小説

  • 緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

ryokudonasu ougon no ou to tsue to haiiroookami

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  • 紙書籍【PR】

表題作緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

今世王(レシェイヌ),26歳,異能を持つ最後の王
足弱(ラフォスエヌ),36歳,今世王の庶子の兄

その他の収録作品

  • いつもお側に

あらすじ

◆誰もが認めるWEB発BLノベル屈指の傑作がついに書籍化!◆
山奥で野人のように暮らしていた〝足弱″は、生まれて初めて上京した都で、
千年続く王朝の最後の王である今世王レシェイヌの
庶子の〝兄上さま″だと発見され、宮殿に保護される。
国土に緑をもたらす奇跡の力を持つ王族は、血族しか愛せない宿命。
しかし、十数年前の流行病により、今や生き残っているのは
今世王レシェイヌただひとりだった。
孤独のために死にかけていた今世王は、
足弱に夢中ですがりつき、ひたすら愛を捧げる。
そして、王族命の家臣一族「灰色狼」もまた、
真綿に包むように足弱の世話をし、尽くそうとする。
自分が王族だとは思えない足弱にはそのすべてが困惑のもとで、
耐えられず、ついに宮殿をあとにしようとするが……。

【書き下ろし】宮殿に来たばかりの足弱を、
侍従長の灰色狼<命>の視点で描く「いつもお側に」を収録!

作品情報

作品名
緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
著者
みやしろちうこ 
イラスト
user 
媒体
小説
出版社
リブレ
シリーズ
緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
発売日
ISBN
9784799732687
4.3

(212)

(150)

萌々

(27)

(12)

中立

(5)

趣味じゃない

(18)

レビュー数
24
得点
899
評価数
212
平均
4.3 / 5
神率
70.8%

レビュー投稿数24

弟→兄への溺愛、ここに極まれり

もうめちゃくちゃ面白くて、試し読みをして即購入、ページをめくる手が止まりませんでした。

こちら、ずっとずっと「読みたいな〜」と思いつつ、シリーズものだし一冊がものすごい厚さだし(1巻は全594P…)、何より今まで”WEB発”小説で刺さった…!と思えるものがなく、読んでこなかった作品。

…ですが!

コミカライズ版が出版された、ということでそちらから入ろうかどうか迷ったんですが、文字で読むのが好きなので、小説を買ってみました。結果、大正解◎

も〜〜もっと早く読んでおけば良かった!!!!めちゃくちゃ面白いよ。。「灰色狼」たちの忠誠心・献身っぷりに感動だよ!あとお兄ちゃんを無理やり襲っちゃいかんよ!(最初の、出血して「ぎゃあああああ!」のくだりはちょっとね、辛かったです)…と、色々大興奮の一冊でした。何度も言うけど、なんでこれ今まで読んでこなかったのか、、

二人の最初の交わりこそ辛っ…と思いましたが、その後の弟王の溺愛っぷりには、頭が下がりました。「怖くないですよ」「大丈夫です」「愛しています」「大好き」…囁く言葉が常に全て完全に、愛!!!!

で、そんな攻め→受けへの激重感情にも萌えたんですが、それ以上にじーんとしたのが、灰色狼たちの献身…もう涙が出そう。書き下ろしの、「命」目線の足弱への思いが優しくて熱くてある意味の愛に溢れてて、読んでいてたまらない気持ちになりました。

…ということで、夜中だけど迷わず続刊にゴー!してきます。

1

最高です!

一年ぐらい前に読んだのですが、
いまだに余韻が残っていて、醒めません。

斬新な設定と、壮大なストーリーで、
先の読めないワクワク感と、
スパダリな攻めが、純真な受けを溺愛する様が
尊くて、始終、悶えました。

かなり厚みのある本で、一瞬怯みましたが、
余裕で読破できました。

物語は、ほぼ受け側の視点で進んでいくので
攻めが登場し、驚くほどの執着心で、
愛を告げてくる場面はドキドキしました。
 
枯れかけていた国が、
復興していく様も描かれていて、
とても幸せな気持ちになりました。
とても素敵で心に残る一生ものの作品です!




