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作者様の作品を少しずつ読んでいます。
不朽の名作、まさにその通りの作品でした。
言葉にうまく表現できないくらい感動して、泣いた。
こんな素晴らしい作品に出会えて、本当に良かったです。
朔太郎もつぐみも、2人とも孤独を、先の不安や恐怖を抱えていたからこそ、互いの気持ちが手にとるように理解でき、相手のために身をひき、互いのために強くなりたいと決意し、数年間離れていたときも、ずっと想いが途切れなかった。
最後のSSが読めて、2人のその後を垣間見ることができて、ほんとに良かったです。
つぐみを置いて先に逝かないと交わした約束を朔太郎が守ることができたこと、記憶障害の進行はあるけど、つぐみの名前は覚えていること、記憶はだんだん薄れていくけどつぐみへの愛が変わらないこと、、、最後まで深い愛を感じることができました。
おじいちゃんも素敵でした。朔太郎のこと、見守っていてくれてありがとう……
涙で目が腫れるから、少し時間をおいて、何度も読みたいと思います。
素敵な作品をありがとうございました。
何度目かの再読です
読み返すたびに、感動と新しい気づき
そして涙
違った意味ではあるけれど、孤独な二人のお話
朔太郎さんに起こってしまった、想像もできないほどの孤独感と不安に、心が痛くて
お互いに求め合っているのに、お互いを思い合いすぎて動けなかった二人
その優しさがもどかしくもあり
その優しさが救いでもあって
二人の幸せを願いながら
最後のツグミとの約束を守ってくれた朔太郎さん
嬉しくて、少し悲しくて
きっと、これからも何度も読み返す
そして、何度も泣きたい
辛いけど優しくて、あたたかい
途中から涙が止まらなくてずっと泣いてしまった。つぐみの寄り添いたい気持ちと朔太郎の気持ちが切なすぎてたまらんかった。つぐみの紡ぐ言葉が優しくて心に響いている。タイトルもそういう事なんだなって見てるだけで泣けてきちゃう。最後のSS私は好きだった。2人で人生をつないで、最後まで寄り添い続けたつぐみと何度かその事を思い出しては忘れてしまう朔太郎の物語。
シリーズ3冊目。
裏表紙の解説で「記憶障害」ってあったから覚悟はしてたんだけど。
記憶喪失と勘違いしていて、自分が思っていた展開と全く違っていて。
1作目、2作目と繋がってはいるんだけど、どれも全然違う方向性で精神持ってかれました。
ようやく、ようやくまとまって、はぁ良かった…本編からの、SS。
あとがきで凪良先生も書いてらしたけど、意見はわかれるでしょうね。
単にハッピーでは済まないけど、確実に心に残る一冊となりました。
読んで良かった。
読みながら、静かに涙がポタポタ落ちてきてしまう…そんな作品でした。
作者様が、最後のSSには賛否両論あった…というようなことを書かれていましたが、個人的にはこのストーリーあってこそ作品が完成するのではないか、と感じました。。
恋は一時のものかもしれないけれど、愛は二人で時間をかけて育てていくもの。
つぐみと朔太郎が、互いを深く想い合いながら愛と年齢を重ねていったのだなという感動、そして抗えない別れの悲しみ……心に深く深く沁み入って、余韻の残る作品です。
読み返したいんだけど、絶対また泣いてしまうと分かっているのでなかなか再読できないのが辛い。。
ずっとずっと本棚に置いて大切にしておきたい一冊です・:*+.
「美しい彼」シリーズで名前は知っていたけど未読の作家先生、凪良ゆう先生
重めの泣ける小説読みたいけど、シリーズみたいに長いのは手を出しにくいし、メリバとかは好きじゃないしなあ……と思いつつちるちるをあさっていたら不朽の名作○○選みたいなところに本作品が載っておりまして。
わりと気軽な気持ちで読んでみたところ、予想外のビッグテーマで頭の芯にドーンと来ました。
駄文ですが感想を書きたいと思います。
ストーリー紹介にもある通り、記憶障害の青年×ゲイの作家先生の純愛ストーリーなんですが……なんですが!!!孤独という、現代人の最終問題の一つを扱っているような気すらしました。
攻め様である記憶障害の青年・朔太郎さんは、責任感が強いから、避けられない孤独の道(=記憶という自己の喪失)に耐えられない恐怖を感じながらも、自分が忘れてしまう苦痛を近しい人に味わわせまいと恋人や伴侶は作らないと決めてしまっています。症状が出てきて絶望のどん底にいるときに出会ったのが受け様・つぐみさんの小説で、ひょんなことから作者のつぐみさんと出会い、一緒に過ごすうちに互いに好きになるわけなんですね。
凪良先生の文章が、情景が脳裏に浮かびやすく、登場人物の心情もするすると流れてくるようでとても読み入ってしまったのですが、ひきつけられたポイントはそこだけではないように思います。
朔太郎さんとつぐみさんが各々恐怖している”孤独”が大きなポイントだったのかなと思います。
朔太郎さんの方は記憶障害という後遺症ですが、じわじわと記憶がなくなって自分が自分じゃなくなる、他人と関係が持てなくなる恐怖というのは、高齢者の認知症とかボケが身近にある現代では想像に難くない”孤独”かと思います。
つぐみさんの方も、自分の身近な人がいなくなったり、関係が切れたりしたら一人で生きていかなければならないという、想像しやすい”孤独”です。
主につぐみさんの視点からにはなりますが、これらの孤独に恐怖する情景が自分の肌感覚につながるような文章で至る所に書かれているものですから、それでも生きていこうとする(生きていかねばならない)二人を見届けたくて引き込まれました。
好みが分かれる、とレビューなどにも書かれいたとは思いますが、ふたりともがそれぞれ”孤独”への恐怖がある中、一度は一緒に生きる覚悟ができず2年の離れた期間を経ましたが、もがいてもがいて最後は互いの孤独に寄り添いながら生涯を過ごすことができた、幸せエンドの温かいお話だったのかなと思います。私はすごく好きです。
私はまだ学生で実家暮らしですが、結婚願望もなく一人で生きる可能性が十分にある身としては、孤独なつぐみさんの”生への無気力さ”は自分でもわかるなぁという感じで、特に一度朔太郎さんと離れる部分、めちゃくちゃつらかったです。こういう描写に関しては、もう少し人生経験を積んでから読んだ方が刺さって泣けるかもしれないですね。
泣けたのは、やはり最後のSSの部分です。涙ダラッダラでした。途中までは朔太郎さんの記憶障害を穏やかに受け入れている二人の、温かい日常でこちらも心温まる雰囲気なのです。その雰囲気のまま、さらにその先が朔太郎さん視点で描かれています。それはそれは平穏に(些細な険悪はあったかもしれませんが)日々が過ぎたのだろうなと想像できる流れでした。朔太郎さんの脳内では、温かい穏やかな日常が続いているとはわかっているのですが、そこはすごくハッピーなエンドなのですが、私は涙を流しながら読みました。
穏やかに、最後まで幸せに二人が生きることができてよかったね、それしか出てこないです。。。冥土で笑顔で再会できるといいね。
この辺りは作者様があとがきで好みが分かれる、と書いてらっしゃったのですが、私はこの部分が読めて良かったと思います。「ここが書きたくて~~」とおっしゃってたの、納得です。私、再読するならここが読みたくて読むと思います。
なんかもうちょっと書きたいことがあったのですが……書けば書くほどわからなくなってくる笑
BLなのですが、BLというジャンルを超えた純愛ストーリーを読んだ気分です。
これからも数年に一度読み返したい作品でした。
すごくあったかいお話しだった。どこまでもお互いを想い合っての行動と、だからこその我慢。
途中もしかしてこのまま…?とページをめくる速度が早くなってしまった、、最後まで2人にとっての幸せが確約されなくて、とてもいい意味でハラハラして読めました。
けどとても幸せな形の結末で安心しました。ss含めて。つぐみじゃない、と気づいた時ははっとしたけど。賛否分かれると作者さんも後書きで書かれてたけど、たしかに考えてしまう話ではあるなぁ、と。私はとってもよかった!あたたかかった!
