俺がオメガのはずがない―――

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表題作少年の境界 1

朽木 薫,α,学生
ゆか,Ω, 学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

自分の一生を左右する性別検査。
男女とは別に存在するα・β・Ω性は、
そのまま社会的地位をも分ける。

性別検査を受検したゆかは、
仲間内で自分だけがΩだという事実を突き付けられた。
クラスでの孤立、αである友人の大我を恐れ、
Ω性であることをひた隠しにするゆか。

しかし保健室に駆け込んできた幼なじみである薫の様子を見て、
大人しく地味な彼が自分と同じΩ性だと気付き――?

作品情報

作品名
少年の境界 1
著者
akabeko 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイオメガバースコミックス
シリーズ
少年の境界
発売日
電子発売日
ISBN
9784799733943
4.2

(342)

(189)

萌々

(91)

(42)

中立

(12)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
32
得点
1447
評価数
342
平均
4.2 / 5
神率
55.3%

レビュー投稿数32

オメガのさだめ

ややダークなオメガバースがちょうど読みたくてね、前から気にはなってたこちらの作品を選びました。
想像以上でした。すみません。もっと早く読むべきでした。

ごく普通の男子高校生として過ごしてきたゆか―
仲間内で自分だけがΩ性だという残酷な事実を知ってしまう。
今までの日常が崩れていく最中、唯一の救いは幼馴染の薫。
ゆかは同じΩの運命を背負う者として薫に近づくのだが…

1巻だけじゃ物足りない。続きがあって本当に良かったです。
最後に明かされた真実が面白すぎ。

0

akabeko先生神!!!

オメガバースってなんか気が乗らなかったのですが、akabeko先生の少年の境界を見て最高!!だと思いました!!
読み始めたらどうなるの?オメガって辛いじゃんとか誰と一緒になるのって不安だったけど、本当に素晴らしい展開で、運命より愛を貫く4人の姿が本当に最高でしたし、涙が出ました!BLって最高だと改めて思いました!
akabeko先生は神だと思いました!
絶対読んだ方がいいです!!
個人的には薫のような人がこの世にたくさんいたらなぁと思います!凄く素敵な男です!愛あるエッチも最高でした!

1

辛い内容だけど…

オメガバはさほど興味がないというか、ヒートがエロに直結するから設定としておいしいんですよね?くらいの認識で、社会的な地位の差とかBLに必要なのかなとか、良さがよくわからないのですが(たまに例外もある)
akabeko先生は「蝶と花の関係性」がよかったので他の作品も読みたくなり本作を手にとりました。
この後、本作の3巻までと「四人のにびいろ」を読みます。

本作については、とりあえず、大我が最低。βのクラスメイトも。道徳感が欠如しすぎ。
オメガバについて、授業で何を教えているのか!?と怒りすらわいてきました。
「性別検査の手引き」小冊子が、ゆかの姉の頃から変わっていないので、その内容も古いままだということなんですね。Ωの自殺者が出ているというのに、あかんやん。

ゆかがΩとわかってからの、孤立感、不安、絶望、悲しんでいるさまが辛くて…。

そんなゆかをあんな風に追い詰める大我とクラスメイト…許せん。
「合法レイプ」てなんやそれ!?アホか!!と思いました。

あいつらから守るためとは言え、目の前でシてしまう薫に私も引いてしまい…他に方法はなかったのか、と思いますが。なかったんでしょうね。

ここまでなら、中立なんですが、薫がちゃんとした考えの持ち主で、Ωとか関係なくゆかはゆかだと言い、ゆかを一方的に番にしてしまったことを悔いていたこと。
ゆかは番にされたことを嫌がらず、薫がずっと自分を思っていてくれたことをうれしく感じた。
この2点があったので、萌とします。

ゆかには興味を失ったかのような大我が、女子Ωとゆかのフェロモンのにおいが違っていたようで、この先変なことしないか気がかりです。
口絵は大我?ですよね。てことは彼の話が続くのか…。

絵がラフかな、と思うところがありますが「蝶と花の〜」もそうでしたが、ストーリーに引き込まれれば結構流せるものなんだなと思いました。

1

オメガバースの真髄

「萌」という表現は、この作品には合わないんですが、、好みではないけど純粋に凄いな、と思うのでこの評価に

高校生、多感な時期に行われる検査で、Ωと判定されたユカと、αと判定されたカオル。自分はおそらくβ、幼い頃からずっと自分の後を追っていたカオルは、もしかしたらΩかもしれない…そんな思いで検査を受けたが、実際はユカ自身がΩだった

変わっていく自分の身体、そして、友人たちとの関係。孤独に苛まれるユカ。それを引っ張り上げたのは、カオルだった。短絡的なハッピーエンドを求めるオメガバースなら、ユカとカオルは運命の番という設定だろう。でも、この物語は違う。はっきりと描かれているわけではないが、ユカの運命はおそらくタイガ。伏線として、ユカの発情時、カオルは理性で動いているが、タイガは本能に抗えないようだった

続きを読みたいが読みたくないという、なんとも不思議な感情。好みでなくても引き込まれてしまう、魅力ある作品であることは間違いないです

※無理矢理や、受が可哀想なのが苦手な方はダメかもしれません

0

オメガバース苦手でも引き込まれました

初めて読んだオメガバース設定の作品でした。
BLを読み始めて割と早くオメガバースという世界観の作品が多くある事を知って、それでもあまり興味を持てずにいたのですが本シリーズの人気や評価の高さに惹かれて読んでみる事に。

