お前を抱いたら、きっと一晩じゃ終われない

小説

  • 異世界でエルフと子育てしています

異世界でエルフと子育てしています

isekai de elfto kosodatesiteimasu

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作異世界でエルフと子育てしています

グウィン,エルフ族のメウドゥーイ
大貫光明(ライト),23歳,元ヤンの板金屋

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

元ヤンがエルフに溺愛されながら、ちびっ子たちを子育て中♥

元ヤンのライトは異世界に召喚された上に、王の求める「光の御子」ではないと捨てられてしまう。それを助けてくれたエルフ族のグウィンとともに、狐の獣人、狸の獣人、エルフの子供たちと森の隠れ家で暮らしながら魔法を習うことに。だが、グウィンに恋心を抱くライトは、劣情を慰めはするものの「ライトを壊しそうだ」と最後までしてくれないグウィンにもどかしさを覚える。そんな時、グウィンは危険な任務に赴き、子供たちと取り残されて!?

作品情報

作品名
異世界でエルフと子育てしています
著者
小中大豆 
イラスト
芦原モカ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784576210094
3

(36)

(4)

萌々

(10)

(10)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
10
得点
97
評価数
36
平均
3 / 5
神率
11.1%

レビュー投稿数10

No Title

Gostei

0

タイトルの通り異世界もの

突然悲惨な状況からスタートする異世界系。
クライマックスもちょっとグロい。
ここまで異世界の作り込まれて、現世の職業も生かされつつ、受けちゃんがどうやって幸せになるのか見守ってほしいです。
攻めのエルフがずっと紳士で性欲なさそうな高潔ぽい人なのに、おせっせの時に急に雄み出すのずるい。
子どもは、エルフが引き取ったワケあり児。攻めの子どもでも、受けの子どもでもないです。3人の無邪気なお子様たちがどうなっていくかも楽しみのひとつ。
突然異世界に来て不安だらけの受けにとって、安らぎの場がこの子どもってところがよかったです。子どもたちが懐いていく過程は、それまでが悲惨だっただけに「よかったね…」と思わずホロリとしてしまいました。

0

小中先生流異世界トリップもの

こちらの作品、評価が分かれるだろうなと思います。
タイトルとカバーイラストの柔らかい雰囲気とは異なる、やや血生臭かったり、ダークな部分もある作品でした。タイトルとのギャップがすごい。

あらすじを見ると、異世界に飛ばされた青年が親切なエルフに保護され、孤児たちを育てながら溺愛される。そんなお話に思えるのではないかな。
あちこちのシーンを切り取るとそういうお話にもなるのかなと思いつつ…
しかしながら、今作はただの異世界転生+子育てものではないのです。
ほのぼの甘々なお話や、癒し系をお求めの方にはおすすめし辛いのが正直なところ。
ですが、お話として、ファンタジー作としてはすごく面白い。
この、想像と違ったダークでしんどい部分が私は好きでした。トリップして来た人々がこんな運命を辿る異世界トリップものがあっても良いのでは?と思えるくらい、小中先生が書かれる世界観がしっかりとしていたからかもしれません。

ある日突然、現代の日本から異世界へと飛ばされてしまった板金工の青年・ライト。
定番のトラックに轢かれることもなく、コンビニの前で数名の高校生と共に謎の光に巻き込まれてしまう。
こうなると、飛ばされた先で優遇されるか酷い目に合うかのどちらかになるのがお約束。
結果、望んでいた御子ではないと、ライトだけが捨てられてしまいます。

ここから、親切なエルフ・グウィンに保護され、孤児の子供たちに囲まれてサクッと幸せになり、すごい能力で大活躍!とはなりません。ならないのがこの作品の良いところ。
グウィンに保護され、地道にコツコツ、異世界のことを本当に1から学びながら森にある隠れ家まで旅をしていく。
主人公であるライトが、ごく普通の真面目で飾り気のない青年なんですよね。ここがまた良くて。
分からないことは分からないと正直に言う。
人の事も自分の事も客観的に見てしっかりと考えられる。
努力を惜しまず、やれる事は率先してこなす。
素直にありがとうと言える。
何でもない事のようですが、知らない世界で出来るか?と言われると、なかなか出来ないことだと思うのです。
グウィンが惹かれるのも分かるなあなんて。
今回は受けのライトがすごく良かったですね。

