性感エステ、俺にシてください。

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表題作出張ホスト NYU BOY

片桐圭,29歳,女性専門性感エステの出張ホスト
成瀬コウジ,19歳,大学生

その他の収録作品

  • 〜原点回帰コース〜
  • 〜メレンゲ生殖コース〜
  • 〜カウンセリングコース〜
  • 〜性感エステコース〜
  • 〜最終回〜
  • 描き下ろし〜その直後〜
  • あとがき
  • キャラクター設定

あらすじ

「N」ノンケ
「Y」ヤリチン
「U」内気な
BOYが、あなたの心と体を満たします。

女性専門性感エステのホスト・圭の前に現れた客は、男子学生・成瀬だった。女性にするようにサービスしてほしいという彼に、圭は「原点回帰コース」を施し切り抜ける。騙した成瀬に“誠実な”サービスはできないから。しかし、成瀬の希望には想像以上に切実な想いがあって・・・。

ギャグとシリアス&エロが交錯する、大注目・紫能了のデビュー作!!

作品情報

作品名
出張ホスト NYU BOY
著者
紫能了 
媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784829686065
3.9

(289)

(136)

萌々

(67)

(47)

中立

(18)

趣味じゃない

(21)

レビュー数
41
得点
1107
評価数
289
平均
3.9 / 5
神率
47.1%

レビュー投稿数41

一癖あるけど、クセになる面白さ

女性専用性性感エステの出張ホストの圭と、それを利用しようと予約した男子学生の成瀬。。。

ギャグとシリアスとエロが交差する。
まさにその通りの作品だった!!
リアルな絵で、ギャグとかもう笑えるし、自分の性癖に泣きわめく様は、シリアス通り越して怖ささえ感じるくらい。
でもね、泣いちゃいました。幸せの後にやってくる孤独とか、泣かずにはいられなかった。
このレビューは、ネタバレしないで薦めたいから、詳しくは書きませんが、本当にいいお話なんです!!
絶対この世の中には、主人公の成瀬みたいに思い悩んでいる人が沢山いるはずだから、読んで欲しいなぁという期待を込めました。オススメです。

2

全体を通して感情の起伏が激しい

コメディもシリアスもスピード感が凄いです。
それでいて展開に有無を言わせない圧を感じる作品でした。

二話の途中まで完全にコメディのノリで、ずっとコメディで読みたいくらい楽しかったです。

シリアス展開に入ってからは絵の力が強すぎて画面から顔を離しました(笑)
感動より恐怖が先立つ感じのテンション。キャラクターが情緒不安定で狂気を感じます。

感情の器のくだりが私にはイマイチ理解出来なかったのですが、ここの表現から雨のシーンで入水心中エンドでも迎えるのかと思ってビビリながら読みました。
全くそんな展開にはならず、最終的にコメディのノリで無理矢理ハッピーエンドを迎えます(これもまた原点回帰?)。

序盤のコメディはシンプルに笑えたのですが、ラストの同じスーツを身にまとった量産型ホストに囲まれて祝われるシーンは若干不気味でした。
白昼夢っぽさがあるというか、間違いなくハッピーエンドなのに脳が勝手に恐ろしさを受信してしまいました。

あまりに圧が強すぎて評価が難しいというか、なんだろうこの……説明出来ない謎の感覚(笑)
とにかく作品全体を通して感情の起伏が激しいです。
BLとして萌えたかと言うと微妙ですが、フリーフォール乗ったみたいなガックンガックンする感じが癖になると言うか、唯一無二の魅力がある作品だと思いました。

1

これぞリアルなノンケ攻め

本当の意味でのノンケ攻め。
というと煽り過ぎかもしれないけれど、
数多あるノンケ攻めの中にはどこかしら受けとの関係性から
憎からず思ってたり、逆に嫌悪感を持ってたりで少なからず受けの事を出会いから
「意識はしてる」
というノンケ攻めさんが多い気がします。

そこに来てこの作品での攻めの圭さんは、「仕事として」女性用の出張ホストをしているので受けのなるちゃんとの関係性って全くのフラットスタートなんですよね。

プロとして仕事を全うするのでなるちゃんが「男である」事に対して
自分の普段のお客様である女性と大きくは変わらず特別に想う事は、いい意味でも悪い意味でもナイ。

最初の原点回帰コースも決して嫌悪感で取った対策でもなく、プロとしての仕事を全うする為、として取った行動だったとも思えるし。

一方、受けのナルちゃんの願望である「相手がノンケである事が大事な要素」。
これは、ホントに同性愛者である子達でないと分からないし、彼らに取ってもその重要度は千差万別!
なるちゃんみたいに異性を想うように自分を見ては欲しいけど女としては扱われたくない子も居るし、相手がどう思うかよりも自分が単にノンケの1番になりたい!って子も居るし。。。
これって実は異性間恋愛でも無くはない。
「○○な人じゃないと好きになれない!」という拘りがある人も、「気付いたらいつもこの手の人を好きになっちゃう」…とか。

つまり、なるちゃんのこの願望ってめちゃくちゃ
「恋愛リアルあるある」
だと思うんです。
ほんと、とっても実は【普通の事】だと思うなぁ。

この設定をホントに上手に笑いと話の軸になる想いを「絵」と「セリフ」で魅せてくれています。
特に「小物達を使った絵」での笑い!これはインパクトあって今迄笑った事の無い笑いな気が今でもしています(≧▽≦)

すごく良質なBL作品だなぁー、と改めて思いレビューをカキカキしてみました♪

ちょっとだけ絵の不安定さは正直気になる所でもあるのですが、、、
それを上回る『内容』への満足感が高く『神』評価作品です♡

2

ギャグとシリアスの温度差で風邪ひきそう

独特の温度差が、なんでしょう
学園ハンサムとかでたまにラフが出てきて驚かせてくれるような、それでいていきなりドシリアスしてきて驚かせてくれるような
個人的にその温度差が印象的で、はっちゃけてるなーやったなー!って感じがSUKIです。

・文章で説明しにくい味があるので
読んでみてくださいとしか言えないような…

・でも文章で説明を試みてみると
お金払って出張ホスト予約したのでえっちなのおねがいします!→よーしお兄さん頑張ってしのぐぞー赤ちゃんの気持ちになってねーお母さんのお腹の中にいた時を思い出そうか~えっちはしませんサヨウナラ!→ここから恋愛するかもしれない→「リアルホモ発見」とかいっちゃう周囲の目に泣きそうな受けくんの手を取って二人で夜の都会を走ったり→みんなに祝福されてめっちゃいいかんじでしめるやん!