感想としては、やはりオメガバースの世界観はあまり好きじゃないなぁと再確認しましたが、お話としては非常にそそられる内容でした。
特にゆかと薫の性格から予想されたバース性と、実際のバース性が逆だった点が残酷だけど興味深かったのと、屋上でゆかが襲われそうになったシーンの緊張感がヒヤヒヤであっという間に読み終えていました。

今までの友人関係や幼なじみの関係、すべてがある日を境に違うものに変化してしまう怖さも感じました。
その中でも変わらないもの、薫のゆかに対する気持ちが強調されるようになってくるのが良いです。

描き下ろしにとても重大な事実が!
運命に抗えるのか、それほどの強い絆をゆかと薫が持ち続けられるのかが2巻以降の見所ですね。

1

このオメガバースはヤバい

表紙からほの暗い、痛い系かなって思ったけど違った。

なんだこれは。オメガバース作品として神じゃねえか。

オメガバ作品の大半が、
「すでに自分の第二次性を理解している」
「Ωは社会で理不尽な扱いを受け、トラウマ持ち」
「αは金持ち、もしくはめっちゃ優秀」
っていうスタンスを保っている。

初めてこういう題材見たんだけど、この作品は「第二次性の検査を受けた少年たちのbefore/after」だ。

それまで、彼らはごく普通の友達だった。
我々の知る男子中学生だ。ダチとつるみ、地味な幼馴染とは距離を置き、くだらないことで笑い合う。
彼らはそうして平穏に日々を過ごしていき、大人になる予定だっただろう。
攻・薫が検査前に言うのだ。
「検査一つで関係が変わるかもしれないなんて……なんだか不思議だよね……」と。

人は自分の身に降りかかるまで、災いはどこか遠くのできごとだ。
もし私がオメガバの世界に住んでたら、クソメンタルな中学生時期に第二次性検査なんてしてるこの国を恨むね。

案の定、受・ゆかもバレる。平穏な日常は長続きしない。

友達グループの中にα(大我・以降シリーズの主要キャラ)がいて、それをきいたゆかは発情してしまうわけだが、
「そこは…驚く程ぐっしょり濡れていた」「そこがおまえの生殖器だといわんばかりに」
Ωを自覚する描写は数あれど、こんなにセンセーショナルな描写はこの作品ならではだ。めっちゃ怖いだろうな。自分の体の変化って。
これをきっかけにゆかは、友達と距離を置く。対等に接することができない恐怖だ。
まさしく、第二次性の検査は「境界」にあたるのだ。

少年の境界は、1巻で読み終わったらもったいない。
少年が第二次性を自覚する強烈な描写が1巻。
運命の番と本当に好きな人への言及が2巻。
そして、Ωという種、αという種について、そして各キャラクターCPのエンドを目指して突き進むのが3巻。
どの巻も独特な面白さがある。
そして、オメガバースというジャンルについて、深く考えさせられる。

これは、αという優等種とΩという劣等種が恋をしておしまい、そんな物語ではない。それを取り巻く環境を題材にした、まったく新しいオメガバースだ。

1

是非一気読みして欲しい作品

完結したので一巻から再読しました。

いやあとても面白かったです。三巻を読んでから読み直すと、とても良く考えられていると感心しました。

性別検査の結果に絶望するゆか、そして幼い頃からゆかの後ろを追い掛ける薫がとても健気です。

幼い頃から薫がとても聡い事が分かります、急に変わったわけではなくて薫は根底にそういった考え方を持っていたのですよね。

そして大我ですがもう少し他者を思いやる気持ちを持たないと、後で苦労するよって何度も言いたくなって困った…。

運命では無く気持ちを選んだ薫と、運命を取り逃がしてしまった大我。そして薫の想いを受け入れたゆか。

3人がこれから迎える長い人生の分岐点になる一巻でした。

3

ずるい……

昔は仲が良かったのに地味で冴えない幼馴染とは距離を置いて派手な同級生とつるむようになったゆかですが、性別検査でまさかのΩだとわかった時の絶望感がとても伝わってきました。自分がΩだと思っていなかった時には同級生の差別的な発言も深く気にも留めなかったり、可哀そうだと同情したりしていましたが、自分がそうだとわかると途端に世界が違って見えるんですね。
お姉さんが学校で検査した時にもらった手引き冊子の変わらなさからも性別に対する考えの変わらなさを象徴しているのかなと思いました。
薫は最初からゆかのことをちゃんと想っているし、大我が興味本位でゆかの身体を触って襲おうとしているところを、自分もフェロモンにあてられて辛いだろうに、止めて逃がそうとしてくれるところに愛を感じました。
一方の大我は偏見まみれでΩは子どもを産むためだけの存在だとか、自衛しないといけないのはΩだとか、合法レイプだとかぬかしやがるので本当に貴様なんぞにゆかをやれるか!!とめちゃくちゃキレました。
合意なくというところでは薫もそうですが、大我とは違って薫はゆかと番になるという覚悟を決めた薫の勝ちですよね。
ちゃんとゆかに1人の人間としてどう生きるか選択肢を示す薫と一緒なら幸せになれると信じられるいいお話でした。
あと、思ったんですがこの学校教壇はアクリル板か何かで隔てられているのですかね?この教師なにを叩いてるの?と思うシーンがありました。
あと、描き下ろし部分でゆかが大我の運命の番だとわかりますが……自業自得だし、今の大我ではゆかを絶対幸せにできるとは思えないので私は1ミリも同情できませんでした。でもお話としてはおいしいしずるいので興奮します。

