電子書籍限定描き下ろし前日譚収録
始めは受けメインかと思いきや、中盤から攻めを中心としたお話で進み、グングン面白くなっていきます。
ストーリーに重きを置いていて、特に攻めに焦点を当てています。
というのも、攻めの過去や境遇がかなり痛々しいです。
親のネグレクト、ウリ、兄の逮捕など目を背けたくなるくらい…。
でも、だからこそ生きることに無頓着な攻めが受けと一緒に過ごすうちに少しずつ変化を見せるシーンにグッときます。
とはいえ、上下巻の上巻。
まだまだハピエンには程遠いです。
また、私自身はボクシングにあまり関わってこなかったのですが、このお話は他のスポーツではなくボクシングでなければいけなった。
そう思わせるくらいピッタリでした。
特に、他の作品と違う点で攻めの心情心理を幼い頃の攻めで描かれているのはアニメを見ているようで本当に新鮮でした。
甘い恋愛BLを読んだ後の気分転換を探している方にオススメです。
読む人選ぶ作品って聞いた気がする電書で買って積んでいた本。BLにハマるキッカケになった作品と知り合いに聞いて読み始めた。
一ノ瀬ゆま先生は、神様なんか信じない〜が良かったので、こちらに関しても期待していました。
物語としてとてもよく出来ていて引き込まれました。家庭環境が悪く幼少期から劣悪な環境だった男と、父の期待に応えられなかった劣等感とゲイである自分を卑下しているボクシングトレーナーのお話。2人共傷ついてるんだけど、その傷に気付いてる男と無自覚に別人格を育てて心を守っている男。この先どうなるのか気になります。
攻めのケイくんは心に複数の人格が居てそうですね。その子達がゲームをプレイしている感覚で日々生活してる描写が面白いです。ちびっ子ケイくん美少年で可愛いです。
読む人選ぶっていうのは、ケイくんの過去の部分なんだろうな。
あの過去があってこその人格形成なので、キツイですが、必要な設定だと思います。
ボクシング成長ストーリー、人間関係のドロドロな部分も楽しめるエンタメ作品です。
評価が非常に高い作品で、とても気にはなっていたんですが作画に少々苦手意識があって手を出せずにいた本作。
でも1巻読み終わる頃にはそんな事全く気にならなくなっていました。
むしろさっさと読むべきだったよね、自分。
勁の心の内面を表現する幼少期の勁や、ゲーム感覚で感情もなく生きて来た様の描写がとても個性的で面白いと思いました。
愛を知らずに、異常な環境の中で育ってきた勁の思考回路の表現方法としてかなりインパクトがあるし、素晴らしかったです。
この先どういう風にあの内面が変化していくのかも、注目したいと思います。
こういう不幸な生い立ちのキャラクターが報われていくストーリーが好きなので期待しかないのですが、勁の生い立ちや2人を取り巻く環境に不穏な空気が流れまくっていて、期待と同時に不安もムクムクと湧きあがってくるような読後感でした。
そんな予感も含めて、神な1巻でした。
上巻を読んだところですけれども、胸がいっぱいで言葉になりません。どうしよう。感想を書けないw
評判は知っておったんです。すごい作品だと。
なので1年近く積んでおりまして(長い)。
と言いますのも、先日、先生の初期作「答えはそこに海があるから」「楽園の非常口」「嫌いな先輩」「週末迷図」を読み、肩ならしと言いますか、予習と言いますか、心の準備をしました。
そして本作3巻と番外編、「神様なんか信じない僕らのエデン」も購入して、まとめ読みして一ノ瀬先生の世界にどっぷり浸ろうと心して上巻に臨んだわけです。
前置きが長くなりましたが、自分としては、万全の準備をして、満を持して読み始めたのですが、上巻を読んだ時点で胸がいっぱいです(2回目)
最初、これまでの作品より絵が見やすくなったな、なんて思いながら読んでいたんですが、勁の人となりがわかってきて、宥と自然に、理屈抜きに惹かれ合うさまを見ていたら…あーた!どんどん胸が苦しくなってしまって。
勁がキスの仕方を知らなくて、宥とキスしたがるとこめっちゃ萌え。
勁が宥に初めて頭を撫でられた時に、ちび勁たちが登場。
コントローラー握ったちび勁は驚いた表情で、ツノ生えたちび勁はうれしくて泣いてたのかな。
あーんを恐らくやったことなくて、すごい大口開ける勁がかわいいww
「宥さん」「勁くん」呼びだったのが、関係を持ったあと、しれっとお互いに呼び捨てになるのも萌え〜。
宥が勁の生い立ちを知ろうとしたり、本気で勁の家族について怒ったり、愛情深い。
勁は、そんな宥の良さを無意識に感じて、他の奴と違うと思ったんでしょうね。
その気持ちがどういうものかわからなくても
今まで通り、あんたとはSEXしたいけどどうすればいい?と素直に聞くのもいい。
きっと勁にしては、初めての欲求だろうし。
変に抑えたり誤魔化したりせず、ストレートに言うのが萌え〜。
照れる宥がかわいい。
勁が宥に触れたがったり、頭をなでてもらいたがるのが…切ないやら萌えるやら。たいへんです!!
