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表題作コヨーテ Ⅲ

ヨシュ・ガーランド(マレーネ),28歳,マフィアの孫
コヨーテ(リリー),人狼

その他の収録作品

  • sence:9~14
  • After sence:14(描き下ろし)

あらすじ

「リリー愛してる…愛しているよ」

「お前に残された選択肢は『一生監禁』か『死』だ」〈人狼〉であることを隠しながら暮らすコヨーテは、
想いを寄せはじめたマレーネが、人狼と敵対しているマフィアの後継者だと知ってしまう。
裏切られたと絶望し、彼を拒絶するコヨーテ。
しかしマレーネは、一目会おうと単独で人狼の住処に乗り込んで来る。
彼を信じたい気持ちと、種族の狭間で揺れるコヨーテだが――。

作品情報

作品名
コヨーテ Ⅲ
著者
座裏屋蘭丸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
シリーズ
コヨーテ
発売日
ISBN
9784866573120
4.7

(404)

(329)

萌々

(54)

(13)

中立

(7)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
41
得点
1907
評価数
404
平均
4.7 / 5
神率
81.4%

レビュー投稿数41

やっと想いを通じ合わせることができた二人に萌えが滾る

『コヨーテ』の3巻。

えーっと。
控えめに言って最高。でした。

初っ端から最後まで悶絶しっぱなし。
萌えが上がりきって降りてきません。

人狼と、彼らと長い間敵対してきたマフィアの後継者との恋。
種族も違う。さらに敵対している間柄という高いハードルを、マレーネとコヨーテは乗り越えられるのか―。

ヴァラヴォルフとガーランド一家との闘いを終結させるため。
そしてリリーに会うため。
自身の身の危険を顧みることなく単身、ヴァラヴォルフの住処へとやってきたマレーネ。

というところで前作が終わっていましたが、3巻はその続きから。

ガーランドの跡取り(直系の孫)であることを早々に明かし、リリーのことは告げずにリーダーに合わせてほしいと頼むマレーネだったが―。

マレーネに裏切られていたと勘違いし、心を閉ざしていたコヨーテは、自身の間違いに気づくんですね。
そして、マレーネの、自分に向ける深い愛情にも気づいていく。

マレーネ、そしてリリーともに、自分のことよりも相手を想い、心配する深い愛情にめっちゃ萌えた…。

2巻はマレーネがリリーに対する想いを再確認し、自分の愛を貫く覚悟を決めたところまで、が描かれていましたが、今巻は、仲間を想い、家族を想い、葛藤にまみれていたコヨーテがやっとマレーネへの愛情を受け入れる、重要な巻になってました。

コヨーテの、その感情の機微の描き方が素晴らしいのです。
今までは発情期にしかマレーネの行為を受け入れなかったリリー。
「発情期だから」という免罪符が彼自身必要だったのでしょう。

それが。
今巻では発情期が終わったタイミングでマレーネに抱かれる。

セックスをするのは、マレーネを愛しているからなのだと。
自分もまたマレーネを想っているのだと告げるシーンが、

クッソ萌えた…!

3巻はマレーネとコヨーテの想いが通じるまで、が描かれています。
次巻はいよいよガーランドvsヴァラヴォルフに突入するのかな。

マレーネ×コヨーテはもちろんですが、ヴァラヴォルフの仲間たちが素敵すぎてこれまた悶絶必至。

ヴァラヴォルフのリーダー・キーファー。
コヨーテの幼馴染であり親友でもあるミミとノーラン。

ミミは女の子なのでちょっと置いておくとして、キーファーとか、ノーランとか、スピンオフいっぱい作れるんじゃね?という素敵キャラです。座裏屋先生、彼らのスピンオフを正座してお待ちしております。

3巻は離れ離れだったマレーネとコヨーテ、なので、濡れ場の回数としては少ないです。終盤に一回あるだけ。が、回数が少なくても、ページ数が少なくても、満足度はかなり高いです。想いを通じ合わせた二人の優しいセックスシーンが、非常に綺麗で、そして温かかった。

座裏屋作品には多く使われる手法ですが、なるべく修正(無粋な白抜きとかですね)がかからないように描く描写が素晴らしい。tkbも、筋肉も、めっちゃ綺麗。時間がかかるでしょうに、とっても丁寧に描いてくださっているのがよくわかります。