3

本能に壊されゆく少年たちの世界

最終章を迎えたので、1巻から一気読みです。

学内で行われるα・β・Ω性を判定する性別検査で
Ω判定が出たゆか、α判定が出た薫と大我。
その瞬間から彼らの世界はそれまでとは大きく変わり始める。

オメガバースといえば、運命の番カップルを描く
ロマンチックな物語を思い描いたりもするけれど、
その反面、偏見や差別、本能の暴走が引き起こす
強姦や望まぬ妊娠などの残酷な要素もはらんでいる。

この作品でもゆかは自身がΩである事実を知るとショックを受け、
αに対して恐怖心から友人たちとの距離が上手く取れなくなる。
そして、ゆかがΩだと知った大我はゆかをレイプしようとする。

もうぐちゃぐちゃだ。
たかが性別。
だけど、彼らはその性別が有する本能に抗うことも
出来ず、人間関係も生き方さえも振り回されてしまう。

まだまだ子供に思える、未成熟な時期に
こんなにも重く、残酷な運命を突き付けられ、
背負わされることが可哀想でならない。

この一件でΩであることが周囲にもバレ、孤立するゆか。
けれど、ゆかには薫がいた。

薫はまだ見ぬ運命の番との未来の可能性を振り切って、
幼い頃から想い続けてきたゆかを守るためだけに
ゆかのうなじを噛み、番となる。

そのときはそれが最善だったとはいえ、突然薫と番になってしまい、
戸惑うゆかに優しく語りかける薫がそれまでとは違って大人びて見えた。

世間の偏見にまみれたΩという性に囚われてしまっているゆかは
子供を「産める」ではなくて「産まなきゃならない」と思い込んでいる。

だけど、「産まない」選択をすることも出来、Ωである前に
一人の人間であることを諭し、一生添い遂げると誓う薫には
もう以前の頼りなさはなくて、いい男だなあと見惚れてしまった。

頼りなさとは、賢さなのかもしれない。
Ωとαという性を正しく理解し、αの責任を自覚し、Ωを尊重し、
人からかけ離れた獣のような本能が自分たちに備わることを
理解しているからこそ、きちんと恐れることができる。

唐突に本能に生き方を捻じ曲げられ、多くを失った
けれど、ゆかにとって薫の存在だけは救いに思えた。

ゆかと薫が結ばれたのも結果オーライだったのかな。

と思っていたら、描き下ろしの大我の「運命の番」にぞくり。
え?もしかして、そういうこと?えええ…

2

どうなるの?続きが気になる!

オメガバース物の新しい視点な気がします。

ゆかと薫は仲良しの幼なじみだったのに高校の頃にはもうゆかは薫に構わなくなって。自分はクラスのカースト上位っぽくて地味な薫が少々鬱陶しいくらいな感じ。この辺でゆかをあまり好きになれませんでした。

しかし検査で性がわかり絶望するゆか。
ゆかに近付くと抑えられない薫。
友人達にレイプされそうになるも何とかお互いを逃がそうとするゆかと薫。
ゆかは薫が自分と一緒だと思い込んで。
この辺でゆかが可哀想になり、また見直しました。

薫は実は…。でもレイプさせないである意味ゆかを守って。

保健の先生のお話が深い意味を持ちそうです。
もしかして運命の番は大我なのか?

これまたオメガバース物の辛い部分と薫の純愛と抗えない運命の番という複雑にいりくんだお話になりそうですね。
運命の番と結ばれるのが幸せなのか。好きな人と番になっても運命の番が現れたら…。
重いテーマですね。

1

暗い話かと思いきや。。。

明るい話でもなかったけどw
こんな名作を今読んだなんて!!
みんな読んで欲しい。

2

akabekoさんのオメガバース(前編だよ)

akabekoさんのオメガバース。
性別検査をするまで自分の性が分からないという設定。高校生の同級生もの。

おとなしげで優等生の薫。ゆかは、薫のことをオメガだと思い込んでいる。一方、明るくやや不良グループに属するゆかは、性別検査で自分がオメガだと知りショックを受ける。しかも薫は実はアルファで。。

生まれ持っての性が、実は性格と逆だったという境遇をどのように乗り越えるか?
ここにさらに、同じグループにいてアルファの大我が絡んでくる。オメガだと分かったゆかを大我は犯そうとしてくるが、ゆかを大切に想う薫は、ゆかを守り番になる。

ここで、実は運命の番は大我とゆかである、というもう1つのねじれ構造が入ります。性別も運命も変えられないけれど、好きな人と結ばれる薫とゆか。
一方、運命の相手と番になれず、大我はどこへゆくのか。
続編はこのあたりが気になります。

0

Ωにとっては運命は残酷。

オメガバースもの。
オメガバースの中でも、出てきた当初によくあったような性的に犠牲になるΩ性の哀しさ不憫さが強調されるような設定かな、と感じました。
今までは皆同じ場所に立つ友達として同等だったのに、性別検査により自分だけがΩとわかり、人には言えない感じ、またフェロモンを感知されて襲われそうになる恐ろしさと惨めさ、誰も助けてくれない絶望…
この1巻は思いがけずΩだったゆかの遭遇する不幸な事件が描かれます。
不幸、と言ってしまうのはまだ1巻であるしなんとも言えないけれど、ゆかは友達の前でヒートが起き、αでありΩを軽視し侮蔑するような言動をする大我に襲われそうに…
そこを、いつもゆかの後をくっついてきた気の弱くて優しい薫が、「番」にするという選択でゆかを助けるのだけれど…
「運命の番」ではないのに高校生で番になった2人はこれからどうなるのか。
ゆかが自分の「運命の番」だったのでは?と気付く大我はどうなるのか。
なんとも不穏な1巻です。



この作品のテーマと同じく運命よりも愛を取るオメガバース作品として、雨宮かよう先生の「とろけるほどに咬まれたい」を思い出しました。(こちらはΩくんの方に運命の番が現れるが…というお話だけど、愛を選んでスーパーラブラブです。)

0

番う意味

かなり面白かったです!オメガバースをそんなにたくさん読んだことはありませんが、すごく引き込まれました!物凄くオススメです!

