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表題作是(11)

和記,人形師
真鉄,力一の紙さま

その他の収録作品

  • 第五十五話 波紋
  • 第五十六話 はなむけ
  • 第五十七話 誰も止めるはかなわない
  • 第五十八話 落命
  • 第五十九話 是
  • 最終話 日日是好日(描き下ろし)

あらすじ

自らが惚れ込んだ男・力一(りきいち)と、彼に懐いてゆく紙様(かみさま)・真鉄(まがね)。 真鉄を抱きながらも脳裏に浮かぶふたりの姿に、和記(わき)の胸は疼く。 そんなとき、滝に流れ着いた傷を負った兄弟が、和記の愛する桃源郷に変化をもたらす……。和記の叫ぶ願いとは!? 超人気シリーズ『是-ZE-』いよいよ完結!! キャラクター勢揃いの描き下ろし番外篇も収録!!

(出版社より)

作品情報

作品名
是(11)
著者
志水ゆき 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
発売日
ISBN
9784403663178
4.3

(112)

(69)

萌々

(23)

(12)

中立

(6)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
22
得点
479
評価数
112
平均
4.3 / 5
神率
61.6%

レビュー投稿数22

よきエンディングです

平和な桃源郷が貴光と穂積の侵入によって運命の歯車が狂いだす。
和記が助けられた同じ滝に2人が倒れていたから助けたのはいいんだけど、不幸が始まってしまうんよね…。
ここですぐに追い出してればよかったんだけど、顔のいい兄弟だったもんだから(そんな事は書いてないけど、顔がいいのはやっぱ好きになるよね)穂積は宇多、貴光は千乃が気に入っちゃうんよね。千乃なんてまだ子供だったのにね。

最終巻まで読むと貴光は、報われない一生で作中1番可哀想。子どもの頃両親が離婚して母は弟を連れて家を出て行きアル中の父親と極貧生活。
苦労して必死で勉強して就職して堅実に働いていたらチンピラに成り果てた弟と遭遇。貯金を引き出され挙句トラブルに巻き込まれて全爪剥がれ弟を刺し殺すように指示され…ってここまでも不幸。
さらに追い打ちをかけて、弟のせいで助けてくれた力一を死なせ、宇多も死なせ自害しようとしたところを千乃に救われ結婚するも息子の琴葉を産んであっけなく亡くなってしまい、その後はずっと当主代理として三刀家に仕えて若いのに亡くなってしまった。。。心労があったんだよ、貴光。
幸せだったのって千乃との短いひと時だけだったんじゃないの?巻き込まれ型の不幸体質、可哀想だ。

って貴光の話は、本質ではないです。
和記のお話がメインなのです。ずっと和記がこだわっていた真鉄をやっと復活させます。
阿沙利と近衛が見守る中、彰伊と琴葉も復活の手助けをして真鉄が蘇ります。
あとがきで、真鉄が元と同じかどうかははっきり描かなかったので読んだ方の想像にお任せと書かれていました。
私は元の真鉄ではなかったんじゃないかなと感じました。新しい真鉄と新しい関係を作っていく未来も悪くないなと和記が思ってくれてたらいいなと思いました。

紙本で購入
修正のいるシーンはなし

0

とうとう最終巻(つω`*)

和記編と併せて、とうとう『是』の最終巻。
ラストの方の、勢揃いのページには感無量です(つω`*)

人を愛したことで変わっていった桃源郷。
今に至るまでの過去が明らかになって、なぜ?と思っていた事が腑に落ちました。
でも、彰伊はちっとも悪くないじゃん。
彰伊がかわいそうだよ…。
今は阿沙利がいるから幸せだしでいいけどもさ。

でもって、ここでも『是』が出てくるんですね。
最後まで明るくおおらかないい男でしたね、力一。
和記が本当に欲しかったのが誰だったのか。
真鉄が記憶を持ったままだったのかどうか、わからないままでしたけど、和記の穏やかな顔を見れたら、どちらでもいい気がしました。
幸せならいっか(つω`*)

折に触れて読み返したくなるシリーズです。

0

因果の家。「是」(11)最終巻

ついに最終巻。
最後にとてつもないドラマチックが待っていた…

紙の里、力一のいる三刀の家に不吉な風が入り込む。
殺し合いをした兄弟。
こんな因子を入れてしまったのは、それが運命だったからなのだろうか。
これから起きる不幸、そこまでの悲劇でなければ力一は死ねなかったのだろうか。
それにしても、あまりにも大きな代償だと思う。
それは傲岸不遜に言霊を使い散らし、命を奪い続けて富を得てきたことの反動?
宇多。
穂積。
真鉄。
力一。

