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  • 背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには

背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには

senaka wo azukeru niha gaiden

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表題作背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには

ディルク・ベルグント
王国軍将軍副官,29歳
ヨセフ・レーヴ
レオリーノの護衛役,22歳

同時収録作品背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには

ルーカス・ブラント
王国軍副将軍,41歳
ヨセフ・レーヴ
レオリーノの護衛役,22歳

その他の収録作品

  • この魂が尽きる日まで
  • あとがき

あらすじ

人気シリーズ『背中を預けるには』のスピンオフ作品がついに登場!

生涯の主に仕えるため王都にやってきたヨセフ。亡き恋人へ変わらぬ愛を捧げる副将軍・ルーカス。そして剽軽な性格とは裏腹に、平民では異例の出世を遂げた将軍副官のディルク。
数奇な運命に引き寄せられ、男たちは王国を揺るがす事件に直面し、ヨセフは戦場でルーカスに恋をする。だが血統主義が蔓延る王宮で生きるためにルーカスとの養子縁組の話が持ち上がる。思慕を捨てられず葛藤する中、憧れの男であるルーカスに純潔であることを指摘され、ヨセフは動揺する。衝動的に夜の街へと繰り出すヨセフだったが、見たことのないほど激怒したディルクが現れ…?

作品情報

作品名
背中を預けるには 外伝 この恋の涯てには
著者
小綱実波 
イラスト
一夜人見 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
Ruby collection
シリーズ
背中を預けるには
発売日
電子発売日
ISBN
9784041118702
4.6

(157)

(127)

萌々

(16)

(7)

中立

(3)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
19
得点
723
評価数
157
平均
4.6 / 5
神率
80.9%

レビュー投稿数19

彼らが結ばれるルートは

ルーカスとディルクが絶対に尻の穴を差し出さないと本編中で明言されているのは、ルーカスと、イオニアに似たディルクが結ばれるってのもまたかなりありがちなルートだからなんだろうな。しかし、お互いに攻めだし気軽に性行為ができてしまうタイプだからそれはないと。ルーカスもディルクも絶対人生の舵取りを他人に譲らない感じ。ルーカスは他人の舵を自分で取ろうとすることはないが、責任は抱えてくれる。上司にしたい男ナンバーワンじゃないですかやだー。

ヨセフが命懸けで運び出さなくても、剣は19年前も燃えてないんだし大丈夫だったんじゃ…

0

愛に生きる男たちのもう一つの戦場

くっっっそーーーー
この世界の男たちはどいつもこいつも泣かせる恋愛ばかりしよって〜。゚(゚´Д`゚)゚。
もう1つの『背中を預けるには』の世界もめちゃくちゃアツい男たちの物語でした。

ヨセフ主人公のスピンオフ、おそらくあの人とだよねって思っていたらまさかの三・角・関・係。どっひゃーでした。
イオニアの存在をずっと想い続けているルーカスの盲目的な愛し方は本編でもご存知の通りですが、ヨセフとディルクについては恋愛観が全く読めませんでした。
番外編ではBLの匂いがちょこっとしていたこともあり、これってどうなるんだろうと思っていたら、ガツガツに三角関係に突入していくじゃないかよと…((((;゚Д゚)))))))
みんな好きなキャラだけに、どう応援していいのかも分からないし、何が最適解のエンドなのかも分かりません。
腕っぷしの強さに反して恋愛面ではウブな可愛いヨセフの心に住まう2人の男たちの存在感が、本編とはまた違う姿を見せてくれるので、こんな一面があったのかよぉぉぉぉと大興奮で見守りました。


もうこれ、絶対難儀なこと起こるヤツじゃん……と、表紙の3人を見て思うのは不安半分、期待半分。いや、期待感の方が大きかったです。
ルーカスのイオニアへの想いがヨセフに向くのか。そこは大きな注目ポイントでした。
そして、ヨセフはルーカスを自分の方に向けさせることができるのかどうか。ヨセフの恋心が不器用で一生懸命で、こんなに愛に情熱的な男だったんだとビックリです。
そんでそんで、1番の驚きはディルクですよ。この男は本編でもミステリアスな存在でしたので、ヨセフとどんな感じで関係を詰めていくのかと思いきや、ディルクの恋もせっっっつない……!!
愛の伝道師・ディルク様とお呼びしてもよろしいでしょうか。゚(゚´Д`゚)゚。
ディルクのヨセフへの愛に感動の嵐でした。

