愛している。君は私のすべてだ――。

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アーサー・ラザフォード氏の純真なる誓い

Mr.Arthur Rutherford no junshinnaru chikai

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表題作アーサー・ラザフォード氏の純真なる誓い

アーサー・ラザフォード,30歳,保険会社勤務のエリート・時広の恋人
坪内時広,29歳,元英語教師・アーサーの恋人

同時収録作品アーサー・ラザフォード氏の純真なる誓い

ハリー・マントル,33歳,外資系保険会社の日本支社長専属秘書
角野大智,28歳,外資系保険会社秘書課勤務

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

プレイボーイでエリートのアーサーと真面目で純朴な時広がNYで同棲を始めて、2か月が過ぎた。
「両親に会ってほしい」というアーサーの言葉に、将来のことを想像して喜ぶ時広。
そんな中、二人の仲を良く思わないアーサーの従兄弟・リチャードが現れる。
リチャードに歩み寄ろうとする時広だが、その行動がかえってアーサーとの間に溝を生んでしまい――…。
大人気シリーズ第三弾!

作品情報

作品名
アーサー・ラザフォード氏の純真なる誓い
著者
名倉和希 
イラスト
逆月酒乱 
媒体
小説
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリア文庫
シリーズ
アーサー・ラザフォード氏の遅すぎる初恋
発売日
ISBN
9784866571348
4.1

(50)

(17)

萌々

(29)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
10
得点
207
評価数
50
平均
4.1 / 5
神率
34%

レビュー投稿数10

初めてのすれ違いと、その先にある揺るがない愛❤︎

甘々な二人の、初めての「ケンカらしいケンカ」にハラハラした〜!!

互いを想い合うがゆえのすれ違いが、切ない…

今回、アーサー×時広の仲を引っ掻き回すのはアーサーの従弟であるリチャード。

幼い頃からアーサーを崇拝していた彼は、アーサーがゲイだと告白した時からその事実を受け入れられず、12年間音沙汰なし。
が、アーサーが初めて本気の恋をしたと知り(両親に紹介しようとするほどの!)、時広に「別れろ」と言うために西海岸から東海岸まではるばるやって来るのです。

”憧れ”や”理想”って、会わないうちにどんどん膨らんでいくものですもんね…
勝手に理想化して崇拝したあげく、あれ?思ってたんと違う…?と気づき、餌付けされて時広の味方になっちゃうリチャードがなんだか可愛かったです笑

トキ(時広)を守りたい・余計なストレスを与えたくない!と思うからこそ、トキとリチャードを離れさせようとするアーサー。

それに対して、大好きな恋人の大切な親戚だからこそ少しでも心を通わせたい、話し合いたいと望む時広。

前の巻まであんなにラブラブだった二人が同じベッドで眠らなくなり、ぎこちない雰囲気になり…悩みを深めていく姿に胸が痛みました。

まあでもそこは、愛がありますからね。揺るぎない愛がね!

最後にはきちんと収まるところに収まるわけですが。

いや〜〜、作者様もあとがきでおっしゃってましたが、まさかアーサーが”無毛”好き、というかフェチ?だったとは笑

トキの無毛状態が見たい見たいと興奮する姿にちょっと笑いがこぼれてしまいましたよ。
そこからのセッ…がまた情熱的で堪らなかったです。

二人にはいつまでもいつまでもラブラブでイチャコラしていてもらいたい!❤︎

アーサーのご両親と日本で思わぬ対面を果たし、一緒に北海道に行くことになったようですが、珍道中(笑)の様子は続刊で描かれているのでしょうか。

読む手が止まらないので、早速続刊も読んでこようと思います◎

0

ラブラブやないかーーい!