それから、個人の勝手なイメージで申し訳ないのですけれど、子育て要素がある作品って、なんというか…男性である必要があるのか?というくらい完璧な母親感のある受けが登場したりするじゃないですか。
でも、ライトはそうではない。
元板金工で、現代では1人暮らしをしていた"近所にいそうな普通の23歳の兄ちゃん"が、手探りでちびっ子たちと接していくんです。完璧すぎない部分も、子供を子供扱いしすぎないところも良かった。
子供たちとの交流にわざとらしい感じがない。
すごく可愛らしくて微笑ましかったなあ。

大人2人のラブな部分は、ややストーリーに押され気味かなと思いつつ、長寿で余裕がありそうな攻めを受けがドンと押すような関係性となっていく図はとても好みでした。
男前受けというのかな。繰り返しになりますが、ライトのごく普通の青年っぽさが良かったです。
グウィンはこれからもぜひ尻で抱かれてくれ。

読み応えのある作品で面白かったです。
ただやっぱり、タイトルが作品の雰囲気とは合っていないのが気になる。
ややダーク寄りのファンタジーが好きな方は、想像と異なるストーリー展開におっ!となるだろうけれど、逆に苦手な方は期待とは異なるでしょうし、もやもやとしてしまう気がします。
もう少し良いタイトルとあらすじはなかったのだろうか。

6

ほのぼの系⁉︎

タイトルでほのぼの系を想像してたらギャップが大きくてびっくり(@_@;)ダークな描写や話の展開に驚いたけど、そこがあったから幸せが際立ったように思う。メインのライト(光明)がしんどい思いしてるのがとにかく可哀想で。それでも撚ずに頑張るライトが元ヤンというギャップもあって可哀想で。グウィンに助けられ、少しずつ距離を縮め、危機を乗り越えた先で結ばれる2人に感動。子供達やスルイドにポルフォル、一緒に暮らす事で家族になってて、皆で危機を乗り越えたのも素敵だった

3

異世界ファンタジー

あまり恵まれない環境で育った金髪ヤンキー23歳。板金工として真面目に働いていたのに王様やエルフや魔術師のいるファンタジックな異世界にいきなり飛ばされ大変な目に遭ってしまう所から物語は始まります。

ファンタジーちょっと苦手なんですが、小中さんの文章は簡潔で回りくどくないので世界観が理解しやすいです。前作のラブコメファンタジーよりはダークで残酷表現もかなりあります。でも話が面白かったので一気読みしました。

受けを異世界で助けてくれたのが攻めのハイスペック・エロエルフ。受けより年齢がかなり年上である事を(見た目は若い)気にしてるのが可愛かったです。若くて可愛い恋人を得て精力増進しちゃったみたいです。美形長髪エロエルフ×短髪の金髪ヤンキーに萌えました。あと攻めの子ではないけどエルフと獣人2人の子育てシーンも可愛かったです。

小中さん作品の受けは健気な尽くし型が多いので、見た目ヤンキーでも可愛い受けでした。料理もDIYもお得意の素敵な奥様です。エルフが性欲強い設定も良かった。

受けと一緒に召喚されたちょっと性格悪い高校生達の末路が残酷すぎて気の毒でした。

4

きらきらエルフ

先生買い。表紙できらきらエルフじゃんと楽しみにしていたら、予想してたのとちょっと違って色っぽいところもあるエルフでした。攻め受けとも超好みというタイプではなく、お話も苦手な部分があったので、中立にしました。本編260Pほど+あとがき。

コンビニで少し買い物をした際に異世界転移されてしまったライト。一緒に転移した4人の高校生は光の御子として丁重に迎えられたけれど、ライトはごみ扱い、牢に入れられてしまいます。あと二日で処刑されるかもと思っていたところ、真っ白な長髪の高貴な雰囲気の人物が牢から助け出してくれて・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
ラガスク王(召喚した爺さん)、エシル、ディー、アル(表紙のお子様方)、スルイド、ポルフォル(お子様方の面倒を見ていることもある人)、召喚された高校生(=光の御子)ぐらいかな。