国の中枢にいて、なおかつ国難の最前線で活躍する精神力をというのは、恋愛においてもこうも強く美しいのか……いやはや恐れ入ります。
作者の小綱実波先生からも、キャラクターたちを絶対に幸せにしてやるぞという気合いを感じられますし、私もそこに安心して乗っかれるのでストーリーを最大限に楽しむことができるのがとても嬉しかったです。

それにしても、このシリーズ作品は三角関係多いですよね(笑)
ルーカス→→イオニア←←グラヴィス然り、グラヴィス→→レオリーノ←ユリアン然り、めちゃくちゃハラハラするけどでもそこが面白いからハマってしまいます^ ^
今作の外伝では、(イオニア)←←ルーカス←←ヨセフ←←ディルクの一方通行の恋愛相関で、三角関係のようで実質的には四角関係のような感じにはなってますが、既に亡くなってしまってるイオニア相手にヨセフがどこまで対抗できるのかが見どころだと思います。

愛する人のために寄り添っていたい直向きな気持ちや、愛する人のために身を引く優しさ、それに、永遠に愛する人のためだけの存在であることを誓う献身な想いに触れて、私はもう涙が止まりませんでした。
数多の修羅場を経験してきた男たちだからか、恋愛の方でも戦場並みにアツい想いを見せつけてくれますね。ここの作品の男たちは、みんな最高で素敵過ぎです。
血統主義のしょうもない貴族の暴言にはイラッとしましたが、ヨセフのために戦ってくれたディルクが恐ろしくカッコ良かったです。
ディルクが想像以上に男前でスパダリで、今まで控えにいたのが信じられないくらいでした。グラヴィスも相当にカッコ良いけど、ディルクも負けてない。それにルーカスも。

体当たりな恋愛をするヨセフは危なっかしいけど、とってもチャーミングでヨセフの魅力大全開な外伝でした。近々続編も出るのことなので、楽しみです^ ^

0

小綱先生は三角(四角?)関係好きを喜ばすのがお上手!

ヨセフが主人公のお話です。
冒頭だけ現在(ページで言うと172ページあたりのお話)なんだけど、その後一気に昔に戻って背中を預けるにはで読んだ時系列をヨセフ視点で進んでいく感じです。
こんな最初の方のお話から追っていくと思っていなくてビックリしました。
でも、この厚みだし納得です。

驚いたのが、ディルクがヨセフをそういう意味で好きだったのが想像していた段階よりかなり早かったこと。
レオリーノを庇って階段から落ちた頃に薬を飲ませるんですが、口移し!!!
えぇ?!この頃もうこんなことしてたのディルク……!
いつも明るいディルクの笑顔が嘘くさい笑顔だったとは気づかなかったなぁ。
処世術でもあるとは思っていたけど、明るいのは元来の性格でもあると思ってた。
ヨセフはそのことに気づいていたなんて言われたら...上手くやっていたはずなのにという気持ちとともに、本当の自分に気づいてくれた嬉しさも込み上げるだろうな。

私は背中を預けるには本編でもグラヴィスと選べないくらいルーカスが好きだったんですが、あちらは視点がレオリーノなので、グラヴィスに軍杯が上がっていました。
でも、ヨセフ視点で見たら、やっぱりルーカスいい男なんですよ…強さであり弱さでもある執着心も、人間味があって魅力的に見えてしまう。
「あのとき、なぜ門が閉まる前に飛び込まなかったんだろうな、俺は」という台詞で、あっ涙腺がやばいとなり、「あの日、おまえとともにここで死にたかった」で決壊です。
あの日の光景と愛の深さが再び伝わってきすぎて駄目だ...。
ヨセフの体の返り血を丁寧に丁寧に拭って綺麗にしてあげるシーンがあるんですけど、本当はイオニアのこともこうやって綺麗にしてあげたかっただろうな…もう拭ってもあげられないほど酷い損傷で何もしてあげられなくかったのも心が張り裂けそうだっただろうなと感情移入してしまいました。

さて、ヨセフ。
レオリーノも純潔で無知なのに気持ちいいことに貪欲で恥ずかしげもなく言葉にしちゃう子でグラヴィスの頭を抱えさせてた(堪らなくさせてた)けど、ヨセフも純潔で純情で性的なことについてなんでも思ったことを口にしてレオリーノと同じようにディルクとルカの頭を抱えさせていました。
レオリーノとヨセフ、すごく似たもの同士の主従だな~って思います。
そして、なんだかルカとディルクも似ています。
本当は心ごと自分のものになって欲しいけど、こいつの好きなやつは俺じゃないのは分かってるからこれだけでいい...とか、これだけもらえば十分ってヨセフを思って身を引くところも似てるし、自分より立場が上の人が相手の想い人だってところも同じ。