運命の番じゃなくても、守りたい…好きだから。

ずっとαだと信じていたのに、結果はΩだったゆか(受)。そんなゆかを、運命の番ではないと悩みつつ、それでも守りたかったαの薫(攻)。常にゆかを最優先に考えてくれる薫が、番になっても、αとΩの関係であっても、そんなことより、"ゆかはゆか"と、ゆかを1人の人間として大切に思っている気持ちがすっごく伝わりました。Ωに対しての辛い扱いや対応も、仕方ないといえばそうかもしれないけど、それでも薫は、ゆかを守りたかったんです、だから番になりたかったし、なったんです。ゆかへの"好き"という感情の押し付けよりも、"親友でいて支えたい"という、"ゆかが望む関係"でありたいという薫の優しさが、私にはむしろ薫目線で薫自身にとっては残酷にすら感じました。薫が背負う運命は"大好きなゆかを番に出来たけど、ゆかとは一生親友の関係"なのかな。ゆかの背負う運命は、"運命の番じゃない人と番うこと"なのかな。幸せそうに見える2人ですが、どこかモヤモヤしたスッキリ感が無いのは、彼らの中に残るわだかまりなのか、この2人の続きが知りたくなりました。本当の幸せはまだ掴んでいない気がします。

当て馬的位置で、ゆかの運命の番?と思われるαの大我がいます。ゆかを無理やり番にしようとしたところを薫に制止されます。乱暴にも思えますが、サッパリした部分と妙な執着心的な部分も持ち合わせているようで、かなり気になる存在でした。

続編があります。
必ず読みたいです!!

2

心ザワザワ系オメガバース

リブレのオメガバースもの初めて読みました。
それぞれ出版社ごとに若干オメガバースの設定が違うのかな?
リブレの設定ではαの発情期が『ラット』でΩの発情期は『ヒート』、ふゅーじょんではαの発情期が『ヒート』でΩは特別な呼び名なし。
最初ちょっと混乱しました。ふゅーじょんの作品しか読んだことないのでラットって何?!ヒートってα特有じゃなかったっけみたいな…。
オメガバースは書き手によって自由な設定ができるのが魅力のひとつみたいですが、個人的に商業では設定統一してほしいかなあ。

内容はakabekoさんらしい胸に刺さるお話でした。
思春期の子が突然未知の性で区別されるってすごく怖い。今まで普通の男子のつもりでいたのに、友達から急に『雌』として見られるのはひどすぎます。
オメガバースってなかなかに残酷な設定なんだなあと改めて思いました。
ほんとに結構怖くてゾワゾワしながら読んでたんですが、やっぱりエロシーンはエロくてつい盛り上がってしまいました。
akabekoさんの書き文字がエロエロで大好きです。
そしてラストなんですが、ゆかの笑顔とは裏腹にこの先の波乱しか見えません…。

2

閉鎖的空間でのオメガバースをよく練ってある

 オメガバースの美味しくもあり複雑でもある設定を学校という閉鎖的空間にあてはめ、存分に活かして描かれていました。幼馴染との優劣関係が逆転してしまうところや、築いてきた友人関係が破綻してしまうところなどは、実際に学生時代に性別検査をしたらきっとこんな風になってしまうんだろうなぁ、というリアリティがありますね。オメガバースでは運命の番という設定を用いる作品と用いない作品があるかと思いますが、こちらは後々その設定が鍵を握ってくるので今後の展開にワクワクしています。

 受けでΩのゆかの心情描写も巧みで、αだとは知らず幼馴染からいつの間にか見下す存在になっていた薫に対する気持ちの変化が、すごく学生らしい未熟さがあって共感できるんですよね。派手な友達ができて地味な薫を切り捨てようとしたり、でも薫の発情を見て自分と同じΩだと勘違いし仲間意識が芽生えたり、αである大我と一緒にいる薫を助けようとしたり。薫をΩだと思い込んだ瞬間から一気にゆかの態度が変わるのが現金で、分かりやすいんです。そして、最終的に薫と番ってからは運命の番じゃないから捨てられるかもしれないと怯えるゆか。周囲との関係性にずっと悩み続けるゆかを見て、この年代の不安定さを思い出しました。

 一方、攻めであり性別検査でαと診断された薫は、最初ゆかに自分と同じΩだろうと誤解されますが、彼に孤独を感じさせないために訂正しないんです。本当に思いやりがあって惚れるなぁと思いました。しかし、結局αであることを知られ、番ってしまった薫とゆか。しかも、実はゆかの運命の番がすぐ側にいるかもしれなくて。ハピエンでもバドエンでもきっとオメガバースとして心に残る作品になるだろうと予感しています。