3作目ですが、1作目から2日と経たず一気読み。
名倉先生のラブコメ(ちょいシリアス)はほんとに素晴らしい。なんていったって読みやすい。
地の文と会話文のバランスが私にはあっているようで、読み進めるのが辛い、と言ったことがありません。これってある意味すごいことじゃないでしょうか。
わりあい小説はシリアスめの、痛かったり切なかったりするものばっかり読んでいるのですが、名倉先生のラブコメはするする〜っと自然に入ってくる。それがすごい。
文章で読むとラブコメのテンポがいまいちで乗り切れないことか多々あるのでシリアスめに傾いてしまいがちなんですけれども、疲れた時にはやっぱり甘くてラブラブの、クスッと笑える話が読みたい。
「ラブラブやないかーい」と読みながら何度叫んでニヤニヤしたことでしょう。
家族に不審がられながら、1人で萌えを噛み締めるこの幸せの時間ったらありません。

内容ははっきり言って先が読めるんですよ。
でもね、でもそこがいいの!
安心して読めて笑えてキュンとして、たまに胸がぎゅっとする。
そんな小説を読ませてくれて名倉先生には頭が上がりません。

トキの女子っぽいところも全然許容範囲だし、普通に可愛いと思う。
アーサーが日に日にトキに狂っていく様を読んでいてほんとに楽しかったです。

あと1作で終わっちゃうなんてすっごく悲しいなぁ〜〜

1

喧嘩から仲直りまでが最高!

アーサーのことを慕って認められたいあまり、時広に強く当たってしまうリチャード。
敵意を向けてくるリチャードに対して、歩み寄ろうとし、リチャードの胃袋を掴むことに成功。
だんだん打ち解けてきたのに、アーサーがとある場面で2人の行動を勘違いしてしまい、アーサーと時広はケンカ。
攻めの嫉妬って大好き!
怒って日本に帰っちゃう時広には、思わずいいぞ!と言いたい。

ニューヨークと日本と離ればなれになった2人がお互いを恋しくなるのは最高に萌えました。
最後に仲直りのエッチをした時のまさかの…にはビックリ。

時広の友達の大智も日本の新支社長ハリーと付き合うのにはビックリ!
こちらの恋の行方も気になるぞ。
みんなお幸せに!

0

雨降って地固まる的な初喧嘩。

 シリーズ3作目のこちら。
アーサーとトキが初めてのケンカをし、お互いに自分を顧みて、仲直りをするお話。


 現在付き合い始めて10ヶ月ほど。
アーサーのトキへの盲愛ぶりは、まだまだ絶賛継続中。
バカンス前にアーサーのご両親への挨拶も予定に入り、ドキドキ中のトキです。

 そんな中、アーサーの従兄弟のリチャードがトキを訪ねてくる。
リチャードは、アーサーがゲイであることも認めたくないので、トキの存在は我慢ならないよう。

 リチャードが「トキが財産目当てなのでは」と言ったのに対し「その方が好都合」と笑うアーサーにあきれましたが、かわいいじゃないか(*´∀`)
そのシーンに挿し絵がついてて、その時のアーサーの表情がまたいいんですよね〜。


 身内の問題で、トキを悲しませたり怖いも思いをさせたくないアーサーは、トキにリチャードと会わないでいいと断言。
でも、アーサーの身内だからこそ親しくなりたいトキは、内緒でリチャードと会い、結果的には餌付けで懐柔していく。
やはり、ここは元教師という職業柄、聞き分けのない子供の様子を見極めて誠実に対応できたトキならではなのでは。

 それでもストレスから、トキのアンダーヘアに10円ハゲができてしまう。
たまたま見られてしまったリチャードと、アーサーには知られないよう対処法を相談してる時に、アーサーから誤解されて、嫉妬から頭ごなしな怒りをぶつけられてしまう。
これなー、言っちゃいけない言葉だなー(-""-;)

冷却期間を置きたくて、1人で日本に帰国したトキ。
アーサーが己の独占欲からくる過保護と過干渉を猛省するところは大好きです。


やっとバカンスに入り、日本のトキの元へかけつけたアーサーと仲直りをする2人。
暴言を謝罪するアーサーに、言わせたのは自分だって言えるトキ、スゲェ、と心から思います。


 その後の仲直りえっち。
10円ハゲを見れなかった事に無念さを隠さないアーサー(^_^;)
その後の10円ハゲをごまかす為に剃ったトキに萌えるアーサー( ☆∀☆)
名倉先生の描く残念な攻め様、大好きです(≧▽≦)



0

言葉の大切さを学ぶ

溺愛シリーズ3作目。
個人的には今のところ3作目の今作がバランスが良くて1番面白かったかも。
名倉先生の文章は読みやすくて好きだなあ。
単体でも読めないことはないと思いますが、ぜひ1作目からどんどんアーサーがおかしくなっていっていく過程を楽しんでいただきたいな。

前作の短編話から数ヶ月後のお話。
今作のメインはずばり、バカンス前の初めての痴話喧嘩でしょうか。
甘さや溺愛ももちろんありますよ。
アーサーの従兄弟・リチャードが原因かのように描かれていますが、これは起こるべくして起こった出来事なんじゃないかな。
むしろ冷静に話し合うきっかけをくれたのでは?