ディルク×ヨセフがカップルになるお話なんですが、個人的な好みを言うと私はルーカス×ヨセフが好みだったんです ..モゴモゴ
ディルクも素敵な人なんだけど、ルカの魅力には私の中では及ばなくて。
でもルカは...ずっと心がイオといた頃にいてイオへの愛を貫いて一生独身でいるのもルカの魅力だし、彼の気持ちはイオに捧げられていて、そしてグラヴィスに捧げられていて、忠誠と表裏一体の罪滅ぼしの気持ちまで持っていて、誰か特定の相手と幸せになろうなんて考えは微塵もない。(なかった)
何もそんなしんどい場所に囚われなくても...新しい幸せを見つけても...と思ってしまうけど、好きでそこにいたい人にとっては大きなお世話。
ルカが誰かと幸せになれば嬉しいなんていうのは、私の傲慢な我儘です。
1度はヨセフと関係を持つことを断って、あぁこの2人は体だけ繋がる道もないんだな...と思ったのに、1度でもそうなっただけでも嬉しかったし、ルカが1度でも真剣にヨセフとの未来を考えてくれたのも嬉しかった。
ヨセフとの未来を掴むディルクは、笑顔の下で侮辱や差別を受けながら強かに地位を築いてきた忍耐と努力の男ですが、兄であるイオの死からイオを中心に生きているルカと似たところも持っている男です。
ディルクがヨセフの相手でよかったというか、イオが他の誰かと恋をするならディルクじゃないと嫌だな、ディルクが相手でよかったなと今ではこんな私でも思っています。

似た者なのはレオリーノとヨセフ、ルカとディルクだけではありませんでした。
イオとヨセフも、共に化け物と恐れられてしまう、人とは違う特性と主人への強い忠誠を持っていて、似たところがあります。
イオの弟であるディルクと、イオを愛しているルカが惹かれて葛藤するのがヨセフ……
因果なのかな、縁なのかな。
不思議な繋がりを感じずにいられません。

イオの家族はルカにイオのことはもういいから幸せになってほしいと願っているし、イオ自身ももういいと思っているだろうけど、それは100%の気持ちではないんじゃないかと私は思ってしまいます。
寂しさとか悲しみとか切なさとか...まだまだ残っているけど、ルカの幸せを願えるくらいにはなれただけなんじゃないかなと。
愛の重さは比べられるものではないけど、イオを一生かけて選びとった今、ルカはグラヴィスを超えたんじゃないかと思いました。
みんなが幸せな道を歩んでいったなって思うから、私のルカへの未練も断ち切れるってもんですよ。

1番最後に収録されている「この魂が尽きる日まで」がルカ視点でした。
「この恋の涯てには」はヨセフのお話なのだけど、私の中ではイオのお話でもありルカのお話でもあったなと思います。

面白かったのだけど、本篇(神)を基準に考えるとこの評価になりました。

0

物語が終わってしまった。。

ああ、これでこの物語は本当に完結なんだな、と、読後なんとも言えない気持ちでになりました。。

外伝のレビューを書く前に。

まず、この外伝の前の「背中を預けるには」の3冊は、本当に神作品だと思っています。

「徹夜で小説を読む」なんて、本当にもう長いことしていなかったのですが(学生時代ぶりだった気がします)、どうしても途中で本を置くことができず、3日間朝方まで眠い目をこすりながら読み耽りました。

……が。

こちらの外伝には、徹夜で貪り読む、というほどの胸の高鳴りは感じることができませんでした。

それは私が単純に外伝の主人公であるヨセフにもともと関心がなく、外伝を読んでもやはりあまり惹かれる要素がなかった、というのも大きいのですが。

読み進めるうちに、ところどころ引っかかる部分が出て来てしまい、購入して読み始めたのを一旦止めて、1週間ほど時間を置いてから何日か少しずつ時間をかけて読み終えました。

引っかかってしまったのは、なぜか。…(以下ネタバレを含みます)



============

・ディルクがヨセフを抱くことの必然性をそこまで感じなかったので、違和感が残ってしまった
(ルーカスの発言がもとで、ヨセフが「経験しないと相手にしてもらえない」と思っているのを、言葉や態度で”そんなことはない”と分からせて欲しかったです;本当に個人的な思いですが。。)

