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表題作隣人は恋人のはじまり

小野圭司,マンションの上階に住む歯科医師
堂島蛍,会計係の主任

同時収録作品その後の眠り王子

宮村周平,デリの常連から恋人になった会社員
堀篤史,デリのオーナー,料理教室講師

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

癖、偏屈、偏食で意固地な経理部会計主任の
堂島 蛍がこの世で一番愛するものは、静寂と清潔だ。
人に好かれたいと思ったことはないし、
恋愛とか結婚とか、わずらわしいことは人生から排除している。
だから、今はとても幸せだ。……幸せな状態のはずだ。
そのはずなのに、なぜか胸がざわざわして、蝶のつがいにさえいらついてしまう。
そんなある夜、酔っぱらった蛍は勢いで恋人代行業の便利屋に電話してしまう。
現れたのは、清潔な匂いのするハンサムな男だったけど!?

作品情報

作品名
隣人は恋人のはじまり
著者
月村奎 
イラスト
木下けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
いつも王子様が
発売日
ISBN
9784813012986
3.8

(113)

(27)

萌々

(55)

(20)

中立

(8)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
16
得点
423
評価数
113
平均
3.8 / 5
神率
23.9%

レビュー投稿数16

これぞツンデレ

眠り王子にキスを、は未読ですが、これだけでも大丈夫でした。

受けの蛍が、とにかくカワイイ。
攻めの小野先生が惹かれるの、わかります。
拗らせちゃってツンツンしているのに、根本は優しくて極度の照れ屋さんなんです。
作中ずーっと空回りしていて、一所懸命さにほっこりしちゃいました。
この蛍の「ツン」が、私には可愛かったのですが、苦手な方もいるかもしれません。

小野から「好き」がだだ漏れしているのも良かったです。
強引に思うほどグイグイ押してます。
蛍みたいな性格なら、このぐらいじゃないとダメな気がします。

お話の流れは有りがちなのですが、最初から最後までストレスなく(途中、切ない場面はありますが、先は読めるので)読めて、正月疲れした身体に優しい作品でした。
安心の月村先生クオリティ、大好きです。

0

都合よくハマる

何せ、この二人の出会いが「恋人代行頼もうと思ったら、都合よくご近所さんに助けてもらって、さらに代行業者と間違えたまま色々しちゃった」なのですよね。

ま、攻めの小野の方は引越しのご挨拶の時点で、好意を持っていたというからキッカケに過ぎなかったんだとは思いますが。
受けの蛍は生い立ちがちょっとややこしくてねじ曲がって育ってしまったということもあって、素直じゃない性格です。ツンデレなのか、もうその域じゃない気もしますが。

物語は二人の距離の詰め方というか小野の近づき方というか。
それを軸に蛍の病んでる思考回路を追う形で進んでいきます。最初は気がつかなかったんですが、「眠り王子にキスを」の宮村が出てきてました。単なる同僚かと思いきや、篤史の彼氏だった宮村でした!
蛍が唯一?ちゃんと話せる同僚でしたが、蛍にもカムアウトして恋人が男性だっていうシーンに萌えました。
きっと蛍に心理障壁を低くする一つのきっかけでもあったと思いました。

最後は小野のうっちゃり的な展開でめでたく結ばれるわけですが、小野みたいな人がいたら世の中楽しいだろうな。

0

強引な歯医者さんとツンデレリーマンに萌え

ツンデレで無愛想なサラリーマンの蛍が、モテモテな歯医者さんの小野に翻弄される姿が本当に可愛くてたまりませんでした。
ものすごくお酒に酔った蛍がお姫様抱っこをリクエストしたり、キスをねだる姿にキュン…。
小野はイケメンでモテモテなのに、潔癖、偏屈、偏食な変わり者の蛍をどの辺から好きだったのか…。
小野が蛍にしつこく?仲良くなろうと近付いていくのが、手懐けている感じがして好きなポイントです。
小野の言葉攻めと、ちょっと強引っぽい濡れ場がものすごく好みです。

0

歯医者さんが無敵

月村先生祭りで。
自分の欠如感を生まれのせいにも環境のせいにもしたくなくて、そんな自分が嫌で嫌で、でもそのいちばん辛い部分にぶつけずにいられない蛍を、わりと容赦なく正直にさせていく攻様の小野さんがとても魅力的です。
スパダリともちょっと違うんですけど、なんとも言えない大らかさと憎めなさ。つかめなさが逆に小憎いくらいでした。ホームの歯科医院では診療してるだけでえっちでした。
最高潮に、くぅぅぅそういうとこ!てなるのは次のお話の「その後の眠り王子」でした。
全部わかってて宮村くんに蛍のぶんまで謝ってた小野さん!!なんだやっぱりスパダリか!ていう(でもちょっと違う)…ここでいちばん悶えました。

冒頭からしばらく、蛍の感じ方がほんとにしんどくて…女性性や生殖、人そのものへの嫌悪がむき出しで読んでいてすごくすごく辛かった。
月村先生の描写や人物のつくりがすごいてことだと思うのですが…あまりにリアルに文言がしんどくて、挫折しそうになったあたりで、
小野さんがぐいぐい蛍を解していって、蛍のコミカルさに余裕が出てきて、後は一気に読めました。
甘えたいとき、ふわふわのパンケーキみたいな柔らかい何かに包まれたい、て蛍が思うくだりが、刺さり過ぎました…。
木下けい子先生の挿絵も、蛍の可愛げを最大限に見せてくださってて読み始めのしんどさを助けてくれました。
小野さんの謎の余裕もイメージぴったりでした。

ただひとつ、小野さんに勝手に残念だったのが、出会い方からして偏屈で自分勝手な蛍に構う理由のなかに「美人で」というのがあったこと。
作中で蛍が美人なことはほとんど生かされてなくて、そこがまたこのお話でとても好きな部分なのですが、どうせなら蛍との勝手な掛け合いを楽しめる小野さんには、蛍の中身でまるごと見て欲しかったなあと…、
小野さんが、いい人なだけでないとこが好きだけに、本編読み中はつい理想を求めてしまいました。
でも後のお話で挽回以上でしたやっぱり小野さんズルイ〜!
寛大で食えなくて、月村先生の攻様の中でもダントツに好きです。
二人のお話としてはくっついて終わったようなので、どこかに続きがあるなら知りたいです。

4

一人こじらせさんの救世主?王子様?

眠り王子にキスを、を読んでいないけど本編は大丈夫でした。

堂島蛍と小野のお話。

蛍に共感しながら読んでました。
蛍ほど潔癖で偏食じゃないけど自分と似て、兄弟が多くて早く実家を出たく、人から浮いてしまうが本当は構われたい仲良くなりたいけどうまくできないから一人がいい。
小野に構われてモヤモヤぐるぐるするところは、友人未満?な人に対する自分の気持ちを思い出させました。相手はどう思って構ってくるんだろうとか。
きっとつまらない相手だと気付けば去っていくだろうと自虐的に思ってしまったり。

小野は蛍に何を言われても笑って自分に都合のよい様に受け取り気付けばすっかり小野のペースに。
そして一人が幸せ!でも最近人恋しい蛍を構ってきます。男女両方いけるとか蛍が好みのタイプだったとか言われて経験のない蛍は戸惑います。
小野の行動や言葉にぐるぐるする蛍が可愛かったです。一人突っ込みとか。

偽恋人ダブルデート事件もすっかり見抜かれてましたね。
そこからの小野の追い詰めも良かったです。
一生蛍を構い倒して甘やかしてでも一人になりたいときは一人にしてあげてください!蛍をよろしく!

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