1

生き生きと描かれる灰色狼たち

面白かった!王に仕える灰色狼たちがとても好き!主人公二人には、彼らのために幸せになりなさい、と思ってしまうほど。モブの範疇に納まらない描写量のキャラが大勢いるが、その全員が生き生きとしており、読むのが楽しかった。

主人公の足弱は、他人から見れば不憫で哀れまれる存在なのかもしれない。だが本人にとっては何の不備もない人生で、野人であることに満足していたのが良かった。いかにもな同情を誘う、か弱さが無いのが良い。そしてわりと頑固でわりと失礼で、感覚のズレ具合が分かって面白い。

老人と出会ってからの経緯は、幼少期からの教育という名の洗脳とかそういうのが描きたかったのかな。それにしても今世王の察しの良さはすごい。王族は賢いとフォローされているものの、見えていない情報を脳内補完して正答を導く。おかげでとても読みやすくなっている。

今世王はひとりぼっちの王族という同情を誘う一面がとても良かった。仕えられることにしっかり慣れていて、都民の習慣に疎いとはいいながら、足弱を理解する能力は異常に高い。理由はともあれ兄一筋なのが可愛らしい。ただの色ボケ王でないのが良い。

灰色狼たちは全員が王族大好き仕えたい!な状態で、本気でそれが彼らにとっての幸せであり人生であると伝わってきて、とても微笑ましかった。コードネームのような独特の呼び名がこの一族の特殊性を受け入れやすくしていると思う。

登場する人数が多く名前と役割全ては覚えられないが、各々が書き手からの愛情を惜しみなく与えられていると感じる。そこもとても良かった。今世王だけでなく、足弱の味方になる者もいてほっとしたり。

ストーリーは最後にやっと動いたかな、という感じ。それでもキャラクターに愛着を持てれば、世界観に浸れるだけで楽しい。タイトル回収シーンは素晴らしかった。たくさんの伏線が今後どう活かされていくのか、次巻に期待。
書き下ろしの命視点のお話にはちょっと泣けた。

気になったのは眼底が湿るという表現。他で聞かないけど普通に活字になるんだな、と思った。欲を言えば、ファンタジー小説につきものの地図イラストが欲しかった。
元はWeb小説ながら紙でも読みたいと思える作品。

1

美しく孤独な最期の王

登場人物説明の「足弱」や「灰色狼」で???な感じだったのですが、読み進めていくと「足弱」というのは名前がなかったからだったんですね。老人はなぜ名前を付けなかったんでしょう。「足弱」ではなく、もっと名前らしい名前で呼べば良かったのに。
いずれ別れると思い、余計な愛情は持たないようにしていたのかもしれません。
自分の考えを後に残すために、豊富な知識を与えたのかもしれません。

私が心惹かれたのは王です。
異能の持ち主。財産も沢山あるし、多くの人に慕われている。
でも、ずっとひとりぼっちだった。
足弱は倫理に反した愛情だと言うけど、血族しか愛せないって、なんて苦しいの?こんなに多くの人がいるのに、血族以外は愛せないって。
一種の呪いのようにも、契約のようにも思えます。
足弱に尽くす王を見ていると、灰色狼ではないですが、応援して何かしてあげたくなります。

病に侵されてしまった王。
ひとりぼっちにして欲しくないです。
足弱と一緒に過ごして欲しい。
まだまだ1巻なので、これから波乱が起きるのでしょうがハピエン信じて読み進めます。

0

痛かったが、甘かった

モンスターBLと噂に名高い今作をようやく手にとりました。
なぜ今まで積ん読しておけたのか…もっと早く読んでおけばよかった。。。

ファンタジーですが、複雑すぎず、けれどもしっかりと構築された世界観がお見事でした。
事前情報をほとんど入れず読み始めましたが、どんどん引き込まれました。
え、主人公けっこうお歳なのね。。。
こんな汚い野人でよいの。。。??
不安にかられたのも束の間、まっすぐで素朴なお人柄に好感をもちました。

そして今世王の魅力的なことといったら・・・!!