感情曲線がジェットコースターで振り切ってる・温度差でブワッと盛り上げる演出テクニックのすさまじさを感じました・お化け屋敷でお化け出てきたみたいに感動がきた。そんな体験でした。びっくり箱みたいな1冊でした。

2

ちょっと疲れた…

 
ホスト×大学生の客

始め、この二人のテンションに着いていくのがやっとでした…。
受けもボケるし攻めもボケる。
攻めもカッコイイし色気もあるのにボケる。
そのノリに周りも割と乗る。

かと思えば、受けのゲイとしての生き辛さを味わった過去に真剣になったり…。
雰囲気の切り替えが読んでいてちょっと疲れてしまう、何とも不思議な空気感の作品でした。
クスっと笑えるシーンがある明るめのBLが読みたい!という方にはオススメです。

電子は大きめの白抜き修正。
度々登場したデ〇ルドも修正かかってました。

あと、表紙の金髪受けの眉毛がないのがちょっと違和感が…(笑)

0

笑いあり〜涙あり〜

紫能了先生〜初読み。
笑いあり〜涙あり〜のストーリーだった。

冒頭から、もぉ〜笑ったwww
原点回帰コースがやばいくらい面白い。

成瀬は、ゲイであることで周りから奇異の目に晒され、恋愛に臆病になっていた。
1度で良いから、普通のカップルの様なお付き合いをしたい。この普通に囚われすぎて窮屈な生活を余儀なくされていたが、圭と出会い解放される。

圭は、実家の借金により性感エステの仕事を始めるが。返済も終わっても、自分の事を後回しに生きてきたせいで、ただ流されて生きていただけだった。
しかし、成瀬と出会い〜本当の恋をしる。
ハッピーエンドだけど、これからって所で終わってしまい・・・続編欲しいわ。

脇役のオーナー良い人だったな。

1

攻めが良い奴すぎて…!!

私が初めて購入させていただいたノンケ攻め作品です。今までは「ノンケで攻めって矛盾してないか…?」と思っていてノンケ攻めを食わず嫌いしてましたが、私の中のノンケ攻めの印象ががらっと変わった一作品だと思います。

主な登場人物は、いつもノンケばかりを好きになってしまうゲイの成瀬と、女性専用性感エステに勤めるノンケの片桐の2人です。

ある日、片桐はカップルコースで予約していた女性客が来られなくなってしまったことを女性客の彼氏から当日に伝えられます。女性客の彼氏は成瀬と名乗り、日を改めるよう言おうと思った片桐に成瀬が告げたことは、なんと、「女性にするサービスをおれにもして下さい」というものでした。女性ではないが客であることに変わりはないため断るわけにもいかず、「原点回帰コース」を受けてもらうことにしました。片桐はサービスを最後まで行かせずにサービス時間の3時間を上手くかわすことが出来ました。しかし、とあることがきっかけで成瀬と片桐は再会してしまうこととなり…。

題名の「NYU」の字は、《ノンケ》、《ヤリチン》、《内気》の頭文字を取ったもので、成瀬が初対面の片桐に抱いた第一印象です。成瀬上手いこと言うなぁ…。次第に惹かれ合う二人ですが、その中にはやっぱり思い出したくもないような記憶が絡みついてきます。精神的なトラウマを持ちつつも、それを支え合い乗り越えようとする二人の姿には心が動かされ、うるっときてしまいました。

なにより私がこの作品で気に入ったところはセックスシーンが濃厚ですごく良いところです(語彙力皆無)。受けの棒をフェラするシーンがあるのですが、可愛くちゅぱちゅぱしてるって言うよりは、生々しくリアリティのある描写で見ごたえがありました。また、この作品は白と黒のはずなのにどこか色付いているように見える絵柄が特徴的であり、ひとつひとつのシーンの登場人物が生き生きとしているように見えます。

この作品は結構万人受けするタイプの設定ですし、シリアスな展開だけだと思えばギャグがところどころ入ってくるので、不意打ちで笑わせていただけるところがあります。ノンケ攻めを読んだことがない、ノンケ攻めは苦手、という人にもおすすめできるくらい面白く読み応えのある作品でした。ポップでコミカルな感じの絵柄もあり、読んでいる途中で読み飽きてしまう、ということもありません。是非沢山の方に読んでいただきたい作品です。

4

てんこ盛り

ギャグもエロもシリアスも詰め込まれているのに
ごちゃごちゃしていなくて
最後の幸せそうなふたりが印象的。
笑えるのに感動できる、すごく好きな作品です。

序盤はわりとギャグ要素が多めですが、
ナルちゃんの葛藤や周りの目を気にするエピソードが明かされるとガラリと空気が変わり、
圭の感情もだんだん変化していくんですね。
自分でも知らずに抑え込んでいた気持ちに気付くところ切なさもあって。

圭が仕事を辞める時の大袈裟なほどの祝福も
こっちまでハッピーな気持ちになれて最高でした。

1

表現がすごい

ナルちゃんは周りと違うと気づいてはいても自分の希望を歪めることなく持っていて叶うと思っていたあたり、ナルちゃん自身が善良な人柄なことがよく解る
素直に行動した結果、人の悪意や思い込みからの言葉、当然に隠される関係に傷ついて最後にとデリへルでサービスを受けてそれを思い出に恋を諦める決意をしてしまう

好きな人から愛されて二人でいる時間を特別な親密さを感じながら過ごしたいってだけの希望に対して普通に拘ってとらわれているなんて、普通に男女で恋をしているときに言われることないはず
日陰の存在でいいから付き合ってもらったり、体だけの関係の相手を探して遊んだりすることなら叶うんだからそれでいいじゃんってこと?

被害妄想の場面の表現が見事で、実際のスマホ画面は全然関係ないだろうし、陰口なんて誰もたたいてないんだろうにもうあんな風にしか感じられなくなってしまっているナルちゃんにはあれが世界だってことがよく解った

一方的なサービスを施す仕事に自らをすり減らして求められることをするだけの圭
圭自身が本当は愛情を伝えあう行為だと認識しているから辛いんじゃないかと思える
サービスを提供しても相手は本当に満たされることなどないし、自らにはなにも返ってこない疲れはててしまう頃まではお金すら入らなかったと思うと可哀想でならない

愛されるってこんな気持ちかなって、圭にも思わせたナルちゃん
店に連絡しちゃうのは本当はどうかと思うんだけど…ストーカーと思われちゃったら大変だし
好きになった人に好きになってもらえて、みんなに祝福されて普通に幸せになれて良かった

求めていることがただの普通のことの場合にこだわってるって言われるの変だと改めて思った
断られる、失恋するってのは普通の内だもん
偏見でいじめられるってのがおかしいだけだもの

5

グッときた

成瀬の、恋愛への絶望を感じ取った孤独で愛情深い圭、惹かれあってしまいました。手を繋ぎ『僕だけを見て走って』成瀬の気持ちを思うと泣きそうです。良かったです。

2

サイコホラーBLとしてなら凄く面白い

個人的に面白いとは思ったし、絵も好きです。時々顔が伸びちゃうけど。
ただ「漫画として面白かったか」ではなく「BLとして萌えたか」という点においては一切の萌えがなかったのでこちらの評価。