やっと思いが通じ合った二人。
彼らがどうか幸せな結末を迎えてくれることを願いつつ。

「神」という評価では収まらない、最高過ぎる神作品でした。

29

見守っていてもらえることの安心感

 とにかく全ページに惚れ惚れしました。座裏屋先生のタッチが今までもずっと美麗だったのは間違いないのだけど、今回はマレーネとリリーを美しく描くことに並々ならぬ情熱を感じたというか、2人の表情1つひとつに思わずうっとり見惚れてしまうほどでした。やはり目元、瞳の描写が秀逸ですね。文字が少なくても、多彩に煌めく瞳を覗き込めば彼らが今何を考えていて、何を伝えたいと思っているかが手に取るように分かる。改めて座裏屋先生の漫画家としての技量に惚れ込んでしまいました。

 真正面からリリーに会いに来たマレーネ。もちろん自分を人質として利用してもらうこと、あわよくば抗争を終わらせられるかもしれないことなど内心ではいろいろ考えているけれど、彼がリリーに言った通りそれらはあくまでついでのことで、ここまで大きなリスクを背負って身1つで来たのはただリリーに会うためなんですよね。護身するものを持たないどころか応援すら呼ばず、危険過ぎる賭けだった。でも、誤解して壁を築いたリリーに話を聞いてもらうためには、ここまでする必要があったのかもしれません。その行動力、決断力に、優男な見た目に反して本当に漢気あるなぁと思います。

 その一方で、満月期を1人でやり過ごし、やっと明けたと思ったら、獣の姿でマレーネを訪れたリリーの自制心の強さにも痺れました。マレーネに惹かれるのと同じくらい、仲間のヴァラヴォルフ達がとても大切なんだなぁと。マレーネに悪意がないことは薄々分かっていただろうけど、それでも一度自分から拒絶した彼に、そう簡単に縋るような真似はしない。マレーネの話に静かに聞き入り、敵ではないと判断してからやっとキスを受け入れたリリー。和解した2人が敵と味方という枠からどう解放されるのか、4巻が待ちきれません。

25

安定の満足感

作家さん買いです。
BL界を代表する作家さんの1人だと思います。
いつも思いますが、作画、ストーリー、キャラ、どれをとっても素晴らしく、間違いのない作品を堪能できます。
VOIDで感嘆して以来必ず買ってますが、後悔したことがありません。
エロもすごく上手いんですが、それに固執せず、しっかりしたストーリーを作り上げてくれるので、純粋に作品を楽しめます。
マレーネはsexyでソフトなのに芯の強さを感じさせてくれて素敵♡
コヨーテも健気なかわいさが垣間見えてたまらない♡
丁寧に作品を作り上げていることがよくわかります。
BLに興味がある人が身近にいたら間違いなく勧めたくなる作家さんです。
今後の展開も気になるので、早くも次の巻が待ち遠しいです。

24

迷いを消し去った2人。リリーから誘う夜の極上っぷりがもうもうもう…‼︎

先に叫ばせて!!
こんな神萌えの展開見せられて、冷静にあらすじからとか感想書いてらんない!!!!

この3巻、ラストに極上のエッチが待ってます!!
リリーから誘うんです………!
満月期を過ぎて、もう発情していないリリーの方から。震える指でマレーネの頬に触れながら。琥珀色の瞳を切なげに潤ませながら。
なんだこれ!なんだこれ!!!なんだこれーーーーー(叫)
マレーネの理性が吹っ飛ぶ前に、私の理性が簡単に吹っ飛んだし、めちゃくちゃ萌えた!!!
ストーリーがどんどん込み入ってきてたから、あぁもうこの3巻は2人の甘い展開は無理っぽいな…って残り少なくなったページに半ば諦め気味にしょんぼりしながら読み進めてたところへの・・・こんな極上のご褒美展開ある?!?!
1巻では発情期のリリーの可愛さにあんなにあんなに悶えさせてもらったのに、もうねーその時の萌えを綺麗サッパリ忘れ去ったかのように「発情期じゃない2人のエッチ尊い!!!!!」ってなってますからね今の私は。笑
「僕たちはもう大丈夫だよ」迷いを消し去った2人の姿が強く尊く、2人を取り巻く事態はまだ何も好転していないけれど穏やかな気持ちで(しかし萌える気持ちは大興奮で)読み終えています。