・ディルクが王宮で、「平民が色々な奴と寝てのし上がった…」と(朧げな記憶なので正確な悪口の内容ではないと思います)謗られた際、「でも俺はケツは貸さなかった」と、行為の”受け側”を貶めるような発言(と私には思えた)をしたのが受け入れ難かった
(結果的に、抱かれる側に回ったヨセフを貶めているように思えてうーん、、となりました。その発言をその場で聞いていたヨセフはその部分には引っかかっていなかったけれど…;)

・平民のままでは王宮社会ではやはり無理だった→貴族になる という描写にがっかりしてしまった
(書類の上での形式的なものではありますが、ルーカスの養子=貴族となった。
身分差、王宮での差別、葛藤をそのままの姿で乗り越えていく姿が個人的に見たかった。王宮のルールに迎合してしまうのが残念だと感じた)

・そもそも、ヨセフがルーカスに対し”恋心”を抱くようになったことに違和感を感じてしまった
(強い男に対する憧れや、いつまでもイオニアのことが忘れられず引きずっている姿に思うところがあったとしても、「恋」になるのか?というのが疑問として残った)

============


上記のような点が気になってしまい没頭できないまま、本編を読み終わった時とは違う気持ちで本を閉じました。

ただ、やはり体を重ねる部分の描写が官能的で素晴らしいと思いましたし、
本編で起こっていた事件の裏側で、ヨセフやディルクやその他の人物たちはこんな動きをしていたんだな、と楽しむこともできました。

読み返すならやはり本編3冊になるとは思いますが、ヨセフという視点から本編内のさまざまな出来事を多角的に捉えられたのはとても良かったと思います。

0

恋の涯てにたどり着く答えに心揺さぶられる

本編の主人公レオリーノの幼馴染みであり護衛役を務めるヨセフ視点の物語。

本編と番外編でちょろっとでてきたヨセフ、ディルク、ルーカスの3人の複雑な関係とそれぞれの抱える想いが深く描かれていました。

このヨセフ君がとにかく真っ直ぐな性格で、それでいて世間知らずで心のままに行動してしまうが為に、周りを終始ヒヤヒヤさせてくれます(笑)

目上の人への言葉使いや態度から始まり、いきなりパンチや頭突きを食らわせたり、怖いもの知らずな危うい行動を繰り広げるので、レオリーノとはまた違った意味でドキドキハラハラしました。

ディルクと初めての行為をするシーンは、怖がりつつもディルクのヨセフに向ける優しい愛情に心地よさを感じどんどん快感に流されていく姿が可愛いなあと感じたのですが、ルーカスに体当たりで恋心を告白するシーンは、ルーカスが複雑な思いで困っているところを強引に迫るので、ちょっとそれはどうなの?と若干嫌悪感を抱いてしまいました。

ですが、読み進めていくと、ヨセフのその人の心に敏感で繊細な部分が見えてきて、ルーカスのイオニアへの想いを感じ取りながらも少しでもルーカスの癒しになりたくておこなった健気な行為だとわかると、痛々しいほど愛おしい子だなと思えるようになりました。

イオニアへの気持ちが捨てきれないルーカスと体を重ねたことで、ヨセフがルーカスのことを好きだと知っていても自分に対する愛を伝えてきてくれたディルクの気持ちが痛いほど理解できてしまい心を痛めるヨセフにこちらも胸が締め付けられました。

ヨセフを庇って謹慎を喰らってしまったディルクに会いに行くシーンも、動揺したデイルクからひどい言葉をかけられても、自分とひとまとめに中傷されたレオリーノを庇い自分はその言葉のナイフを素直に受けてとめてしまうヨセフがとても不憫で本当に優しい子なんだなと感じました。

火事からイオニアとルーカスの剣を命がけで守るヨセフの姿にも本当に心打たれました。大怪我をしてもうダメかと思ったところに助けにきたエッボ、ディルクもカッコよかったです。
ルーカスの迷っていた気持ちはここではっきりとしましたね。

ルーカスの出した答えに、ヨセフは火事の一件から身をもってその恋を諦める覚悟ができ、正式にルーカスの養子になることを決心するシーンはとても切なかったけど、ルーカスとヨセフが納得し二人らしい愛のカタチとして新たな関係性を築くことができて本当に良かったなと思いました。