勁の心の中のちび2人もかわいいし切ないし。
ゲームをするクールなちび勁(現在の表面的な勁)は自分を守るために必要に迫られて生まれたんですね。
「ゴミ箱」と呼ばれるツノを生やしたちび勁は、無邪気で子どもそのもので。成長と共に自分の中で捨てざるを得なかった部分。
それが、宥と出会い、一緒にいることで蘇ってきた(泣ける)
ツノ勁が出てきたからバグやノイズが発生して、シナリオ通りにゲームが進まない。
封印してきた感情の部分が、宥への欲求のためにじっとしていられなくなっているんだな。
ゲーム(人生)のコントローラーを握るちび勁の瞳には、呪、祝、無、の文字が。呪と無はわかるけど、祝という気持ちもあるのか。呪と祝は紙一重てことか。
宥も勁に惹かれてしまって…切ない切ない。
泣いちゃうのがかわいい。年上なのにかわいい。
泣いちゃう宥に、俺のせいか?痛いか?と聞く勁。表情には出ないけど、ちび勁2人が寄り添って食い入るようにモニターを見ていて、勁の心の中を物語っていると思うとまた胸が締め付けられる。
濡れ場や、瞳が…これまでの先生の作品でも艶っぽくて好きでしたが、本作では更に磨きがかかっていますね。プラス切なさマックスだから…たまらない。ドキドキ複雑な気持ちにさせられます(すごいと言いたい)
中、下巻、番外編と、表紙を見るだけでもうドキドキですけれども。大丈夫か私!?
これから引き続き読みますです。
初一ノ瀬作品だった当時、読み終わった後すぐに他の著作を全購入しちゃうくらい読みごたえのあるシリーズだった。
プロットもさることながらネームもなかなか大胆で、シリアスな題材に応えるだけの力量を感じる。
小さなボクシングジムでトレーナーをしている宥が、街で喧嘩していた勁の才能を見越してジムに勧誘する所から物語が始まる。
外国の血が入った美しい外見に反し、勁は他人を脅迫することに何の躊躇いもみせないような危険な匂いがする青年だ。
一応主役は勁のトレーナーとなる宥であるものの、ボクシング生活を送る中で少しずつ見えてくる勁という人間が持つ深淵と無垢さがとにかく目を惹きつけてやまない。
勁には内なる子どもが(心象世界として描写されて)いるんだけど、理性的で無感情なのが天使、感情豊かなのが悪魔として登場する。
その皮肉な位置付けには、生きる手段としてそうせざるをえなかった勁の鬱屈が凝縮されていて、天使と悪魔の小さな背中の向こう側に、痛ましい背景が透けて見えてやるせない。
勁は強い。肉体的にもだけど何より精神的に強い。
でもその強さは、傷付くことや失うことへの恐れを知らないからこそ躊躇なく向かっていける無謀さと表裏一体のものだ。
勁を見てると可哀想で胸が痛くなる。と同時に、制御装置を失った武器を持て余しているような怖さも感じてしまった。
恐れを知らなかった勁が、初めて恐れを抱く。その瞬間が待ち遠しい一方で、何が起こるのか不安を抱かずにはいられない。