そして護られた彰伊。
彰伊〜〜‼︎
そりゃぁ阿沙利に疎まれるよなぁ。
でもこんな過去を越えて、今三刀家に皆が集まる。
大団円。

スゴイスゴイって勢いで読んじゃうけど…
阿沙利と近衛ってほぼ同い年、なら今度は近衛だって白紙に?とか、守夜だって危ないよ、とか。
これからの紙様は記憶も継続?ってなったら、じゃあ氷見だけ可哀想じゃね?
言霊師のいない紙様は〜なんて意地悪言ってたくせに、自分は真鉄かよ。
とかとか。
今は思っちゃうんだよなぁ。
何より、み〜んな紙様とくっついちゃって。もう後継者できないぞ。
そこでやっと和記も死ねるのかな。
なんて感じました。

1

逸品

「是 ZE」シリーズの完結篇、たまたま聴いたドラマCD「是 ZE」ファイナル、とても感動したのでコミックも購入しました。

和記と力一との出会いから、真鉄、紙様(かみ)たちの誕生話〜私個人的にはBLなのですが、力一と宇多の関係性、宇多の薄幸な人生に涙が止まりませんでした。力一が、宇多の幸せを願い、どんな気持ちで手放したか…

運命か宿命か…どんなに努力しても頑張ってもカルマ、不運からは逃れられない。「ただ、愛しただけ」なのに。「兄様、私が愚かだとあきれますか?…」

宇多の最期、すべてのカルマを背負うと誓い、我が子(彰伊)の幸せを願う…宇多の母としての強さと慈愛に涙が止まりませんでした。なぜ、美しい宇多がこのような最期を迎えなければならなかったのかと…宇多は穂積の命乞いまでしていた…そして、力一は宇多のために自身を犠牲にしてまで彰伊を守り抜いた。

和記が大事に見守り続けた真鉄〜その真鉄も力一を追って…冷酷で人間の感情すら持ち合わせていなかった和記が、初めて人間らしさを取り戻せた特別な存在の男たちとの別れ…

和記の根底にある「虚しさと寂しさ」

どんな形であれ、いつかは誰しも別離が訪れる…生きること、幸せとは何かをこの作品を通して改めて考えさせられました。この世に生を受けたすべてのものは、正と負の感情、虚しさと寂しさの感情をひた隠しにしながら生きているようにも感じました。

力一の「最後の命(めい)」「約束」からまた物語が始まり、紡がれてゆく…

そして、「生きて守れ」生き続けるかぎり、一人ではない…力強い力一の言霊で和記も少しは救われたような気がしました。

ラストの集合写真、とても和みましたし、皆がハッピーエンドで終焉を迎えることができて本当に本当によかった。最後に、作者様、感動と勇気をたくさんいただきました。ありがとうございました。

5

無駄のなかった華麗な構成

 今に繋がるかつての言霊師や紙様達の関係性が紐解かれるのが興味深いのと同時に、10巻以上も続く長編でありながら、今までほとんど掴み所のなかった和記というキャラクターをこの最終巻でようやく理解できたことが嬉しかったです。真鉄と力一との間で複雑に揺らぐ彼の感情。一見、どこまでも力一の紙様として生きる真鉄を見て、力一に嫉妬しているように見えるけれど、実は彼は力一にも恋をしていた。2人に同時に置いていかれしまった彼の虚無感は、いかほどのものだったでしょうか。今までどの言霊師や紙様に対しても淡々と接していたのにも納得です。

 力一の最期の言葉は、残された者達を縛りました。これほど強い力を持った力一を知っていたら、逐一新たな言霊師を彼と比べてしまうのも仕方がないでしょうね。どの言霊師と紙様も、長い時間をかけて、様々な波乱やすれ違いを乗り越えて、ようやく手に入れた二度目の安寧。力一という存在の喪失を、とうとう皆で埋めることができたのだと思います。力一を知る者の心には彼の記憶は残り続けるでしょうけれど、ぽっかり開いた穴はきっと塞げたはず。新たに命を吹き込んだ真鉄と過ごすことで、和記の生きる喜びが再び蘇ることを祈ります

1

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