はじめての営みがあんなことになってしまうのはびっくりしました。
ひどいレイプ描写が苦手なもので、いったん読むのを中断して深呼吸しました笑

しかしその後の甘々な褥には毎度毎度感心させられました。
本当に言葉巧みで。

灰色狼たちの忠義にも何度も感動させられました。
休むことなく続き、読みます!

0

指定図書推薦

タイトルだけは知っていた作品。長編ものを読みたくて手を出したら、なんなんだ、この強烈に面白い話は!!小学校の図書館で外国の児童文学を借りて夢中で読んだ、あの感覚を思い出す。

主人公カプ(兄と弟)に限らず、「灰色狼」たちが何とも魅力的。長編だからこそ可能な練り込まれた世界観。好きな作品はこれまでもたくさんあるけど、「面白さ」では本作品がピカイチ。学校指定図書にしたいくらい(笑)…BLでもエロエロでもね。紛れもなく傑作です。

0

溺愛超えてます

ずっと気になっていたけど、ついに手を出してしまったシリーズ。
やはり良かった、、、
何が良かったって、まず攻めからの受けへの溺愛を超えた溺愛(笑)
受けの葛藤、灰色狼の忠誠具合、、、
最高か!!
個人的に受けが普通の人より背が高い、見た目普通(内面は色々複雑な生い立ちの方、自分自身それを知らずにずっと一人で生きてきた)の30代後半の男というところが好みでした。
世界観がしっかりしていて、一気に引き込まれました。
そしてこういうファンタジー系の話って、第三者視点がとても楽しいと思うのは私だけでしょうか。
それをいい具合に刺激して満たしてくれるのが灰色狼達。
会議の論点がずれ過ぎてる時もあるけど、彼らはたった2人の王族(攻めと受け)のために必死なのです。
私も灰色狼に混じって主役2人を見守りたい、、、
多少長いかなと思いますが、第三者視点が好きな方は大好物のストーリーだと思います!
1冊目から2冊目は内容がとても重たい話になるけどたまに力が抜けるシーンもあり、丁度いい感じになります。
これはずっと読み続けたい小説でした。
叶えばまた長編のお話を、、、
結婚後にも何が事件は起こるでしょう!と信じてます。
2021年初春にまた新刊が出るそうなので、楽しみに待ちます!

5

この一言

バイブルの一言につきます。今まで沢山の作品を読んできましたが、その中でもバイブルです

0

WEB小説が原典という事は念頭において読んだ方がいいです

一冊読んでみて、惜しく感じる点が多かったです。作者の方の文章構成力は非常に秀でていて、淡々とした描写の中にも味があり、大変魅力があるのですが、商業小説に慣れている自分には戸惑う事がありました。

作者の細かい世界観の作りこみや文章の並び方や、何気無く描かれる日常に時折描かれるユーモラスなエピソードに惹きこまれる部分が多く、半分くらいまではとても楽しめていました。

半分くらい読んだ所で「あれ?あれ?」となりだしました。そう、小説を読んで通常ある「アレ」がいつまでたってもこないんです。起承転結の「転」が・・。気になりつつも、もう「転」もなく進むのか覚悟で読み進めました。それでも流石に作家の方に読ませるだけの力量があるから、そのうち気にならなくなり、この作りこまれた世界観を嗜んでいるうちに最後の最後で「転」がきたという・・。

よくよく調べると、もともとWEBで公開されていた人気BL小説が8年くらいの時を経て目出度く出版に至ったようです。つまり作者が執筆されている時は、「読者」の意識や本として出版という事も想定されていなかったんだと思われます。好きな世界観を思うままに表現してひっそりWEBで公開されていたんだけれど、文章能力が非常に高くて、評判に評判をよんだのかなーと推測しました。

商業BL小説に馴染んでいる者には、例え上下巻に分かれている小説でも、上巻の中にも起承転結の起伏があるのが通常なので、戸惑ってしまいました。この小説は上下巻に分かれて発行されているけれど、上下巻で一冊と考えたら一つの物語としてしっくりいくのかなーと考えました。世界観や文章が好みなので下巻も読みます。

この小説の主人公の足弱がBLもので珍しいタイプの素朴系の主人公で味があり、とても良かったです。灰色狼と同じように、読者も暖かく見守るスタンスですね。弟の兄への異常な執着も血族愛からくるものだという事でスルーできましたし、やっぱり足弱はLOVELYですからね〜。世界に残されたたった二人の王族を取り巻く風物詩として楽しめました。

