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表題作恋は甘くない?

川久保省吾,大学1年生,「スイーツ研究会」所属
小嶋睦月,大学1年生,「スイーツ研究会」所属

同時収録作品恋は苦くない?

瀬野冬紀,農家の息子,御子柴の幼馴染
御子柴剛太,「スイーツ研究会」所属に所属するオネエな大学生

その他の収録作品

  • 恋は苦くない?(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

揉め事が苦手でノーと言えない睦月は、大学入学早々、先輩がふくよか男子ばかりというスイーツ研究会に入部することになった。
同じく新入部員となったのは、イケメンで何でもはっきりとものを言う川久保。
まったく似ていない二人は、一緒に行動するうちにだんだん仲良くなってゆく。
そんなある日、いつも助けてもらっていることを睦月が詫びると、「お返しにキスでもさせてもらおうかな」と川久保に唇を奪われ……?

作品情報

作品名
恋は甘くない?
著者
月村奎 
イラスト
松尾マアタ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403524240
3.8

(76)

(11)

萌々

(43)

(19)

中立

(2)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
15
得点
286
評価数
76
平均
3.8 / 5
神率
14.5%

レビュー投稿数15

助演女優賞・ミコちゃん

流されるままにスイーツ部に入部する羽目になった睦月。
この睦月がノーとは言えない男で、あまりにもノーと言えない睦月に最初はイラっとしたんだけど、不平不満も言わずにその結果を楽しんでるので、まぁいっかなと。

それよりも、スイーツ部に在籍する巨漢のオネエ・ミコちゃん先輩の言動がかなり面白くてかなり笑わせてもらいました。
特に途中から入部した当て馬の沢渡と、ミコちゃんとのやり取りときたら、コントか!!って感じで、何度も吹いた。

後半からは、ミコちゃんの元カレも登場するんですね。
その元カレは、影でハリウッドと命名されちゃうほどの日本人離れした顔&体型。
そんなハリウッドと巨漢なミコちゃんという組み合わせを見た沢渡が、「トドとクジラのぶつかり稽古」と言うところは、ほんとーーーに笑いました。

正直、攻め受けのメインカプよりも、ミコちゃんのほうが私の中では印象鮮やかで、助演女優賞どころか主演女優賞を捧げてもいいなと思ってます。

0

恋も青春もとっても甘い

みなさん、甘いものは好きですか?
大好き!という方、まあほどほどに好きかなと思った方。
もしかして可愛いものも好きではないですか?
甘さも可愛さもほしい。そんな方にぜひおすすめしたい作品です。

NOと言える日本人×NOと言えない日本人の組み合わせ。
月村先生のラブコメディ作の上手さが光る作品でした。
ちょっとした表現にもユーモアがあふれていて、なんだかクスっと笑えちゃうんですよ。
誤解と思い込みものがお好きな方にもおすすめ。

NOと言えず、優柔不断で消極的な流され天然受けというのは、時として人をイラつかせることもあるかと思うのです。
けれど、味付け次第ではこうもおかしく、可愛く見えてしまうのが面白い。
今作の受け・睦月は、NOと言えない日本人の代表とも言えるのでは?というくらい、とにかく流れに流れて流されて生きて来た安定の月村先生キャラクター。
しかし、なぜか読んでいてもそこまでイライラはしない。
というのも、相手を思いやり過ぎるがあまり、物事をはっきりと断れない自分が悪いときちんと分かっていて、なおかつガッツがあって、引き受けてしまったからには責任があるだろうと。
ならばいっそ楽しんでしまおうかと、妙にポジティブな部分がある不思議な子なんですよね。
お相手の川久保が、物事を白黒ハッキリバッサリ言うタイプだったのもバランスが良い理由のひとつかな。
読者がイライラする前に川久保が横からさり気なくフォローをしてくれますし、自分と正反対の性格の睦月を決して否定しない良い男です。

