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元カレが教育係だったんですが

motokare ga kyouiku gakari dattandesuga

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表題作元カレが教育係だったんですが

瀧川正臣
営業部の先輩社員で直人の元カレ、30歳
鹿島直人
正臣の会社の新入社員、営業部、23歳

その他の収録作品

  • 書き下ろし:インターンが曲者すぎるんですが
  • あとがき

あらすじ

デート中も仕事の資料を手放さず、つき合って半年経っても敬語のまま――マッチングアプリで出会った年上彼氏の態度に失望し、別れを告げた大学生の直人(なおと)。ところが就職先の教育係として現れたのは、その元カレ・瀧川(たきがわ)だった!! 砕けた口調に、優しくも熱心な指導――あの頃は笑顔すら見せてくれなかったのに…。なんでつき合ってくれてたんだ!? 別人のような瀧川に、疑念は募るばかりで!?

作品情報

作品名
元カレが教育係だったんですが
著者
海野幸 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011771

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6

4.4

(15)

(11)

萌々

(2)

(1)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
6
得点
66
評価数
15
平均
4.4 / 5
神率
73.3%

レビュー投稿数6

両視点のうまみ

文庫ではやや厚めの約340P超があっという間でした。
どんな題材でもするすると読ませてくれる構成の上手さと、文章力の高さが光る作家さんだなあと思います。

海野先生のお仕事ものって、仕事内容にはリアリティがありつつ、その中にBL要素がストンときれいに収まっていてバランスがとても良いんですよね。
そのお仕事内容も決して説明くさくはなく、読んでいるうちに自然となるほどなあと頭に入ってくる親切さ。
今作も、知識0の状態でも問題なく楽しめました。

両視点の再会ものとくればやはり、攻め・受けのお互いの心の内を知るのは我々読み手のみ…なことが最大の魅力であり特権。
思わぬ再会からの、片側からだけでは見えなかった真実、仕事に恋に…と盛りだくさんな内容でしたが、両視点が実に上手く活かされていておもしろかったです。
特に表題作では、反対側から見るとこうも見え方が変わるのかとムズムズすること多々でした。
思わずこちらがムズムズしてしまうような心情が綴られていると、なんだかもうページをめくるのが楽しくなっちゃいますね。

受けの直人がカラッとした気持ちの良いポジティブさを持った人物だったこともあってか、終始安心して恋の行方を見守ることができました。
かゆいところに手が届きながらも届きすぎず、嫌味のない正直な性格で好印象な爽やか系。
海野先生作品ではあまり見かけないタイプの受けなのでは?と、少々新鮮でしたね。
恋愛面での不器用かわいらしさに関しては攻めの正臣かなあと思うのですが、作中で1番良かったのは直人のキャラクターかもしれません。
世の中をまだ知らなかった頃と、社会人となった今だから見えた新たな景色を重ね合わせ、仕事と恋愛はもちろん、人間的にも少しずつ成長していく彼が好きです。
正臣も直人に影響をされて心境が変化していったりと、相互作用なんて言葉がぴったりな2人だったと思います。

ただ、後半のインターン編に関しては…うーん。
おもしろくなかったわけではないのだけれど、読んでいてちょっとストレスがたまったかなーと思うところもあり…
キャラクターの成長を描くには必要なお話だったとは思うものの、モンスターインターンに対してはっきりとしない2人にもやもやしてしまったことも事実でした。特に正臣。
前半部分は星4.5。後半はもっと恋愛面の盛り上がりが見たかったなと3.5寄りのこちらの評価になりました。