今後この作者の方が、どういう活動をされていくのか分かりませんが、才能ある方だと素人にも感じられるので、編集者がついて物語の起伏に磨きをかけられれば、強いもの無しだと思います。
ただこういうシンプルな小説の形態も大きな個性であり、味でもあるので、商業的な部分(読者にどう魅せるか)をどの程度取り入れていくのか難しい部分もありますね。




7

世界観の作り込みはすごいけど…

評判通り、架空の国の設定は細かい所までつくってあり、他にはいない作家さんだと思います。
ただ、個人的に文章のつくりが好みではありませんでした。

ストーリーの大筋としては山あり谷あり、メリハリがあるはずなのに、読んでいると驚くほど単調に感じるのです。一つのシーンを際立たせようと思ったら、それ以外のシーンをあえて曖昧にしたり、省略したりするものかと思います。でもこの作品はどんな些細なシーンもすべて事細かに描写されていて、それゆえどのシーンを際立たせたいのかわからない…抑揚がないと感じてしまいます。
端的にいうと、読んでいるうちに飽きてきて、どうでもいいシーンは読み飛ばしたくなります。
私がせっかちなのかもしれませんが、「今のそのシーン、誰が何をしたとかって必要!?」といらいらしてしまうのです。”描写されない行間の趣”がなく、ひたすら起きた出来事がつらつら書かれているという印象。
歴史を忠実に記録するために、2人のことをそばで見ていた従者が書いた歴史書、とでもいいましょうか。

きっとWEB小説で1話1話噛み締めながら読み進めるのであれば、また違った感想になったと思います。
なにせ一気に読めてしまうので、どうしても濡れ場などの描写はどれも似通っていて退屈に感じてしまいますし。

ただ、この作品にファンが多いのは納得できます。
細かい描写のおかげで、架空の国の風景や食べ物を思い浮かべながら読むことができますし、なによりこの作品で二次創作をする方には、この上ない設定資料集になると思います。笑

WEB小説からではなく、最初から商業で書いたら、また違った感じになるんでしょうか…今後の作品が楽しみです。

7

物語に引き込まれるけど・・・

33年前に幼くして行方不明になった国王の腹違いの兄を探すため、三十代半~後半の男は都へ上がるよう国全土に通達が出された。
山奥で一人っきり、ほとんど人と関わらず生きていた足弱も、あまり乗り気でないまま都へと赴き、他大勢と共に国王である今世王に拝謁した。
一目見て、今世王は足弱を消息不明の兄だと判じる。
自分を兄と慕い愛を囁く今世王や王族として敬ってくる家臣たち、そして宮殿の生活に馴染めない足弱は戸惑うばかりで・・・

本が分厚い。(笑)
でも、すらすら読めました。厚さで躊躇する必要は無いと思います。
続きが気になって、ページを捲る手が止まらず、一息に読んでしまいました。

同じ血族しか愛せない体質の今世王。同族が死に絶えて孤独で仕方ありません。
やっと探し出した兄は、近親相姦的な同族愛や同性愛を忌むべきものとして教育を受けたため、今世王の愛を拒絶します。
その直後の今世王の行動は正直褒められたものじゃない。
愛してるから、もう二度と酷くしないから、と後々繰返し今世王は言うけれど。足弱も今世王の孤独に触れ絆されていくけれど・・・いいのか?と私の冷静な部分ではずっと引っかかっていました。
足弱の方は急な環境の変化に戸惑うばかりで、今世王の側にいると決めても暮らしていた山への未練たらたらです。
戸惑う足弱の気持ちは理解できます。孤独で寂しい今世王の気持ちも。
でも、共感は出来ませんでした。
頭では理屈として二人の気持ち・行動は理解出来るけど、感情移入することは出来ませんでした。