おやすみなさい、また明日。
他の方もおっしゃっていたように思いますが、最後のSSがなければ普通のBL小説ですね。
作者様自身もSSについて「意見が分かれそう」とおっしゃってます。
正直に言うと、私は読みたくなかったな、と思いました。
ハピエンの普通のBLで終わってくれてよかったんですが…
○ネタだとわかって、読む手が止まりました。
他の方のレビューで、どうやらSSこそが最も読むべき部分であると感じていたので、残り数ページと思い、なんとか読み切りました。
人の一生を描ききるという意図はわかります。
愛に満ちた人生なのですからハピエンですよね。
でも、伴侶と○別した80代の日常は私の読みたいものではありませんでした。
読みたくないと思うのは私の好みの問題で、作者様およびそれを支持する読者の皆さんを批判するものではありません。
これが地雷か…
地雷踏むのがこわいビビりなので、ほのぼの以外はレビューのネタバレを確認してから挑んでます笑
と言っても知りすぎてしまうとどうしても面白味無くなってしまうので、なんとなく流れを知っておくくらいですが…
購入してから数日おき、やっと読んだのですが、思ってた以上に素晴らしい作品でした!
わかっていても、100ページ超えたあたりから涙流し続けるくらい切ないけど心の底からしあわせなお話です。
しんどい時に読んだつぐみの本やつぐみと過ごすことで、そのままで良いんだよって許された気持ちになったって言うのが本当に本当に…胸が締め付けられます。
それだけ想いが深いから、寂しい思いはさせたくない。徐々に明かされてく真実と強さに苦しさ増す。記憶喪失ものかな?と、ぼんやり認識していたら似てるようで全く違う健忘症の朔太郎。どんどん記憶が抜け落ちて、抜け落ちたことにも気づかないってしんどい…
それでも物語には優しさ溢れていて愛情たっぷり感じるラスト。 添い遂げる想いがとても良かった。
何度忘れたって思い出して、また同じ気持ちになる 。辛い寂しいもどかしい気持ちもつぐみの綴る物語で繋がり続けてる。ちょっとした優しさと強い気持ちの積み重ね。ほっこりした気持ちを作り出し合える2人がとても良かった。2人の空気はほんわかなのに、エッチはがっつりなとこも良かったです!
重いです。
好きだから付き合って、Hして一緒にいられて幸せ。そんな作品大好きです。
でも、時々この作品のような、深く考えさせられる作品を読みたくなる時があります。
今がその時だったようで、大量の涙を流しながら読み終わりました。
本当に素晴らしい作品です。
つぐみが最初に別れを伝えられて、その悲しみが読んでいて徐々に感じられるのです。独りの寂しさやこれからの不安。今まで一度も感じなかった事が一気にやってくる。凪良先生だからできる書き方なのでしょうね。
そして、また朔太郎の闇も地に足のつかない不安感をうまく表現し、まるで自分がそうなったかのようにすら思えてくる怖さ。
ただただ幸せ。不安や怖さの中にいるから、より幸せと感じる。そんな場面を読みながら、SSの朔太郎の話で涙がでました。
発売から年月が経っている作品ですが、出来るならたくさんの方に読んで貰いたい作品です。
大変に、美しい情感たっぷりのお話でございました。
神評価が高い理由、わかります。
さすが、凪良作品。
作者自身も書かれていましたが、同時収録作品は好みが分かれるらしいです。
私はすごく好きでした。本編より、こちらのほうが涙腺崩壊でしたね。
とにかく、鬼美しいんですけど、私は冒頭から内容が受け付けなくて、どうしてもページを捲る手が止まりがちに。
受け付けないというのも、生理的に無理!とか文体が合わない!とか、そういうのではなく、これはいろんな経験をしてきた大人には刺さるのではないでしょうか。
つまり、経験則から必要以上に心に来るというか…。
ツラいの一言でした…。
なにもかも投げ出してしまいたいほどツラい目にあったのに、そんな投げ出す程バカになりきれない30代半ばがうまく描写されていて、心臓が痛い。
人間性の描写がずば抜けている凪良作品ならではの、クオリティでした。
最後は本当に涙が止まらなかったです。
どうしたら、こんな美しい作品を書けるんでしょうか…?
一貫して、つぐみの想いが宙ぶらりんで、ずっと痛い痛いツラいツラいを抱えて読んでいたのですが、最後のスイート・リトル・ライフで救われました。いや、救われたというか、とにかく涙が止まらなかった。
涙なしに見られない本です。
凪良先生の作品で一番好きな作品です。
お互いに心に暗いものを抱えながらも補い合って埋め合って、でも決して依存ではなく、人を愛するってこういうことを言うんだな、と1冊を通して凪良先生に教えてもらったような気がします。
もちろん最後は涙なしに読めませんが、悲しい涙ではなく心が温かくなるような気持ちでした。もちろん始まりがあれば終わりは来るので必然的にお別れの時って訪れるんだけど、そこに目をそらさずに最後まで書いてくださってありがとうございましたと凪良先生には感謝です。
最後の10ページ余りは顔面グズグズで読みました。
始まりの方から割と辛い展開が続きます。
9年も一緒に暮らしてきた相手から突然別れを切り出され、仕事も上手くいかず、新しい出会いも…胸がキリキリ痛む展開でした。
お互いに好意を持っているのに結ばれない、拒絶に近いそれはもどかしくて、狂おしくて、切ない。
片想いの痛みを「砂糖細工の針」という繊細で美しい言葉で表現する凪良先生の感性がとても好きです。
濡れ場の表現も、抽象的な部分もありながらしっかり淫靡な熱が伝わってきて良い。
本編で終わりだと、苦しみの末に結ばれるという正しく王道なラブストーリーで終結する作品です。
もちろんそこで終わってくれていたら…という気持ちが無いわけではありませんが、SS「スイート・リトル・ライフ」がある事で、2人の深い愛情と強烈な切なさの余韻がいつまでも心に残るのだろうと思います。
すごく良かったです。伸二との別れからのつぐみの孤独は辛かった。そんな時に朔太郎に出会って少し希望が持てたのに、朔太郎も病気を負って絶望に襲われていて…同じ気持ちだけど、一緒に居ない選択をした2人が悲しかった。2人を繋いだのは祖父さんかな〜2人で現実を受け入れて共に生きる選択をしてくれて良かった。その後のSSは涙。しんどい日があっても、2人で積み重ねてきた日々が支えになってるのかな。一緒に生きる事の大切さを感じました。
小山田先生のイラストも柔らかくて素敵で2人の雰囲気が伝わった。心に残る1冊
BL小説を読んでこんなに激しく泣いたのは初めてです。今までもなくことはありましたが、この作品を読んで叫びながら泣いてしまいました…。
幸せだけど、胸が締め付けられる…そんな感覚があって泣いてました。
全人類に読んで欲しいです!