終始いろんな意味でテンションが高く、登場人物や画面(絵面)の方向性が喜怒哀楽の感情にせわしなく極端にガンガン振り切れていくので、パニックムービーっぽい。だから読んでいて不安になる。
攻めと受けの精神が不安定過ぎて、このまま叫び出して窓から飛び降りでもするんじゃないのかと思っていたら、突然理解者たる経営者とその従業員が主人公達を取り囲み今までの流れを無視して「ハッピーエンド!!!!」と大声を張り上げるような強引に締めるスタイルで(実際に叫んでいるわけではない、念のため)、読了後はなんだか言い知れぬ恐怖心が残る。

最後に恐怖心が残るのは、それより前に街中で手を繋いで通行人に白い目で見られる、そしてそれに対し「他者と違う位置づけに置かれた状況」に慄く、という攻めの描写がかなりパンチ強めに描かれているのも一因。
あのシーンを経てからの、人前式のようなキスシーンの締めは、こちらに「……まさかどこかのタイミングで二人は死んだ? 死にゆく攻めか受けの幸せな妄想?」と思わせるような一種の異様さがある。

エピソードのひと塊ごとに、まるで別人みたいな精神不安定さが攻めにも受けにもあるし、やたら叫びだすところが現代邦画っぽい。
「出口と入口のテンションを揃えればなんとなくまとまって見える」という手法が、よりサイコホラー感を演出している。

6

笑ったり泣いたり感情が大忙し&大満足

お初の作者さんでした。
デビューコミックだそうですが、これには驚きです。
表紙の感じがちょっと苦手でしばらく眺めていましたが、評価の高さに惹かれて読んでみました。

1話、2話はとにかく笑えます。
成瀬もハイテンションだし、圭の対応力高すぎ。
スイ◯ーバみたいな浮き輪も笑ったし、ディルドメリーは驚いた∑(゚Д゚)
無影灯から触手が出てんのかと思ったよw(白抜きだから余計にね…)
ハンドミキサーと間違えたやつも…威力抜群でした。

あぁ、この作品は突き抜けたエロコメディなんだと思ったところにシリアス展開。
男女の恋愛のように自分も「普通」に恋愛がしたい。
そんなシンプルな事が自分には難しい事を知った成瀬の悲しみ・絶望感が、迫力ある絵からビシビシ伝わってきて胸が痛くなりました。

圭も誰かに愛されたいと、人知れず孤独を抱え込んでいて成瀬の真っ直ぐさ、健気さに惹かれてそのまま溺れたい気持ちと、仕事のせいで恋愛など出来ないという諦めの狭間でもがく様が切なかったです。

ホテルから駅まで2人で走るシーンは本当に素敵でした。
その後一度離れる2人でしたが、2人のキラキラした未来を占っているようでした。

内容の濃い作品ですが、エロもまあまあ濃厚でして…ホントにデビュー作なのかと。
作者さんの新刊が出るようなので、そちらも楽しみにしています!

1

心の準備を!

内容と絵柄、どちらも振り幅がすごいです。

ギャグから始まって、途中はとてもシリアスに。
可愛い絵とふざけた雰囲気のデフォルメが、突然少年漫画のような勢いのある絵に。

これらの振り幅に耐えられる気がしない人にはあまりオススメしません。とはいえ、ストーリーは最高なので少しでも気になる方は是非読んでほしいです。

同性愛に悩み向き合う作品が好きでBLを読んでいますが、こんなことを考えているのが申し訳なくなるくらい、深く「マイノリティな恋愛」に向き合ってくれます。

笑いあり、涙あり。
これはBL漫画です、と潔く一言では表したくない。
そんな作品です。

8

これもいわゆる運命というものだろうか

各所で評価高いのは聞いてたので
いつかは読みたいと思っていた今作であります。
面白かった。
コメディかつシリアス。そしてエロス。
ちょっと不思議な組み合わせが上手く溶け合った感じですかね。

女性相手の出張ホスト。
カップルの依頼だったはずが、現れたのは男一人。
女と同じようにしてほしいと言われるが・・・。

最初想像してたのは、小さいほうがホストだと思ってたので意外だった。
男相手のホストでもないわけね。
あからさまに嫌な顔をするのも、挑戦的な表情をみせつつ
時間にシビア、お仕事って感じの前半戦。
少しずつ変わっていく様子と、お互いに抱えている心と性の葛藤。
もう少し先の二人も見たくなる1冊でした。

他の作品も読んでみたいな~

2

おもろい&意外と深いい

とあるマンガサイトで試し読みをして、「なんだコレ、おもろそう笑」と気になって即購入。

最初はクスッとかじゃなくて、ブファッって笑っちゃうようなギャグもりもりです。ギャグ路線の漫画なんだろうなーと読み進めていくけど、途中から受け攻め共に悩みがあって深い部分の話も加わってきます。あと、エロはめっちゃエロいです。なんか絵がつやっつやしてるんですよ。ちょっと見てみてください。

マンガの帯にも記載されているのですが、「ギャグとシリアス&エロが交錯する」まさにこれです!ぜひ読んでみてください!!

2

振り幅が激しい

絵も話もギャグとシリアスの振り幅が激しくて、私はちょっと置いてけぼり感を感じてしまいました。
どちらかに特化していたらまだ物語に入り込めたのかと思いますが、アップダウンが激しくてついていけなかったというのが正直な感想です。
ただギャグもシリアスもどちらも楽しみたい!という方には二度おいしくて刺さるのではないでしょうか。

夜の街を二人で手を繋いで駆け抜けるシーンはとても綺麗で生き生きしてる様が感じとれて良かったです。
エロもエロくて色気がありました。

2

笑うか、泣くか、どっちかとかムリ

ギャグとシリアスのメリハリがすごい!
ギャグは潔いほどに突き抜けていて笑っちゃうし、
シリアスは息苦しくて泣き叫びたくなってしまう。
乱暴なくらいに感情を揺さぶられる1冊でした。

〈女性専門〉の性感エステで働くホストの圭が客との
待ち合わせ場所に行くと、そこにいたのはなぜか男。

その男・成瀬は彼女が来れなくなったため
自分一人でサービスを受けたいと言い出し、
圭が一度は断ったものの成瀬の粘り勝ちで
結局なし崩し的に二人でホテルへ向かうことに。

けれど、のらりくらりと躱し、適当なサービスでその場をやり過ごす圭。
案の定、成瀬からはクレームが入り、しかも、後日偶然にも再会してしまい…

成瀬が嘘をついてまで女性専用の性感エステにこだわった理由が
普段の明るい笑顔からは想像できないくらいに重く、根深いものでした。

「誰がオレなんか好きになるかよ!!!」
という成瀬の悲痛な叫びが突き刺さる。

本を読みながら顔を顰める、という珍しい体験をしました。
それくらいにこの場面の成瀬は痛々しい。

こんなにも自分を追い詰めて、もし、圭に出会えなかったら
この子はどうなっていたんだろう…と想像してぞっとしました。

同性から女の子と同じように愛されたいと望む自分を病気と蔑む成瀬。
ホストとして働くうちに感情が摩耗し、自分を蔑ろにしようとする圭。

満たされない心。心にぽっかりとあいた穴。
どこか似たような孤独を抱える二人。
だからこそ、互いに寄り添い合い、互いに欲しいものを与え合える。
成瀬が出会えたのが圭で良かったのだと思います。