今巻はそんな極上の2人に至るまでが、ガーランドとヴァラヴォルフの直接衝突がいよいよ起こりそうな緊迫した状況の中で丁寧に描かれていく巻でした。
ヴァラヴォルフの居住区に乗り込んだことで、外部でただ恋い焦がれて会っていた頃とは少しずつマレーネの心に変化が起き始めます。
軟禁状態の1週間、ただ外を眺めるくらいしかできないあの部屋できっとマレーネは色んなことを考えたでしょう。
熱に浮かされていた間は、ただ2人でガーランドもヴァラヴォルフも関係のない何処か遠くへ逃げればいいとだけ思っていたマレーネだけど、ヴァラヴォルフの居住区に実際に足を踏み入れて、彼らの穏やかな日常を日々眺めて、キーファーやノーランとの対話を通して、リリーからも彼らからも「これ」を奪ってはいけないと、きっと気づいたのでしょう。
リリーに対しても、自分の家に対しても、逃げない道をマレーネは模索し始めます。
マレーネのその真摯な思いはリリーにも伝染していきます。
マレーネを殺したくないと、キーファーに意思をはっきりと伝えに行き、マレーネに対してももう逃げないことを意思表示するリリー。
そしてラストの激萌え展開へと進んでいくんだからもうたまんなかった。

理性的なマレーネに対して、マレーネにはない熱さを持っているリリーの対比が巧いんだよなぁ。
何かを手にするためには何かを犠牲にするように世界は出来ているんだと考えてしまうようなマレーネの理性的ゆえの思考癖を一蹴できる強さがリリーにはある。
そしてマレーネのようなタイプはリリーのようなタイプに出逢えた時、一気に強くなれる。(と、私は思っている。)
描き下ろしの最後のマレーネの言葉がすごくいい。
「君が何処からかずっと僕のことを見ていてくれるのかと思ったら
僕は安心してその場に立っていられる気がするよ」
リリーが見守っているはずの頭上を見上げる姿が、自分の真上にいるはずのマリアを仰ぎ見ているようにも見えました。

連載が始まった瞬間から好きだ好きだと叫んできたけど、巻を増すごとに更に自分の理想の恋愛観へと向かっていく展開が嬉しくてたまらないです。
当たり前のように4巻に続くことが嬉しいなぁ。
願わくば「まだまだ」続きますように!


名前が覚えられなくて作った登場人物メモ、折角なのでここにも置いておきます。誰かのお役に立てば幸い。

──SIDE:ヴァラヴォルフ
コヨーテ(リリー):ヴァラヴォルフと人間のミックス、父親が誰なのかは不明
キーファー:ヴァラヴォルフのリーダー、妻子をサイモンに殺されている
ジーノ:ヴァラヴォルフの医師
ノーラン、アガシ、シュナイダー:コヨーテの仲間、「例のメンバー」達
ミミ:コヨーテの幼馴染
ミケ、ジョバンニ、アリシア:最初に襲われたヴァラヴォルフ達
ハリス:ドミニクとの連絡係、ミケ、ジョバンニ、アリシアが襲われた際に行方不明になる
アンジェ:ミケ達の報復を果たして死亡、牙の出た死体を人間に見られてしまう

──SIDE:?
ドミニク:政治家、ランドルフを通してガーランドと協力関係にある、ハリスを通してヴァラヴォルフとも繋がっている

──SIDE:ガーランドファミリー
ヨシュ・ガーランド(マレーネ):両親をヴァラヴォルフに殺された報復で3人のヴァラヴォルフを銃殺した過去を持つ、その時キーファーに助けられている
サイモン・F・ガーランド:ガーランド一家の頭首、ヨシュの祖父
ランドルフ・リーブ:ガーランド一家の顧問、サイモンの相談役
マイケル・テイラー :ガーランド一家のトップ2
ベンジャミン・ドイル:ガーランド一家のトップ3
アレン・ブラウン:ガーランド一家の元使用人家族の息子、ヨシュの幼馴染
モレノ:サイモンの世話係

※紙本カバー下なし

23

まだまだ物語の中盤だというのに心が満たされております+゚。*

ただただ感無量。
なんだろ、解決の糸口がない状況なのにこの充足感…。
鳩尾の辺りをキュウキュウさせながら読み終えました。

3巻は少し分厚め。読み応え有り!です。
禁断の恋はまだまだ先が見えませんが
すれ違ってしまった2人に進展が見られてとても良かったです…!