ツヴェルフに向かうディルクを追いかけるヨセフの相変わらずの猫ちゃんぷりには思わず笑ってしまいましたが、再びディルクからの深い愛を受けて喜びを感じるヨセフの姿から、二人が一緒に歩む未来が垣間見え、2年後再会した二人の描写はそれがもう明確になっていて、二人の明るい未来が想像できる結末にとても幸せな気持ちになりました。

イオニアの死によって、それぞれが悩み苦しんできたけれど、それが長い時間の経過と新たな出会いによって、少しずつ気持ちに変化が生まれ自分自身の本当の幸せを見出せるようになってくれて、イオニアの物語もこれでやっと本当の意味で終焉を迎えられたのではないかと思います。

せなあずシリーズを全て読み終えてしまってとても寂しい気持ちでいっぱいですが素敵な作品に出会えてとても幸せです。

また何かのかたちでレオリーノたちに出会えることを楽しみにしたいと思います。

3

がむしゃらに人を愛する者のズルさが愛おしい

こちらは本当に素晴らしい作品でした
好きすぎて初めてのレビューをさせて頂きます。

本編3巻も大好きでしたが、外伝がより心にぶっ刺さりました。二人の男の間で揺らぎながら成長するヨセフに目が離せず…愛される喜び、愛す喜びを同時進行で心に刻んでく姿にいい歳して久々に胸が痛くなりました(>_<)。ヨセフの純粋で無自覚なズルさ、ルーカスの愛への執着ゆえのズルさ…どれも人間臭くて愛しい。何より無条件に見返りなく人を愛する人達が、心底眩しかったです。

最後の3人の選択の直前、怖くて切なくてしばらく本を閉じました。選びとった答えに感謝。素晴らしい作品を世に出してくださった小綱先生にも心から感謝でした。これは何度も読む作品だと思います。

少し分厚いですがぜひ本編3巻、番外編、外伝読んでください^^

5

本編と外伝を無限ループ不可避!

本編でも充分に魅力的だった3人。
それぞれの内面や生き様が掘り下げられる外伝は、切なくて、真っ直ぐで、それぞれの幸せが見つかりますように、と祈るような気持ちになりました。

本編では王族の護衛役で、恋愛ストーリーに絡んでなかったヨセフが、体も心も青年らしい強さを保ったまま愛されています。

初体験のシーンは、こんなに自尊心を尊重されてる受けは見たことがない、というくらい、大切に大切に抱かれます。読んでて涙がジワジワ滲みました。

想い人との閨事シーンは、いっそ清々しいくらい真っ直ぐで体当たりで、ヨセフらしくて変な表現ですが、眩しいです!

最後に王都から追いかけた後、閨事に雪崩れ込まなくて、それも…いい!!!


そして、外伝の最初は本編と並行する場面があるので、本編で3人が出ている場面を探して、外伝で語られる関係性を投影して読み込み、また外伝に戻り、また本編を読み、と、延々とループしてしまいます。

まだ未読の方には、シリーズ全作を手元に置いて、世界観をぜひ楽しんでほしいです。

5

本編から何かあると思っていた2人!!

素晴らしいスピンオフ!すごく予想を裏切られたお話でした!ツンデレ猫ちゃんがおじさまに甘える場面がたまらなく幸福でした〜!基本的におじさん苦手なんですけど、ルーカスには幸せになってもらいたい!あんな優しくて一途な男はいない!本編からディルクとヨセフは怪しかったですね〜〜!!私はディルク派だったのでハッピーエンド!!!垣間見えるドSがたまらない!ほんとにディルクの聡明な感じと兄を思う熱量、頼れる男!!ツンデレと相性抜群なのは言うまでもなく明らか!!ただもうちょっと切なさがほしかった!!両片思いが大好物なので、その要素があったらもっと神でした!続編出てくれないかな〜〜〜。。。。めっちゃめっちゃもっと読みたい!!ルーカスのイオニアを想い続ける姿に合掌!

7

ルーカス!