そんな彼が断り切れずに入った「スイーツ研究会」というサークル。
こちらのサークルでの活動と大学生活をメインに受けの睦月視点で語られます。
スイーツと聞くと、女性ばかりが所属しているのではないか?と思いがちですが、それが違うんです。
天然パーマのふくよか、小柄なふくよか、眼鏡のふくよか、オネエなふくよか、ふくよかではない男前…と、全員がわりとふくよかな男性。
彼らは純粋に甘いものが大好きで、皆で集まってはとても幸せそうにお菓子やケーキを食べるんです。
どこどこのお店のケーキを食べに行こう!だとか、べっこう飴を作ろう!だとか、大学生の男の子達が集まって楽しそうにしているのが本当に微笑ましくて!
紳士的で、清潔感があって、お行儀も良くて、身体も大きければ懐も大きい。
どの部員も気の良い人ばかりなのが良いんだなあ。
なので、なりゆきで入ってしまった睦月もなんだかんだで自然と溶け込めちゃう。
こんな楽しそうな活動、自分もしてみたかったなあなんて思ってしまいますね。

そこで知り合ったのが、同じ学科の同級生・ふくよかではない男前こと川久保で。
先ほども書いた通り、物事をハッキリと言う男前なんです。
でも、人のことを思いやりすぎてNOと言えないでいる睦月のことを理解し、さり気なく助け舟を出してくれる。
このフォローの仕方がスマートだったり、時にはユーモアにあふれていて素敵。
実は無理をして沢山食べていた少食な睦月のことを「さちこはバナナが半分しか食べられないんです」と部員に説明し始めて爆笑。それが後でまた登場して更に笑ってしまう。
月村先生のコメディ、好きだなあ。

次第に睦月は川久保のことを好ましく思い、彼と親友になれたらいいなあと「最初はただの友達でいいから仲良くしてほしい」と言ってしまう。
お互いに「友達以上の関係」を誤解したまま関係が深まっていくのがなんとも珍妙。
ゲイである川久保は睦月が恋愛関係になりたいと思っているという意味で解釈し、睦月は純粋に親友関係になりたいと思っている…

いやいや、どっちもどっち!
というか、それだけで付き合っていると勘違いをする川久保もなかなかズレていますよね?
この、噛み合わなさそうで絶妙に噛み合っていたりする描写の数々と、川久保からのキスに、睦月の心と同じくどこかがきゅんとしたりムズムズするんですよ。
これぞ誤解と思い込みものの醍醐味でしょうか。
2人がくっ付くまでの間に沢渡という当て馬ポジションの同級生が登場しますが、彼も憎めないキャラクターで。
沢渡とのやり取りの中で、やっとNOが言えた睦月の姿にホッとしました。

隙あらば甘いキスをしたり、時にはいき過ぎない程度の強引さがあったりと、クールな川久保の恋人には甘いギャップがものすごく良かったな。
どこで睦月を好きになったのかについては、もう少し詳しく書いて欲しかった気もしますが、個人的にはとても好みの攻めでした。
付き合ってからというもの、どストレートに好きの言葉を放つ川久保が好きで。
松尾先生の描かれる川久保がですね、色気たっぷりでまた素敵なんですよ。
特に、ボロ泣きする睦月の頭を撫でる挿絵の顔が良過ぎる。

後半は、オネエなふくよかこと、ミコちゃん先輩(御子柴)の実家のホテルのお手伝いをするお話。
ちょっと、ミコちゃんと幼馴染のハリウッドこと瀬野の苦い恋のお話にじんわりときてしまいました。
当時は今よりもまだ子供でどうしようもなかったけれど、ずっと後悔をしながら一途にミコちゃんを想う瀬野の姿にやられた。
こちらのCPももっと読みたい。商業だとビジュアル的にNGが出ちゃいますかね?
川久保と睦月CPもやっとスタートラインという感じだったのでもっと読みたいなあ。
初えっちの時に「今夜はよろしくお願いします…」「こちらこそ」と言う2人が初々しくてたまらない。
ミコちゃんと沢渡のコミカルなやり取りも楽しかったですし、脇を固めるキャラクターが魅力的でしたね。
川久保とミコちゃんと瀬野に心が持っていかれました。

読後にはきっと、童謡の「サッちゃん」が頭から離れなくなるはず。
思わずスイーツが食べたくなる、甘くて可愛らしいラブコメディでした。

0

脇が濃い!

