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表題作アルファの耽溺~パブリックスクールの恋~

アシュレイ・G・アークランド,13歳→17歳→28歳,アークランド伯爵家嫡男で監督生・α
御井所由葵,13歳→17歳→28歳,次期総代を狙う名門エドモンド校監督生

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

私の心、躰すべてが君のものだ

イギリスの名門エドモンド校で人気を二分する由葵とアシュレイ。二人は生徒総代のキングの座をかけライバル関係にあったのだが…。

イギリスの名門パブリックスクール・エドモンド校で「花のアフロディーテ」と謳われる由葵と「金の太子」と渾名されるアシュレイ。二人は学校の人気を二分し、次期生徒総代であるキングの最有力候補だ。しかし、キングになるにはアルファであることが暗黙の了解。バース未覚醒の由葵にとって、アルファのアシュレイはコンプレックスを刺激される存在。しかしある時由葵がオメガに覚醒。絶望にくれる由葵だが、アシュレイから思わぬ提案をされて…!?

作品情報

作品名
アルファの耽溺~パブリックスクールの恋~
著者
ゆりの菜櫻 
イラスト
笠井あゆみ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
シリーズ
アルファの耽溺~パブリックスクールの恋~
発売日
ISBN
9784576181448
4

(111)

(49)

萌々

(37)

(15)

中立

(7)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
16
得点
445
評価数
111
平均
4 / 5
神率
44.1%

レビュー投稿数16

これぞ「溺愛」。理想のオメガバース

やー…ものすごく興奮して、朝方4時まで読み耽ってしまいました…睡眠不足でも、悔いなし!
癖に突き刺さる、まさに理想のオメガバースの世界がありました…

あまりにも萌え過ぎて、読後すぐシリーズ全作カートに入れました。

何がいいかって、キャラも世界観も全部全部なんですが、箇条書き(+解説)で書き出してみます。

・オメガバースだけど、受けが不憫過ぎない!オメガも他のバースに負けずにのし上がっていける
・受けが精神的に強く才能もあり、努力できる健気っ子。だけど野心家な一面もあり、”キング”という生徒代表を目指す姿がいい!

→オメガバースものは設定上仕方がないとは思うんですが、受けがあまりに不憫すぎると辛くなっちゃうんですよね…
その点、この作品はオメガは少し差別対象になってはいますが酷い扱いをされるということはなく、実力で周囲に自身の存在を認めさせていく由葵が輝いて見えました✨
野心も持っていて努力家で、性の知識はウブウブで、素直で可愛くて…もう何から何まで応援したくなるよー!…好き!!!ってなりました。
オメガがアルファと対等に渡り合い、時に上に立つこともある、って設定(/ストーリー)、いいですね。

その他最高だな!と思った点は、攻めのアシュレイです。

・これでもか!!!というほどの溺愛(と執着!)
・対等な関係でありたい受けの気持ちを受け以上に理解している。そしてそれを言葉や態度で表す

→もう、アシュレイの言葉が態度が行動が甘くて甘くて、体が蕩けるかと思いました。蜂蜜を全身に浴びましたわ…
一目惚れした時からずっとずっと守ろう決めていて、でも「守る」という言葉が、バース覚醒したばかりの由葵の自尊心を傷つけかけてしまい…
その際のアシュレイの台詞に死ぬほど萌えました。萌え転がりましたよ…深夜に…

「守る?僕は君に守られるような弱者になったということか?」と問いかける由葵に対し、
「違う。すまない、言い方を間違えた。私を共犯者にしてくれ」と即座に謝罪するアシュレイ。

そして、愛する由葵を絡め取り手元から離さないようにするための、ある提案を持ちかけるのです。

この提案部分に、長年ずっとずっと他の輩に手をつけられないようにするため見守り機会を伺ってきた攻めの執着心が現れてまして、最っ高の最っ高でした◎

他にも神ポイントは色々あったはずなんですが、興奮しすぎると却ってうまくまとめられないですね…

とにかく、間違いなくこれから何度も何度も読み返すであろう、自分の中の「神」作品との出会いでした。
作者様の”パブリックスクール”への並々ならぬ愛と調査、知識の深さが感じられる、素晴らしい一冊です・:*+.

2

攻めの頭がおかしい(褒めてます)

ゆりの先生は初読みです。
勝手に笠井先生のイラスト月刊のため、笠井先生挿絵の作品を探していましたが、もともとパブリックスクール物が大好きで早速購入しました。
本編はわりあい軽めのテンションでシリアス風味ですが、可愛らしく進んでいきます。
最初、受けのモノローグにびっくりしましたが、こういう書き方するんだな、とわかれば特に問題なかったです。
モノローグ部分の本音が意外と子供っぽいというか笑
受けちゃんも攻め様も可愛らしかった。
そして、攻め様の頭がおかしい。(褒めてます)
読み進むにつれてそれはもう溺愛加減が伝わってくるんですが、パブリックスクールの切なさや郷愁と言うよりかは、甘々な雰囲気を味わいたい時に向いている本だと思います。

0

どちらも応援したくなる二人

パブリックスクールでオメガバースで。
13歳で出会い18歳までを過ごして。
盛りだくさんです。

パブリックスクール独特な制度や習慣などがあり、さらに皆の姫こと美貌の由葵が学園の頂点キングを目指すと。

アシュレイがもうスパダリすぎて困る!
初対面で由葵を運命の番と気付き、まだバース性を覚醒してない由葵に知らせることなく、いつか覚醒するときに支えようと見守って。

仲良くなるためにあえて取り巻きを競わせ思い通りに運び。恐るべし?愛の力かな。

由葵もオメガだと覚醒し、アシュレイに支えられ。でもセフレだと思っててアシュレイを好きなのに辛い…って。アシュレイ!もっとはっきり言っておかないと!

