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表題作はだける怪物 上 小冊子付特装版

秀那歩,会社の後輩
林田,リーマン

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

初めてだ。
こんなみっともない恋

おげれつたなかが剥き出しにする「好き」のその後の物語。
林田が秀那と出会う前、「かんちゃん」時代の恋が腐食していく日々を描いた「はだける怪物」前日譚小冊子「薊(あざみ)」をセットした特装版!
(「薊」にはリバ表現があります)

セフレから始まって、恋人同士になった秀那(しゅうな)と林田。
林田には、前の恋人を殴っていたという過去がある。
それを含めて林田を抱きとめた秀那だったが、彼の部屋の壁から、今は見せない眩しい笑顔の昔の林田の写真が消えることはなかった。
そんなある日、秀那に大阪支社へ転勤の辞令が出て……。

ピアス跡だらけの『怪物』林田と、器用な恋しか知らない秀那。
おげれつたなかが剥き出しにする、「好き」のその後の物語。

作品情報

作品名
はだける怪物 上 小冊子付特装版
著者
おげれつたなか 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
恋愛ルビの正しいふりかた
発売日
ISBN
9784403666087
4.6

(517)

(430)

萌々

(46)

(24)

中立

(4)

趣味じゃない

(13)

レビュー数
46
得点
2410
評価数
517
平均
4.6 / 5
神率
83.2%

レビュー投稿数46

懺悔の思いと、恋心と。

作家買い。

おげれつさんの『錆びた夜でも恋は囁く』のスピンオフで、『恋愛ルビの正しいふりかた』に収録されている『ほどける怪物』の秀那×林田さんのお話。

『はだける怪物 (上)』は通常版と、特別小冊子付きの特装版が発売になりましたが、私は特装版の方をお買い上げ。この特装版についてくる小冊子は2015年刊行の同人誌「薊」。同人誌の方は持っていないので全く同じものかどうか(修正箇所やカットされている部分があるのかどうか)分かりませんが、「薊」をお持ちでない方にはこの特装版を全力でお勧めしたい。

カンちゃんが、弓にDVをするようになったきっかけが描かれていて、むしろ、なぜこのエピソードがコミックに収録されていないのか分からないくらい重要なエピソードだと思います。

という事で本誌のレビューを。ネタバレ含んでいますので苦手な方はご注意ください。








『ほどける怪物』で、恋人同士になった秀那×林田さんのその後のお話。

リア充で、女の子には不便のしたことのない秀那。けれど、林田さんを相手にすると、今までの経験は役に立たない。なぜなら、今、本気で林田さんに「恋」をしているから。

そんな秀那視点の気持ちからスタート。
みっともない自分を、林田さんには見せたくないとモダモダする秀那とは反対に、余裕があり身体の関係だけを楽しんできるように見える林田さん。

けれど、そんな林田さんには、「自分は一人でいなくてはならない」と自身にセーブをかけているところがあって…。

『錆びた夜でも恋は囁く』のスピンオフで、『ほどける怪物』の続編ではありますが、これ単体でも読める展開にはなっているような気がします。でもやっぱり前作を読んでいた方が理解は深まる。何より、林田さん(カンちゃん)の孤独と懺悔の想いが胸に詰まる。

孤独を抱えたカンちゃんが、やっと幸せになりそう、となったところで持ち上がる秀那の大阪への転勤。林田さんへのわんこぶりや、彼にみっともないところはみせたくないと奮闘する秀那の若い恋心に和みつつ、そこかしこに林田さんが抱える孤独がちらりと見え隠れするストーリー展開はさすがおげれつさんといったところか。

あからさまではないのに、林田さんの胸中が、孤独が、じんわりと読者に訴えてくる。

そして途中で、真山くんと弓のその後のストーリーが挿入されているのですが。

これがただ、二人はその後、幸せに暮らしました、という展開でないのが凄い。
きちんと、その後の秀那×林田さんのエピソードに食い込んでくる。

おげれつさんといえば濃厚な濡れ場が持ち味な作家さんですが、今作もすごいエロい。
単純にエロい、というだけではなくって、お互いを想う気持ちとか、過去の懺悔の思いとか。そういうものが読み取れる。

弓を愛していたからこそ、手を離したカンちゃん。
その林田さんを、まるごと愛したい秀那。
そして、今では真山くんというパートナーを得た弓。
出てくる登場人物たち、みんなそれぞれ強烈な個性を放ちながらも話が絡まることなく進んでいく。
みんな、いい子たちで、幸せになってほしい。

早く続きが読みたいです。

16

かんちゃんが愛おしくなる内容となっております。

もう…すごいです。最初は、買ってみるか程度の気持ちで買いましたが読むうちにだんだんのめり込み、気が付いたら泣いていました!
「錆びた夜でも恋は囁く」「ほどける怪物」も既読済です。
なんというか、表現しきれないのですが…とりあえず…ブラック会社のクソ上司に追い詰められ、最終的に最愛の恋人に暴力を振るうことになってしまったかんちゃん。
「ほどける怪物」を読んで、林田さんよかったね…!と思っていたのですが解ききれていないものがあったようです。

とにかく、かんちゃんがハチャメチャにかわいそうでした。秀那を殴りそうになったときに、咄嗟に近くにあったものをぶん殴り怪我をして、「何してんだよ!」と心配する秀那に「悪かった、お前のせいじゃない」と秀那を殴ってしまわなかった事にほっとするかんちゃん。ここで彼の傷の深さというか、必死に自分のしてしまうことから逃げようとしている懸命さを感じました。
相手を大切にしたいのに、本当はすごく優しい人間なのに、追い詰められるとカッとなって暴力を振るってしまう、まさに「怪物」の一面を持つかんちゃんが不憫でなりません。
「もう…おまえ以外誰も好きにならない…俺は」というセリフにも、こう…くるものがあります。
「俺は」なんて…そんなこと言うんじゃありません!!!(泣)