最後は即席のバージンロードが敷かれ、即席の神父(店長)と
同僚たちの前で誓いのキスを交わす圭と成瀬。
突然の即席結婚式にびっくりしたけれど、とっても粋で
ロマンチックな展開にうっとり、ほっこりしながら読み終えました。
何よりちょっと照れながら微笑み合う二人が幸せそうだったのが嬉しかった。

描き下ろしでは初めての圭のおうち訪問でイチャつく二人。
プロのホストで、攻めスイッチが入るとめちゃくちゃ格好良いのに、
成瀬と二人きりだと初々しくなっちゃう圭が可愛かったです。
この二人にはこれまで苦労してきた分、めいっぱい幸せになってほしいな。

2

エロ…

こんなに読んでいて笑った作品は久しぶりでした!
クスッではなく、爆笑です。人前で読むのはオススメしません。
そして、エロがエロいです…もう普段のBLのよくあるポーズじゃないものも沢山あって、作者さん美術やっているのかな?と思う程凄いです…!!
紙本を強くオススメします!
…たまに顔と身体のバランスが不安定にもなりますが…。魅せる部分はめちゃくちゃ綺麗でかっこいいですよ。

ストーリーもまた、よくて見せ方がお上手です。
皆さん、おっしゃっていますが私も駆け抜けるシーンがお気に入りです。














紙本購入
修正は黒短冊です。(書き込み凄いので紙がオススメ)

6

胸にじーんときて、清々しい

久々に読み返して、今、あり得ないほど胸が熱くなっています。
本棚整理したいのに、改めて「これは手放せないな」と思い知らされる。
きゅんじゃない、じーんとくる作品です。

出張ホストとして客のあらゆるニーズにも応えてきた片桐。
本番はなし、それ以外ならSMでもカップルコースでも何でもあり。
そんな女性専用ホストの前に現れた今日のお客さまは…。

男でした。

「男性に女性のように愛されたい」
ただそれだけの願いが叶わない。女性が女性というだけで与えられるものが、自分には一生手に入らないのかもしれない。
成瀬の願いはきっと多くの同性愛者の方が一度は思ったことのあるものではないでしょうか。好きな相手が同性というだけで奇異な目で見られる。世間一般ではないから恥ずかしい、ひとには言えない、分かってもらえない。
自分は好きな人ができても、人前で手を繋ぐことすら叶わないのに、外に出れば当たり前のようにそういうことをしている男女はたくさんいるわけで。

自分は違う。
自分は間違っているのかもしれない。

そういう思いを断ち切りたくて、これからずっとひとりで生きていけるように、一度だけ、お金を払った嘘の関係でもいいから願いを叶えたいという成瀬の気持ちが痛いほど伝わってきました。

片桐は親の借金返済のために出張ホストの世界に入って10年。
客の不満を解消するために、また晴れやかな気持ちで外に出ていけるように。それだけのためにサービスをしてきたけれど、結局客の不満はいつまでもなくなることはなくて、同じことに繰り返しをするだけの日々に、与えるだけ与えても、まだ欲しがるひとたちを目の当たりにして、無意識にこころがからっぽになっていっています。

構成がすごく巧いなあと。
「NGを侵した迷惑な客」をやんわりあしらうための原点回帰コースだったけれど、これがラストまで効いてます。
サービスのやり直しでからだに、こころに、過去に触れて、「ニーズに応えるため」だけでなく「叶えてあげたい」と片桐が思うようになっていく姿が表情に全部表れていました。
そこからの「走っている間は俺だけを見て!」と手を握って、新宿駅まで走る2人のシーンは絶対に見てほしい!!
周囲の目がどうしようもないほど気になっていた信号待ち、青に変わって走り出した瞬間、走っているうちにつらいだけだった過去をどんどん追い抜いて、置き去りにしていく様子、目の前には片桐がいて、ただただ周囲にはキラキラ輝く光しか見えなくなって…。
秀逸です。秀逸すぎました。
あの瞬間、原点回帰が終了して、生まれ変わることができたんだなと気付いて、感動が嵐のように押し寄せてきました。

ラストは笑いに流れてますが、ほのぼの温かい気持ちで読み終えることができました。
ぜひとも読んでほしい。
2人で駆け抜ける瞬間だけでも見てほしい。
素晴らしい作品です。
初読時に評価だけ入れていたようで「萌2」で確定してしまっていますが、今なら「神」評価にしたい作品です。

3

分かりにくいtitleで損しているかも

書店員がガチでオススメ!煩悩108冊!にあったので、読みました。

ゲイを隠して、実らない片思いをずっとしていたナルセ君は、普通の恋をしたかった。
普通の恋が出来ない理由を「病気」と思い込んで苦しんでいる。
夢をかなえる為にやってみようと依頼をしたのが、女性専科の恋の出張カウンセリング。
待ち合わせをした担当者が、似た寂しさを持つ人。
ここから色々展開して、社長が理解者だったりで、ハッピーエンドでおさまった。

完結場面の二人の台詞で、物語が分かると思います。
「もう独りなんかじゃないんだね」
「この生き方でよかった」
「心が通い合ったキミと一緒なら・・・」

なるちゃんの心が明るい方へ向かうように、祈りながら読んでしまった。
良かったです。
神評価。

2

なぜもっと早く読まなかったのかと後悔

購入後、何年も積んでいた一冊。
なんでもっと早く読まなかったんだろう。
めちゃめちゃ良かったです!


ノンケの男子しか好きになれない成瀬。
女の子になりたいわけじゃないのに、女の子のようにして欲しい。
でも、それって普通の恋愛を望んでるってことだと思う。
何もおかしくない。
ただ、恋愛対象がノンケボーイだってこと。

風俗で言われた、「病気だよ」の一言。
この言葉がずっと成瀬を苦しめてきたんだと思う。
世間の「普通」からはみ出してしまったこと。

もう恋愛は諦めてしまった成瀬の区切りが、出張ホストだったんですね。
しかも女性専用の。

待ち合わせ場所にやってきたのは、ホストの圭。
初めは戸惑い、適当なサービスでごまかします。

偶然の再会、お詫びのサービス。
その中で、成瀬という青年の深層心理を探っていく、まさに〝原点回帰〟
それと同時に、圭の中の葛藤や寂しさが浮き彫りになります。

お金のために始めた仕事。
借金を返し終えたあとに残ったのは、虚しさと自分への諦め。
愛に飢えていたのは圭も同じだったんですね。

二人は共感して共鳴する部分があったんだと思う。
前半のコミカルなやり取りからの、後半の切ない展開。
このギャップがあったからこそ、より二人のシリアスさが際立ったと思います。

