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表題作そらの誉れは旦那さま

三雲高虎
25歳,隼瀬浦領主の長男
空良
19歳,小国領主の子で高虎の妻

その他の収録作品

  • 雪にて候
  • あとがき

あらすじ

男の身ながら隼瀬浦領主の長男・三雲高虎に嫁いだ空良。名前もなかった自分に「空良」と名づけ溺愛してくれる夫と正式に祝言も挙げ、持ち前の知恵と能力を生かして国政にも貢献し穏日々を送っていた。ある日、戦地にいる領主・時貞から高虎へ援軍要請が届く。空良の力も貸してほしいとの報に、空良は反対する高虎を説き伏せ戦場に同行するが……?

作品情報

作品名
そらの誉れは旦那さま
著者
野原滋 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
そらのだいじな旦那さま
発売日
電子発売日
ISBN
9784344847354
4.4

(112)

(82)

萌々

(16)

(6)

中立

(1)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
13
得点
493
評価数
112
平均
4.4 / 5
神率
73.2%

レビュー投稿数13

空良の成長

『そらのだいじな旦那さま』→『そらのいとしい旦那さま』に続くシリーズ三作品目です。

今回のお話は大きく2つに分かれていました。
1つ目は戦に出ている高虎の父の時貞から高虎へ援軍要請が届きます。
内容は、梅雨までに戦を終わらせたいので、空良を連れてきて欲しいとのこと。
空良に天気を読んで欲しいとの依頼でした。
でも、高虎は空良の事が大切なので絶対に戦に連れて行きたくありません。
そんな高虎をなんとか説得して戦場に行く空良ですがー…。

空良のすごく成長した姿が見れます。
1作品目では何も知らなかった純真無垢な空良が、戦場に行き沢山頑張ります。
そのおかげで無事戦に勝利することができ、2つ目の話に繋がります。


2つ目のお話は、戦に勝利した高虎に土地が与えられ
そこに引っ越しをするというものです。
でも、空良は隼瀬浦が大好きで、次郎丸たちとも離れたくなく、ここを離れたくないと泣きます。
ここでも空良の成長を感じました。
1作品目では自分の願いを言わなかった空良が、自分の願いを言うんですよ。
聞き入れてはもらえない願いだけど、でも空良がちゃんと自分の思いを表に出せるということに感動しました。

新しい領地は、日向埼というところでそこで平和に暮らせると思いながら読んだのですが
そう簡単にはいかず、高虎が参ってしまいます。
そんな時に空良は高虎を支え、夫夫の絆を強く感じることが出来ました。

最後はちゃんとハッピーエンドなのですが、
日向埼での出来事はなかなかに腹が立ちました。
そりゃ空良も怒るよねと思いました。
ちゃんとみんなに高虎と空良のことを、理解してもらえてほんとによかった…!



こちらではほんとに空良の成長を実感させられました。
もっともっと高虎と共に幸せになってもらいたいものです(*´▽`*)

0

まさにBL大河③空良の活躍と成長がすごい!

シリーズ3作目。3作目ともなると中だるみもあって良さそうな感じですが、こちらの作品は勢いが全く衰えません。本当にストーリーの流れに無駄がない!


3作目は空良が大活躍!不憫な境遇からよくぞここまでの成長を…とても嬉しかったです。空良の能力が遺憾なく発揮されていたし、その能力で大将たちをも黙らせる。話し方も理路整然としていて頼りになる嫁様です。

前半部分は、三雲(高虎たち)を含めた連合軍とその敵対する国との戦の場面です。空良を見くびる強面大将から軽くあしらわれるんですが、最善の攻略方法を提案し敵国を攻め落とすことができました。地の利を理解し、また天候をも読むことの出来る空良にしか出来ない見事な方法でした。
物語が実に壮大。時代は戦国時代あたりだと思いますが、時代考証が見事です。野原先生はその時代の歴史的な造詣が元々深かったのか、かなりの勉強をされたのでしょうか。ストーリーの展開や細かな描写によって、その時代や情景を想像するに容易かったです。


そして後半部。
戦いの功績から高虎が一国一城の主となり、城を与えられ日向埼へと拠点を移します。今まで住んでいた場所も違えば、領民たちも違う。新しい領主である高虎に冷たく、言うことを聞かない領民たちの対応に四苦八苦します。ここが踏ん張りどころって感じで、新しい土地や領民たちに慣れようと頑張る姿は応援したくなりました。領民のリーダーたちがムカつくんですけど、悪態にはちゃんと理由があって最後は和解するので大丈夫です。
この和解にも空良の能力が一役買っているので、3作全体を通して空が大活躍です。