読み進むうち、王族以外の人々の思考に私自身は寄っていった気がします。
足弱を王族と知らずに接するワンや、足弱の侍従長<命>や料理長<雪解け>、元近衛隊長<朝霧>といった灰色狼たちと同じような目線になっていきました。
また、二人の関係にエロスをみて、巡行船の副船長の下卑た思考は当然有りと思っていたので、その後の展開には少々ビビリました。
中華風ファンタジーの感覚で読んでいたのですが、あの瞬間、これは自分の常識が通じない世界の話なんだと悟らされました。根本的に違うんだ、と。
ラセイヌの常識が受け入れられないと、ただ長いだけでつまらない物語になるかもしれません。王族は人と同じ姿形だけど、思考も能力も全てが範疇外。人の枠で考えてはいけない存在のようです。

主役と言える王族二人に感情移入出来なかったのに、何がそんなに面白かったのかというと「作りこまれた世界観」です。
そこで語られる「最期の王族」の治世。この後衰退するであろう国の最期の物語を読むことが面白くて、ページを捲る手が止められなかったように思います。
次巻を読んでまた印象は変わるかもしれませんが、今はそう思います。

4

投稿で長編、すごいな。

もともとWEBの投稿小説であるという作品です。元々の投稿サイトでも読めるようですが、この長さをWEBの画面で読むのは辛そうなので、電子書籍版で。ちょっとしつこいですが、この長さを! WEBで投稿で書き上げたという事実だけでも熱いですよね。作者様の「好き」が伝わってくると思いました。
ストーリーは、いわゆる中華風異世界ファタンジーにBL要素を絡めたもの。BLもお好きなのでしょうが、何よりもこういうファンタジー世界が好きで書いてます…という感じが伝わるのが好感度高いです。

文体は割と硬めでしっかりしています。でもだからこそ、たまに軽い口調の話し言葉が出てくると違和感を覚えることもあったりしました。たまに人物造形がぶれるように思える描写もあったりして、そういう所に「投稿小説だな」と思ったりして。

なんてことを思いつつも、大きな戦や災厄があるわけでもなく淡々としたストーリーなのに読ませてしまう作品です。この上巻では、主人公カップルの「愛」の確かさがまだ今ひとつしっくりこない所もあるので、このまま続編に突入したいと思います。(※hontoの合冊版で購入)

3

大いにハマった!

WEB小説で先に読み終えて、ものすごくハマったのでついついお買い上げ! 同じ血族しか愛せなく、その最後の1人を見つけ出し感情をぶつけまくるレシェイヌ。 それに対して山奥でひっそりと暮らし、純粋培養された足弱。 そしてその王族たちに命を捧げる灰色狼などすごくストーリーに引き込まれた。 足弱のおかれてた境遇と王族の暮らしがかみ合わず慣れない思いに心痛め、それに今までのレシェの孤独も重なって、内容は既にWEBで分かっているにも関わらず、どうなるの?どうなるの?とすごくハマった1冊でした。次巻も同じように引き込まれるんだろうな。

5

少し物足りなさが残る逸品

萌えのツボが難しい……。というのも、ストーリーは素敵なのですよ。タイトルからもわかるように王様がひとりの男を愛したら国土が緑豊かに……。わかりやすいですね。でもそんな自然の美しさを感じる内容ではあるのです。だが、いかんせん受けが年くってる! つうか年くいすぎ! エロ中年とか年上受けとか色々ありますが、これは何受けというの? 実の血が繋がった兄と弟だけど禁忌の淫靡さはないし、中年の悲愴さも薄い。面白いけどBLである必要はなかったかな?というのが感想です。どこかでBLの萌えを感じることができる人は面白いと思えるでしょう。私は少しもの足り無かったかな。

5

自然描写は素晴らしいのですが・・・。

広告で知り、ウエブ小説で読みました。
絵が綺麗で、国の設定や自然の情景が簡単に想像でき入り込むことが出来ました。
が、カップリングはちょっと・・・で、受けが36歳といい大人なのに10代の少女みたいな考えかたにはついていけませんでした。
足が弱い、のがずっと軸に残っているのは良いのですが、だから姫様みたく守られ続けられる環境に閉塞感を覚えました。考え方が受身すぎるのが残念だと思いました。

