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パブリックスクール-檻の中の王-

public school ori no naka no ou

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表題作パブリックスクール-檻の中の王-

エドワード・グラームズ
18歳,イギリス貴族,学生
中原礼
16歳,日英混血,学生

あらすじ

唯一の肉親だった母を亡くし、天涯孤独になった礼を引き取ったのは、
父の実家のグラームズ家。なんとイギリスの名門貴族で、礼は全寮制
パブリックスクールに通うことに。けれど、そこには寮代表で監督生の
義兄・エドワードが学園に君臨していた! 引き取られたばかりの
幼い頃は可愛がってくれていたエドは、礼が入学した途端、なぜか冷たい。
「俺が卒業したら、おまえは日本に帰れ」と言い放ち!?

作品情報

作品名
パブリックスクール-檻の中の王-
著者
樋口美沙緒 
イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール
発売日
ISBN
9784199008160
4.4

(645)

(454)

萌々

(106)

(33)

中立

(17)

趣味じゃない

(35)

レビュー数
70
得点
2810
評価数
645
平均
4.4 / 5
神率
70.4%

レビュー投稿数70

学習能力のない主人公が無理すぎた

久々にここまで良くない読後感を味わった。最初は理不尽に思えた環境も、そうなるに至った経緯を知れば、どうなろうと礼の自業自得に思える。常に二択を間違える礼は、最後にエドを壊して終わっていく。残ったのは激しい不快感だけだった。

礼は誰に何度期待を裏切られても懲りずに相手に期待して、愛されたいと願っている。そうした性質は何年経っても変わらず、学習能力が無い。何か言われてもただボサっとしていて、自己主張もない。「なんのこと?」と訊いてばかりで思考すらできないところは、いつまで経っても成長しない。

エドを好きだと言いながら、エドが必死に懇願したことを拒み、話せば分かってくれると自分の気持ちを押し付ける気満々なのは傲慢。しかもエドの望みを拒否しておいて、いじめ加害者の言葉にはしっかり耳を傾ける意味が分からない。それが一度じゃないから、礼への不信感が増していく。

さらに表向きにはエドの男娼で良いと考えたところでドン引きした。あれだけ母親が娼婦扱いされることを悔しがっていたのに、自身がそんな立場になれば、母親の汚名なんて晴らせるわけがなくなるのに。親を忘れて男を取った盲目ぶり。

その後も礼の言動には卑屈なのに自意識過剰さが見えたり、なぜかエドに他の男といる言い訳を求めたり、エドの過去の失恋話を第三者に話したりと、余計なことしかしない爆弾のよう。しかも本人に悪気が無い自己中で、救いようがない。

そして最後はブチ切れたエドが礼を強姦するという。エド側から見たら、今まで人間扱いしていなかった相手で、家畜を犯す主人を見ている気分になる。それに喜ぶ礼の心理描写は、尊厳を積極的に放棄したいのかと思うほどに気持ち悪い。

いくら両片思いだろうと、表に出す愛情表現がこれでは人間同士だと思えない。理不尽なことが次々起こる話を、何も学ばない、まともにものを考えることもできない主人公視点で追うのは耐え難い。お花畑にも限度がある。

少しでも印象を良くして読み終わりたいが、次巻を読むのは礼が受け付けなくて無理っぽい。この終わり方が二人の最良ってことで良いかな。

4

途中で放り出していたことを後悔。「愛するとは」ということをひたすら考えさせられる一作

あまりにも有名なこちらのシリーズ。
実はかなり前にこの1巻を購入していたのですが、その際は序盤のエドの冷淡な態度にモヤモヤしてしまい、序盤で脱落。。

長く本棚で温めていたこちら、外出するにあたり携えて出かけ、読み始めたら…

ページを捲る手が止まらない!!
なんで、なんでこれを放置していたんだ、昔の自分。。と激しく後悔しました;

攻めのエド視点がないため、あくまでも受けである礼の目を通した描写で想像し察するしかないのですが、礼に冷たく当たるしかないエドの苦しみ、心のうちを考えると泣けてきてしまった( ; ; )

幼少期のエドの、不器用ながらも彼なりの優しさと愛をもって接する姿。それが彼の精一杯の愛の示し方なんだな、とどこか微笑ましくも思ったけれど…
現在のパブリックスクールでの冷淡な態度に隠された思いと愛、執着を想像すると、胸が締め付けられる。。過去⇄現在の対比が本当に見事で、エドという人物に心を鷲掴みにされてしまいました。

またエドが独占欲と執着を隠しきれなくなるきっかけとなったキャラ、オーランドの語る言葉がもう、一つ一つが痛いほど、ストレートに刺さる刺さる。
礼が開眼していくのと同時に、自分の中の扉も開かれてハッとするような感じ…

2人のうち1人なんて選べないや、と思うほど、オーランドというキャラにも夢中になってしまいました。

終盤の食堂でのお仕置き?エッチの濃厚さもたまらない。
こぼしたビーンの数だけ突き上げるとか、やってることは鬼だし酷い!と思うんですが、初めて礼に突き放されたエドの絶望や怒り、執着心がこれでもか!!というほど伝わってくるんですよね。で、もう胸打たれてしまう。たまらなく心が傾いて持っていかれる感じ…

読み終えた今、一仕事終えた後のような疲労感を感じ、ちょっと放心しています。

まだまだすれ違いのさなかの2人の心。
これは、続刊を読まずにはいられない、、
じっくり大切に、シリーズを追っていきたいと思います。

0

No Title

舞台はロンドン、パブリックスクールなんて好きしかないそこに放り込まれた日本人の礼、優しい母に育てられて純粋で疑うことを知らない礼が様々な思惑が飛び交う場所で生きなければならないのがとにかくかわいそうで エドの激しい執着は感じるけどとにかく酷い。怖い。それぞれの思惑がまだまだ見えてこないから礼が心配です 【きみの想像力は、一生涯君の杖になってくれる⠀】というある人の言葉が今作ではとても印象に残った。この言葉がきっかけで礼が閉じこもっていた狭い世界から一歩出ようとすることになるから。

0

つらくも素晴らしい!!

パブリックスクールシリーズの一冊目を読み終えたところでレビューしています。
エドとレイ、2人の未来はまだここまで読んだだけではわからないところですが。。。
その時点で思うことは、エド!!!なにか重く深い理由があるんだろうけど、レイを大大大好きなんだよね!レイに優しくしてあげて!お願いだから、君の心の中の本当の気持ち、深い愛情を示してあげて!!って、切に思っているところです。
あー、レイはせっかくできた素晴らしい仲間と演劇に参加できるんだろうか?(きっと2巻でできるはず?!)
それにしてもレイが、ひどく辛く寂しい状況化でもひねくれたりせず、まっすぐな、美しい心のままで、人やエドへの愛を持ち続けるところも素晴らしいし、よき仲間に出会い、認められて、変わろうとし、成長していく様も、読んでいて心うたれました。
あー、続き、すぐに買って読もうと思います!

0

神でした

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