「好きになることも 愛されたいと思うことも 自分らしく生きることも」諦めちゃダメだと言う圭の言葉は、きっと自分自身への言葉でもあったはず。

手を取り合って雨の中、新宿の街を駆け抜ける二人が輝いて見えました。
出会えたことが奇跡だと思える素敵な二人です。
タレ目なビジュアルも好みで、既に何度も読み返してしまっています。
次回作も楽しみです。

4

2人は帰っていくのです。

出張快感エステの客とスタッフとして出会った2人。
サービスを通して触れる相手の体温、表情、感情。
1度だけの関係が、町で偶然出会った時にお互いのカバンが入れ替わったことで再びの運命の歯車が回りだすお話。原点回帰がテーマ。

笑って泣いて。感情のジェットコースターで情緒不安定になりかけました。
前半ほぼ笑ってましたが正直なんといっていいのか分からないです。
ただ望むのは2人の幸せです。

物語後半。成瀬が傷ついた心を初めて受け止めてもらえて2人で溢れた水の底へ沈んでいく。
でも無情の電話が鳴り響く。美しくてでも別れ合図。
きっと本当にこれきり。町の中を人々の目がある中2人で手をつないで走るシーンはこの世界にもっとありふれてよいものだと思います。
ここはぜひ見開きで読んでほしいです。


単身成瀬がお店に飛び込んできたところは突然で不自然な感じもしましたが、多分これくらい強引じゃないと圭も素直になれなかったのかもしれません。
そして出張ホストの店長は本当は圭を辞めさせてあげたかった。でも自分のために生きられない圭を一人にはできなくて。やっとその時がきたのです。ホスト仲間の人たちもとっても良い人たち。
一瞬で事務所が教会に早変わりしたのはちょっと心が追いつけなかったですが、その先にはずっと待っていた2人の笑顔がありました。
スタンディングオベーション。

本当に読めてよかったです。嬉しい。


ミニ感想
ギャグとシリアスの流れが好き。
ベッドメリーならぬデ〇イルドメリー。夢に出てきそう。一度見てほしいです。
圭の悪い顔。一瞬ホラー漫画かと思いました。
絵、会話のテンポ、構成どれも好きです。


プレイ 
エロかったです!
泣きながらエロ読むってなかなかない体験をしました。
・赤ちゃんプレイ(原点回帰コース)
・挿入 2(書下ろし含む)
・騎乗位 1
・修正黒線(紙媒体)割とモロです



1

王道だけどディープ

スパダリ攻めと健気な大学生受けという王道なCPですが受けの成瀬くんと攻めの片桐さんは互いに心の中に抱えているものがありとても深い心理描写が素晴らしかったです。普通から解放された成瀬くんに歓喜の思いでいっぱいです。繊細なストーリーではありましたが、ギャグシーンはとてもシュールで笑いがじわじわと込み上げてきます。ベビーベッドに付ける回転するやつ(語彙力皆無)が全部ディルドになってたのはさすがに噴き出しました。二人が付き合い始めて成瀬くんが初めて片桐さんの家を訪れた時にクローゼットにあった玩具や拘束具を成瀬くんに見られてしまった時の片桐さんのごまかし方も面白くて最高でした。

1

ネタバレなし

シリアス一辺倒だったら、重すぎて辛かったかも。ちょいちょい織り込まれるギャグや、主要キャラが見せる明るい笑顔に救われます。基本明るいタッチで描かれていますが、互いにほの暗いものを持って生きてきた同士が巡り合って、愛を深めていく物語。脇キャラも根は良い人物として描かれていて、温かい気持ちになれました。後日談も読んでみたいですね。

0

喜怒哀楽たっぷり、ハッピーエンドへ!!

紙本
修正…黒短冊
カバー下…あり(キャラ設定、あとがき)

2

かっくいいホスト攻め様

連載時から大注目だった作家さん。単行本化ですぐに購入しました。

ゲイの大学生、成瀬は、一度の思い出にと、女性と偽って出張ホストを依頼する。なかなか現実世界で相手を見つけられない葛藤に苦しむ若者。
そんな成瀬のところに派遣されてきたのは、ナンバーワンホスト、圭。さすがのホストです。相手の心によりそい、お客さんをいやしてあげようとするテクニック、心意気がかっこいい。しかし、勘違いしてはいけないのですよね。これは商売であって本物の恋ではない。。

しかし、サービスで気持ちよくする、のではなく、ゲイとして苦しむ成瀬の話を聞くうちに、その心を本当にいやしてあげたいと思う圭。自分も心を殺して仕事をしていたはずなのに、いつの間にか成瀬の心からの訴えに心動かされるように。

途中、成瀬と圭の荷物が入れ替わり、アレな道具とケーキミキサーが入れ替わったシーンは大爆笑でありました。

また、圭の仕事先が温かく二人を祝福する場として描かれ、いい雰囲気でした。
今後にも期待!

1

ぜひ読んでください。

NYUの意味がそうだったのか!なるほど。

人気作なので期待して読みました。
絵が時々激しくて少年マンガみたいでした。

成瀬が痛々しくて。自分がゲイかどうかはわからないけど、普通にカップルみたいにしたい。女の子みたいに扱ってほしい。切ないです。
お約束のイジメとか。

もっと大人になったり相談できる人がいたらと願わずにいられません。
圭の言った普通に拘る病気、いいこと言いますね!

圭と成瀬がお互いの葛藤と孤独に浸って。心が惹かれ合って体がお互いを求めて。

圭にもこの仕事につく事情があり、ある意味投げやりになって満たされず苦行でもあったのですね。圭も優しい人です。成瀬の心の内を理解してくれ向き合ってくれて。
前回だって突っぱねて終わりじゃなかったし。

そして成瀬にとって至福の時間でしたね。愛してくれてありがとうって。いい子じゃ!

圭が駅まで俺の事だけ見てって手を繋いで走るのもとっても良かったです。
街の人達の反応がキツかった。
でも圭が成瀬に病気なんて嘘だったね、生き生きしてるよって。うう、もうダメ。泣かせるわ。

成瀬が圭の職場にこれまでの経緯を話してしまいどうなるかと思ったら店長さん、粋なことしますね!

初めて部屋に好きな子を入れる圭。これからずっとそばにいて愛し合ってちょうだい!