2

ゆかの気持ちを待ちたかった、薫の愛情。優しさ。思春期の惑い。

2巻が出るまで待とうと思い、纏めて買ったのですが、これは1巻で完結していたとしても、
とても綺麗に収まっているので。先に読んでいても大丈夫だったかと思われました。
扉絵のエロい男は、大我なんだろうか。

明確に書かれてはいないけれど、第二性別検査が行われているのは、おそらく中学生だろうから、
多分、中学校なのだと思う。身体も心も半分くらいは、まだ子供で、個体差も大きいと思う。
そして、オメガバースの世界では、やはりΩ性は『えげつない』ものという認識をしている。
地味で、引っ込み思案な幼馴染の薫を、いつも自分より下に見ていたゆかは、自分と同じΩ性だと疑わず、気持ちの拠り所にしたいと思っていたのに。薫に避けられて、傷つき、孤独を知る。
フェロモンに当てられた学生たちに追われて、切羽詰まったゆかは自ら命を落とそうともがく。

自身もまだ子供である薫が、咄嗟の判断で、ゆかを守る為に、ゆかを番いにする。
この事は少年である彼等にとって、とても大きな…大きな、何だろう? 責任? 決意? を伴う
ものだが、薫には多分、恋という感情の前には迷いが無かった。
惚れ惚れするほどいい男なのだ、彼は。
彼が迷っているのは、愛するゆかにとって、これが最良の結果なのか、どうかということ。
ゆかの気持ちが、自分の想いと同じになるまで。待ちたかったと言う、優しさ。
そういう風に考えられるほど、彼は、彼だけが、大人で。愛情深いのだ。
保健の先生に薫が食い下がるシーンがあって。
「それって…、本物の幸せなんですか?だって、もし他に好きな人がいても…?
それでも運命の番いを選ぶ方が、幸せなんですか?」

一方で大我は、ゆかこそが運命の番いだったことを知る。
重い決断を自分は出来なかったことを思い知る。けれど彼もまた、まだ少年で。
それは勿論難しい事には違いないのだ。

「運命の番い」「恋」「本能」というオメガバースをロマンティックに描くことよりも、
少年、子供の残酷さを真摯に描いた物語だと思います。
そして、そのシリアスなムード(不穏な、と言ってもいいほどの)と圧倒的なスピード感。
最後までドキハラが止まりません‼︎

0

オメガバースという設定がフルに生きている

2巻が発売になるのに合わせて再読。レビューしていなかったので、今更ながらレビューを。

人気の上昇に伴い、様々なパターンが出尽くした感のあるオメガバースものですが、この作品はオメガバースの新境地を切り開いた作品だと思います。それでいて、「オメガバース」という設定がフルに生かされている作品でもある。

3つの「性」に分けられるオメガバース。
「子どもを産む」ためのせいであるΩは、この作中では卑下されるべき存在として描かれています。

男でありながら「子を産める」Ω。
自分がΩであるという事実を、高校生という多感な時期に知ったゆかの葛藤と、それに伴い変わってしまった人間関係が、実に緻密に、そして繊細な描写でもって描かれている。

子どものころからゆかを一途に想い続けてきた薫。
そして、ゆかを自分の子を孕ませる対象として扱おうとする大我。

この三人の三角関係になるのかと思いきや、最後に落とされた「爆弾」に、この作品の本質が込められています。

出てくる登場人物たちの思考回路が、実にリアルです。
綺麗な面だけでなく、心に潜む闇もがっつり描かれていて、そのストーリー展開の仕方がakabekoさん作品の大きな魅力の一つであることに間違いないと思うのですが、そのブラックさゆえに好みもわかれる作品かもしれません。

が、個人的にはめっちゃツボに突き刺さる作品でした。

文句なく、神評価です。

5

捕食されちゃう主人公

オメガバースは受が女みたいで苦手なのですが、こちらの作品は男の自分がΩだとまだ受け入れられない主人公の心の葛藤が良かったです!

暗い幼馴染を見下したり、イケイケグループに属していた主人公
しかし一瞬にして捕食される側に立ってしまい、友達に怯え、自分の身体の変化に戸惑う心理描写にゾクゾクします

まだ運命の番と出会っていない薫(α)と番になってしまったゆか(Ω)
そしてお互い気づいていないがゆか(Ω)のすぐ近くに運命の番である大我(α)がいる

ゆかはヒート状態で薫もラットを起こしていたので最初は2人が運命の番だと思ってました
ゆかが大我に強姦されそうになった時も薫が必死に庇い首を噛んだので
これで両想いになって終わりかな?めでたしめでたし

と思ってたのにーー!

書き下ろしで大我がゆかの運命の番であることが発覚!
運命の番と結ばれる王道の設定かと思いきや、このどんでん返し

びっくりしました!!

じつは、読んでる時
大我くんのが好みだなーゆかと大我くんのが相性良さげじゃない?
でもストーリー的に薫くんが番っぽいなー
大我くんただの当て馬かー
残念だな〜

と思ってからのこの展開
すっごくゾクゾクした\(^o^)/

Ωを性処理道具としか思ってなさそうなクズい大我くんが動揺してる〜
ゆかを意識し始めたらあの冷めた顔がどうなるのかな〜
楽しみすぎるー!!

運命に抗えるかがテーマの作品っぽいので、
薫とゆかの恋愛がメインだとは思うけど、大我くんには頑張ってもらいたい

ゆかは最後にどちらとくっつくのか
そして薫の運命のΩが現れた時にどうなるのか……!

続きめちゃめちゃ気になります!