++攻め受けについて+苦手だったところ

受けさんは、諦めない頑張り屋さん。最初は死にそうになっていたのですが、助けられてからは環境、状況を受け入れDIYで何かと改善する方。カラッとしている方のように感じてキライではないけど、特筆するべき何かチャームポイントとかキュンポイントが思い当たらず。

攻めさんはきらっきら聖人かと思いきや、ヤルことはヤルぜと受けさんにちょっかい出してきて、あらそうなの?という感じでしたが。長いこと生きてるし、人の上に立ったことあるしで、基本落ち着いているよなという印象から脱出できませんでした。変人でもないし、いわゆるスパダリなんだろうと思うのですが、やっぱり特筆するべきポイントを思いつかず。

苦手だったのが特に最後の方のバトルシーン。イカレタ光の御子さまがお出ましになられて、色々魔力増強するために備品を持っておられるのですが、そこが超苦手。ハエ、ダメなんです、無理。先生ごめんなさい。

攻め受けとも好き♡というに至らず、超苦手シーンで最後にアッパーカットくらってダメだった1冊でした。しゅん。

1

男らしい受け大好きです

小中先生のちょっと前に発売された他社作品は受けが人間の魔術師でしたが、こちらは攻めがエルフの魔術師でした。

その他社作品に比べるととてもダークな印象でしたが、私はこちらの作品の方が好きでした。

何より受けのライトが男らしくて素敵なんです。異世界に飛ばされた当初はとても酷い目にあったのに、腐れる事がなくてしなやかで強い心をもっているんです。

そしてグウィンがライトの事が大事過ぎて私情に走ってしまう時があるんですが、そんな時に一喝できる熱さと冷静さも持ち合わせています。

そんなライトだからこそグウィンが愛するようになったし、子供たちからも慕われたのだと思いました。

作品のタイトルからは想像出来ないダークさです。ライトと一緒に召喚された「光の御子」達はとても悲惨な結末を迎えています。
そして決して魔術が万能では無いのです。
それでも結末は希望に溢れてて読後感は良いです。

異世界で愛する人と仲間達と一緒に生きて行くと決意したライトがとても素敵でした。

男らしい受けが好きな方にお勧めしたいお話です。

2

招かれざる召喚者として

今回はエルフ族の魔術師と界渡りした板金工のお話です。

召喚に巻き込まれた受様が異世界での居場所を見出すまで。

受様は10代の頃にやんちゃをしていますが
高校中退後に板金屋に勤めてからは真面目に働いています。

ベーリーショートの金髪に近い茶髪、
吊り気味のきつい目つきだからかか
初対面の相手には胡散臭くみられることが多く

賭け事もせずタバコも吸わず、
酒はたしなみ程度なのに女性と縁がないながらも
それなりに充実した幸せな日々を送っていました。

ところがある日、
仕事帰り立ち寄ったにコンビニの駐車場で
隣のスペースにたむろしていた高校生4人と共に
地面から発せられた眩しい光に包まれ・・・

痛みにうめきながら目を開けたると
見た事のないうす暗く天井の高い広間のような場所で
ローブ姿の者たちに囲まれていたのです!!

遠い異国よりよくぞ参られた。光の御子たちよ。
そなたらが訪れる日を長らく待ち望んでいた。
4人の御子たちよ、ありがとう。

白髪の老人が発したのは異国の言葉で
光の粒のようなものを纏った高校生達は男女4人、
老人は彼らに向かって言葉を発しているようで
受様には目もくれません。

嫌な予感に後ずさった受様は武装した男達に束縛され
暴行の果てに牢屋に入れらてしまうのです。
看守は喚く受様を長く尖った鉄棒で黙らせると
この牢に囚われた者達の最後を語り出します。

この国の老王は
古い伝説の"光の御子"召喚に執心して金を費やし
国王に反対する政治犯や邪魔者を捕らえては
ことごとく処刑しいていたのです。

しかも受様には食事も与えられず、
死の恐怖に加えてのどの渇きと空腹に震える受様に
希望を与えてくれたのは牢屋に現れたエルフ族でした。
このエルフ族こそ今回の攻様になります♪

攻様は受様が先の召還の儀の迷い人と知り
牢から出した受様の保護を請け負ってくれるのですが
その夜、受様は眠りに落ちたところを何者かに拉致され、
どことも知らない森に放置されてしまうのです。

受様は死にたくない一心で命からがら森を抜けて
炭鉱の町でゴミ処理場の仕事にありつきますが
身体を壊してその仕事さえ首になります。

この町では死にたくないとひたすら歩き続けた
受様が倒れこんだ時、今度こそ奇跡が起こります。
受様を探し続けてくれた攻様と奇跡の再開を果すのです。

但、出会った時のように「もう大丈夫だ」とは
言ってもらえないほど受様は弱り切っていたのです。

果たして攻様に受様を助ける事はできるのか!?