前々から気になっていたし、多分自分は好きなお話だろうなと感じていました。満を持して読みました。
やっぱり、ものすごく大好きなお話でした……!
これぞハッピーエンドだと感じました。(個人の意見です!)
空に手をかざす仕草、山茶花、紋白蝶など、繰り返し出てくる表現が、ラストに向けて非常に効果的に情緒に作用してきます。
途中、つぐみの書いた、朔太郎の心を動かした小説のエンドが、この物語を暗示しているのでは……?と思ったりもしたのですが、いい意味で裏切られました。
文体が読みやすく、ザックザック読めます。
koboの「読後感が最高に胸アツ!心ふるえるBL!!」特集で見つけて読みました。凪良ゆう先生の小説はいくつも読んでいますが、本作はなぜかノーマークでした。・・が、正直今まで読んだ中で一番好きな話でした。何年経っても色褪せない名作だと思うので、私のようにうっかり読んだことがない方には読んでほしいなと思います。展開やボリュームに無駄がなく本当に綺麗な話です。特にラストが大好きです!
内容としてはあらすじ通りですが、思ったより切なさはなく、甘い話に感じました。というのも、朔太郎とつぐみは初期の頃から両思いです。ただ、この「両思いだけど両片思いに見える」描写が綺麗なんですよね。二人のせいだけじゃない障害も多く、乗り越えるだけが答えじゃないことを考えさせられます。恋はタイミングと言えばそれまでなのですが、朔太郎の「元気なときだったら、すぐつぐみさんに恋してた」「でも、元気だったらつぐみさんの小説を読む機会もなかったと思う」という言葉が、ある意味この物語の一番の核心なのかなと思っています。ただ、最後のHが思ったより濃厚でびっくりしました(笑)。朔太郎は「足るを知る」タイプだからつぐみとは相性が良いと思うものの、夜は結構大変そうだなと下世話なことを考えてしまいました。
・・とはいえ、本編後のスイート・リトル・ライフがなければ号泣には至らなかったと思います。本編を読んだ時にはつぐみの成長物語だと思っていたのですが、このSSで大逆転。「朔太郎がつぐみに許された結果どうなったのか」が描かれています。記憶障害の朔太郎がつぐみとの約束を守り抜いたラストがロマンチックで、でも少し切なくて・・・涙なしには読めない素敵なハッピーエンドだったと思います。
BLジャンルとか萌えとか忘れて、一般書を読んでいるような気持ちになりました。
自分の心にダイレクトに響いてくるんですよね。
そして影響を受け、考えさせられる、というより色々頭に浮かんでくる。
嬉しいことや悲しいこと、喜び、不安…。
普段、BL楽しんでる!って思う時は、自分の存在なんて消滅しているのに(笑)
告美が感じる孤独に共感することも多く、とても刺さりました。
だからこそ、そばに居続けたいと思える相手を互いに見つけることができて、本当に良かったと思います。
大変なことも多く、欠けているところがあったとしても、そんな不完全さがあったからこそ出会えた…!
理想的な綺麗事で作られた世界ではなくとも、こうして心安らぐ場所を見つけられたことに、共に喜びを感じました。
有名な作者さんだというのに今回初めて作品を読みましたが、諸々圧倒されました。評価の高さに納得です。
切なさ要素が盛りだくさんの内容で全体的には少し暗めな作品だけど、凪良ゆう先生んの文章力でぐいぐいと引き込まれていく。
ご本人は評価されなくても良いから描きたかったというショートストーリーが、本編を100倍にも素敵なものにしてくれていると思う。
作品には描かれていない2人の時間がどれだけかけがえのない時間だったかが伝わるショートストーリー。
もはやこっちを読みたくて初めから読み返すぐらいと言っても過言ではない。。。と思っているw
恋愛前夜のスピンオフかなにかだったんですかね?なにも知らずに本作だけ読みましたが、全く問題なく読めます。
凪良先生の書くお話って どんなお話でも 心に染み入る優しさがあります。
本作は特にそうで、シリアスだし悲しい寂しい部分もあるけれど、根底に流れるものは温かくて優しいです。
ほのぼのするような話ではないのに、読後感は穏やかで優しい感じです。
先生もおっしゃってるように最後のSSは確かに評価が分かれるんでしょうが、あれがあってこそこの物語は完成するんだろうと思いました。わがままを通してくださった先生に感謝です。
何度でも読みたくなる作品です。
『恋愛前夜』『求愛前夜』をそれぞれとても楽しんだ流れでシリーズをコンプリートしたくなり、本書にも手を伸ばしました。
たくさんのレヴューから、本作品は前2作品とは違って「分かりやすいハピエン」とは限らず、SSは評価も分かれていることは予習のうえで、怖々読みました。
感想は、タイトルのとおりです。
とてもリアルで切実、全身全霊の愛の結実を感じました。
といっても特に派手なイベントがあるわけではなく、表面的には平穏な日常の積み重ねが主軸のストーリーです。
また恋人の背負った運命は特殊なようでいて、歳を重ねるといずれ誰にも訪れる可能性が高いという点で決して他人事でなく、長く付き合うカプが避けられない未来の形はリアルで切ないです。
ただその未来において、かつて恋人達が特殊な運命のもとで心底願っていた夢が、叶っていることがありありと分かり胸に迫りました。
その未来は、一度きりの人生を恋人に賭けた勇気と激しく互いを求める情熱の結晶のように感じられます。
もちろんBLにここまでのリアルは求めていない、むしろ複雑な現実から離れる娯楽として求めておられる向きには不要なリアリティかもしれません。
私は、運命に挑んで愛し合った主人公カプにとても勇気付けられました。
ここまで書いてくださった作者様に感謝です。
生涯の付き合いを追いかけたい方にオススメです。
★ 後遺症の記憶障害と認知症の健忘
事故の後遺症の健忘症についてが先にあり、後編は、50年後の話。
「最後の短編のためにここまでの物語が存在している」というあとがき。
私の偏見に満ちた感想
「50年後の要介護世代を書いている後半部分の意味が分からない」というレビューが他サイトにいくつかありました。
作者買いしている読者なら理解している事でしょうが、「一見読者」には伝わりにくいのかな。著者の作品を数冊続けて読めばなんとなくわかる。
著者は、一般人が避けたがる「キモイ存在」に目を向けて、小説の題材にする人。BLジャンルから、一般ノベルに手を広げています。
読者にマイノリティな存在に興味を持たせて、「気持ち悪がらないで」と理解者を増やすことにつなげることから、生き辛さを抱えている人に「何か」を贈っています。