空良の活躍パートを読むとこちらまで嬉しくなります。皆に愛され頼りにされて自信もある程度ついたのかも知れませんね。今作では強気な空良の姿をちょいちょい見ることができるので、高虎の嫁としての成長ぶりが著しかったです。


空良がどんどん活躍していきます。次作の「誓いは〜」でも空良が頑張ります!空良に求婚する異国人や海賊が登場したりと、なかなか見応えある展開の目白押しです。盛り上がり的には、これまでのような右肩上がりではないかも……ですが、歴史書を読んでいるような世界にトリップできますよ。時代物が好きな方はハマるかも。

0

そらの逞しい成長に感動しました

今回は前半が『そらの初陣編』で、後半が『高虎の一国一城の主編』です。

大国を相手に連合しての戦で膠着状態となったとき、そらの自然の理を読む力を期待して戦場へ赴くこととなりました。
当然のように過保護な旦那さまは大反対。けれどそこはそらの辛抱強い説得に最後に負けるのは旦那さまということです。
はじめ侮蔑混じりの反感を感じて臆していたそらが自分の立場や責任を自覚し成長していく姿が頼もしかったです。
前作でも活躍した旅芸人一座に居ながら諜報活動をしている菊七は相変わらずきつい物言いのツンツンな美少年です。そらを嫌い厳しい事を言うけれどそらにとっては足りないことへの指摘だったり励ましだったり意外といいやつなんじゃないと思わせられました。そして共に活動していくうちにツンデレに変化していく様子が面白かったです。
シリーズが続くのならぜひ彼の活躍も期待したいです。

そして戦での功績により高虎は領地を任されることとなりまったのが後半のお話です。
親しくなり心を通わせる家族や仲間ができたした幸せを感じていたそらにとっては涙の別れの場面ではもらい泣きしてしまいました。
新領地では新たな領主を受け入れてもらえず改革が進まず苦労する高虎がそらに弱みを見せたり悩みを吐きだ出すシーンに萌えました。
強くてかっこいいイケメンが自分にだけ弱い部分を見せてぶつけてそのあとまた雄々しく立ち上がり立ち向かっていく姿はいいものです。

離れてしまった次郎丸たちが遊びに来ての楽しいひと時にホッとしました。

このまま支えあいながらラブラブな二人が仲間に恵まれより良い領地づくりを進め強く豊かな地ができるのですねと思える素敵なお話でした。

1

気象と地の理を讀めるなら孔明クラスの軍略師 

戦地にいる領主・時貞から高虎へ援軍要請が届く。
空良の力も貸してほしいとの報に、心配して同行を反対する高虎を説き伏せ戦場に同行する。
---

気象と水脈を讀めるなら、軍師でもあり風水師。
そらは、諸葛孔明クラスの軍師って設定・・凄いね。
この巻でも、そらは大活躍。男嫁の空良は、溺愛されている。
前半の水攻め合戦は、だんな様はそらの作戦が功を成して大勝利。

そして後半。戦勝の褒賞を得る、
だんな様は城持ちとなり、5日以内に移動しなければならない。涙の転勤と別離。
行った先は、商人の力が強くて、領主に平気で嘘をつき、指示に従わない海辺の領地。
そらは、天気を予測して民衆の信頼を得ていくが、大嵐の避難に従わない名主にブチ切れて啖呵を切る
・・そら、カッコイイ。

・・そらは、この巻でも大活躍。
段々とそらの才能が活かされる場所が広くなっていく。
続きが楽しみ。
---
★同性婚:
調べたら興味深い。歴史が古いんですね。最古の記録は、古代エジプト。
▶歴史上で確認された最古の同性カップルは、古代エジプトの、KhnumhotepとNiankhkhnum。
彼らはエジプト第5王朝の時期にニウセルラー王 (Niussere) の宮殿のマニキュア師の監督官の称号を共有しており、「国王の腹心たち」と記された墓に共に埋葬された。
エジプトのシーワ・オアシスには、1940年代に禁止されるまで父兄に結納金を納めて迎える、最も長く続いた同性婚制度があった。