初めは絵がちょっとと思いましたし、成瀬が慟哭する所は激しかったですが、それ以上に二人のふれあいや心が結ばれる様子にギュンギュンしました。
タイトルから軽めのお話かな?と思ったらいい意味で裏切られました。

ぜひ読んでください。

3

愛を得られない孤独の切実さ

感情の波、ギャグっぽい所と思いっきりシリアスな部分の振り幅が大きい作品です。
読み終わった後に作者様のインタビューを読んだのですが、作者様の想いはしっかりと作品に表せていると思います。
「普通」とは何か。
「愛」って何か。
「触れ合い」ってどんな感じなのか。
そういうことにつまずいて苦しんでいる青年の、切羽詰まった最終段階の必死の願い。
はじめは訳も分からずお茶濁しの対応をする出張ホストだったけれど、彼の真剣すぎる想いに触れて自分自身の押し殺していた気持ちも一緒に抱きとめていく…
…というようなお話と取っていいのでしょうか。
ナルちゃんの悩みは彼にとっては切実で、一人だけで抱え込んでいくのは本当に苦しいと思う。
女になりたいわけではなくても、女のように男の人に優しく抱いて欲しいという気持ちを女性専門の性感エステで実現させようとする…この気持ちがすでに切ない。
「誰がオレなんか好きになるかよ‼︎」という叫びには胸が痛くなりました。
一方ホストの圭の方も自分で感情を麻痺させているような節もあり、ナルちゃんとの出会いで心を揺さぶられる様が良かったです。
激しい感情の起伏のあるストーリーに対して、エロシーンはかなりなエロさだと思う。アナニー経験者のナルちゃんだけど、Hは初めてだったはずなのに描き下ろしではもうスゴい。
次回作も大いに期待です。

3

盛大に泣いた。

突き抜けたギャグトーンで始まる本作、よもやこんなに泣かされるお話に展開していくとは。
新人作家様ならではの勢いと熱量に心揺さぶられる感覚と、ストーリーそのものに泣かされる感じが合わさって、3話目から思いっきりボロ泣きでした(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
笑って泣いて、読み終わる頃には心がカラッと晴れ渡るような感覚。
共感できるセリフ、いっぱいありました。

特に私の中で印象的だったシーンのことを。

それは二つの“こぼれる”シーン。
一つはナルちゃん(受)の心のダムが決壊するシーン。
ナルちゃんは今にもこぼれそうなんだけど表面張力でギリギリこぼれずに保たれているグラスいっぱいの水の上に立っている。そこに圭(攻)の言葉が優しくヒビを入れてあげて、グラスは割れる。当然水は勢いよく流れる。
このシーンだけならよくある表現かもしれません。でも次に出てきたもう一つのこぼれるシーンでどうしようもないほどグッときてしまったんです。
それは圭がマッサージオイルの入ったビンを倒すシーン。
ハッキリとは描き示されてはいないけど、これは圭の心のダムの暗喩だと思うんです。
ナルちゃんとは違い、圭のダムはあのビンの中身のように倒しでもしない限りはこぼれないくらいに減っていたんだけど、それでも倒せばこぼれるし、こぼせるんです。
ここにすごいハッとしてしまった。
そこから圭が一気に心の内をぶちまけるシーン、ナルちゃんのシーン以上に涙無くしては読めなかったです。

この作品の良いところは、「普通じゃない」ことをセクシャルマイノリティに限定していないところだと思います。
ナルちゃんはノンケの同性を好きになってしまうから恋愛を諦めてるんだけど、圭の方はまた別の理由で恋愛を諦めてる。
そういう2人が出会った、ということが2人にとって意味があった。
そして、ナルちゃんのようにギリギリの状態で自分には無理なんだから諦めろと言い聞かせて諦めてる人もいれば、圭のようにすでにそんな葛藤すらも失くして諦め切ってる人もいる。
「普通の恋愛」は出来ないから、諦めざるを得ない。それは仕方がないことだと思っている。
諦めなきゃいけない人たちを生み出す「普通」って何なんだろうね。
ナルちゃんの「愛されるってこういう感じ…なのかな」ってセリフが突き刺さりました。
その後に描かれる、ナルちゃんがこれまで向けられてきた好奇の目を圭が身を以て知る場面が苦しいです。ああ、こういうことかと、本当の意味で圭は知ったのでしょうね。

欲を言うなら最終話の前にあともう1,2話欲しかったなぁ。3-4話の盛り上がりから一気に終わってしまったのがちょっともったいなく感じました。

とはいえ迷わず神付けたい面白さ!
ユニークな作風ながらも解りやすく共感しやすい叙情詩的なところが良いんだろうな。
またお一方、今後を追いかけたい作家様がデビューなさいました♪
引き出しが幅広そうなので、次はどんなものを読ませてもらえるのか楽しみです!


最後にちょっと電子版のこと。
これ電子はオススメできないかも。
繊細で綺麗なトーン仕上げの肌なので無粋な白抜きに腹が立つってのもあるんですが、それ以上に、本作は「擬似恋人セックス」という設定がお話上大事な意味合いを担っているので、白抜きだとエロシーンっぽさばかりが強調されて印象を変えてしまっていると感じました。(紙版だと黒棒線)
白抜きされることでかえって要らない卑猥さが足されてしまうこのジレンマ、ほんと悩ましいなぁ~_~; どうにか出来んもんかねぇ。。

16

誰だって人を好きになって良い、愛される資格を持っていると教えてくれる1

前半はギャグ要素が盛り沢山です。
ディルド尽くしで思わず吹き出してしまいました……

後半はひたすら胸が苦しいです。
2人が手を繋ぎ雨の中、新宿の夜の街を駆け抜けるシーンは、涙なしでは読むことができません。

――「普通」って何だろう??
私達が普段何気なく使用する「普通」という言葉。
この作品は、「普通」という言葉の持つ凶器のような部分を、見つめ、考え直させてくれます。

誰だって人を好きになって良い、愛される資格を持っていると教えてくれる1冊です。

5

シリアスと笑いのバランスが絶妙

ちるちるさんの記事を拝見して、面白そうだなと思って購入。内容はすでに書いてくださっているので感想を。




前半はギャグ要素が強く、コメディよりな作品だと思って読み進めましたが、後半から一気に見えてくるシリアスな展開に圧倒されました。

好きになるのはいつもノンケさん。本気で好きになっても振り向いてもらうことはない。
と、恋をあきらめているコウジくん。

家庭の事情でホストという仕事を始め、今では「人を愛する」という気持ちを忘れてしまった圭さん。

男同士という葛藤がきちんと描かれ、思わず涙腺が緩むシーンも満載。
でも、所々に挟まれるギャグシーンが、シリアス一辺倒な作品にしてはいない。

この作品がデビュー作とのことですが、とてもそうとは思えないストーリー展開になっていると思います。

ただ、しいて言えば、後半の流れがご都合主義すぎるな、という感想も持ちました。

コウジくんに出会ったことで、圭さんに血が通いだした、という展開は非常に良かったものの、借金を返し終わった圭さんがホストという仕事に縛られる理由は何もない。なのに、あの店長さんの対応もやや上滑りしている気がしたし、モダモダと恋をしていた二人が一気に恋人という形に収まったのも失速感を感じました。

が、全体としては非常に上手にまとまっている作品かと思いますし、絵柄も個性あふれる感じでよかったです。なにしろダダ洩れな色気がスゴイ!