意識してマイノリティな存在を題材にする人だと、あとがきを必ず読めばわかります。あとがきを讀まない人、多いのかな? 「美しい人」の後がきにも、「気持ちワルい・・」について書いています。
エロスの追求だけでBL書いているわけじゃない作家・・だと私は解釈しています。
だから、もっと成功してほしい。社会派の一面を持つ物書きを、著書を買って読むことで、支援したい。
記憶障害と認知症の症状は、似ているんじゃないかと思います。ついさっきのことも、分からない。理解不能な宇宙人と暮らしているような感じ。違いは、異常な行動が無いか有るか、じゃないのかな。
事故の後遺症だけじゃなく、今は若くても若年性認知障害を起こす人もいるので、こういう症状の悩みを抱えている人が居るんだ、と理解する人が増えたら、生き辛さを抱える人に生き易くなる安らぎをほんの少し贈れるのかもしれない。
理解することから支援の切っ掛けが生まれるなら、この本を読むことから、生き辛さを抱える人への理解者が増える事につながる、良いお仕事をしている作家だと思います。
萌え萌えで腐女子して楽しく読むことが、無意識に善いことにつながっていく・・夢がある循環だと思います。
著者は、愛が深い人なんでしょうね。
さすが名作と言われるだけの作品です。
特に最後のSS!担当さんもおさえて書きたいものを書ききれるのはやはり人気作家さんだからですよね!私は断然あってよかったと思った人でした。彼らは愛し合い続けて最後を迎えたのだと確信できる。だってゲイの風上にもおけない男 伸仁は10年付き合ってつぐみを振ってるわけで、どんなに愛し合った2人でもそんな事もあり得るのを冒頭で早々に描いてしまってますから。そこまで書き切ってくれないと自分のような捻くれた人間は不安になってしまいます。よかった。
それに、最後の忘れ方は最早年齢によるものもあるでしょうし、朔太郎の怪我による後遺症設定よりもっと万人共通の「行く末」な気がして、深く自分にも浸透しました。いずれああやって他人と愛した人を混同するかもしれないし、愛した人を忘れるかもしれないし、思い出してひとときの幸せを得られるかもしれない。
美しい物語でした。「誰かに押しつけられた花束など」「指先をとかす」「一枚のキルトのような関係」この辺の表現が好きだったな。
日常の中に、リアリティと非リアリティが混じり合っていると思いました。
売れない作家のつぐみと、記憶が抜け落ちていく後遺症に苛まれる青年・朔太郎。
二人が出会い、別れ、再会し、最期まで人生を共に歩んでゆくストーリー。
これは個人的な感想ですが、記憶障害という設定……
そこに、リアリティを感じられませんでした。
それから、10年も付き合った伸仁に、「子供がほしいんだ」と言われて捨てられたつぐみが、思っていたよりあっさり朔太郎に恋をしてしまったところ……
ここに少なからず違和感を覚えてしまいました。
そんな感じで多少乗り切れなかったところはありますが、全体を通して優しくて切ない情感たっぷりの素敵なお話だったと思います。
特に、朔太郎の祖父とのやり取りは感動的だった。
とっても素敵なお爺ちゃんで、私も大好きでした。
そして、ラストのSS。
賛否両論分かれるのは分かるのですが、私はこれがあったからこそ作品として素晴らしいものになったと思います。
つぐみが亡くなった後、一人残された朔太郎。
朔太郎にとっては、つぐみの記憶は無くなってしまったほうが幸せだったかもしれません。
それでも忘れてはまた思い出し、いつかまた、ここではないどこかでつぐみと逢える時を心待ちに生きていく。
人生って思った通りになんかいかない。
それでも生きていかなくちゃならない。
辛いけど、懐かしさと愛しさを抱えて生きていく朔太郎にリアリティを感じました。
度々出てくる白い山茶花。
花言葉は、「あなたは私の愛を退ける」
これは、つぐみの気持ちであり、ハラハラと散る花びらは、朔太郎の記憶の象徴なのかと思いました。
このラストは、悲しくなんかない。
私にとっては、とても幸せな終わり方でした。
伸仁も、どこかで幸せになっていますように。
とても有名でかねてより気になっていました。ですが凪良ゆうさんの作品は、ハマるときとハマらない時があるので慎重になっていました。
ですがこちらはなるほど、確かに名作だーと感嘆。終盤涙が溢れて止まらなかったです。
私にとっては切ないというよりはとにかく温かいものがしとしと体に降り積もっていくような作品でした。切なく苦しい設定である事は間違いありません。ですが、物語のなかでは常に優しさが、愛しさが、愛がこの作品を包み込んでいたのです。悲しい場面なのに胸の奥に少しの痛みとじわぁっと温かいものが滲んでいくような。
それはつぐみと朔太郎から溢れ出る慈しみや優しさが物語を通して読者に波のように還ってくるのだと思います。
作者の後書きにあるように、あのSSを書く事にこそ意味があったなと感じています。朔太郎の誓いの言葉を書かせた以上、あの未来は避けて通れない。そこまでキチンと書き切ってくれた事に感謝しかありません。つぐみ亡き後、彼はとても静かに現実を、日々の瞬間瞬間をつぐみと共に歩んでいます。焦る事なくゆっくりと、いつかくる日に向かって朔太郎はつぐみを忘れる事なく生きている。これを幸福と言わずなんというのか。
とても忘れられない紛う事なき名作でした。
めっちゃ泣いた。最後のSSは評価が分かれるかもと後書きで書かれていたけれど、今まで読んだ全てのBLが救われるような内容で、私としてはすごくあって嬉しいSSでした。
美しさに泣くってこういうことなのか。
欲張りな私は、小説には情報量の多い非日常を描いたものを求めがちで、気付けばいわゆる日常を舞台とした恋愛小説というものはあまり読んだことがありませんでした。
雨続きのこんな日はちょっと切ない小説でも…なんて軽い気持ちでランキングから手に取ってみたこの作品ですが、私もう、凪良先生の虜です。
10年間付き合った恋人と理不尽な別れ方をした小説家のつぐみと、記憶障害を抱え「(大切な人のことを忘れ、悲しませるのが怖いから)もう恋愛はしない」と決めている歳下の青年・朔太郎の切ないラブストーリー。
ストーリーだけでなく、文章がとにかく素晴らしいのです。
2人の会話、間にある空気が、とても静かで、切ないほどに綺麗に描かれていて。
四季折々を綴る美しい比喩表現が散りばめられていて、ひとつひとつのシーンを立ち止まるように読んでしまう。
ストーリーの先が気になるのになかなか進まない。
美しい言葉たちを脳内で映像に変えていく時間はとても幸せなもので、自分の中が満たされていくのを感じました。
