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「お前の血も肉も全て俺のものだ」戦神と癒し手、魂を預け合う恋。
近未来SFっぽい雰囲気だけど、Science Fiction というにはあまりに非科学的なので、魔法ファンタジーと思った方がしっくりきます。無双の魔法戦士イキガミと、彼を世界でただひとり治癒できるドナー。お互いにいい匂いがするから抗えない。
私はオメガバを読まないので、この「抗えない」システムが最初わからず、あまりにも傲慢にレイプまがいのことをする鬼道が苦手で……そして怒るわりにあっさり受け入れちゃう吉野も意味不明で、初めて読んだときはそこでつまづいてしまいました。でもその後、これはいわゆる運命の番と同じかと納得したら、いきなりどハマりでした。
「国を守る」という大義名分のもと、公然と人権を奪われているイキガミとドナー(ここも、SFよりファンタジーと感じる要因。現代じゃなくて中世みたいな倫理観の世界)。
お互いを大事に思うほど追い詰められていく彼らのジレンマが、あまりにも苦しくて辛い。そして、通常よりも幼くしてイキガミになったという鬼道が、(この言葉は好きじゃないんだけど)不憫でしかたないです。
10歳のまま心が成長せず、「守りたいものなんてない」と言いながら、黙々と鍛錬を重ね、粛々と過酷な任務に赴く。孤独な鬼道が吉野に出逢って、少しずつ人間らしい心に目覚めていくのが、可愛くて愛おしくて泣きました。
仏頂面でちゃっかり吉野を抱っこしてたり(ハグというより抱っこ…)。吉野を傷つけてしまって、怖くて近づけなくなったり。でも遠くから見守ってみたり。エラそーに「ハサミ貸せ」って、何その可愛い使い道……。傲慢だけど、ほんとうは素直で、優しくて、責任感が強くて、寂しがり。
吉野がまた、「普通」なところが逆に凄い。
人々が畏怖して特別視するイキガミ、その中でも特に扱いづらい要素満載の鬼道を、生徒と同じ感覚で普通に説教したり、普通に心配したり。
鬼道のドナーが吉野で、ほんとうに良かった。
あと、医療スタッフの小池くんみたいに、吉野以外にも鬼道に遠慮なく接する人がわずかだけどいるのも好きです。
ものすごく辛いストーリーなんだけど、ただ辛くて可哀想だから泣けるわけじゃなくて、逆境の中にちゃんと人間らしい心が確かにあるというところに、涙が出る作品です。
(下巻のレビューに続く)
2024年のBLアワード、シリーズ部門ノミネート作品を見ておりまして「イキガミとドナー 二人のイキガミ」が気になりました
実際何度も山中ヒコ先生のお名前もこの「イキガミとドナー」自体も目にしたり耳にしたいしておりましたが、いかんせんファンタジーに積極的になって来たのがここ最近なもので……
タイミングを逃していましたがこれを機に『今だっ‼』と確信して電子サイトへ!!
何と…!シーモアさんこの1巻がまるまる無料で読めました…‼(2/5までなのでもし未読の方が居れば急いで~)
尚、結果余りにも良かったので繰り返し読みたい!と思い購入させていただきました(ღ˘͈︶˘͈ღ)
でも、折角の機会なのでこのセールで布教に繋がったらな!と思い急いでレビューを書いてみました
セール情報はこの辺にして。。。
作品に関してです
今は上巻のみを読了した状態です
レビュータイトルにも書きましたが、ほんと…今更なのは重々承知ですしきっと多くのレビューの声に重なる事とは思うのですが、、、「読んで良かった」とこの上巻だけでも十分に思える作品です
作品の内容などは割愛しますがとにかく世界観が素晴らしい…‼
ふんわりファンタジーではなくしっかりした唯一無二の世界観を構築しています
この世界観を読者に伝える手段もまた素晴らしい…
第1話での学校の授業を使い生徒に教える体で読者にも分かり易く世界観を伝える事ですんなりとその世界に意識が集中していけます
上手過ぎるこの導入に鳥肌もので脱帽です!
この手腕によりすっかりページを捲るのが止まりません
そして驚いたのが、、、実は読む前にかなり重くてシリアスなヒリヒリする感じをイメージしていたのですが、割とセリフやテンポ、挟まれるデフォ絵などでライトなコミカルさもあったりして…!
肩の力を入れて最初は読み始めていたのですが、ふっとそんな力みを抜きながら読める時間もあった事は読まなかったら分からなかったなぁ~と改めて読んで良かった!と思いました
決してずっとコミカルな訳ではなくてちゃんとバトルや緊迫したシーンとの住み分けがされていて「緩急がハッキリしている」のでガッツリと意識と感情を掴まれたまま一気に読み終えてしまいます
ファンタジーに加え「命」を扱ったテーマに実は怯んで読み控えておりましたがこの流れの巧さのお陰で意識が途切れたり心が離れる瞬間は一切なく読めてしまいます
歩み寄って確かなお互いの存在とその大きさを確信した2人
益々この2人の「イキガミとドナー」としての行方が気になります
鬼道の孤独と不器用さ、吉野の豊かな感受性と深い献身、、、すっかりもぉ2人に釘付けです
下巻を読みたいと思います
イキガミとして戦わねばならない鬼道とドナーとしてイキガミの治療に携わることになる吉野のお話です。
吉野が鬼道の孤独を知って鬼道を孤独からすくい上げるところは感動しました。
しかし、鬼道の傷を吉野が舐めて治しているのに、他のイキガミとドナーでは皮膚移植しているので、舐めて治すものじゃないのか…?と疑問に思いました。
イキガミを傷つけられるのはイキガミだけなら不注意で傷つけられると心配する必要ないんじゃない?など疑問を感じる描写が多くてとても残念でした。
手コキもセックスも修正が必要ないアングルで描かれているので修正はありません。
設定と言い展開と言い、私が個人的にアクションムービーが好きなので興奮しました…!強すぎるイキガミ!!!
鬼道というイキガミの攻めと、吉野というドナーの受けのカプです。
ドナーの血肉汗涙など体液はイキガミの治療に最適なので、そこから2人は出会います。
鬼道は初めからドナーに対して憧れを抱いているというか…愛してくれるって思ってるんですよね。でも愛し方が分からない。だから強引に抱こうとしたりするんですけど、吉野の暖かい包み込むような包容力でどんどん愛を知っていく鬼道…最高です。
なんとなくハピエンはイキガミを辞めることなのかな〜とは予想出来る。イキガミ、人権とかなんも無いもんね。
2人が幸せに生きられたらいいな〜と思います!
とても特殊な設定で"イキガミ"という存在があってこそお話は成り立つのだけど
その世界観がすべてではなくて、細かな心情が描かれていたり心のやり取りが美しかったり。
そういう部分にすごく引きこまれました。
鬼道がイキガミとして生きてきたこれまでの日々がどれほど過酷だったのか、
家族の支えがないことがどれほど辛かったのか。
守りたいものなんてないと冷たく言った鬼道は
心まで冷たい人ではないのに、自分の心を閉ざしてしまっているのが悲しかった。
吉野に怪我をさせてしまったことで彼の気持ちに変化が起きたのは皮肉だなと思ったけれど
寄り添ってくれる吉野に素直になれた、という意味では良かったのかもしれないなと思いました。
彼らの抱えるものが大きすぎて、ハラハラしながら見守るしかないわけですが。
今後どうなるか、しっかり見届けたい気持ちになりました。