脇って体のじゃなくてバイプレーヤー的な意味なアレです。
自分に自信が無く他人に何か言われたら断れない主人公・睦月に
冒頭はちょっとイラッときてしまいましてね。
大丈夫なんだろうかと思ったのも束の間
はっきりものを言える川久保に胸がすいたような気持ちになりました。
ズバッと断っても決して気分を害しないでいられるのはイケメンゆえかもしれませんが
そのフォローもきっちり出来る男だからなんでしょう。
睦月をかばった川久保の「さちこはバナナが半分しか食べられないんです」は
この作品の名言ではないでしょうかww
その後みんなにさっちゃん呼ばわりされるのも面白かったです。

川久保も何度も誉めていましたが
あれだけ流され体質なのに人のせいにせず物事に対して楽しむ姿勢にうつせるのは
才能とも言っていいほど睦月の長所ですね。
そこに気付いてあげられる川久保も偉い。

THE当て馬となってしまった沢渡の憎めなさったら!
川久保のことは結構本気だったのかもしれないけど
睦月の純粋さには敵わなかったんでしょうね。
ナイスアシストで最終的には良い仲間としての立ち位置にまでなったんだから
きっと沢渡も素敵な恋が出来るんじゃないかな。

なんといってもMVPはミコちゃん!!
筋のとおった人間力のふくよかなオネエと、スイーツもいいけど一緒に呑みたい…。
ハリウッドこと冬紀の過去の暴言はしんどかったけど
ある意味漢を見せてくれたので結果オーライで。
個人的にミコちゃん×冬紀がいいなぁ…。オネエが攻めって楽し過ぎませんか?(独り言)

いざっていう時に拒否の言葉を告げられ続けた川久保に同情しつつ
二人がお似合いだっていうことは変わりないと思いました。
ちょいちょい「小嶋のくせに」って言われるのはなんだかモヤモヤしましたが
全体的に楽しませていただきました。

1

大学生+サークル=青春?

恋は甘くないことはなかった。

私の胸の中の子ネズミも何度も走り回ってました。

川久保がまさか睦月に告白されて付き合ってる気になってるとは思いませんでした。だからキスしてきたのか。睦月も鈍くて言葉通りお礼のキスだと思ってるのですが、いや待て!そんなことあるか!
川久保がゲイなら睦月がノンケだとわかっただろうに告白と思い込んでそのままベッドに誘うとか。
きゃわくぼきゅんで落ちたとは言っても早いよ!
睦月のどういう所が好きかどれだけ好きか早く伝えてくれていたらなあ。

睦月も胸の子ネズミがウズウズするのに自分の気持ちを自覚するのにタイミングが悪かった。
けどちゃんとノーと言えました!偉いよ。

確かに川久保の彼氏力は何度も発揮されてましたね。

後編はみこちゃん先輩にもってかれましたね。良かったね!ハリウッドとお幸せにと心から思えます。

睦月の持ち前のネガティブさで川久保の気持ちを勘違いしてすれ違って遠回りしたのがもったいないと思ってしまう。小説だとやはり結ばれる所を読むのがクライマックスで結ばれた後の甘々を読むのが醍醐味な場合もあるので。
まあ色々あって二人の場合は満を持してということでいいのでしょうか。場所もアイテムも厚意でもらった状況だし。誕生日前日だし素敵なお部屋で過ごせて良かったね。

私も小心者でノーと言えず自分を責めるタイプなので睦月に共感してましたが、睦月はそこから楽しんだり何かを得たりできる子ですね!とてもいい子です。川久保も睦月の全部が好きって良かったね。
甘酸っぱくてサークル活動とか夏休みに避暑地のホテルでバイトとか青春ですね!

睦月ももっと好きって川久保に伝えていかなきゃね。

1

許容範囲内

月村本の積ん読消化中。
いつにもまして典型的な月村テンプレだったんですが、これはそこそこ楽しく読めました。
グルグル後ろ向きなネガティブ受けでしたが、まだ学生、十代だったし、ノーといえないじぶんがわるいと自覚しているところが許容できたのかも。振り回されている攻めは、ちょっとかわいそうでした。ふくよかな脇キャラがかわいかったのもよかった。

イラストは好みの絵柄ではなかったし、口絵カラーの横顔がありえない変形で、描き癖なんでしょうが、かなり苦手でした。それでも、ふくよかなキャラたちがかわいかったし、御子柴先輩と元カレの抱擁シーンには爆笑しました。

2

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