御子の召喚に巻き込まれ界渡りした受様が
攻様に助けられながら新たな人生を歩みだすまでの
異世界トリップファンタジーになります♪

表紙とあらすじから
間違って異世界に召喚された受様が
助けてくれた攻様と訳有の子供達の子育てをする
ほのぼのもふ系ファンタジーかな♡

と思ったのですが全く違いました!!

攻様は魔術師を引退したメウドゥーイなのですが
攻様の出身国は古くから魔術研究が盛んで
魔術師は魔術によってこの世界に貢献すべしと教え、
攻様は件の国王に魔術顧問として招かれていたのです。

攻様は召喚魔術を極めたいという表向きの理由で
王を監視すべく、王の招きに応じたのですが
攻様の目的に気付いた王が召還の儀を決行してしまい
受様の悲劇が起こってしまうのです。

受様にとって攻様は信頼できる唯一の相手であり
受様の存在が攻様にとって心の安らぎになり
子供達との隠れ家暮しはほのぼのパートですが

受様を召喚した老王の野望や
内紛の火種を抱えたエルフ族の国の覇権争い等
この世界にはかなり不穏な火種が転がっていて
かなりダークな展開なのですよ  ๐·°(৹˃ᗝ˂৹)°·๐

最終決戦で悪しき者は一掃されて平和は約され、
受様と攻様も結ばれてハピエンですが
ほっこり幸せな気持ちで本を閉じたい方には
おススメしにくい心に痛いお話でした。

4

萌を上回るモヤり

異世界転生で楽しい子育てもの?モフモフ?
…と、安易に飛び付いてしまいましたが、想像以上にダークなお話でビックリ!
ちょーっと、甘さとラブが足りないんだよなあ。
かなり痛い場面も多く、萌よりも胸の中にモヤモヤとしたものが残りました。

ある日突然、『光の御子』である高校生4人に巻き込まれて異世界に召喚されたライト。
ですが、お前は呼んでねぇとばかりに、理不尽な目に合わされ投獄されてしまいます。
その上、逃げ出した後も暴行を受けまくって死にかけるという理不尽さ。

そんなライトを助けてくれたエルフのグウィンに連れられ、森で匿う子ども達と一緒に暮らすことになるのです。
グウィンとも惹かれ合い、森での生活はほっこり癒されました。

序盤はライトが酷い目に、そして後半は高校生達がめっちゃ残酷な目に……
高校生達の顛末が悲惨すぎて、全ての萌が消し飛びましたよ。
高校生達の態度も良くなかったけど、それを咎めるには子ども過ぎるでしょ。

ライトだけが幸せで良いのだろうか。
ハッピーエンドなのに気持ちが晴れませんでした。 
早々に両想いが分かっている割に一緒にいる時間が短く、イチャイチャが足りなかったのも残念。
あれだけ待たせたHも、ラストに少しだけ。

ただ、溺愛系イケメン攻めと元ヤン受け、ケモミミ子育てなど、萌える要素は沢山あると思います。
葦原先生のイラストも素敵でした。

7

ほのぼの可愛いより、狂気的で残酷な部分の方が上回る・・・

巻き添えで召喚された元ヤンによる、異世界冒険譚になります。
インタビューを拝見してめちゃくちゃ楽しみにしてました。
いや、主に「性欲過多なエルフ」とか「尻で抱く受けに成長」ってあたりですけど。
「早く入れろよ(挿れろよ)」的なエロ時も男前な受け、ツボなんですよねぇ。