8

これからの展開気になる。二人に頑張って欲しい・・・。

受けは最初やんちゃでツンだったけど、バース診断後からはショックや周りの同級生の急な対応変化で(彼らは受けが変わったと言う)、悲しさ苦しさのどん底に。行き成りあんなことがあったら無理も無い。あんなに元気な子だったのに・・・。読んでて辛かった。

攻めの子は健気で受けの一歩後ろを着いて行く子だったけど、この診断がきっかけで受けを守ろうと、苦渋の選択で番に。意外と度胸があって強い子だった。受けは、オメガとしての自分を受け入れようと、半ば諦めた様に、攻めはせっかくアルファなんだから子供欲しいと思うから、自分はオメガとして生むよ、見たいな事を言うけども、攻めは受けが望まないなら生まなくたって良いと、選択肢をくれて、ああいった状況で番になってしまったけど、受けの事を考えてくれる攻めが優しかった。

続きが楽しみ。2人にはまだ色々な試練があると思うけど、頑張っていって欲しいし、どんな形になったとしても、幸せになってほしい。

9

そうきたかっ!!

オメガバース作品は、正直あんまり好きではないんですがこれは少し変わっていて続きが気になる作品でした。

ただ、かなり最後の方まで目を背けたくなるようなエピソードの数々です。そもそもの出だしから幼馴染みの薫を鈍くさいと見下す主人公のゆかの性格が嫌ですね。小さい時は自分より出来ないと見下して、従えて、優越感に浸る主人公が好きになれませんでした。

そのゆかが性別検査でΩだったことが判明し、ショックを受けたり、親友の大我に襲われそうになるシーンは今までの性格の悪さを差し引いても見るに耐えなくて、ハラハラしてしまいましたが、この一連の大我とのエピソードがこれからの話の展開に大きく関わってくるのかと最後の最後にわかり、なんてよく練られた作品だろうと感心しました。大我を超悪者にして、薫に助けられたと言うよくある幼馴染みとのハッピーエンドかと思っていたので、この意味ありげな終わり方にすぐに次が読みたくなりますね。

3

運命じゃない番と番った後、互いに真の番が現れたらどうなるのか。

二次創作系の自由なバース設定と違い、商業コミックのバース性設定は基本的にαが上位、βが中間、Ωが下位とすでに決定づけられている作品が多いため、Ω(受)視点で描かれるBLコミックだと読者も「きっと運命の番が幸せにしてくれるはず…!」といった希望を少なからずもって読んでいると思うのですが、この作品はそういう希望に暗雲をかける感じです。

というわけでバース性コミックでは珍しく、運命の番と運命でない番の両方をピックアップした作品でした。

他のバース性コミックでいうところの、主にストーリ中バース性の説明として「悪い例」に挙げられる「番ったアルファに捨てられたオメガは発情期に苦しみ死んでいく」等の可哀想だがサラッと流される部分を実際に掘り下げてみたという感じです。
果たしてハッピーエンドになれるのか、バッドエンドなのか。想像がつきそうでつかない感じ。

1巻はまるで序章のようで、2巻からの展開が気になります。
これからどれだけ波乱が起きるのか楽しみでもありますが、しかし展開によっては☆5にも☆1にもなりそうな難しさもある気がしました。
とにかく2巻に期待です。

3

早く続きが読みたい!

続きが気になる…続きが読みたい。
正直、オメガバース設定にそんなに惹かれないのですが…良かったです。
キャラクターも良いです。ゆかも薫も大我も好きです。
薫くんの鼻血が良かったですd( ̄  ̄)
ページ数が多くはなかったので、すぐ読み終わりました。
次巻予告で4人の人生が交差する…ってもう1人は誰ですかね?
α…薫、大我
Ω…ゆか
番になっちゃった薫とゆかには別に運命の番が現れるんですかね…。
大我がゆかの運命の番なんですかね?
はぁ…続きが読みたい。

2

面白いし設定もいい

オメガバース漫画として設定もキャラもいい。ストーリーもいい。
でも展開が早すぎるような^^;
商業BLの本にしてはページが少ないほうだと思うんですけど、取り敢えず入れたいところを入れた?…悪く言うなら少し物足りない感?
他のシリアス本と比べてもなんだかそのストーリーに深みがないですかね
もうちょっと物語?を深く作りこんだら神作でした。
でも次回がどうなるんだろうとワクワクハラハラするほどには面白い作品です
買って損は無いと思います

2

面白い!森世さんyohaさんに続く個人的ヒット!

akabekoさんの待ちに待ったセカンドコミック\(^o^)/
あまり得意ではないオメガバースで購入をちょっと迷いましたが、迷う必要なんてない面白さでした。
設定をしっかり活かしながら「残酷」と「救い」を絶妙のバランスで存在させているakabekoオメガバースの世界は、不穏な空気がガンガン流れつつも大変面白く、ページを捲る手が止まらなかったです!