9

人は孤独で死に至る

王朝最後の王族×天然で純情素朴な庶子

以前WEB小説として楽しみました。
長いお話なので、加筆修正された書籍化版をじっくり読んでみたくて手に取りました。
独特の世界観の中で孤独な二人の王族が心を通わせていくまでの日々の積み重ねをじっくり見守っていく長編のお話です。
ファンタジーらしい壮大なストーリーや波乱に満ちた展開を想像すると期待はずれに思うかもしれません。

王族にだけ感染する死の病により一人を除いて死んでしまってから12年後、行方不明だった庶子の一人(通称 足弱)が発見されたことからこの物語は始まります。

山奥で育ての老人亡きあと一人で生きていた足弱にとって、孤独の寂しさとか頼る人のいない不安というものをあまり考えたことがなかったように思います。
逆に、たくさんの王族の中で幸せに生きてきたレシェイヌは孤独で寂しくて生きる気力を失くした姿は枯れていく植物のようでとても痛々しいです。
王朝の最後の一人として、民と交わした約束を果たすためだけに生きている、喜びも楽しみもなくできれば早くその生を終わらせたいと思っているようで悲しいです。
兄が発見されてからのレシェイヌの浮かれようは枯れかけた植木が水を与えられて生き生きと葉を茂らせているようで本当に幸せそうでした。

そして、環境の変化に戸惑いレシェイヌの濃すぎる愛情をもてあましながらも、その孤独や寂しさを理解していくにつれ受け入れていく過程を興味深く読み進められるかどうかがこの作品を好きになれるか退屈に思うかの分かれ目じゃないかと思います。

王族命の家臣一族「灰色狼」の王族に捧げる無償の愛がまた切ないです。
生まれたときから王族を守護するためになら何でもしたいという本能的ともいえる要求を、捧げるべき王族がたった一人になり行き場のない想いを持て余す気持ちが溢れていました。

7

好きな要素があればハマるかも

ムーンライトノベルで過去1位を獲得していたことから読み始め、薦められた事もあって最後まで読破した感想です。
一言で言うと「王族・執着・平凡・悲劇」要素を詰め込んだ超がつく王道ファンタジーです。どれも人気要素なのでそれらのジャンルが好きな人はハマると思います。

WEB公開されているBL小説には王族を絡めた異世界ファンタジーは数多くあり、「平凡が王族に囲われて受難」はその中でもド王道の為、好きな要素や特出した所でハマらないとありきたりのファンタジーとしか感じられません。
長編を書き上げる熱意は素晴らしいと思うのですが、個人的には少女漫画のように悲劇に浸っている主人公が苦手な私には合わず、ストーリーや設定に特出するところも見つけられませんでした。

イラストが大変綺麗です。
よく似た小説原作の漫画に「5人の王」という作品がありますが「王族・執着・平凡・悲劇」要素を詰め込んだ超がつく王道ファンタジーでイラストがこれまた超綺麗な本があります。緑土が好きな人は気に入るかもしれません。

9

大好きな作品です。

何度でも、大好き、愛してるという惜しみない言葉。
血族しか愛せないレシェの足弱への想いが狂おしいほど切なくて、胸が締め付けられます。愛に満ちた手つきが優しくて泣けてきます。

この作品が書籍化になることをどれほど待ち望んだことか。リブレさんありがとう(*^^*)

この作品に灰色狼の存在は欠かせません。王族至上主義な忠誠心がすごく素敵。とくに兄付き侍従と王付き侍従のお互いの主張はクスっと笑えます。

まだ未読の方はぜひ読んでほしい。WEB界の傑作です。

9

萌えない

おもしろいか、おもしろくないか、の二択であれば、おもしろい
ですが、萌えるか、萌えないか、の二択だと、まったく萌えは感じなかったです
ひじょうにざんねん
まさしく、萌えつぼが違う
この一言に尽きます

ネット小説どくとくの熱さ、じょうねつのようなものは感じました
かきたくて、かいているんだ、というきもちがつよくつたわってくるというか、思い入れたっぷりにかいているんだろうな、ということがつたわってくるので、そこには好感を持ちました