ところで、この可愛らしい表紙とタイトルに反して、内容としてはダークだしちょい重い部分もあるお話なんですよね。
主人公は最初にかなり悲惨な目に遇いますし、この召喚劇の行き着く先と言うのはやるせないとしか言い様が無い。
ほのぼの可愛いファンタジーってよりは、ダークファンタジーと言った方がしっくり来るような。
えーと、ほのぼの癒しの部分もちゃんとあるんですけど、狂気的で残酷な部分の方の印象がより上回っちゃうと言うか。
「生きるとは何ぞや?」と、ちょっと私にはテーマが重すぎるわ・・・。
とりあえず、ほのぼの癒しを求める方は避けた方がよろしいかと思います。

で、内容としては異世界転移もの。
元ヤンの板金工・ライト(光明)ですが、ある日突然、近くにいた高校生四人組と一緒に異世界へと召喚されてしまったんですね。
そこで王の求める「光の神子」では無いと判断されたライトは始末されそうに。
すると、危ない所をエルフの魔術師・グウィンにより救いだされてー・・・と言うものです。

で、このグウィンですが、実は魔術により人々の幸せの為に貢献する慈善団体・メウドゥーイのメンバー。
彼により保護されたライトは、同じくメウドゥーイが保護しているエルフと獣人の子供達と共に隠れ家で過ごす事になって・・・と言う流れです。

まずこちら、このほのぼの子育て部分だったり、二人の恋愛部分がめちゃくちゃ可愛いし癒されるし萌えるんですよ。
グウィンですが、人間ばなれした美貌に責任感が強く思いやりがあって頼りになる言動と、まさにスパダリ!
かと思いきや、エロ時になるとスケベおやじ。
いや、彼に惹かれるライトがですね、ささいな触れ合いからついつい反応しちゃうんですよ。
すると、「私がしてやろう!」みたいな。
なんでそんなにノリノリなのよと。
こう、清らかなエルフそうろうって彼が、スケベおやじみたいになりながらライトにグイグイ行くのが笑えちゃって笑えちゃって。
わりとチョロいライトが可愛いなら、こちらはわりとちゃっかりってグウィンが楽しいのです。
こういうエピソード、好きで好きで仕方ないんだけどー!

また、ストーリーとしてもとても面白いのです。
隠れ家で共に保護されているチビッ子と、ライトを召喚した狂王との意外な接点。

メウドゥーイですが、慈善団体ってよりはレジスタンス組織と言った印象なんですよね。
国や種族の垣根を越えて、よりよい世界の為に彼等は活動している。
そんな彼等の仲間入りをして、共に戦うライトの姿には胸が高鳴ってしまう。
こう、光の神子では無いと始末されそうになった彼が、実は・・・と後々分かってくる事実にも、胸がすく心地と言いますか。
ラブ面でもストーリー面でも、すごく面白いし素敵なお話なんですよ。

ただこちら、個人的にちょい厳しかった所。
えーと、予想外と言うか予想以上のダークさなんですよね。

いや、序盤に主人公が経験する悲惨な出来事から始まり、山場で分かる凄惨な真相ってな具合で。
これね、序盤の主人公の悲惨さなんか、まだまだ可愛いもの。
彼は殺されそうになり、更に野垂れ死にしそうになりと、かなりボロボロになるんですよ。
読んでてめちゃくちゃ痛い。
痛いけど、それでも耐えられないほどでは無いのです。

ただな~。
壺のエピソードあたりで心が折れてきたと言うか。
特に終盤でのエピソードと言うか真相が、あまりに恐ろしいし闇が深いしで震え上がっちゃって。
まさにダークネス!
人の狂気がここまで気持ち悪くてゾッとくるって初めてですよ。
逆に、これを書けるってさすがの実力だとは思うんですけど。
でも、ひたすらやるせないし重いんですよね。
生きるのって、地獄かよ・・・。

ちゃんとハッピーエンドですし、ストーリーとしても素晴らしい。
ただ、この狂気的で残酷な部分だったり、ダークな世界観だったりが読後の印象として強く残っちゃって。
辛い。
読後感がひたすら辛い。
何でもどんと来い!って姐さんなら、深みのあるストーリーで読み応えがあると思います。
でも、表紙やタイトルから甘くてほのぼのしたお話を期待した方は、今一度しっかり内容を吟味した方がいいかと。

13

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP