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謎多き冷川の過去 想像を絶する生い立ちを知るのは…刑事の半澤だけ
『さんかく窓の外側は夜』は霊的なものを扱った作品なので、表紙ももちろん絵柄や色遣い等ポップではない。ないけれど、5巻の表紙は、ちょっと群を抜いて怖いよ…。半澤さんの顔に浮かぶ、黒い手。表紙に描かれているだけあって、今巻は半澤さんの出番が多かったです。
という事でレビューを。ネタバレしてます。苦手な方はご注意を。
出だしは4巻の終盤でちょっとピンチに陥った冷川さんを三角くんが助けるシーンから。
三角くんが除霊の分野でも着実に冷川さんの良きパートナーに成長している様が描かれていました。
依頼者からの依頼を二人でこなすときにも、仕事上は有能でありながら相変わらず浮世離れした言動を取る冷川さんと、霊に対しても誠実に対応する三角くん。全く正反対の彼らですが、だからこそ、お互いに相容れることができるのかも。
三角くんが除霊の際に思う言葉で、
かつては生きていた誰かを
というセリフがあって、確かにどの霊も、かつては「人」だったわけで、そういうことをきちんと認識している三角くんのナイスガイぶりに激萌えした。
除霊の仕事のストーリーも描かれていますが、5巻はストーリーが前進します。
英莉可ちゃんと半澤さんがついに出会う。
冷川さんの「過去」が明らかになる。
この大きな二つの出来事が描かれています。
英莉可ちゃんと半澤さんが出会ったことで、「先生」が裏で手を引いている事件が動き出す様相を見せ始めました。半澤さんの強さは「信じないこと」。これが超絶に格好いいです。彼が霊障を受けない理由。強いんですね、半澤さんという男性は。だからこそ色々なものを守ることができるし、物事の本質を見極めることができる。
そして冷川さんの過去。
非常に衝撃的でした。
冷川さんが霊に対して非情で、そして彼の浮世離れした言動をとる理由。
たまたま不思議な力を持っていた、という事で利用されていた過去。
親にまで愛されることなく、孤独で過酷な子ども時代。
この過去が、今の冷川さんを形成していることは間違いない。
そして、子ども時代に半澤さんと出会っていた、という事実。
彼らの間に流れる不思議な空気感は、こういう出会いをしていたからなのか、という。
でもまだ冷川さんの過去の、そして彼自身の秘密が明らかになったわけではないし、「先生」との対決もまだ入り口に立ったところ、といった感じ。ただ、自分のことは何一つ話そうとしなかった冷川さんが、自ら過去の話を三角くんにした、というのは二人の関係を端的に表してると思うんですよね。信頼感が増した、というか。
全体的にシリアスで怖いシーンに満ち溢れているのだけれど、所々入るギャグに思わず爆笑してしまった。
冷川さんと三角くんと、そして迎くんの合コンのシーン。
三人ともそれぞれのキャラにあった対応をしていて、思わずニンマリとしてしまいました。
続きが気になり過ぎて、次巻が楽しみすぎます。
若干箸休め感のあった4巻から、この狂気と執着の入り乱れた世界に一気に引き戻されたような5巻でした。毎回終盤に進むにつれてストーリーの濃度が高まるので、読み終わった後に冒頭のストーリーを思い出すのが大変です。正直今は冷川の幼少期の記憶のことしか思い出せない。強烈な過去でした。他人の機微に疎いというか、分かっていてもそれを容易に無視することができる今の冷川が、なぜそんな人格になったのかすごく納得できました。これはネタバレを読まずに是非ご自分の目で確かめて欲しいですね。
書きながら徐々に全体のストーリーを思い出してきたので、特に印象に残ったシーンを抜粋してレビューします。私は迎の台詞が毎回結構好きで、この5巻でも彼はキーパーソン的役割を担っていたように思います。冷川と三角の仲を直接的にどうこうすることはないけれども、彼の言葉は間違いなく、2人の関係性に強く影響を与えていますよね。3人とも同類だから仲間意識はある、でも迎にとって冷川と三角では、彼の中での優先順位に確実に差がある。これを明言するシーンが大好きです。迎も冷川も周りの人間にはっきり優劣を付けられる人間。一見残酷な人間にも思えますが、何かを犠牲にしてきた、或いは犠牲にせざるを得なかった人間だからこそできることだとも思います。
そして、冷川の幼少期の記憶から繋がる、彼にとっての「運命」の話。特別じゃない人間は大勢いて、特別な人間も一握り存在しているけれど、彼にとって運命の人間はこの世にただ1人だけ。1巻冒頭で冷川が三角を見つけたシーンをもう一度読み返したくなりました。幼い頃からこれほどの壮絶な経験をしてきて、ようやく見つけた三角への執着はきっと生半可なものではないのだろうな、と改めて感じました。
5巻も何やらいろいろあって盛りだくさんだったはずなんですが、ずっと気になってた冷川の過去が描かれて、印象が全部そっちに持ってかれてしまいました。今までの大人冷川の言動のおかしさが、綺麗に一本線でつながるような幼少期。
宗教施設絡みは得体の知れない怖さがあって、ホラーとはまた別の恐怖を感じてしまいます。冷川の過去は全容が明かされたとは言えないけれど、これ以上の描写はキツいかなあと思うギリギリのとこな気がしました。
腑に落ちる形でストンと納得させられたけど、内容的にはショックが大きく、感想を言葉にしづらいかも。
冷川の言う「運命」ってなんなんだろうな。三角の存在で冷川が救われて欲しい、三角が救うんじゃなくて冷川自身の意識が変わる形で救われて欲しい、でもそこには三角が必須で…と、言い表すのが難しい感情でぐるぐるしてしまいました。
萌x2としましたが、別に萌えはないんですよね。BL要素もないし。
「面白い!」のです。特に私は怖い話好きなんで!ゾゾゾっとするコノ感じ!実にイイ。
4巻のレビューでもう枝葉は要らないと書きましたが、この5巻では今度は「冷川の過去」が出てくる。これは根幹的だ!
なるほどねえ……
ただそうなると、この「加害者」的な疑いもあった、というかはっきりいって精神異常を疑われるほど意味不明な言動だった少年・冷川が、何故普通にシャバに出た?
とか。
遂に英莉可と半澤が顔を合わせちゃって、半澤に危機が襲ったらどうなんの?とか。
実際半澤の奥様がアタックされたし。霊を信じない半澤のウィークポイントなのでは?
「先生」もチラリと出てくるし。
続きが楽しみになってきました!ぐんぐん進んで下さい!
相変わらずのホラー具合で、今回もゾゾゾとしました。
冷川さんの浮世離れした不思議な性格や言動の原因が異様な過去にあったことが明らかになります。
段々と伏線が回収されたり、意外な繋がりが分かったりしますが、それでもまだまだ謎は残ります。
苦手な人はダメだろうなーという底知れない不気味さがあります。
みんなに愛されていじられてる三角くんが唯一の癒し?です。
次巻はどんな展開になるのか、どこまで続くのか分かりませんが、続きが気になって仕方ないです。
みんなに幸せになってほしいのに、果たしてどんな終わり方がハッピーエンドなのか想像がつかないです。