1

思い込みという誤解が招くすれ違い

今回は先輩社員と新入社員のお話です。

受様が配属時で元カレの攻様と再会する本編と
インターン騒動の顛末を描く後日談を収録。

受様は春からプリンターの開発製造から
販売を行う会社に就職します。

新人研修を終えて本社営業部に配属されますが
新人教育係の先輩社員として紹介された
先輩社員は2年以上前に別れた元カレでした♪

受様は高校生の時に恋愛対象が同性と自覚しますが
周囲に打ち明けられず
大学進学で実家を出て20才になるのを待って
マッチングアプリで出会いを探し始めます。

初めてマッチングした相手が攻様で
5月連休明けに顔を合わせた攻様は
見た目も服装も至って普通の人でしたが

ファミレスの席に着くなり自己紹介を始めた
受様に攻様はアプリ系の出会いでは
個人情報は明かされない事が多いと忠告しつつも
攻様は律義に個人情報を教えてくれます。

1カ月後には受様からの告白で恋人となり
受様は出し惜しみせず好意を伝えていますが
攻様から帰る言葉に熱意は感じられず

クリスマスデートの誘いで受様があたかも
他の人とも付き合っているかのように言われた事で
2人の付き合いは幕を引かれます。

攻様は顔を合わせた瞬間こそ目を見張ったものの
初めましてと挨拶した受様に対して先輩として
教育係らしく丁寧な気配りで接してくれ

受様は攻様の仕事ぶりを知るにつれ
学生と社会人との違いをまざまざと感じる事となり
攻様との付き合いが自分本位であり
攻様を振り回していた自分を反省しする事となります。

そして受様の恋心は再燃する事となり・・・

雑誌掲載のタイトル作に書き下ろしをつけての文庫化で
マッチングアプリでの出会って別れた攻様と受様の
再会で始まる恋物語です♪

受様は容姿的にも性格的も対人スキルが高い
ポジティブ思考で自分から動ける
攻様から見てもかなりできる新人さんです。

攻様は自分は真面目なだけが取り柄な
努力型の平凡な人間だと思っていますが
受様には相手に寄り添う気配りの人であり
とても頼りがいのある先輩です。

そんな2人の過去の恋は
攻様が隠した心の傷と受様の誤解が
すれ違いを生んで壊れてしまいます。

それでも互いを忘れられなかった2人が
同じ会社の同じ部で教育係と新人として再会し
未熟だった過去を反省し新たな恋を育てていく様子が
丁寧に描かれていてとても面白かったです。

情けは人のためならず、縁は巡ります。
でも自分よりも誰かのためと動く事は思うより
勇気がいる事でそれが自然にできる人って
とても素敵な人だと思います。

受視点で始まりますが
受様には見えない攻視点パートが挟み込まれる事で
読者には両者の想いが丸見えですれ違いっぷりに
ハラハラ&ドキドキされられました。

0

No Title

好きな作家さんの作品なのでよみましたが、この作品も、おもしろいとおもいました。ページ数のおおい作品なので、読みごたえがあるとおもいます。

マッチングアプリで出会った年上彼氏の瀧川正臣に失望し、別れを告げた大学生の鹿島直人でしたが、就職先で、教育係としてあらわれたのが、瀧川だったというストーリーです。

ありえないくらいの偶然だとおもいますが、ストーリーがしっかりしているので、違和感なく、よむことができました。

同じ会社ではたらいていて、瀧川の魅力にきがつくというお話で、ある程度、先がみえてしまう展開ではありますが、たのしみながらよむことができました。

読後感のいいお話だとおもいます。

1

直人がなんてできた子なの!

なんでもサッカーなら?で解決!?

海野さん、毎回新刊を買ってはなかなか読めず今作はやっと読めました。

前半は直人後半は瀧川視点が多いですね。
前半の二人の最初のお付き合いでの瀧川の塩対応、ひどい!なんでそれなのに付き合ったの?だったのですが。

あらすじにあるように同じ会社に入社して教育係として接してみると…。あ〜あの頃の自分はわかってなかったんだ。社会人って瀧川さんってこんなに大変なのに付き合ってくれて優しかったんだ…って。
直人が物わかり良すぎかっ!
仕事も人間関係も超ポジティブだし。スーパー新入社員ですね。

直人視点だと瀧川がとっても頼りになって大人で。
なのに瀧川視点だと直人が可愛くて健気で尊敬できてたまらない!