リブレのオメガバース作品を読むのはこれが初めてなので、最初の説明ページを念入りに読むところから。レーベル毎に最初のインプットが要るのは少々めんどくさいですが、その差異こそにレーベル色が出ている気もして面白い。
私的に馴染み深いのはふゅーじょんぷろだくとですが、そちらの設定と大きく異なっていたのは以下の3点。
─────
・妊娠可能な性別
こちらでは男のαとβは妊娠しない性で、男で妊娠するのはΩのみ。女はどの性も妊娠可能。
・自分の性別を知るタイミング
学校で行われる血液検査によって、自分がα、β、Ωのどれなのかを知らされる。
・番のしくみ
一夫一妻制の結婚制度に近く、番になれば双方お互いにしか発情しなくなる。
恋愛感情よりも強い力で惹かれ合う「運命の番」というのが存在する。
─────
Ω男の悲劇性を増長させるような設定が目立ちますね。
さて、この設定でakabekoさんはどんな物語を展開させるのか。



私が思う本作の面白味はずばり、「運命の番」からロマンティック成分が全く排除されているところだと思います。
運命で惹かれ合うっていうのが動物的(本能的)な解釈で描かれてる。
つまり、理性(恋愛感情)で惹かれ合う相手と本能で惹かれ合う相手がイコールじゃない。
「好き合う2人が結ばれたらハッピーエンド」ではない、というかなり残酷なストーリーです。

高校生という多感な時期に、ヒエラルキーに直結するにも関わらず自分の力ではどうすることもできない性別を突然知らされ、昨日まで友達だった少年たちは孕ませる側と孕まされる側に振り分けられる。
これは成長してから自分のセクシャリティと向き合う類の話とは訳が違うと思うのです。
もっと過酷な抜き差しならない問題を孕んでる。
受け入れたくなくても身体の変化がそれを許さない。
変わらず友達でいたいのにラット(αの発情)やらヒート(Ωの発情)やらがそうはさせるかと言わんばかりに少年たちの理性をぶち壊しにかかる。
akabekoさんの作風が後押しして、かなり容赦無く描かれています。

だけど救いはある。
幼馴染の存在。
ならば、とお互いを大切に思い合う者同士で番になるのですが───

akabekoさんが投げかけるテーマが重くて唸ってしまいました…
「理性で惹かれる相手(=好きな人)と本能で惹かれる相手(=運命の番)、どちらを選ぶのがこの世界で“自分と相手を”幸せに出来る選択なのか」

不穏なトライアングルが予想される本作、結末が見えなさ過ぎて次巻が待ちきれません…(>_<)
読む前は他のレビュアー様方のレビューを拝読させてもらいながらコミックの続刊が1年後なんて珍しいことではないのでは?と思っていましたが、今は皆様の悲痛な叫びが痛いくらいに分かります。
アンソロが電子だし買っちゃいそうだー

【電子】シーモア版:修正×(白抜き)、カバー下なし、裏表紙なし、電子限定特典(4p)付き

9

Ωということ。

ちょっとやんちゃな感じのゆかと大人しい薫は幼なじみ。
昔は薫と一緒に居たけど、思春期になり離れて行動するようになります。
そんな中αβΩの性別検査があり、ゆかがΩと分かり…。

いやあ…改めてオメガバースって残酷な世界だな、と。
自分じゃ抗えない『性』に苦しむ少年達の様子が痛々しいです。

ゆかと薫は番になったけど、果たして運命の番なのか…。
もし運命の番が現れた時、2人は一体どうなるのか。
また、大我の存在も気になるところです。
次巻の展開が今から楽しみな作品でした。

3

名作になるかも?

本文とかきおろしを読んだ後の先行き不安な感じが適度に心地よく、続きがすごく気になっています。

もう少し絵が一般受けしていたら、もっと人気が出ていたかも…でもとても読みやすかったです。とにかく絵で判断せずに読んでみて欲しい一冊で、J-POPのような瞬発力はなくても、演歌のようにジワジワ人気が出てくるシリーズの予感がします…とか余計な心配をしていましたが、発売日から二日で大量重版が決まったとか。

他の方のレビューを読んでみて、次の発売まで待つのが大変そうだなと思い、二巻の発売と同時に一巻を買ってみようかなとも思ったりしたのですが、ウッカリ読んでしまい・・・

予想通り、運命の行方の分からなさ具合に、次の発売まで待つのがまさに苦役状態です。二巻も引き込まれるような展開だったら良いなあ。

『運命の通りに生きることが果たして幸せな事なのか』というテーマがあるようです。ここでいう『運命の通り』とは、感情より本能に従う事が幸せな事なのか。と、言い換えることもできそうです。こういうストーリー大好きです。

6

Ωの絶望

akabekoさん 外しません
素晴らしいです
既刊3冊も面白かったけど大好きなオメガバースでakabekoさん
どんな話を持ってきてくれるかとワクワクしていましたが期待を裏切りませんね
運命には逆らえないのか?がテーマならかしこまりましたディスティニーと同じなのかな?
あちらも良かったですが、こちらは不安な空気に胸がザワザワします

あと1年待つんですね
辛い

6

次巻1年先...遠過ぎます...。

Ωとは、運命の番とは....初心になりオメガバースを考えさせられる作品でした。

他の方のレビューにもあるように重い内容です。
男性でも女性でもない自分に戸惑い、孤独を感じるゆか。友達も離れ、同じΩだと思っていた薫に犯される。望んでなくても本能には抗えない。

2巻では、1巻で番になり一見幸せになったあとにお互い運命の番が現れますよ的な内容らしいです...。
正直、かなり面白い作品だと思います。
こんなの、1年先までまちきれるわけがない...!!
一年後にワープしたいです。

12

目から鱗が落ちた。

とりあえず、今まで読んだオメガバース作品の中で、確実に一番重いです。読み応えたっぷり。ものっすっごく先が気になるところで終わってるのですが、次巻、1年以上先とは……。そんなに、待てませんがな(泣)。