つぐみが朔太郎の祖父が経営するアパートに越してきてから、朔太郎と共に手入れするアパート裏の菜園が蘇ったという描写があります。
世の中には植物を増やせる人と枯らしてしまう人がいて、私は典型的な「枯らしてしまう人」。
本やネットで育て方を調べて、必要な材料も全部用意して、マニュアルどおりに育ててもダメ。
私が増やせるのは雑草くらいなもんで、家族からは「可哀想だから二度と植物は買わないで」と言われてしまっている。
そんな私からすると、植物を青々と繁らせて美しく保ち、実らせることの出来る人って、何か特別な力を宿してるように見えて、密かに憧れているのです。
コツを聞いても大抵「普通にお水あげてるだけだよ」と言われるので尚のこと。
きっと対人間と同じように、マニュアルどおりではなく、体調やご機嫌を見ながら対話することが出来るのではないかな、と。
つぐみはそういう対話が出来る人なんですよね。
言葉じゃなく、心で。
相手に元気がないと、つい必要以上に水や肥料と同じように「言葉」をかけてあげたくなっちゃうけど、つぐみはそれをしない。
自然に沈黙をよしと出来る人だし、あえて自分を殺してでも、相手を思って我慢することが出来る人でもある。
それって言葉に頼るより難しいよなぁと思う。
2人が結ばれるまで、紆余曲折を経て数年かかります。
朔太郎の苦い決断により、つぐみはアパートを出て2人は離れ離れになるのだけど、その時のつぐみの心情や行動があまりにも尊くて、こんなにも朔太郎という一人の人間に心を向けながら、なお朔太郎のために一人で生きて行こうとしている姿に胸を打たれました。
でもそんな健気なつぐみも、朔太郎の祖父が亡くなり、本当に朔太郎とすべての繋がりが失われそうになったときに、とうとう糸が切れたように寂しさや絶望に襲われて立ち竦んでしまうのです。
30代後半というのは不思議なもので、まだまだ人生の半分にも満たない年齢なのにも関わらず、仕事も恋も「スタート出来る最後のチャンスかもしれない」と思わされてしまう。なんかすべてがもう人生のゴールに繋がってしまっているかのような錯覚に陥る、特有の閉塞感があるんですよね。
だから、つぐみの絶望感はとてもリアルに感じられるし、切なさが実感を伴って伝わってきました。
「こんな運命的な2人が、こんなにも美しい人間が、何故愛する人と一緒にいられないのか?」
中盤から終盤にかけては、本当に悔しさと切なさでいっぱい。
だからこそ、やっと2人が結ばれたときは、本当に嬉しくて嬉しくて…!
結ばれた後の2人の人生を描いた『スイート・リトル・ライフ』は、涙無くしては読めませんでした。
日常のちょっとしたやり取りなどを忘れてしまう朔太郎とつぐみの生活は、多分大変なもののはずで、普段なら(つぐみは献身的だな〜)と捉えるのだけど、この2人にはその言葉は適切じゃないなぁと感じます。
つぐみにとってそれは負担でもなんでもない自然なものとして存在しているんですね。
この例え難い素晴らしい空気感を、凪良先生の言葉で読めたことに感謝しています。
切なさや美しさを求めている方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。
ときどき泣ける小説を読みたくなるときがあります。ちょっとストレスやモヤモヤがたまっている、そんなときです。
「泣ける」とのレビューがたくさんの凪良さんの本作品。長年暮らした恋人に捨てられ、涙の後も乾かないまま一人公園にいたつぐみ(受)に、朔太郎(攻)が、「泣くのはストレス発散になるんだって」と言うセリフがあります。「泣いてもいいんだよ」と言われたような気がして、私までホッとしてしまいました。凪良さんの作品は、登場人物たちのセリフが深く心に沁みてくるときがあり、そこが魅力の一つだと思っています。
売れない小説家のつぐみは、穏やかに続くと思っていた恋人との生活が突然失われ、仕事もスランプに陥ってしまいます。そんなとき、知り合った何でも屋の青年・朔太郎は偶然にもつぐみの作品のファンで、その縁で彼の祖父が経営するアパートに移り住みます。朔太郎の優しさに癒され、生きる意欲、書く意欲を取り戻していくつぐみ。あるとき、朔太郎の抱える苦しみに触れ、彼を好きになっていたことに気付きますが、朔太郎が記憶障害を抱えており、もう誰とも恋愛はしないと決めていると告げられてしまいます。
惹かれ合いながらも、相手を思えばこそ一緒にいられない二人が切なく、それでも相手のために自分のできることを精一杯続け、やがて結ばれ、一生を共にする姿に、どうしようもなく涙があふれてしまいました。涙の理由がどうしても言葉にならない…と歯がゆく思いながら、あとがきを読むと、凪良さんが『愛する人へ一生かけて愛を証し続けた二人の物語』と書いていて、ああ、それです!と。
つぐみが『朔太郎さんのこと』を綴り続けることで、朔太郎が支えられ、つぐみ自身も支えられて。そういうかけがえのない関係が、とてもいいなと思いました。
二人が一緒に暮らした描写は「スイート・リトルライフ」の中のほんの少しですが、自然に寄り添う様子がうかがえて、心が温かくなりました。二人は、「絶対につぐみさんより長生きする」、「俺も朔太郎さんを幸せにするよ」という約束を、ただ一心に守り続けたのだなと思いました。「おやすみなさい、また明日」。二人は何回も何回もそう言い合ったのでしょう。互いのありのままを受け入れ、寄り添えたのは、深い愛があったからで、それがとても尊く、憧れてやみません。
つぐみと朔太郎が桃を向いて食べる場面の後、つぐみの言葉遣いが突然よそ行きになったように感じて、違和感を覚えたのですが、それが朔太郎の健忘ゆえと分かったときは、仕掛けの巧みさに驚き、忘れることの残酷さに胸を引き裂かれるように感じました。でも、朔太郎は、忘れることは救いのひとつでもあるととらえています。ヘルパーさんに毎日三時につぐみの遺影のある仏間に連れて行ってもらい、つぐみへの愛しさと懐かしさを思い出す、それは晩年の朔太郎にとって生きることそのものなのだろうと思いました。忘れても思い出せばいい。思い出せなくても、つぐみが書いてくれた『朔太郎さんのこと』がある、朔太郎はそう考えていたのでしょう。二人の愛をここまで見届けさせてもらって、胸がいっぱいになりました。
こんなにも心揺さぶられる作品を、きっと凪良さんは身を削るように書かれたのだろうと、勝手ながら想像してしまいます。自分では経験しえない、深い愛に生きた二人の物語を読むことができて、とても幸せです。