薊の方も初見でしたが、またまたかんちゃんがかわいそうでなりませんでした。最初はクリアだったかんちゃんがだんだん毒されてゆく様子が悲しいです。弓もサポートしようとしますが、それでも塞ぎきれず…。

とにかく、下が気になります。はやく…はやくください!(懇願)

15

何度読んだことか

大好きなシリーズの中でも一番好きな作品。
絵、ストーリー、キャラクター、エロ、すべてが好きすぎる。

かんちゃんが愛おしい。
今作では優しさや柔らかさ、パワーアップしたエロさ、色気のある表情。
とにかく魅了されました。
おげれつたなか先生が大切に、丁寧に、林田というキャラクターを育て描いてくださっているのが伝わってきます。

そして、そんなかんちゃんの姿が見れるのも、秀那の愛があってこそ。

いつまでも追いかけて応援していきたい二人です。
続きが楽しみ!

14

死ぬほど面白かった。

読み応え半端ないです。
かんちゃんのエロが際立ってますね。
しかも紙版は修正が最小限に抑えられており、ディティールもかなり詳細に描かれています。
個人的に修正が最小限である事にもう、心底感動した!!

小冊子はかんちゃんと弓の同棲してる時のお話で、かんちゃんがブラック企業で心が壊れていく様子が丁寧に描かれています。
そして、この小冊子読んで発覚したんですが、かんちゃんは弓と付き合ってるときはバリタチで弓がバリネコだと思ってたんですが、どうやら互いにタチネコどちらも気分で交代してた模様。

この描写で、「恋愛ルビ〜」の「ほどける怪物」の時にかんちゃんの「後ろを使った事ある」発言とその経緯にしっくりきました。なるほど、弓と交代してたんだな。

兎にも角にも、こんなに読んだ後満たされる様な絶対買いのBL漫画には久しぶり出会いましたね。
そして、昨今流行りの小売書店毎の特典付き販売方式には心底嫌気が差していたが、今回のこの作品に関しては店舗特典も余計な描き下ろしとかもなく、誰でもいつでもどのサイトでも特装版小冊子付きを購入出来るという理想的販売方法にはマジで感謝したい。
ありがとう作者様!ありがとう編集担当者!ありがとう出版社!ありがとう企画担当者!

13

かんちゃんの幸せを願う

特装版の小冊子は、同人誌復刻版です。
決して楽しい内容ではないですが、かんちゃんを知るには避けて通れない過程。
本編にも関わってきますので小冊子付きをオススメします。
(※地雷のある方は「薊」レビューを確認してください)


さて、ほどける怪物の続編です。

かんちゃんのとても良い笑顔で終わった前作。
連載開始直後は、再度かんちゃんが苦しむのを見るのが悲しいと感じていましたが、
まとまって読むと、かんちゃんと秀那にとって大切な続編だな、と思えました。

かんちゃんが弓に暴力を振るっていた過去。
今も外すことが出来ない高校時代の写真。
あの頃のように笑えなくなったかんちゃん。

秀那と同じ時間を過ごし、秀那に愛されて、今は幸せだと思います。
でもかんちゃんの根本はまだ過去のわだかまりが燻っていて…。
その辺りに焦点を置いた続編となっています。

また、秀那も秀那で、焦りを感じています。
かんちゃんの燻りには気付いてるけど、どうして良いのかわからない。
かんちゃんと過ごす時間は幸せで楽しいけれど、つきまとう不安。

2人が本当の意味で幸せになるための続編と信じてます(;ω;)


本編は、
仲良くしているけれど、見えない部分ですれ違ってるような、
少し寂しさを感じるその後の2人から始まります。

秀那視点が多く、チャラい性格に隠されたものが…。
自分の弱さを見せるのが嫌で、余裕ぶってカッコつけてしまう秀那。
かんちゃんは気付いてても何もしてあげられません。

激しいエッチで秀那を喜ばせて、抱き合って、眠って。
ただ、好きでいるだけ。

私はかんちゃんがすっごく好きなので、
かんちゃんの不器用な優しさや健気さ、泣きそうな優しい笑顔に、
アカン、涙腺が〜〜〜。゚(゚´Д`゚)゚。

すっごい秀那が好きなのが伝わる!
けど、秀那は自分の自信のなさで、言葉の端をネガティブに捉えてしまう(怒)
それでかんちゃん傷つけるとか許さん!!!

少し不安定さが所々見えるけれど、
秀那が転勤になって遠距離恋愛が始まっても電話したり会いに行ったりと、
愛を育む姿があったのは安心しました。

かんちゃんに会った後の秀那の元気さが…w チョロいw
と、まぁデートすれば仲良しなんですが、ぐぬぬスッキリしないモヤモヤ。

そしてそして、なんと、弓が登場します。
秀那と!弓が!出会っちゃったんです!!

どす黒い過去が引き出されて直接向き合う時がきました。
大好きだった弓を殴って傷つけてきたかんちゃん。
悔やんで、自分を責めて、追い込んで。
『ひとりでいなければならない』と呪文のように…(;ω;)

やってしまったことは消せないけれど、
早く乗り越えられますように、と願わずにはいられない。
かんちゃんの幸せが早く見たいです。

12

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