2巻のレビューと重複しますが座裏屋さんが雑誌のインタビューで
『「本名」や「あだ名」が重要な役割を担っている』と仰ってました。

素性を知った上でマレーネ・リリーの呼び名が続いてるのは意味がある気がして、
3巻でコヨーテがずっと「マレーネ」と呼んでいるのがなんかね、嬉しかったです。
(マレーネがガーランド家の人間だと周囲にバレないように…という意味もあると思いますが)

※ストーリーの状況で分けて愛称と本名を混ぜて書きました。
わかにりにくいですがニュアンスで読んでもらえたら嬉しいです。


3巻は恋愛部分はもちろんのこと、2人の男のリーダー性にも魅了されました。
○ヨシュ・ガーランドの頭の回転の良さ
○対するキーファーの理性的で心のある対応
2人の会話の中には長年の因縁はもちろんあって駆け引きめいてるのですが
少しずつ通いつつある心も端々に感じられるよう描かれているのですね。

思えば共通点はいくつかあるのです。
大事な家族を殺され、リーダー同士(ヨシュは次期ですが)で。
何より長年続く復讐の連鎖を止めたいと願っている。
終わればもうくだらない諍いで大切な人を失うことがないから。

ヨシュは自分には関係ないと「ガーランド家」から逃げ続けていました。
けれど今回ヴァラヴォルフの生活や優しさに触れ、
ガーランド家の人間としてこの争いに終止符と打とうと決心するのがすごく良かった。

そう決心したのはリリーを守りたいのはもちろん、
キーファーの人間性に触れたからでもあると私は思ってます。いや、そう思いたいんだ。
それくらいキーファーが素晴らしくてめちゃくちゃカッコよかったんですよ!!!

キーファーだけでなく、ジーノも、ノーランも、ミミも、
みんなみんなヨシュがコヨーテの大事な人だと気付いててさりげなくアシストするのに涙腺が緩む。
なんかね。ヴァラヴォルフ側の人としての矜持というのかな、懐というのかな、が温かいんです。

その中で育ったコヨーテも然り。ですね。
マレーネがヨシュと知っても、一度「情」を持った相手を敵だからと割り切れるわけがない。
群れの未来の為に殺さねばならぬ相手とわかっててもどうしようもできない葛藤が切ないです。

苦しみながら悩んで、悩んで、悩んで。
マレーネの口から本当のことが聞きたいと答えをだすのですね。

そんでマレーネが監禁されてる部屋へ赴くのですが、
その時のタイミングや姿がまぁぁぁカッコよくてカッコよくて…!!!
発情期が終わって冷静に向き合い、シンッ…とした空気感がスッと通る。
この凜々しさがまさに"コヨーテ"って感じでめちゃくちゃ良かった。好き。

ちゃんと話をして誤解が解けたあと、
惹かれあうようにゆっくりキスを何度もするのが萌え通り越して泣けたッ。
萌えすぎて泣けるってなんだよもう。最高じゃないかチクショウ。

いやいや、ラブはこれだけじゃないんですよ(∩´///`∩)
また再び心を通わせたマレーネとリリーの蜜月期ともいえるような時間が胸熱…!!!
マレーネはまだ監禁中だし状況は何一つ変わらないんですが、
2人の心が重なっているというだけでこんなに力強さを感じるとは。

そしてそして…!
リリーからとうとうッ!とうとうッ!!!!(;///;)
心臓打ち抜かれて息切れするほどドキュンズキュンですよ~~~~(萌泣)
気持ちを確かめ合ってマレーネが「俺達はもう大丈夫だよ」と言うのがとても印象に残りました。

ガーランド家との取引で再度離ればなれになってしまったけれど
この時の言葉が御守りになるというか。。。
今までにない絆が感じられるようになってすっごく良かったです。

ガーランド家とヴァラヴォルフの対決は次巻へと続きますが
マレーネとリリーの結びつきが強くなっただけでこの先も大丈夫な気がしてくるから不思議ですね。
物語の佳境はまだまだ先なのに充足感に浸れて最高の気分です(∩´///`∩)

余談追記
アニメ限定版CDはキャストトーク含めて約27分間たっぷり楽しめました。時系列では2巻冒頭辺りでマレーネの不安な本音など補完されてて良かったです。

22

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