主人公の二人の話ではないと知り、積読していました。ヨセフにそれほど魅力を感じていなかったので。
ようやく読みましたが、面白かったです。ヨセフはどっちを選ぶのか、ずっとハラハラしてました。私にはどちらも選べない。
イオニアと重ねてくるところ、素晴らしいなと思いました。
イオニア同様、心はルーカス、体はディルクと結ばれている、みたいな感じになるのかなと思ったのに、良い感じで裏切ってくれました。

ルーカスが、心が揺れそうになったこと、イオニアの父までもが、新しい恋に生きてくれと言う。
ルーカスもわかっているんですよ。自分が過去に囚われる必要はないんじゃないかと。でも、イオニアを好きでい続けたい。それが自己満足であっても。
そんなルーカスが好きです。こういう一途な男に萌えます。

ディルクも心を殺して働き続けて、ようやく無念を晴らせた今、本当に好きになった相手と幸せになってもいいんじゃないの?平民だからって、ルーカスに勝てないからって身を引かなくても。
でも、そんなディルクが好き。

良い男たちばかりで胸が震えました。
また最初から読みたくなりました。

8

タイトルが秀逸すぎる。

スピンオフっていうから、イージーモードでラブラブハッピーエンドなものを勝手に想像してしまい、積んどいてだいぶあっためてしまっていた。
いざ、読み始めたら物語にグイグイ引き込まれてしまった。本編の衝撃的な出来事の裏側で、当事者たちがどう思ってたかなどが明かされて補間的なのが嬉しかったり、そうでもなかったり複雑ではある。
ヨセフの性長ぶりにドキドキさせられっぱなしだった。懐かない猫、手懐けたい漢の気持ちにキュンキュンした。
最後は、あの方の唯一無二の永遠の愛に全てをかっさわれて号泣した。本編履修者には是非ともオススメしたい作品。(とっくのとうに履修済でしょうが…)


5

この恋のもたらすもの

因果は巡る。男はそれほどの罪を犯したのか?
愛する人に、ただ愛を捧げることを全身全霊で体現して来た男の人生。その人生をすら、自分で自身を責める、嗜虐することを良しとしてしまう。
その哀しさを癒やすために、そのことだけに腐心する主人公のヨセフ。人を愛することに慣れておらず、拙い言葉でしか想いを紡げない無垢なヨセフが愛した相手は、そんな男だった…。
そして、ヨセフに一夜の強烈な思い出と、報われない愛を抱えている男もいる。
ヨセフが愛する男とヨセフを愛する男。この二人の男の間にも浅からぬ因縁がある。
単純な三角関係では語れない。
それぞれの想いと、背負ってきた過去が、この恋によってどんな運命をもたらされるのか。
三人のリアルな人生を見届けてほしい。

5

ちゃんと幸せ!

LIVE DVDの特典メイキング映像の様な作品なので、本編を愛している私にはご褒美でした。でも幸せになってない孤高のキャラもいるので、それだけが残念。

1

今年一番泣きました

本編からのファンです。
「背中を預けるには」に登場する多くのキャラクターはそれぞれに魅力的であり、
忘れられない個性を持っているのですが、その中でも特に気になる3人の恋の涯てが
描かれています。
ヨセフ、ディルク、ルーカスそれぞれの愛は、複雑に絡み合っていて、それがどのように解かれるのかとても興味深く、楽しみににしていた作品でした。
結果としてこの作品は私が望んでいた「ハピエン」ではなかったです。
でもこれが帰着であったということに、唸らされたというか完璧なる落とし所であったと最終的に心にストンと落ちてきました。
それぞれの登場人物には目指すところがあり、そこに向かって強く生きていく姿がとても心に響きます。
それぞれの「涯て」はとても言葉で言い表せない人生の奥深さがありました。
またこの作品を通して、人が生きていく中には自身の考えがあり、価値観があり…
それは他人が「そうなればいいのに」「そうなのでは?」という思惑とは違うということを改めて気付かされた作品でした…
なんてこのレビューを書きながら…ああ、これは(ファンタジー)小説だった!と思ってしまうほど、人生を深く考えてしまう厚みのあるお話なんですよね(本の厚みもさることながら…)
それほどに深く深く推敲されている小綱実波先生の文章力と、お話の世界観の素晴らしさに今回も圧倒されました。
人がどうしてそのような行動をするのか。その原因となるところの描き方も丁寧であると多います。1つ1つにだからそうなったのか!と気付かされることが多く、何度読み直しても、毎回たくさんの感動を与えてくれます(そして毎回泣きます)。
いきなり本作から読むのはおすすめしませんが、背中を預けるには本作をお読みになってから是非足を踏み入れていただきたい作品です。

9

これで終わりなのかなとは思ってもまだ引き続きこの世界にいたい

表紙にひかれて読み始めた本編です。
この作品の絵もとても素敵です。

ルーカス派、ディルク派と分かれそうな本作ではありますが、ヨセフの行く末が気になっていたので、ヨセフ主人公の番外編を心待ちにしていました。
切なすぎる三角関係に胸が痛む場面もあり、早く幸せな場面を読みたくて(ハッピーエンドと信じて)分厚い1冊を一気に読まずにいられませんでした。