つぐみさんが好きです。なんかもう天使みたいな人です。
すごく温かい人です。思いやりの人です。
朔太郎さんもとてもいい人なんですが、やはりそこはつぐみさんと
出会えたからこそなんではないかと。
二人とも本当に幸せだったのだなぁ。と納得しました。
涙涙で読み終えましたが、悲しい気持ちではなくなんていうか感動の涙。
死を扱う作品は得意ではないのですが、この作品は人生の終わりであって
死という扱いではなかったので悲しい気持ちではなく読み終えられたと思います。
BLという枠でなくても充分読み応えのある作品でした。
もっと早く読めば良かった。再読間違いなしです。
またしても号泣。
本編はなんとか持ちこたえたのだけど、本編後のSSで涙腺崩壊でした。
優しく、暖かく、切なく、愛しさのつまったエピローグでした。
穏やかに彼らの結末を看取れました。
年老いた朔太郎さんを見ていると、二人でとても穏やかで幸せに過ごせたんだなというのがひしひしと伝わってきました。
朔太郎さんとつぐみさん、二人で紡いだ一生が、とても眩しく感じました。
本当にあたたかくて優しい物語でした。
このレビュー書きながらも涙零れてどうしようもなくて、何かいてるか纏まっていないのですが・・・。
読んで良かった、もっと早く読んでおけばよかったと思いました。
CDはあまり聴かないのですが、SSが気になるので購入しようと思いました。
とても素敵な作品。
書かれた文章が美しく、情景がすっと浮かぶ。
切なくて苦しくて、でも幸せで。
タイトルの意味が分かった時、涙が零れました。
そしてラストシーン。あっと思った瞬間、鳥肌が立ちました。
私は二人はとても幸せだったと思います。
これも一つのハッピーエンド。
繰り返される思い出の中で二人は永遠に生き続けます。
最近やっと読みました。
もう、今まで読んでなかったことを後悔するほどいいお話でした。この作品を読んでいない人は本当にもったいないです。
記憶障害になって苦しんでいた彼も、大切なことや楽しかったことを忘れてしまっても本当に幸せそうで良かったです。
あとがきで最後のエピソード入れない方がいいと言われたそうですが、私は最後の最後まで幸せだったであろう2人が読めて本当に良かったです。最後のエピソード、とても泣きました。何度読み返しても涙が止まりません。
この作品に出会えて本当に良かったと思います。とてもオススメのBL小説です。
買うか悩んでようやく読むことができました…
この作品に出会えて良かったと思えるくらい、素敵な作品でした。
つぐみが別れてだいぶ心に傷を負っていましたが、それを埋めていく朔太郎が結構くっつくのに時間がかかり、読んでいてもしかしてくっつかないのでは…とハラハラしました(笑)
凪良先生のスピードで、ゆっくり二人が近づいてはまた少し離れたり、美しい風景描写が散りばめられていて、綺麗な小説だと思いました。
最後では涙が止まらず、ボロ泣きしながら何度も読ませて頂きました。
この本は友人からのオススメで初めて
bl小説を読んだ記念(?)すべき
1冊です(笑)切ない系が好きな私
号泣しました。純粋に恋愛小説だと
友人に力説しました。この本が私が
bl小説にハマったキッカケの1冊❗
初レビュー…感想文?文才なくて
すみません。m(_ _)m
関連作を読んだ流れで久々に再読したのですが、やはり良い……。
後書きで「編集さんにはBL的にはこのエピソード入れない方が良いのでは?という助言ももらったけど、実はこれが一番書きたかった」とあった巻末SS。これは私もここが一番キモだな、と思う派です。
それぞれに色々なものを抱える二人が、遠回りを重ねて結ばれる涙腺決壊間違いなしの切ないストーリー……だけでも十分に素敵なのですけれど、人生の終末期までを丁寧に、一緒に体験できた気がするように描写してくれて本当にじんわりとします。
明るく楽しいだけではないけど、心を打つ愛と人生の物語を読みたい方にはお勧めできる一冊です。
凪良さんの筆致は鮮やかに情景がイメージしやすいので、他の方々のレビューにもあるように映画化してほしいという意見があるのも納得です。確かにその気持も分かるのですが、「BL映画」と言う枠の中で下手な映像化をされてしまうリスクを考えると、自由に想像の出来る小説のままの方が良いような気も。ファンの勝手な思い入れ、難しいものですね。
大好きな凪良先生の作品の中でも特に好きな一冊。
十年来の恋人に「子どもがほしくなった」という男の自分にはどうすることもできない理由で振られたつぐみは、下宿の大家の孫・朔太郎の優しさに触れ、徐々に心の傷を癒されていきます。当然の流れで朔太郎に惹かれていくつぐみですが、朔太郎には、「俺はもう誰とも恋愛はしない」と決意する事情があって…。
大好きな人を忘れてしまうのと忘れられてしまうのは、どっちが辛いのだろう。
人を思いやることが、こんなにも痛みを伴うものだとは知らなかった。
なくした記憶の分だけ、それよりもっと幸せな、新しい記憶を二人で植えて。
忘れるたびに塗り替えて。
そうやって生きてきたであろう二人に、読後も涙が止まりませんでした。
凪良ゆう先生の「ショートケーキの苺にはさわらないで」を読んで号泣し、大ファンになってしまったので、本作も購入しました。
期待通り、神でした( ;∀;)
凪良先生は、伏線の忍ばせ方が上手いというか、何度も読み返したくなる工夫が施されていて、作品が手放せなくなる所が魅力の一つだと思います。
あらすじの通り、闇を抱える青年×売れない小説家のお話ですが、わき役達もすごく魅力的で、最後まで飽きさせないストーリーでした。
相手を想うがゆえにすれ違う2人には涙が止まりません。
また、これも凪良先生の特徴なのでしょうか、作品に出てくる時間の流れと言うか、2人が出会うところから何十年も先のことまでが含まれているので、1本の映画を観たような、人間一人の生涯を追ったような、壮大な物語を読んだ気持ちになります。
人間の感情とか価値観とかを作り出すのは、そういう1年1年の時の積み重ねなんだなあと、登場人物が重ねる年月とその変化を読みながら、しみじみ感じます。
先生の他の作品も読んでいこうと思います。
ステキな作品に出会わせて頂いて感謝です。
事故で記憶障害になった朔太郎と、10年付き合った恋人に捨てられたつぐみ。大きな喪失感を抱えた二人が出会い惹かれあう。ラストから数年後のつぐみを想う朔太郎, 残された記憶を辿りながら、朔太郎がつぐみに語りかけるシーンがぐっときた。泣きながら読了。辛いことも当然沢山あっただろうけど、二人が穏やかに幸せに暮らしていけたんだろうとわかって幸せだった。表紙や口絵もすごく良かった。悲しい気持ちになったけれど、素敵な話だったな。