あらすじは、先行レビュアー様にお任せして、省略いたします。考えさせられたことを、以下つらつらと。

オメガバースにおけるα、β、Ω性は第二の性別、ということを、これまで深く考えず、何となく当たり前に受け入れてきました。これまでに読んだほとんどのオメガバース作品は、主人公がすでに成人していたり、思春期の少年たちだったとしても、物語が始まる時点で性別がすでに判明しているとか、αとΩがヒートによってそれぞれの性別を自覚する展開だったりしたため、そこは前提として受け入れていて、あんまり疑問をもたなかったんです。

ところがこの作品では、一定の年齢になった少年少女が、学校で性別検査を受けることでそれが判明する。必ずしもフィジカルな自覚を得られるわけではないまま、自分の性別を、知識として第三者から知らされることになる。その結果、生まれてこのかた十数年間抱いてきた性自認が、実際の性別と異なることだって、あり得る。そう、つまり。

オメガバースって、一種のトランスセクシュアルものなのか。これは個人的には、目から鱗が落ちたレベルの発見でした(今さらか)。タイトルにある「境界」は、年齢的なものもそうだけど、性別的な問題も、多分に含まれているような気がします。思春期におけるメンタルとフィジカルの複雑な関係を、上手くあらわした秀逸なタイトルですね。

そのことに気づかせられるくらい、作中、主人公のゆかの、自らのΩ性に対する戸惑いが丁寧に描かれています。いや、これはキツいですね。作品によってΩの社会的地位は結構違いますが、この作品では、妊娠特化の性別とされているので、余計に。自分が産む性だなんて思ったこともないのに、いきなりそれが判明する。知って、考えてしまうと、その影響がフィジカルにも現れる。自分を孕ませることのできる、αが怖くなる。ついさっきまで普通につるんでいたはずの、友達さえも。そこへ自分が少数者=弱者であることへの絶望や焦燥が上乗せされ、思春期特有の孤独感や過剰なまでの自意識で、読んでるこっちまで胸の底がヒリヒリする。

テーマ自体は、本能と精神的な愛情の狭間という、オメガバース作品の王道を行くものです。1巻までの展開では、それは暗示されるだけに留まっていますが、この先、「運命の番」という例のアレが、どこまで前面に出てきて、物語に影響を与えてくるのか。気になって気になって、仕方ない……。1年待つの、ほんと辛いです……。

22

 

不良グループに属するゆかと、真面目な優等生の薫
2人は元々は仲のいい幼なじみだったけれど
スクールカーストの違いから今はあまり付き合いがない

ちょっと痛い話です
救いは薫がまっとうな倫理観を持った優しい男だってこと
薫の性別は皆さんお察しのとおり
そして描き下ろしで示唆される衝撃の事実

そしてエロはページ数自体は少な目だけど濃いです
akabekoさんの受けの泣き顔いいですね
衆人環視プレイあり
電子限定描き下ろしはヘタレな薫の大我×ゆか妄想

1

思春期×オメガバース

思春期特有の不安定さ。
学校内にある社会の縮図のような閉塞感。
そこにオメガバース設定加わり、どう転がるかドキドキしました。

まさに「少年の境界」といったところ。
彼らがどんな経験を経て大人になるのか緊張感があります。

続きモノで気になる部分で終わってます。
2巻は2018年秋予定とのこと。
な、長い…。゚(゚´Д`゚)゚。


ゆかと薫は幼馴染。
ゆかは幼い頃から薫より優位に立つ心地よさを感じつつ、地味な薫が少し疎ましくもあり。
進学とともに徐々に距離を置いて、目立つグループにいます。

仲間と適当にサボりながらワイワイと遊ぶ日々。
そんな中で行われた性別血液検査でΩと知り、状況が一変します。

仲間にはβだと嘘をついたけれど、今までとは違う身体の変化が起こり。
不安定な発情期に怯え、誰にも言えない孤独感が増し。
αやβの友人が怖いと感じるようになり、前のようにうまく連めなくなって…。

そんな中で、薫の様子がおかしいと感じたゆかは、薫も同じΩなのでは?と思い込みーー。


現段階で、主要人物は3人。
幼馴染同士のゆかと薫+ゆかの悪友・大我(α)。

薫はゆかに対して好意があるのでまだ不安要素少ないのですが、問題は大我の方!
立ち位置が明確でなく、まだ何か隠し事があるようでハラハラしました。

ゆかのフェロモンに当てられた薫と大我の考えは対照的。
「せっかくだからヤっちゃおう、それがΩの役割でしょ?」という大我。
フェロモンに当てられてふらふらになりながらも、ゆかを大切に守りたい薫。

そして、皆んなが性的な目でゆかを見て、友達が見てる前でーー…。
怖い・逃げたい。でも素直に反応し受け入れる身体が切ない。

ううう…少年×オメガバースに終始漂う緊張感(;ω;)
友達だと思ってた相手から「孕ませたい」対象にされる絶望感を背負うゆかの心情がキツい。
唯一の救いといえば、薫がゆかをΩとは関係なしに好きだったことでしょうか。
少なくとも1巻のラストは薫に愛されるゆかの笑顔が見られてホッとしました。

だがしかし…。
描き下ろしでは大我の様子がおかしい(;ω;)
ゆかの運命の番はもしかして…???
まだまだ一山二山ありそうで、ゆかにさらなる絶望感が待ってたらどうしよう…。
ちょっぴり凹みつつ、ドキドキ待機です。


評価は全容が掴みきれず萌えより緊張感が優って抑えめ。
2巻が楽しみです。

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