イオニアは罪作りな人です。

まだ気になるあの人とかこの人とか、どうなったのかな…と思わずにいられないので続きが読めたらうれしいです。

12

この本に出会えてよかった(再確認)

外伝と言えども相変わらずの鈍器。読み始めるまでは正直ヒヨってましたが、読み始めると全く気にならないほどスイスイ読み進めてしまいました。読み切るのがもったいないとか思う余裕もなく、ページをめくる手が止まりませんでした。

この本の主人公はレオリーノの護衛役ヨセフなんですね。先生がネットで細々と書かれていた短編を繋ぎ合わせた形で、一部読んだなぁと思うところもありましたが、ほぼまっさらな気持ちで読めました。

ブルングウルトから王都へやってきたホントにまっさらな、初心なヨセフ。彼がどんな視点で「背中を預けるには」本編を見ていたのか…、ヨセフとともに復習をしながら再確認する時間でした。

この本のおかげでより、本編に出てきた男たちが肉付けされ、奥行きのある、それぞれの人生を送っている様が広がり、リーノやヴィーが主役じゃなくてもすごい物語だったんだなと改めて思った次第です。

そして改めてイオニアは罪深い男ですね。彼が戦死することによって一体どれだけの男たちの人生が変わったのでしょう。それだけの濃い人生を彼が歩んでいた証でもあったのでしょうが。

そんなイオニアに対する感情を未だ燻らせるルーカス。私は彼にイオニアのことを忘れず、胸に抱いたままで新たな人生を歩んで欲しかった。でもそんなのは私の個人的な願望でした。ルーカスは誰よりも頑固者で、融通の効かない、一本気の通った男でしたね。本編からずっとグラヴィスとルーカスの対比があったように思いますが、イオニアが無くなったあともやはりその2人の対比は続くんだな…と思いました。

イオニアが亡くなって19年、やっとダビドやディルクと(もちろん本編でレオリーノとも)話すことで少しずつルーカスの凍えた心が溶かされていくシーンは泣けましたね。特にダビドさんと話せてよかった。

ヨセフが主役の話のはずなのに長々とルーカスのことばかり書いてしまった…という反省点は置いといて。本編3巻、番外編1冊、そしてこの外伝と鈍器5冊読めたことはとても幸せなことでした。そしてこの外伝を読んでまた本編に戻って違う感想を得られるのではと思います。

15

この作品でやっと完結だと思います

凄く気になっていたヨセフの恋の行方のお話でした。

既刊のシリーズの裏側から見たお話でとても興味深くて、ヨセフ視点で語られるディルクとルーカスの素顔が知れて、2人のファンには堪らないお話だったと思いました。

こちらのお話はディルクとルーカスのどちらが好きかによって、結末に対する印象が違って来ると思うんです。でも巻末の「この魂が尽きる日まで」を読むと、この結末しか有り得なかったと考えるようになりました。

小綱実波先生がこちらの作品の前日譚とも言うべきSS二編ををprivatterにあげて下さっていたので、直ぐに作品の世界観に入り込むことが出来ました。

とくに終盤ではツヴェルフの残党との最後の戦いが書かれていて、そこからの展開も含めてやっとシリーズの完結だと思いました。

ヨセフというレオリーノの護衛がどんな才を持ち、レオリーノばかりかツヴァイリンクの砦を取り戻し、王都を守る活躍を見せたこと。
そしてその真っ直ぐな気性でもってして、2人の男の囚われた魂を自由にするお話でした。

レオリーノとヨセフは正反対な存在ですが、自分の生きる場所を探し続けるという意味ではとても似ていると感じました。
この主従の結び付きに凄く感動しました。

もっともっとこの世界観に浸っていたいです。

17

初恋と4角関係

レオリーノの護衛役ヨセフの初恋のお話。
時系列は本編から本編後まで。若くて不器用なヨセフが、無愛想なのに不思議な愛嬌で(ツン多めの猫のように)周りの大人達に可愛がられながら成長していく。そして、ずっと歳上の男へのはじめての恋心に気づき、ヨセフに想いを寄せる男も現れ…。
本編や番外編にも出ていましたが、ヨセフの初恋の相手はルーカス。レオリーノの記憶、今は亡き軍人イオニアの恋人。
そして、ヨセフに想いを寄せるのはディルク。イオニアの弟で、平民ながら王弟の副官の男。


