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表題作カーストヘヴン 3

仙崎 鴨(高3・バッドボーイ,エキセントリックな男
巽 耀一郎(高3・バッドボーイ,刈野の異母兄)

同時収録作品カーストヘヴン

刈野 滉平(高2・キング・政治家の息子)
梓 裕也(高2・元キングで現ターゲット)

同時収録作品カーストヘヴン 番外編

八鳥 圭吾(高2・メッセンジャー)
大須賀ゆかり(高2・ワナビー)

その他の収録作品

  • behind the game
  • 電子限定 おまけイラスト2P

あらすじ

安心安全の僕の世界。
ぶっ壊してくれるのを待っていたのかもしれない。
それが救世主じゃなくても。悪魔でも。
刈野の異母兄・巽は、敷かれたレールを真っ当に歩んできた優等生。
エキセントリックな男・仙崎に出会ったことによって、「優等生」の枠を逸脱し始める。
仙崎は巽に激情をぶつけ、同じように全てを投げ出した本気の愛を求めるが…。刈野×梓編、八鳥×大須賀編も収録!

作品情報

作品名
カーストヘヴン 3
著者
緒川千世 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
シリーズ
カーストヘヴン
発売日
ISBN
9784799733462
4.2

(241)

(141)

萌々

(55)

(25)

中立

(10)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
23
得点
1010
評価数
241
平均
4.2 / 5
神率
58.5%

レビュー投稿数23

ネタバレ&個人の解釈です。

カーストヘヴン3巻まで読み切りましたが、外側から見たら確実に狂っているカーストゲームで支配されたこのコミュニティの中で光を見いだせたのがこの3巻、巽でした。

それぞれのCPを部分的に切り取った萌えポイントは数えきれない程ありますが、カーストゲームにより「演じることを余儀なくされた世界」の元で彼らを見た時、どう受け入れてよいか分かりませんでした。そもそも役割を演じる彼らは、通常生きていたとしても元々の顔(本性)に多少周りの目を気にして、多少の仮面は被るでしょうに。それに厚塗りするかのように、階級を演じ。カーストにより本性を暴かれる者、カーストにより更に深く仮面を被る者。誰かに仮面を貼り付け、あたかも素顔のように思わせる者。
そんな世界でどの愛を、どんな愛の形を信じればよいよか、そんな疑心暗鬼の状態で読み進めていました。

だが、巽は違う。カーストゲームはただのお遊びで良かった。退屈な日常に光指す刺激でよかった。バッドボーイとして仙崎と愛し合うことになった巽は彼との交流を経て、敷かれたレールから逸脱出来ない自分を知り、どんなに願っても理想に手が届かない、最終的にレールから外れる選択が出来なかった自分を知ります。それでも尚、仙崎と運命を共にする叶わなかった未来を思い、矛盾だらけの自分を知ることになります。

カーストゲームという恐ろしい環境の中で自分を見つけ出してくれた巽。きっとハッピーエンドではなかったけれど、それでもこの世界の中でまっすぐ自分と向き合った巽を見れて救われました。

優等生から離れ、仙崎と愛し合ったあの時間は巽にとっては、一時の息抜きでも遊びでも汚点でもなく、ただ自らの顔面に張り付きすっかり皮膚と馴染んでしまった仮面を脱ぐことの出来た、生まれたての透明な姿だったのかな。と思えました。
この話を読めて良かったです。
常にどこかで誰かが虐げられる、そんな残酷な世界の中で巽のような人に出会えて私は良かったです。

11

とてもいいです、オススメです

自分で購入、発売当初から読み続けてたというわけではなく、1〜3巻を友達からオススメされて借り、一気に読んだ身です( ̄▽ ̄;)

一気に読み進めての感想…
全体的にみんなおかしいけど、どのCPも攻めたちがヤバい…(笑)
それぞれ方向性は違うけれど受けを自分のモノにしたい、いわば独占欲、というか…なんというか…?変な話ですがそれがかえって魅力的で、ゾッとするような話でも全く躊躇いなく読めました。

↓以下ネタバレ

今回の話は1巻当初から出ていた巽さんが中心のお話。刈野と梓の絡みが1番のお気に入りになった私ですが、「何でこの巽さんは…こんなギャップが激しいのかなー?」とたしかに気になってました。だからちゃんと話を取り上げてくれたのは嬉しかった(*´ー`*)ありがとうございます…。

