あの子が欲しいんだろ<? br> 閉じ込めてきみだけのものにしなよ

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表題作さんかく窓の外側は夜 9

あらすじ

失望と怒りで三角を呪いの池へ突き飛ばした冷川は、
先生に取引を持ち掛けられていた。
一方、三角は行方をくらました冷川の居所を探していた。
冷川を迎えに行き、今度こそは受け止めてやりたいと決意し、
迎、英莉可、逆木とともに冷川救出に向かう。
もう戻ってこれないかもしれない身に、
母から譲られた父の形見をつけて。
覚悟を決めた三角を待ち受けていたのは――
20年以上の時を経て、父と子、宿命の対峙。

作品情報

作品名
さんかく窓の外側は夜 9
著者
ヤマシタトモコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
クロフネコミックス【非BL】
シリーズ
さんかく窓の外側は夜
発売日
電子発売日
ISBN
9784799749210
4.3

(38)

(22)

萌々

(9)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
165
評価数
38
平均
4.3 / 5
神率
57.9%

レビュー投稿数10

最後まで面白かったー

ストーリーが秀逸、面白過ぎて眼が眩んでしまいました。
信じる決断、信じない決断。
どちらも自分で決めるから意味がある。
原動力は人を助けたい気持ち。
適材適所。自分なりの遣り方を見付ければ良いんですよね。

人の気持ちなんて結局本質的に理解出来るわけ無いんです。特に愛されて育った人間には歪んだ愛で育てられた気持ちなんて分からない。
だから少しずつ教えれば良いんじゃないかな。


「一緒に居たい」「側に居させて」が憎しみを乗り越えたのは、一言で言うと「愛」ですよね。

冷川さんと、他の登場人物との決定的な違いは帰る家が存在したか。
冷川は半澤さんが居たからこそ三角さんの存在に気付けたのだと思います。謂わば2人が運命だっだのでは無いでしょうか。
冷川が三角が必要な様に三角にも冷川が大切。そうやって仲間の輪が確固たるものに成る。
登場人物がとても魅力的でした。

面白かったです。
流石アニメ、実写されるほどの名作だと思います。

0

はー…こういう展開かー…(すごい)

人間離れした人たちが集まり、新たな力を得た人もいて、みんなで戦おうーっていう熱い展開です。そして冷川は囚われの身。
三角は首にヒモ付けてでも連れ戻す!って気合入れてたけど、すでに腰に付いてるヒモはどうなったんだろう。つながりに気付いたあとで、こっちに引っ張ることもできる?みたいなことを言ってたから(4巻で)、三角がいつ引っ張るか楽しみにしてたのに。あれから全然やってくれる気配がなくて気になってます。
何度か「適材適所」とのセリフが出てきてますが、綺麗に役割分担して全員が大活躍です。オカルトでありながら、それぞれの人間ドラマが描かれていて、なんかもうすごいなあと。
先生の語る憎しみはよく分からず、というか父親になりきれなかったアレな人の事件後の供述のようで耐え難く、もう少し納得できる裏がないかを探してしまいます。冷川の方もヤバそうなので、三角の活躍を期待しつつ次巻へいきます。

0

あと一冊!

冷川、起きろっ!

先生はいったい何を憎んでるの?何に復讐したいの?お母さんに出会う前に起こったこと?
お母さんと子供に恵まれたことは憎むことなの?
なんで能力持ってるの?そのことで家族と何かあったの?

冷川は憎しみを手放して三角の手をつかめるか?

あと一冊しかないのにどうやって回収するの〜?最初の数冊ではこんなことになるなんて予想もしてなかったな。

お母さん大丈夫かなあ。本当は家族が欲しかったのに息子が自分の能力と同じで壊しちゃったの?守るため?逃げるため?

0

いよいよ終盤

いよいよ先生登場。
以下盛大にネタバレしていますのでご注意下さい。



ここへきて、先生も大きなトラウマを抱え、それをただひたすら悪事に利用している人間だと分かる。空恐ろしい人外ではなく、小さく卑劣な人間だったというわけです。
で、三角くんと顔が似ていたり、彼が何故能力があるのか親子関係にあると匂わされます。
三角くんは、この物語の中で、絶対的な善、希望という存在として先生と対比になっています。

そして、ようやく、lこれは冷川のカタルシス物語だということが見えてきます。先生の闇に囚われた冷川を、絶対に取り戻すと正面から乗り込む三角。クライマックスというところで次巻へ。

ずっと、え、付き合ってないの?それで?と言われてきた二人ですが、冷川が前巻から三角をずっと一緒にいたい運命、と強調してきたのに対し、三角が冷川を絶対に取り戻すと決意するところに至って、これは愛だなと分かります。

作者さんはBLだと思って描いているとのことですが、確かに二人の愛がテーマだとこの巻ぐらいから思いました。それまではBLというよりオカルトだったかな。
ラストが見えてきました。

0

冷川が得た出会いは幸運だった

 冷川も三角もそれぞれ先生に対峙する流れが最高でした。憎しみを糧に生きている者同士、それを共通のアイテムにして絡み合ってしまうというのはなんとも皮肉ですね。一瞬でも気を抜いた方が搦め捕られてしまう憎しみの強さ、とても緊張感がありました。ところで、先生と冷川の違いはどこにあるのでしょうか。先生はまず自分に呪いをかけて、その後、他人を呪うようになった。今は徹底して悪人に描かれていますが、離れたくなかった家族を捨てて、自分に縄をかけるところから彼の第2の人生は始まっている。

 一方、冷川は当時子供だったこともあり、当然自己犠牲の観点など持ち合わせているわけもなく、手当たり次第周りに呪いをぶつけるところから始まっています。その後も彼は、自分に都合のいいようにやってきた。だけど、憎しみで生きている人間が、他人を呪っておきながら自分だけ無傷でいられるなんて、そんな都合のいいことはないのかもしれない。先生と対峙したことで、そのツケが回ってきたんじゃないか。再びあの部屋に閉じ込められた冷川を見て、私はそんな風に思いました。

 冷川以外の面々は、冷川をあまり好意的に思っていなかった迎も、オカルトを一切信じていない半澤も、振り回されてばかりの逆木も、皆協力的で、改めて考えれば不思議な繋がりのチームなのにすごく安定感がありますよね。根本に思いやりのある人が集まっている。この偶然の幸運さに、冷川がいつか気付く時が来るのでしょうか。三角が前巻で霊の憑いた女性と話すことで、冷川の視点を理解するきっかけを得たのと同じように、今回はまず迎が冷川を諭すことで、冷川に凍りついた心を溶かすきっかけを与えた。第三者の客観的な言葉って、すっと入ってきやすいですよね。2人だけだとどうしても感情的になってしまうから。物理的な距離は離れていても、2人の心の距離は少しは縮まったのではないかと思っています。

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