本編ではレオリーノの少し歳上の頼りになる護衛役のお兄さんでしたが、大人達から可愛がられる様子は不器用な野良猫。不器用で普段はツンツンなのにふと甘えが出るところが可愛いのです!
そんなヨセフの初恋が、また複雑…。亡きイオニアを思い続けるルーカスに恋をして、ルーカスのある一言で純血を捨てようと夜遊びに繰り出すのです。そんな行動自体がまた不器用!そしてそこにディルクが現れて…。

ヨセフの不器用さと、一生懸命な愛情表現が愛おしかったです。可愛い…!ルーカスのイオニアへの想いとヨセフを可愛がる気持ちや、ディルクの複雑なこれまでの道のりとヨセフへの想い、そしてヨセフの複雑な恋心。読み終わった後には納得できる、その恋の涯て。

本編を読んだ方には、本編後のレオリーノ達の様子や、ヨセフ達の行方を知る事ができるこの巻を是非読んで欲しいです。


あと、ジルが好きなので今後彼の掘り下げも見てみたいなーと思いました!

15

どうしても泣いてしまう

「背中を預けるには」の外伝なのですが、背中を〜と重なった時系列の一方その頃…からちょっと先のお話。
番外編にちょっと出てきたエピソードがさらに掘り下げられていた部分もあります。
今回のお話のメインはレオリーノの護衛のヨセフなのですが、イオニアにまつわる男たちの想いは随所に出てきて。
視点のメインはヨセフに置きつつも、今回もイオニアの物語でもあった。
その成就出来なかった想いを感じる度に涙が出てきて、結果めちゃめちゃ泣きました。
イオニアにまつわる男たちの愛の結末。
まさにこの恋の涯てには。でした。

あとがきによると、イオニアにまつわる愛の物語はこれで最後になるとのこと。

恋の涯てを見届けて、物語はここでおしまいですが、大好きなこの世界と登場人物たちをもっと感じていたくて少し寂しい。
また番外編出してもらえないかなぁ。

イオニアにまつわる男たちの愛の物語はここで一区切りですが、今回ヨセフの可愛さを知ったので。
ヨセフの物語をもっと読みたい!

24

ヤマネコ

ムーンライトさん由来のお話で、本編の受けレオリーノの護衛だったヨセフ、彼の人生を描いたお話でした。本編と時系列が平行な部分あり、あーなるほどと思うところあり、楽しめましたが、めちゃくちゃ好きなキャラかと言われると?だったので萌にしました。本編490P超+ルーカスのお話8P+あとがき。本編でヨセフが気になってた方でしたら是非。

お話は、レオリーノに先立ち王都へ着いたヨセフ。早く都に慣れるため、王都警備隊と一緒に行動することになっていて…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
グラヴィス+レオリーノ、ガウフ、テオドール、フンボルト、サーシャ先生、マルツェルなんかは本編登場していた方々。ジルヴェスターって方が新しく出てきた方なのでは・・?

++より内容に触れる感想

ヨセフがなかなかユニークなキャラクターで印象が強かったでした。

とにかく剣技に長けている。細身なので取っ組み合いになったら?ですが、剣持たせたら無敵死神超人的働き。そこは本編でも出てきていたのですが、性格というかキャラが面白い。田舎者なので王族、貴族に対する言葉遣いが出来ない、礼儀を知らない、短気で喧嘩っ早い。馬鹿にされたと思ったらみぞおちに一発(笑)。恋心がわかっておらず、初めて♡と感じた相手(ルーカス)が「(初めての奴は)面倒」と感じているようだと知るや否や、誰でもいいから相手にしてもらおうと町にくりだしちゃう。全然そんな事できるタイプじゃない真っ白な子(愛想が悪い)がそういう所にポッといっちゃうもんだから、周りはざわざわ大変。まあなんだかんだあって、無事処女じゃなくなった後はルーカスになんとか思いを告げるんだけど、まあ一生懸命。膝に乗り上げ頭をすりすり胸に押しつけ、愛想の悪いヤマネコとしか思えん。そんな方でした。

そんな方をめぐってディルクとルーカスがすったもんだ、そこにレオリーノちゃん危うしって感じの事件が挟まるというお話でした。

ヨセフが印象強いキャラだったですが、ルーカスがあんまり好きではないのでちょっと盛り上がらなかったかな。ディルクともっと絡んでくれると嬉しかったかなと思った一冊でした。

10

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