次回作も楽しみにしていたいと思います。

1

自分の心の内側への原点回帰。誰もが誰か、愛し愛されて生きるのさ。

こんなタイトル(失礼、ごめんなさい。)の割に、いつまでもランキングにあるなぁ〜って気にはなっていて。電子の試し読みを読んでみたら、気楽に笑えて楽しそう♡ って、思ったので買ってみました。他の方も触れてらっしゃいますが、このタイトルは無いんじゃないか、と読み進めるうちに私も思ったのですが、読み終えてみれば、これはこの素晴らしい内容を微塵もネタバレしないが為のギミックだったのでは?と思えるのです。素晴らしい‼︎ 笑って、いつの間にか泣いてしまっています。ヤラレタ‼︎ としか言いようがありません。そして、温かいものが込み上げて来る…。
掴みは、ホントに笑わせてくれる。女性専用のデリへルにカップルコース(3P)で申し込んだ成瀬は、「今日は彼女は生理で来れなくなった」と言い、2人分の料金を払うから自分にサービスをしろと無茶を言う。イケメン・ホストの圭は、いや女性専用だから無理!と一旦は断るが、押し切られる形で付き合わされてしまい…。そこは大人の男、時間まで適当にあしらって(ここ、笑わせてくれます!)結局逃げてしまう。後日、クレームという形で店の方に連絡が入る。
そしてまた、偶然のイタズラで2人は会うことになる。成瀬はどうして、女性専用のデリへルに連絡をしたのか。圭はなぜ、この仕事をしているのか。2人は果たして恋をするのか。

ゲイであることへの偏見、(この物語の主人公としては、ゲイだと言い切れないところもあるのだが。)社会的な生き辛さ、特にラスト周辺での街行く人たちの白い目にゾッとさせられます。
世間がいくらそうだとしても、自分の心のままに生きていくこと。愛するということ。大切なこととは何か。を、見つけて行く物語。それが胸に迫って来ます。
読み終わった後には、私の頭の中には小沢健二の「〜いつだって可笑しいほど誰もが誰か、愛し愛されて生きるのさ♬」が、あっけらかんと鳴り響く。幸せな気持ちのエンディング。

これがデビュー作って、楽しみ過ぎます!絵は他の方も触れてらっしゃいますが、確かに安定してないかもですが、圭がちゃんとイケメン(人気ホストだが、結構オトナってのがわかる‼︎)なのが良き♡ 決めるとこではちゃんとイケメンなのが見て取れます。
ランキングイン、とっても納得します‼︎ ぜひ読んで確かめて欲しいです。
読めて良かった‼︎

0

絵のタッチが独特で気持ちがとても伝わってくる

他の方もレビューしているように笑って、泣けてほんとにいい作品でした!
帯から面白くて読んですぐ吹き出しました
( ^o^)<
でも物語が進んでいくにつれてシリアスな感じもしてきてほんとによかったです!
あと、絵が綺麗です!
途中で、ちょっと怖いシーンがあるんですけど、(←私にしたらですね笑)
圭さんが成瀬くんのことを引っ張って走るけど周りの目が気になってしまうというシーン。そこの絵のタッチがとても印象的で、成瀬くんの怯えるような表情や成瀬くんから見た周りの怖さ(?)だったりがとても伝わってきました。

デビューコミックスとは思えないほどで本当にこの漫画にも惹かれたし、漫画家さんにも惹かれてしまいましたヽ(*´∀`)ノ

9

笑いあり、涙あり。

はじめは「くすっ」と、笑って読めたんだけど、話が進むにつれて内容に引き込まれていきました。コウジ君のトラウマに胸が苦しくなりました。ですが、少年漫画ちっくな絵にちょっと戸惑ってしまって、違和感が…
最後は、ハッピーエンドでよかった。

1

面白いけど

設定も面白く、笑いあり涙ありの作品でした。しかしストーリー重視の方にはあまりおすすめできないかなあといった印象。あと絵柄の振り幅が場面によって大きく、すごくかわいいなあと思うこともあればクセがつよいなあと思うことも…。好き嫌いがはっきり分かれそうな作品でした。

3

表紙やタイトルのイメージを捨てて読んで欲しい

 まずは表紙から想像できない画力の高さに驚きました。表紙も十分綺麗なのですが、イメージしていたタッチの方向性と全然違うというか、洋画っぽさを感じさせるような大人なタッチなんです。特に攻めの片桐の顔がドンピシャでタイプでした(笑)。そして、タイトルでイメージできる範囲からもストーリーがかけ離れていて、ある意味衝撃を受けました。ついついエロに重点を置いた、スパダリ系攻めと絆され系受けの快楽漬けの物語だろうなぁなんて想像していたのですが、180度異なっていました。

 端的に言えば、ずっと女性用風俗で働いてきて自分の感情を出せなかった攻めと、ノンケの男性に女性相手のように愛されたいと願い続けてきた受けというまともに恋愛できなかった者同士が、初めてお互いに本心から愛を通わす物語といったところでしょうか。表紙の片桐がどうにもドSなスパダリ系男性に見えてしまいますが、むしろ優男で彼もずっと自分の仕事に満足できないまま生きてきました。ノンケ相手に恋してしまう成瀬を救うことで、片桐もまた成瀬の真っ直ぐさに救われるんですね。思わず噴き出すような笑えるシーンも多いんですが、それと同じくらいぐっと読者を引き込むシリアスな演出も多くてとても印象的でした。特に片桐が成瀬を引っ張って、2人で手を繋ぎながら街を走り抜けるシーンが大好きです。最後に成瀬の働く風俗店の社長と従業員が皆、2人をお祝いしてくれるシーンはちょっと都合が良過ぎるようにも感じましたが、それを差し引いても十分に読み応えのある作品でした。さらに濡れ場も、片桐の表情が色気たっぷりで満足感がありました。

4

"普通"を共有出来る人

女性専用デリヘルに偽って予約したナルちゃん(成瀬コウジ 受)が、仕事と分かっていながらもNo.1の圭(片桐圭 攻)と過ごした3時間をきっかけにして、2人で悩んで恋して答えを見つけるお話です!本当の自分が何者かわからない2人が、感情を互いにぶつける姿にすっごくグッときました(^^)一冊に濃縮された感動が涙腺を破壊し、非常に面白くて魅力的な作品でした!!超オススメです!

ノンケにばかり恋をするナルちゃんは、自分がゲイなのか分かりません。男性は好きだけど、女性のように扱って欲しいわけではなく、ただ好きになった人と恋愛がしたいだけ。片思いの経験がある方は分かるかもしれませんが、"何故自分じゃダメなんだろう"っていつも感じて、恋愛を諦めています。"普通"の、他の人が当たり前にしている"恋愛"がしたい。そんな事私自身感じたことがなかったので、ナルちゃんの話を読んでいて、共感ではありませんが切なくなり泣きそうになりました。自分の常識は他人の非常識、自分は他人の物差しでは測れない、まさにそんな感じです。溢れたナルちゃんの感情は純粋で美しくて、汚い欲深な自分が洗われるようでした。

そんな溢れたナルちゃんの感情が注がれた"大きな器"が圭のように感じました。自身を"病気"だと思っているナルちゃんに対して、"ここでは君は普通"だと優しく思いを受け入れてくれる圭。でも同時に、自分自身は空っぽで何もないということを自覚してしまいます。空っぽというか、仕事をする上で"自分の気持ちは邪魔"と思っていて、それの延長で、自分自身を大切にはしていなかった事に気がついたなと思いました。ナルちゃんと出会って満たされていく圭は、ナルちゃんが圭に救われたように、ナルちゃんに救われていたんですよね(^^)無い物ねだりじゃないですが、互いに無かったもの、心の隙間を愛で満たしてくれたんだなって感じました!