とっくに周囲にカミングアウトを済ませていて、両親や家族からも好意的な反応を得ているアーサーですが、唯一反対をしているリチャードが襲来。
そもそも彼は、アーサーがゲイだということも信じられない!という気持ちでいっぱいのようなので、時広がどうだとかそういう問題でもないのだと思う。
幼い頃からの憧れのかっこいい従兄弟のお兄ちゃんが理想と違う!とへそを曲げて駄々をこねた結果、アーサーからは軽くあしらわれ、ろくに話も聞いてもらえない…なんというか、思春期の少年を見ているようで、決して嫌な子には見えなかったのですよね。
時広に対しても面と向かって酷いことを口走ってしまいますが、傷付きながらもアーサーの身内ならば仲良くしたいと考える時広。
この辺りの、リチャードと時広の心の距離が近付いていく描写が好きでした。
時広の元教師らしい一面が出ているというのかな。
少しひねくれてしまった子の相手をしているようで。
一緒に食事をしながら少しずつ話をするだけなのですけれど、その内何気ない会話まで出来るようになっていく。
冷静な状態での会話って本当に大事なんだと思います。
育ちの良さからか、素直にいただきますとごちそうさまを言うリチャードは可愛かったです。
過度に時広に対して心酔しきっていない、あくまでも中立寄りの立場になるのが良かった。

しかしこれがまたもや一波乱を巻き起こしてしまう。
だめだと言われてもアーサーに内緒で会っていたことや、そしてアンダーヘア部分の脱毛症の悩みを知っていたリチャードに相談に乗ってもらっていた場面を見られ、誤解をしたアーサーが大激怒。
私の金で借りた部屋だぞは言ってはいけない言葉でしたね…
それをきっかけにリチャードはアーサー偶像崇拝の夢から覚め、アーサーの過保護・過干渉を指摘し、時広は信用されていないことにショックを受け、冷静になるために日本へ単身帰国。

うーん、この一波乱の難しいところは、時広の友人である大智の恋人・ハリーの家族のように、どうしても分かり合えない場合もあるというところ。
時広とリチャードの関係は、結果的には理想的な位置に収まったけれど、もしかしたら逆効果になってしまったかもしれないのですよね。
そして、そもそもアーサーはそれをあまり望んではいなかったですし。
好かれたい気持ちは理解出来るものの、ちょっとここに時広の妙なお節介さと身勝手さを感じてしまうのですが、きちんと冷静に考えて配慮が足りていなかったと反省出来る人間なのが良かったです。
アーサーはアーサーで時広を溺愛・過保護・過干渉するあまり、時広に関しては周りが見えなくなってしまっていましたから、このすれ違いは必要なものだった気がします。
どう見ても時広は自活出来ていないですものね…
どちらが悪いではなく、冷静ではなかったどちらもが相手に対しての配慮が足りなかったのです。
この2人の「僕たちには言葉があるんだから話し合おう」と、改めて考えを言い合おうとするところが好き。
今後、もっと対等な関係となってより良い方向へ進めば良いな。

と、シリアスさのある初めてのすれ違いシーンが印象的な今作ではありますが、溺愛もラブももちろんあります。
いやあしかし、アンダーヘアの円形脱毛の誤魔化し方もさることながら、仲直りえっちがちょっと背徳的というか変態的で、さっきまでのシリアスはどこへ?となるのが名倉先生。
アーサーはパイパンがご褒美なんですね(笑)

あとがきに、息抜きとしてのBLラブコメですとあった通り、2人の問題も浮き彫りにしながらきちんと解決させ、甘さもある後味の良い終わらせ方にするのが本当にお上手。
今作でさらに成長をした2人はどうなるのか、最終巻も見届けたいと思います。

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