしている作風」とのことだけど、幼少期の性的虐待というエグい背景を超さらりと仕込んでおきながら「あっけらかんとしてる作風」とご自身で捉えているあたりが、なんか作家さんと感覚にズレがあるように思えたので、この一冊でお別れです……。
そこさえ目を瞑れるなら、攻めが壮大なワンコに成長しそうだし面白そうなんだけどなー。残念。
読む前は、本作が人気作であること、そして「フェロモン探偵シリーズ」の第1巻であるという情報だけを得ていて。
フェロモン探偵という言葉のイメージから勝手に「フェロモンむんむんの男臭い探偵が、様々な美女をコマしたり時には美少年を食っちゃったりしつつ、事件を解決する話」なのだと思っていました。
もちろん主人公のフェロモン探偵は攻め、探偵になる前は捜査二課の刑事、年齢は三十代後半。
聞き込みのために美男美女と寝るのはいつものことという爛れた生活を送っていた探偵が、ある日、記憶喪失の青年(二十代)を拾った。
その青年(受け)の不幸な育ちに同情したり、それでも真面目な性格に自らを省みたりしつつ、やがて想いが通じ合い、本当の安寧と幸せを知るようになるまで。
……みたいなストーリーが完全に私の脳内で出来上がっていたので、冒頭から度肝を抜かれました。
まさか、フェロモン探偵が受けだったとは。
あらすじくらい読んでから買えよって、自分で自分にツッコミを入れました(笑)
予想外の方向性だったのですが、あっという間にのめり込んで読み終えました。
丸木先生のシリアスな作品が大好きなのですが、コミカルな作風もいいですね!
明るくノリのいい主人公(受け)が、読んでいて楽しい。
記憶喪失の攻めの、丁寧口調も、それでいてちょっと変わっているところもたまらなく好みでした。
攻めの正体も、正直これでよかったと思う。
割と早い段階から臭わされていた方向性を予想していたので、正体が判明した瞬間「あれっ」と思ったけれど、その先を読み進めて、むしろこれでよかったなと思いました。
タイトルにあるフェロモンは、思いの外、受けの厄災にしかなってなくて、探偵業の役に立っていないようでしたが(笑)
非常におもしろかったです!