売れない作家の告美と事故で記憶障害のある朔太郎。
切ないけど読んだ後に心が暖かくなる優しいお話しでした。
記憶をなくすことを恐れて告美を避ける朔太郎も
朔太郎の重荷になるまいと離れた場所から思い続ける告美も切なすぎます。
紆余曲折あったけど、二人にとっての幸せが見つかって安心しました。
(離れた時間も意味があったんですね)
最後の短編も幸せだった二人が目に浮かぶお話しで良かったです。
そして、朔太郎のおじいさんがいい味を出していました。
特に告美とおじいさんのやりとりには泣けました。
また読み返したいと思える作品です。
それにしても、告美の元カレの言動にはむかついた。
軽率と言われようとも「神」評価です。命を、人生をかけた愛を描いた作品に弱いのです、主に私の涙腺が。
読み終えて色々考えました。二人の物語がもっと幸せな――笑顔と喜びだけに満ちた、悩みなどない、別のものであったなら、と一瞬だけ思わなくもなかったです。
でも、そんな人生ないですよね。
最初から分かっていた凸凹道を穏やかに、確実に、一緒に歩いた二人の最高の幸せの形がこれなんだとストンと胸に響きました。
凪良さんの作品では軒並み泣かされる私ですが、その中でもこの作品はやばかった。
後書きで作者本人も言っていた通り、最後の評価が激しく分かれる事でしょう。
朔太郎の苦しみであったり、つぐみのかける言葉の出ないもどかしさだったりが、とても心に刺さりました。
本編も涙と愛のが満載のお話でしたが、後日談の展開が神がかってました。
朔太郎の病状の進行と、つぐみを失った頃の朔太郎の変化の部分が柔らかく混ざり合った書き方をされていて、ヘルパーの女性が出てくる頃、読者側もつぐみが既に鬼籍の人だと気付かされる。
つぐみを失う事をあれほど恐れていた朔太郎は、毎日つぐみに先立たれた寂しさや悲しみを思い出すと同時に、記憶からつぐみを失う事が無かったと言う彼の幸せに、読者は気付かされる。
とても幸せでハッピーエンドな筈なのに、同時に悲恋を読んだかのような遣る瀬無さに包まれる。
後味が悪い気もするが、最高の余韻を残す後読感がある作品でした。
これはやはり、萌え作品ではなく神作品か趣味じゃ無いかの選択を迫られる作品では無いかと思います。
まるで作品自体が、筆者いとうつぐみの様なとても不思議な作品でした。
映画化を希望します。
はじめまして。
全く同感です。
でも泣き過ぎて 映画館から出られなくなっちゃうかも。です・・・
激しく同意したため、ついコメントさせていただきました。
失礼いたしました。
凪良先生の描く、切なくも暖かい物語が大好きです。
例えるなら一本の映画を見終えた後の、寂しさと切なさ、充実感と満足感が入り混じった形容し難い感情。このお話を読み終わった時、私が感じたのはまさにこの感情です。そしてそんな感情を抱えたまま、もう一度表紙を見て、また涙が出ました。
タイトルの「おやすみなさい、また明日」
朔太郎とつぐみは幾度となくこの言葉を言い合ったのでしょうね。そう考えると、この11文字がとても尊く美しいものに思えたのです。
素晴らしい作品でした。
読後、えも言われぬ幸せと哀しさが相まった感情に埋め尽くされていました。
この気持ちを言葉で表現するのはとても難しい作品です。
最後のSSは、作者のあとがきでも言われていますが、好みは二分するでしょうね。
でも、私はとても幸せを感じました。
つぐみも朔太郎も、お互いに約束を果たし、永く共に生きていた証を見せてもらえた事がとても嬉しかったです。
みぞおちにズーンと重石を載せられるような、本当に重くしんどい設定で、幸せな人生を送れたのだなとわかってさえもこの重石は取り切れません。
ファンタジーのように奇跡が起きるわけでもなく、ただ淡々と朔太郎の病気の現実が書かれているので、想像以上に突き刺さります。
リアリティもあって苦しいけれど、だからこそ、2人の何気ないやり取りや送っていた日々に、純粋に感動し、一緒に幸せを感じる事が出来ました。
これを読むのは、どっしりと構えられる時でないと受け止めきれないなぁ……
この作者さん数冊読んで、一番心に染み渡った作品です。
そんなわけでこの作者さんの作品を好まれる方には、うーん、結末的には向かないのかもしれないなあとは思いました。
わたしは、情緒やその他の極端な比喩的な表現をあまり好かないのですが、この作者さんの表現は、一言も逃してはいけないなあと感じました。主人公の心情を一番的確に表現している言葉なのだろうし、対象者の心情に全く共感できない時にも、その表現で納得はできないけど伝わってきました。
設定は限りなく重め。展開も軽くはなくて明るくもない。こんなこと言ったらアレだけど、ホントに萌えポイントもない。全体を通して低め安定なムードといった感じがします。だけど、優しい。みんなが優しい。登場人物みんなが優しいのに癒されないメイン2人がもどかしいです。作中表現を引用しますが、半径1メートルから動かないとこで幸せ感じるとか言って、相手の気持ちも考えずに勝手に落としどころつけるとか、元彼も朔太郎もやってることは同じじゃねーかとか、密やかに思いを募らせながら読み進めてしまいました。
巻末のSSは賛否両論あったのでしょうね。
その後、彼らが長年連れ添った時間の幸せの端っこと、朔太郎の障害による切なさとが融合したモヤっとしたとこの混ぜ方。
締めくくりとししては秀逸でした。
私はそこに幸せしか感じませんでしたよ。
活字中毒で通勤時にBL乱読してます。
凪良先生は何冊か読んでましたが、
挿絵の先生があまり得意な方ではなかったので、後回しにしてました。
小山田先生ごめんなさい。
すごく速読なんですが、この本はかなり味わって読まざるを得なかったです。たたーって読めない。言葉がもったいなくて、一字一句をきちんと追いかける。
優しい言葉が山のようにあって、でもほんとの自分(私)にはもたらされない言葉ばかりでせつない、羨ましい、自分がみじめになる・・・
でもやっぱり最後に残るのは、「救い」。
いつかこんな出会いがあるかもしれない と思う私はポジティブすぎ?(笑)
ポジティブ人間ですがSSにはやられました。
電車の中で涙が止まらなくなって、超へんな人でした。
電車の中で読んではいけない本TOP3 に本日入りました(笑)
人間死に方は選べないし、最後は一人だけど、それを私はこんな風に迎えられるのだろうか と漠然とした不安を抱きます。
どうやったらこんな風に達観した終末を迎えられるのだろう?