自分がネット小説の好きなところは、まさにそういう面なので、それだけにネット小説以上でも以下でもなかったというかんじです

イラストもお上手で、悪くはなかったけど、好みではなかった
小説にプラスアルファの力を与えてくれるようなイラストではなかったですね

とにかく萌えつぼが違うと、どんな作品でも残念になる
それがBLだと思いました

20

オヤジ受けに興味がなかったのにハマりました

この作品はムーンライトノベルズで出会いました。以前はオヤジ受けに食指が動きませんでしたが、この作品のおかげでいまではオヤジ受けも大好物になりました。レシェ(攻め)の足弱(受け)への愛がいたるところでだだ漏れで二人が出会ってからはとにかく悶えます、悶え苦しみます。足弱やレシェの苦悩や二人を取り巻く環境に胸が痛くなる時もあり、読んでいるうちに二人が幸せになって欲しい気持ちでいっぱいになります。
主人公以外の登場人物たち(灰色狼たちがレシェと足弱に傾倒している様子が描かれているシーンも大好き)も大変魅力的でストーリを盛り上げていて、二人が出ていないシーンもBL的要素がないというのにこれまた悶えます。溺愛ものが大好きな方にはとにかく読んで欲しいです。

11

下巻が待ち切れない!!

最初は表紙に惹かれた。
何だ、この物凄く力の入った表紙は!と、思わず買っていた。

読んでて感じたことは、作者のこの作品にかける思いやエネルギーを物凄く感じたこと。

エネルギーが凄くて、読む手が止められなかった!

レシェイヌは3歳で不運な運命に巻き込まれ、王族として大事にされる身分なのに、厳格な老人に拾われ山奥で育ってきた。
老人がなくなると、一人その粗末な小屋でずっと生きてきたのである。でも他を知らないので不幸を不幸と思わずに生きてきたということだった。
足に障害があって大変なのに、孤独で大変な状況なのに、無知故の幸せが主人公にはあった。
でもそのスレなさや無垢な感じが、周りの人にほっておけない気にさせて、いろいろ助けてくれる。

攻めのレシェイヌが受けのラフォスエヌを大好きで、それ故に独りよがりになったり執着をみせるのが多々あるのだが、ラフォスエヌのためにすごく心を砕いて尽くす姿はたまらない気持ちにさせられる。

「もう一人は嫌です」とラフォスエヌにすがるところなんか、レシェの気持ちが詰まってて切なくて涙が出る。

ラフォスエヌが山へ帰りたくて門のところで「門を開けてくれ」と訴えたところで、「あなたが門をくぐったら、剣で首を切り落とします」といい、自分から離れるために門をくぐる姿を見るくらいなら、生きていたくないと訴える姿もまた、涙がボロボロ出た。

そして何といっても、王族を代々守って使えてきた「灰色狼」という一族の面々の無償の愛に心打たれた!

それが本当に無償でレシェイヌ側の側近の方はレシェイヌを第一に思い行動し、ラフォスエヌ側の側近の方たちはラフォスエヌを第一に思い行動して、その互いの思いが時にぶつかったりして、見ていてニヤニヤする。

灰色狼一族の気持ちは二人の王族の幸福なのだが、みんな二人が好き過ぎて大事過ぎて、それぞれの思いが交錯して、読んでて幸せを感じるのだ。

もう物凄いページ数な上に、二段組み!!
なかなか読み終わらなくて、こんな幸せな時間がまだまだ続くのかと読みながら思い、面白くて惹きつけられて、ニヤニヤしてしまうのに、涙はボロボロ零れて、最高だった!

15

長さの割に。。

山の中で孤独に生きてきたボロボロの青年が実は王族で、弟にめちゃめちゃ溺愛されて大切にされて徐々に愛を育んでいくというストーリー自体は良いのですが、長さの割に深みがなく単調に進んでいきます。
WEB小説を単行本化したものをいくつか読んだのですが、どれも同様の傾向があるように思います。
始まりは次の展開がどうなるかワクワクしていたのですが、メリハリがないので、途中から流し読みになってしまいました。
受けは36歳だったのですね。。幼過ぎて現実感がなく、私はあまり萌えられませんでした。。