2巻の最後の方からの話になりますが、
真面目で規範を重んじていた巽さん。仙崎さんという存在に自己を認識してもらったところから世界は変わる…、って感じですかね。何だろう…真面目な裏で自己を自由に解放したいという気持ちもあったのかな…?
プレップス(文化系の上位)だった巽さんはバッドボーイに姿を変える。真面目な姿も素敵だったけれどバッドボーイとしての彼もまた別の色気を持ち合わせている感じで素敵です。
共依存ともとれるような仙崎との関係?
とても素敵な関係で、ずっと続くといいな…みたいな夢心地な関係。見てるこちら側も痛みを感じるような描写があり賛否両論があると思いますが…私の中ではこれはこれでよかった。痛みも愛し合うことの1つ…といった感じの関係でそれはそれで幸せそうで。

枠組みの中での自分と何にも縛られない自由な自分。どちらを取ればいいのか…といった葛藤の末のラスト…。とても悲しい話だったけれど、とてもいい話でした。ある意味ハッピーエンドなのかも…。

気のせいかなー…と思ったんですけど巽さんの刈野に対する劣等感?も感じ取れた気がします。(だからどうって言うわけではないんだけれど( ̄▽ ̄;))
何気に刈野と梓の関係も気にしているかんじもいいなと思いました。



番外編ではワナビーとメッセンジャーの凸凹コンビ。メッセンジャーの八鳥くんは一見とてもいい子にみえるけど………でしたね。2巻の久世くん同様彼も考えた上でワナビーであるゆかりくんとの今の関係を築いているってのがラストを見て「うわぁ…(笑)」とおもいました。やっぱりどのCPも攻めがすごく濃いというか…危ないヤツに見える(-ω-;)


次巻?からはまたメインCP?である刈野と梓の話に戻るそうで…。ちょこちょこ他のCPの話に出てきていた2人ですが…いやぁ、刈野の梓の犬だった時の姿と、現在のキングとしての姿…。どちらも好きぃ…(つω`*)ってなる…(笑)
またそういった過去も交えながら話は進むのかなーと考えたら今から楽しみです(*´ー`*)

8

病み過ぎると、良くなってくる(笑)

精神的にも肉体的にも痛いシーンが多く読む人を選ぶ作品ですが、今回のメインカプが仙崎と巽だったこともあり、かなり肉体的な痛いシーンが多かったせいか、こじらせてる人が大好きな私でもどんよりした読後感でした。

とはいえ、巽を見ていると、痛いのも病んでいるのも突き抜けてしまうとなんだかむしろ清々しく、堕ちるとこまで堕ちたら楽しくなれそうな気がしたのも確かです。
自分の役割に縛られ人形のように生きてきた巽が、他人からは理解不能なちょっとイッちゃってる困った彼だけど(笑)理想と現実の間で揺れ苦しみながらも、いつか息の根を止めて欲しいと願うほど、たぎるような愛情と生きる意味を与えられてよかったと思いました。

それぞれが心に闇を抱え、もがき苦しみながら、不器用に恋をしている姿がたまらない作品ですが、次回では刈野と梓の話になるとのことなので、次巻が待ち遠しいです!
普段かなりキツい扱いだからこそ、所々にあらわれる刈野の優しさにもきゅん〰っ(悶絶)なんだけど、そろそろ二人の間にもドカンと愛情溢れるエロ、みせて欲しいなぁ。

7

相変わらず病んでいるけれど。

『カーストヘヴン』の3巻目。高校生たちが校内で「カースト」をつくり、その名のもと同級生をいじめる、というストーリーなので苦手な方もいらっしゃるだろうな。とは思うのですが。もう、大好きな作品なので3巻目を楽しみに待っていました。

という事でレビューを。ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意を。






3巻は、2巻の終わりで出てきた刈野の異母兄・巽と、転入生で頭のねじがちょっと外れちゃってる仙崎がメインのお話。

今まで優等生だったけれど「バッドボーイ」という称号を隠れ蓑にして今まで演じてきた「良い子」の仮面を外したい巽。
金髪のウィッグに、ピアス。
家や先生たちに見せる「優等生」の顔と、「バッドボーイ」としての不良の顔。
それを使い分けることで今までの鬱憤や不満を晴らしたい巽。