後半は、堂島いいかげんにしろーーー!!!で瀧川が追いつめられて読むのもハラハラでした。

奇跡の再会でまさかの交際アゲインで、お仕事も切羽詰まるわインターンが滅茶苦茶だわで。
二人の内面や葛藤や成長がしっかり書かれてました。
挽回するんだ!サッカーならこうする?

直人と瀧川の二人のイチャイチャやデートなどは控えめで、もっと甘々を読みたかったかなあ。

5

働く男たちの恋愛と仕事の取扱説明書

海野幸先生のお仕事BLは絶品!
あまりの読み応えと面白さに完全平伏です。サイッッッコウに最高でした!

別れた元恋人と同じ会社の先輩後輩として再会してしまうドキドキ感に加え、その恋人がまさかの教育係になっちゃうという、まさに運命の展開にワクワクが止まらない萌え設定。すれ違いから別れてしまったものの、本心から嫌いになったわけじゃなく、まだ未練がお互いともに残っているからこその再会劇にはフォッフォッフォッでした^ ^

でもですね、それだけじゃないんですよ。
フォッフォの理由はまた別にもあって、2人の再会ラブを濃密に演出してくれるオフィス描写がものすごく丁寧で、物語への引き込ませ方が素晴らしいんです。
作者さんのお仕事BLに対する熱量がすごいのは分かってましたが、ここまでくるとBLにカテゴリーされていることに違和感を覚えるくらいでした。現在進行形でオフィス勤務されてる方、また過去にオフィス就労の経験がある方なら、この物語のお仕事あるあるに共感できるのではないでしょうか。
会社の専門分野や専門用語を織り交ぜて話を展開させていくことで生まれる社内の臨場感に終始圧倒されっぱなしでした。

特にインターン学生のお話は、企業内リスク管理のマニュアルとして推薦したいと思うほどの内容です。一応恋愛ものがメインなハズなんですが、すごすぎる。仕事描写だけを見てもそれだけで楽しめます^ ^
正臣が直人の教育係となり、仕事をイチから教えていく良き先輩の立ち位置が、直人の中にある正臣への恋心の再燃を促していくのに、こうした仕事描写は必要不可欠。彼らが再び惹かれ合っていく理由に説得力を与えてくれています。

仕事を通して、元恋人の良いところをたくさん知り、過去の自分の未熟さを見つめ直していく2人の両片想いがめちゃくちゃ響きました。
正臣のヘタレで不器用なところ。直人の純粋で素直なところ。過去の交際では2人がそれぞれ抱える思いがうまく噛み合わず、相手の気持ちを疑ったり信じられずにいたけど、再会後は元恋人のことや自分自身について冷静に見れるようになったことが大きな成果だったと思います。
改めて好きを再確認し、昔付き合っていた頃よりも好きなところが増えていく正臣と直人の高まる思いを応援せずにはいられませんでした。

ストーリー展開が両視点というのがホント良かったなと思います。
多分、正臣視点のないストーリーだったら、モヤモヤがいっぱいだったと思うけど、正臣の視点が細やかに描かれていたのは嬉しい配慮でした。正臣は何を考えてるか分からないところがあるので、彼の内面に深く触れてくれたことは物語を読み進める上での安心材料の1つでした。
恋人としてだけではなく、イチ社会人として、またその人柄そのものに対してもリスペクトし合う2人の関係性が最高に良かったです。

過去のすれ違いを教訓として、恋愛をアップデートしていく2人の成長には感動と拍手の嵐でした。
これはこれでスッキリとした読後感ではありますが、正臣が主任昇格したあとのストーリーなんかも読みたいなー…なんて(//∇//)
続編あるか分からないけど、また出会いたい2人なのでいつか再会できたら良いなと期待しています♪

2

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