一生懸命生きればいいのかな。
私にとっては とても考えることの多い1冊になりました。
私としては気分転換!といった気持で手を伸ばされるのは、
あまりお勧めできないです・・
読み終わって、こんなにしみじみとした気分になるのは久しぶりです。最後のSSで泣きすぎてしんどいです。
この話は、BL的萌えというよりか、愛することについて深く感動させられる類のものでした。 記憶障害に関するお話は、BLに限らず涙を誘うものが多いですね。このお話では、おじいさんになっても全く全ての記憶が無くなっているわけではなかったので救いがありました。何せ、愛するつぐみのことは一時も忘れなかったので。 最後のつぐみが亡くなってからの朔太郎のお話あるのとないのでは、この本の印象は違うと思います。本当に最後の辛い部分まで書きぬいて下さった凪良先生に感謝です。
主人公のつぐみは、天涯孤独で10年来の恋人に振られた売れない小説家。小説家独特の悩みや苦しみが所々に書かれてあり、書いていらっしゃる本人が小説家だからこそ嫌に現実的でした。孤独で押し潰されそうだったつぐみと記憶障害を抱える朔太郎。二人はすぐに惹かれ合います。
そして結ばれるまでが....とても長く切なく、悲しいです。
つぐみの元彼が現れた時、朔太郎は「つぐみは俺のものだ」というのではなく、「やり直すなら一生手を離すな」と言います。そのシーンが切なすぎて、やり切れなくて、苦しかったです。
結局、朔太郎の負担になることを恐れたつぐみは彼のもとを去ります。その間にも、朔太郎の病状は進み、つぐみの孤独感は深まります。そして二人の間を取り持っていた朔太郎の祖父が亡くなった後、二人はやっと結ばれます。
その時の朔太郎の告白に泣きました。初めて素直につぐみを求めた朔太郎に切なくなりました。
SSを読むと、それから二人が長く寄り添ったことが分かります。つぐみが先に逝ったとはいえど、二人とも長寿すぎて、普通の人より幸せそうなくらい。笑 でも過去に沢山悲しんだ分のご褒美だと思います。二人が天国で、お互いを忘れないような世界で再開することを願います。
BLとして萌えたかと聞かれると違うのですが
本編とSSまで合わせて、良作の映画を1本見たような、そんな作品です。
朔太郎や告美だけでなく
おじいさんや担当さんや漫画家先生、アパートの住人の言葉が
優しかったり厳しかったり突き刺さったりして
でも一貫して暖かい。
許されているような感じとはこういうことなのかな、と。
ぬるくてほのぼのとしたままお話も終わるのかなと思いきや
SS「スイート・リトル・ライフ」で号泣です。
本編はSSで泣かせるためのものだったのかしら・・・
新幹線での移動中の暇つぶしに予備知識なし、小説のあらすじだけでなんとなく購入しました。
序盤はそこまで入りきれないというか、よくある失恋からの新たな恋ってパターンかなって読んでいたのですが、途中から一気に入り込んでしまいました。
昨日の言動がすっぽり消えている、大切な思い出さえも消えて、そこに残るものは…
切なくてとても悲しい、けれどとても温かい作品で心にとっても響く1冊でした。
ただ、新幹線で読んだ事は激しく後悔、ちょっと泣きそうになって隣に座ったおばさんにジロジロ見られてしまいました。
最初読み始めは、「そりゃないやろう!」と怒りから、ほんわかとした温かさに、そして最後は思わずありがとう!といいたくなる作品でした。
読んでよかったと思える作品です。
涙は、出ませんでした。
でも少しほっとしました。なぜなら、泣くのがいやで、この作品を読むのをずっとずっとためらっていたからです。
自分が年齢を重ねてきたせいか、今日と同じ明日が来るとは限らないこと、ままならなかった沢山の想いや、選ばなかった方の人生の選択肢を考えても詮のないこと、そんな事をよく実感するようになりました。
だから、越えることの難しい困難を抱えているような、いわゆる「泣ける物語」は、時に自分が考えているよりも深く激しく心をえぐってくることがある…だから泣けることで有名なこの作品に怖気づいていました。
でも思い切って読んでみて、さすがの名作。優しさと切なさと、愛と少しの哀しさ。そんなものが美しく織り上げられていると感じました。
まだ若くて、こんな事って悲しすぎる、とわんわん泣けるような、そんなお嬢さん方に是非読んでみてほしい。そして、未来にやってくるであろう様々な不条理を、受け入れてそれでも続く生活と愛情の事、そこに思いを馳せてみてほしい。そんな事を感じました。
「スイート・リトル・ライフ」
忘れてしまうことをずっと恐れていたけれど、実際時がたって本当に忘れ始めたら、それは穏やかなものだった…この展開は私にとってはほっと息のつけるエンディング。もちろん毎日毎日つぐみがいない事を「思い出す」という喪失感はつらいけれど。
そして、ヤコ先生も貢藤さんも、もうみんないないんだろうなぁ。
「恋愛前夜」「求愛前夜」そしてこの「おやすみなさい、また明日」この3冊の世界観、描き方がそれぞれ全く違うところ、さすが凪良ゆうさんです。
BLから遠ざかっていた私を一瞬にして、
この世界に引き戻してしまった作品です。
色々な事に傷つき、臆病になっている二人が少しずつ歩み寄って行く姿は切なく、胸が打たれます。
メイン以外の登場人物も個性豊かなキャラが揃っており、特に祖父の優しさと温かさが素晴らしい。
そして巻末のSSで号泣。
このSSを掲載するかどうか迷ったと作者があとがきで書かれていましたが、この後日談あってこその本編。むしろ本編はこの後日談への長いプロローグだったのではないかと思いました。
人と人が寄り添って生きていくという事はこういうことなのかと、
教えてくれる美しい作品です。
子供が欲しいという理由で同性の恋人に振られたつぐみと、事故で健忘症と診断された朔太郎の穏やかなラブストーリーです。
世間の人から同情はされても、理解はされないだろう二人の境遇に、途中読むのが少し辛かったです。
身体を重ねても恋人にはなれない、お互い好きなのに離れる選択をした二年間はどれだけ心細く、切なかっただろうと思います。作者の凪良ゆうさんもあとがきで書かれていましたが、この物語の集大成はラストの『スイート・リトル・ライフ』だと思います。
年老いた朔太郎は過去と現在がごっちゃになり、つぐみが先に亡くなったことも毎日忘れてしまうけど、それでもつぐみとの約束を守り長生きしてくれたんですね。
このラストがなかったら、読み終えた後古本屋に売ろうかと思ってましたが、もう少し手元に置いておきます。