仙崎を愛していると告げ、彼のすることをすべて受け入れる巽ですが、それも卒業まで、と決めている。見方を変えれば仙崎を利用している、ともいえる。

巽はそもそも「普通の子」なのでリミッターや手加減を知らない仙崎とは一線を画している。そのことに仙崎の方も気づいてたのかな…。
時々巽に無理難題を突き付けるのは、きっと巽の気持ちを確かめたかったんじゃないだろうか。

tkbにピアスをあけさせ、レイプまがいに巽を抱く仙崎ですが、それでも巽は徐々に仙崎を愛し始めてたんだろうな、と思うのです。
刈野×梓のCPもクレイジーですが、仙崎×巽のCPもかなりクレイジー。
共依存の関係に見えますが、でも、きっとお互いを理解できるのは、お互い二人だけなんじゃないのかな。形は歪だけれど、「純愛」といえると思う。唯一無二の存在。

仙崎くんですが、彼は『カーストヘヴン』で唯一の外部者。転入生ですからね。そのカースト制度があることをまったく知らずに入ってきたわけですが、それでもお構いなしにスクールカーストにすっとなじむ彼の本性はいったい何だったんだろう…。彼もまた訳ありっぽかったけれど。
再び転校してしまったようだけれど、今後の彼らの再会シーンが楽しみです。

刈野×梓、久世×あつむのCPもちょいちょいと出てきますが、刈野くんと巽の、腹違いの兄弟であるという点も大きくクローズアップされていて彼らの歪んだ生活も見えてきます。
正妻の産んだ、正式な跡取りである刈野。
目の上のたんこぶになりつつある愛人の産んだ子の巽。
まだ高校生の彼らにとって、そういうバックボーンがどれだけ彼らの心を蝕んでいるのかと思うと胸が痛かった。

3巻ではちょびっとしか出てこないんですけど、あつむは相変わらず癒し系でした。

終盤にちょびっとだけ新CPのお話。
八鳥×大須賀のお話。
大須賀くんが、これまたなんともいけ好かない奴で。
ヤな奴だなあ、と思いつつ読み進めましたが八鳥くんの腹黒さに全部持ってかれました…。
そうそう、こういうブラックさが『カーストヘヴン』なんだよな、という。

最後の最後に、また新しい嵐が巻き起こりそうな、というか、巻き起こしそうな人物の登場シーンがあります。彼がどんな風を起こすのか。

相変わらず病んだストーリーですが、仙崎×巽の思いがけない純愛にすっかり引き込まれました。

4巻も楽しみです。

5

葛藤する巽に共感

【仙崎×巽】第12〜14話
 2巻の終わりにちょこっと登場していましたが、仙崎の現実離れした性格に、好きになれそうかどうか全く未知のCPでした。刈野や久世は最初から狙いを定めて受けを手にした印象ですが、仙崎は必ずしも巽が良かったという訳ではなく、自分を全身全霊で受け入れてくれる人を求めていて、巽ならそれが叶うと思ったという後付けの印象です。巽も刈野や父によって制限された人生から解放してくれる仙崎に、とても居心地良く感じていたようですね。

 ただ、仙崎の場合は巽以外の人間のことは本当にどうでもいいのに対し、巽は仙崎中心とは言っても、完全に親と自分を切り離すことはできず、とても人間らしいというか現実的なキャラで好感が持てました。巽のような人間の方が圧倒的に多いと思います。2人は一度お互い理想の人間ではなかったと離れかけますが、理想でなくても愛していることに気付き、2人なりの答えを出します。本当の愛を知ったここからが本番だと思うので、2人にはなんとか関係を続けてもらいたいです。巽の母親とのシーンはぐっときました。

【刈野×梓】第15話
 仙崎巽の話だけなら神にはならなかったのですが、推しの刈野梓のプレイがめちゃくちゃ良かったので神にしました。犬扱いされる梓は必見です。最後の彼の感じきっている顔が本当にエロくて堪りません。

 刈野の梓を認めている発言は私も嬉しかったです。やはり梓の強いところを一番愛でているのだと思います。今回も刈野が分かりやすく梓への好意を示す場面はありませんが、焦らされれば焦らされるほど期待が高まりますね。

【八鳥×ゆかり】番外編
 梓も刈野も譲ってもらってキングを手にしたのに対し、八鳥は自分で拾ってますから実はキングの器なのかもしれません。刈野と対峙しても内心全く恐れていないようですし。受けに対して何も良い所がない、とはっきり言い切ってしまう、そして空っぽになった受けに自分の愛を注ぐことに喜びを感じている、そんな八鳥は刈野を超える腹黒にも思えました。こういう病んだ攻めは嫌いじゃない。ただ、個人的には受けをどうしても好きになれなかったです。

4

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