24

溺愛の神髄をみた気がする

この作品がムーンライトノベルズで掲載されていた時からの大ファンです。
何と言っても片足に障害が残る不憫な野人であるアシ(受け)と、それを包み込むように熱烈に愛する今世王(攻め)、その二人に誠心誠意仕える灰色狼一族。
慣れない宮殿で戸惑いながらも誠意と愛情を受け取るアシの物慣れなさに共感し、寵愛してくる今世王に慄きと更には絆されていく様にときめきを感じていました。様々なエピソードの度にアシと今世王が好きになっていく自分がいました。
近年読んだBLの中ではダントツTOPの作品だと思います。
今回、素敵なイラストレーターさんに思い描いていた通りのアシと今世王を描いて貰った嬉しさで胸一杯です!

6

ピュアなオヤジ受けに萌える…!

WEB発のBLノベルです。
血族のみを狂ったように求める宿命だったり、その王族を守護する事に存在意義を持つ一族だったりと、もう設定だけで大変興味を惹かれる作品。
しかし、受けが足の悪いごくごく平凡(実年齢より老け気味)なオヤジ!! はたして萌えられるのか!?…と購入を躊躇っておりましたが、試し読みをしたら、呆気なく陥落です。もう、このオヤジ受けが可愛くて可愛くて!! こんなに可愛いオヤジ受けは反則だろう…!
お値段が1300円とちょっとお高めですが、二段組で400ページ近くありボリューム満点。文庫二冊を買ったと思うと妥当な気がします。
インタビューでも書かれてますが、出版社さんのホームページで160ページも試し読み出来るので、気になった方はちょっと覗いてみて下さい。

内容は、山奥で野人のように暮らしていた「足弱」が、国土に緑をもたらす異能を持つ、最後の王族「今世王」の庶子の兄だと発見され…というもの。兄弟ものです。

受けの「足弱」(ラフォスエヌ)は、右足が湾曲した36才のオヤジ。杖をついて歩きます。山奥で偏屈な老人に育てられ、老人が亡くなってからは一人暮らし。世間知らずで純真。やや天然も入ってます。

攻めの「今世王」(レシェイヌ)は、王族のみが罹る『王室病』のただ一人の生き残り。美形で王として優秀ながら、兄の足弱に対してはかなりの甘えたで執着ぶり。

33年ぶりに見つかった足弱は宮城で暮らし始めますが、今までとは全然違う環境に戸惑い怯えるばかり。更に、一緒に過ごす事で煽られ、暴走した今世王に手酷く強姦され…という展開。

萌え所としては、攻めの執着ぶりと溺愛ぶり。特に足弱が発見されて間がない頃は、また失う恐怖からかちょっとイッちゃってる程の執着を見せます。更に心が通じ合い始めると、今度は「兄上、兄上」とやたら甘え、受けの日常に気を配り、壊れ物のように大切に扱います。
その割には、毎度受けの腰が立たなくなる程ガツガツとエッチで攻め立ててますが…。そう、この作品はやたらと絡みが多いのです…。

あとは、オヤジ受けの可愛さ! 純真で素朴そのものといった感じで、とにかくかわいいのです! そして、やや天然。攻めに抱かれる事で妊娠すると勘違いして慌てたり、自分が泳げると勘違いして「水泳もどき」を皆の前で披露したりと、なんだかほのぼのします。

忘れてはいけないのが、王族を守護する「灰色狼」の一族。こちらは王族を守護する事を至上の喜びとしている為、とにかく二人が幸せならいいとばかりに温かく見守る、親バカのスタンスです。

気になるのが、視点がコロコロ変わる事。主役二人のみならず、侍従達、果ては団子屋の親父まで。話に面白味は出ると思いますが、読みにくさも感じます…。
あと、なんだか凄く簡単な漢字の所が平仮名なのです。「きく」とか「いう」とか「でる」といった感じの。区切りがパッと見では分からず読みにくい…。

今作では受けが宮城の生活に馴染んでいくまでや、最初は強姦から始まった二人の関係が変化していく様が丁寧に書かれています。ファンタジーとしての壮大さや、目を見張る展開はなし。最後に波乱があり、次作に続く…です。どうも結構なシリアス展開になるみたいなので、一ヶ月後の次作発売を楽しみに待ちたいと思います!

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