圭が勤めるデリヘルがなかなかナイスな演出をしてくれて2人は結ばれます。家庭の借金のために体を売る仕事を始めた圭、今までの人生も色々あったと思いますが、その色々な時間が彼の人柄を作り、信頼を得て、この素敵な演出が生まれたんじゃないかなって思うと、彼は自分の気持ちは邪魔とか自分は空っぽだなんて言ってましたが全然そんな風に感じませんでした。ラストまで泣かせる内容です!!

描き下ろしは圭がナルちゃんを自宅へ招き、ラブラブします(*´꒳`*)

すっごく素敵な作品なので、ぜひぜひ読んでいただきたいです(^^)!

9

コメディ色強めのシリアスストーリー

ゲイだけど「普通」に恋愛したい受けと女性専門のデリヘルボーイをしている攻めの限りなくコメディに近いシリアスなお話。
というか基本的にはシリアスなんだけど、コメディ要素がふんだんに入れてあるから重すぎなくてちょうどいい。エロシーンは最高にエロいし、攻めの眉間のシワの書き方がかなり好き。最後の社長のキャラが思ってたのとは全然違うのと、少女漫画のような誓いのシーンに自分的にコレジャナイ感を感じてしまったので萌1つで。

4

笑った!

久々にこれは買ってよかったと思った!
もちろん作家買いの先生達の新刊は毎回買ってよかったと思うけど紫能先生はデビューコミックスで初めましてだったのでどうだろ〜と思いながらだったけど本当に笑った笑った!
笑えたし切ない。
あんなに笑ったBLは久しぶりすぎてみんなに見て欲しいと思ってしまった…
続編を希望したい。

9

どっちも王子様だね

自分を偽ってホストを呼び、女性と同じサービスを受けようとした学生と、彼に呼ばれたデリヘルのボーイ。「N」ノンケ・「Y」ヤリチン・「U」内気なボーイという第一印象から「NYU BOY(ニューボーイ)」なんて命名されますが、実際は…。

好きになるのはいつもノンケ男子。でも男女カップルみたいな恋愛がしたい!一生片想いかもと悲観してしまう時もあるけれど、根はポジティブ体質っぽいナルちゃんが、ラストまで抱きしめたくなっちゃう可愛さを放ってましたね。いつも自分でしてるからいざHシーンとなるとめちゃめちゃエロくなるし…。間近でゴムをつける圭を見て、そのかっこよさにキュ〜〜〜ンとなっちゃうも、ちゃんと男子でした♡

ホストの圭は、自分の将来への気持ち、日々の感情と向き合うこと自体やめてしまっているようなところがあってー。長い間彼女はおらず、でも仕事一筋でやってきた真面目な人なんだろうな。彼がナルちゃんにあげた言葉たちはまるで自分に向けているようで…。実はカウンセリング"されて"いたんじゃないかと思えるようなシーンが印象的でした。

お互いが、自分にとって大切なことを、本音で語り合いたいと思える初めての相手に出会った。ドラマティックな展開大好物なんですが、いやぁとにかくお笑いの部分が印象に残るというか…。お話はエロメインじゃないと思いましたが、Hシーン描写は局部がはっきり描かれているのもあり、黒線入ってても隠しきれてない感じです。気持ちの入ったエッチ、よかったな。

さて、ナルちゃんの粘りが功を奏してというべきか、めでたしめでたしなエンディング。楽しく読みました!個人的には脇キャラ社長の言動が雰囲気に合わない気がして、ラストでちょっとコケそうになりましたけど(笑)。ナルちゃんはこれからもっと料理の腕を上げるだろうし、圭は接客好き&相手に喜んでもらえる仕事が天職だろうし、ふたりで協力していつかお店を出してほしいものです。

夜の街をバックに踊り出しそうなふたりが幸せいっぱいな表紙。お互いが自分にとっての王子様を見つけたね…そんなことを思いながら本を閉じました。萌2寄りの評価です。


COVER DESIGN/kotoyo design

9

愛し愛されたら

ちるちるさんのインタビュー記事、作品紹介ページでの「“普通”に拘る病気」というセリフがとても気になって、読んでみました。

大学生の成瀬コウジ(受)は、ノンケの男に恋しては振られ、同性愛への偏見に傷ついてきました。コウジがノンケの男に拘るのはどうしてだろう。自分がゲイで普通(=大多数)からはじかれてしまったことが悲しかったからなのかな。ノンケの男は性癖を隠す必要がなくて、のびのびしているところが良かったのかな。コウジの気持ちは想像するしかないのだけれど、普通に拘ってしまうコウジがすごく切なくて。

そんなコウジの気持ちを受け止めたのが、女性専門性感エステの出張ホスト・片桐圭(攻)。自分が普通からはみ出していると感じるのは、それだけ感受性が豊かだからなんだよと、コウジの苦しみを肯定してくれるのです。すごく人間が大きいなあと感心したのですが、コウジの「愛されたい、受け入れられたい」という真っ直ぐな気持ちに触れて、圭の感情も揺さぶられていきます。圭がコウジをリードしていたはずなのに、いつの間にか互いに必死に相手を求めていて。エロシーンはかなり濃いめですが、二人の気持ちがどんどん近づいていくのが伝わってきて、とてもよかったです。

ホテルを出て、二人は駅のホームまで手をつないで走ります。そして、圭はコウジに「自分らしく生きることをあきらめないで」とエールを送り、姿を消してしまいます。なぜちゃんと好きだといわないの?と思いましたが、短い回想シーンと今までの圭のモノローグを読み返して、圭は仕事を懸命にしてきてずっと誰も好きにならなかったから、どうしていいか分からなくなってしまったのだろうと思いました。自分のことになると、途端に不器用になってしまうのが、じれったくて。

追いかけてきたコウジと圭を引き合わせて背中を押す社長さんが、粋でいい男です。余裕なく赤面しながら、コウジに「好きです」という圭が、可愛いです。二人が愛を誓う場面まで、最後は息つく暇なく読ませます。
愛し愛されたら、きっと“普通”なんてどうでもよくなってしまうのでしょうね。幸せそうな二人を見て、そう思いました。

重いテーマの話なのに、ギャグがテンポよく挟み込まれ、一気に読んでしまいました。コミカルなキャラの絵も可愛くて、ほっこりしました。カバー下の二人の設定も楽しい。ぜひ、続編を読んでみたいです。

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