▶「南風」
調べると、中国でも、男性の妻が認められた地域があって、男性の本妻がきっちり家を〆ていた記録が残っているそう。

▶日本の場合は、主従関係の結束強化を狙った儒教的な君臣関係の中に、同性愛的な関係が融合した「衆道」があります。

0

護られるものから並び立つものへ

本シリーズは妾腹ながら勇猛果敢な武将と
双子の姉の身代わりで攻様の嫁となった青年のお話です。

攻様の父の指揮する戦で受様が初陣を果たし、
攻様が戦の功績で領主となった日向埼の領民達に受け入れられるまでと
攻様の弟達が日向先を訪ねて来る後日談を収録。

男女の双子として生まれた受様は不吉な忌子として虐げられて育ちます。
その上、攻様との婚儀を嫌がった姉の身代わりとして、男ながらも攻様に
嫁ぐ事になるのです。

攻様は小国ながらも勢いのある隼瀬浦の領主の長子で、負け知らずの武将
として名を馳せた武将ですが、妾腹の息子だったのです。攻様は受様を男
と知っても嫁として迎えいれます。受様は隼瀬浦で初めて人間らしく生き、
攻様に献身的に尽くして彼の傍で生きる事を決意するのです。

受様が攻様に嫁いで丸3年が過ぎます。梅雨に入る前の今の時期は受様が
一番好きな季節です。新緑の香りが濃く漂い、山から吹く風も爽やかで、
何より受様がこの隼瀬浦に初めてやってきた時期でもあったからです。

今やこの地を含む信仰国軍は一大勢力となり、しばらくは平和な日々が
続きましたが、大敗した大国側には未だ大小の属国が列居し、小競り合い
が勃発していました。

攻様の父はそのうちの一国を攻略するために、半月前から南にある吉田の
地に陣を張っていました。しかし敵方の抵抗は激しく、四国の連合軍を
もってしても半年たった今でも攻略の糸口が見つからずに膠着状態が続い
ていました。

攻様は父の名代として城を守っていましたが、父から援軍として加わる
事と受様も同行させるようにとの書簡を受け取ります。敵の籠る城は
背後に険しい山脈、3方が湿地に囲まれた高台にあり、敵に幾度も攻め
られながらも生き延びてきた古城でした。

梅雨前に戦を終わらせる為、自然の理を読む事の出来る受様の力を借り
たいとの父の要請を攻様は拒み続けますが、受様の必死の嘆願により、
最後には受様を伴う決断を下すのです。

果たして受様の力と知恵は戦局を変える一石となれるのか!?

野原先生の既刊「そらのだいじな旦那さま」「そらのいとしい旦那さま」
に続く3巻目で、躍進目覚ましい新興国の武将である攻様と男ながらも
彼の妻となった受様の身代わり花嫁ものとなります♪

本作は章立てはありませんが、前半は前回の戦いで破った大国の属国との
戦い、後半は戦の功績で攻様が賜った国・日向崎の領民達に受け入れられ
るまでの2部構成でした。

前巻のレビューでもかきましたが、攻様と受様夫婦は本誌でも同人誌でも
激ラブなカップルなので、続編が発売されると知って今度は何が起こるの
かとワクワクして発売日を待っていました。すごく良かったです。

受様は生国では生れた時に名すらもらえず、人とすら認められずに生きる
だけで精一杯の日々でした。攻様に嫁いだことで人として生きる事を知り、
攻様や攻様の弟や家臣達、領民達と接する事で誰かの為に生きる事を知り
ますが、攻様に愛されている自身はあっても、自分自身にできる事など
些細な事としか思っていません。

しかし本作で受様は初陣を経験し、知りえなかのった戦場での攻様の思い、
戦の過酷さ、戦の駆け引き、そして敗戦国主の行く末を知ります。そして
戦の功績で得た日向埼の領主となった攻様と移り住んだ小向埼では、攻様
の妻として守られるだけではなく、攻様の隣にたつに相応しいものになる
という覚悟をもち、自ら行動を起こすほどに成長するのです。

領主一族の者としての戦いのパートでは戦の駆け引きに、反抗的な領民達
との信頼関係が築けるのかとハラハラ&ドキドキ、攻様との恋愛パートで
は2人の愛にキュンキュンさせられ、たいへん楽しく読ませて頂きました。

既刊同様、強く綱やかに成長していく受様に胸温でした (^O^)/

0

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