前に読んだ作者さんのお話もそうだったのですが、美貌のお姫様がスパダリ攻めにこっそりしっかり守られ、外堀を埋められ。
ええ?君は私のことが好きなのか?って終盤でわかるって。

もうアシュレイのスパダリさに滅茶苦茶萌えるんです!完全に由葵を守るために策を巡らせ危機には駆けつけ。

由葵もコンプレックスを刺激されるいけ好かない奴から、好きなのに番になる気がないならもうエッチできないくらいアシュレイを最後は愛してしまって。
アシュレイ、長かったね!頑張ったね!すごいよ、君!

はぁ〜、甘くてスパダリで時間をかけて確実に自分のものにして。番になるタイミングも良かったですね。由葵の機転と真摯さも最高です。

口絵がすごかったですね!アシュレイどんだけ巨根なのかしら。

0

やらかした…

こちらのレビューを満遍なくチェックしてから購入したら良かったです。1番初めに投稿した方のレビューに注意書きが…気づかなかった。



これから購入しようとする方!!!
絶対に店頭でカバーをかけてもらうことはダメです!
なぜなら口絵がどエロエロエロすぎだから。



私は店頭カバーサービスにほいほい乗ってしまった者です。私は小説は紙派で、店頭に在庫が無かったので注文しました。そのため受取時にそのままお会計コース。自分で口絵が確認できず…しくりましたー(>_<)

店員さんのウッという一瞬歪んだ表情……忘れやしません。家に帰ってからカバーめくったら、とんでもない口絵カラーでした。ああ…店員さんのあの表情の原因はこれかと。穴があったら入りたいとはこのこと。テンション下がりました。唯一の救いは女性店員さんだったことかな……


内容はとても良かったです!私はアルファの寵愛を先に読みハマってしまい、パブリックスクールシリーズが好きになりました。寵愛に御井所とアシュレイが登場していて、この2人の話がとても気になっていました。寵愛よりもハラハラしましたが、文句なしの神評価でした。他の皆さんのレビューもそれを物語っています。面白くて、読んでいる間は口絵カバーを見られたことを忘れていました(笑)


私のレビューは紙派の読者様へ向けた、失敗談として参考にしてください(T_T)
過ぎた過去をやり直すことはできません。今後の教訓として、私はブックカバーサービスを必ずお断りしています。

2

英国の雰囲気も良い

外堀から埋めるタイプの執着攻め×外面が良く攻めにだけ辛辣な強気美人受け!好きー!!

出会った瞬間運命の番と攻めだけ気づき、ひたすらに受けを想い守ってくの良い、紳士だ。親友のふりをする事になり、どんどん惹かれグルグルする受けも可愛い。
ライバルとして競り合い、親友のふりをしていくうちに心が惹かれていく様子が良い。
パブリックスクールの校則、寮生活や制服なども、とっても楽しめました。

そして何より、笠井あゆみ先生のイラストが良い!表紙はずっと天使かと思ってたよ。人間だけど天使みたいに崇高な心の持ち主なのですよ。で!で!なんと言っても69の日にオススメ頂いただけあって69がカラー!!扉絵に度肝読み進め、そのシーンが本当に本当に…想いが通じて受けからのーーーで心破裂!!えろすぎた。電子は真っ白けだったけど、紙はとんでもないらしいです。うすうす修正なんだって!!!紙の本は手に入れられなかったけど、笠井あゆみ先生の画集で確認してぶっ倒れました…

1

パブリックスクール 溺愛オメガバース物 

二人の心理戦がとても面白かった。
パブリックは、支配階級の子弟が人心の支配統括を疑似体験する場でもあったので、著者がそれを理解して書いた作品なら、英国パブリックものは面白いです。
イラストは笠井あゆみ先生
「オトコの花道」を読んで以来、笠井先生の絵を目にするとギャグ脳内変換して、真面目な耽美イラストなのに、笑っちゃう。

著者のブログに作品について色々思惑が書かれていて、併せて読んだらとても面白くなりました。
https://bit.ly/2IAWjkH
由葵とアシュレイ。アシュレイが一目惚れした由葵は、天使のような美少女・・・に見えてしまったのは、運命の番だったからでした。ファーストインパクトの衝撃は凄かったみたいです。
運命の番同士だと、攻め役がとても間抜けに感じるくらいΩにぞっこんになって振り回されたり、奪われないように囲ったり。気の毒なくらいの惚れこみようが面白いです。


----★過去レビューにある疑問「イギリス郊外」についてのメモ---
「イギリス郊外って、意味不明」という趣旨の疑問でしたが、英国を理解せず英国が舞台の小説を読んでもつまらないだろうと思うので、ご案内。

▶「イギリス郊外」:英国の正式国名は「連合王国」です。
「イギリス郊外」でググルと「ロンドン市郊外」、がヒットします。
★英語で「イングランド」と言うと、イギリスの中西部~南部にかけたイングランド王国のみを指すことになります。
なので、「イギリス郊外」と書けば、イギリス=イングランド地方=ロンドン市郊外を意味するので、この小説での用い方は間違いではないです。

▶英国の外務省による正式名称:「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」
(英: United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland: 「UK」)
イングランド/ウェールズ/スコットランド/北アイルランド の4つの王国が、同君連合型の単一主権国家を形成している国です。
長い国名なので、略称は「UK」「United Kingdom」や「Great Britain」とされて、国旗は、その四つの合体版。

▶日本で使われる国名の「イギリス」は日本だけの口語の通称:
★日本で「イギリス」が英国の通称になったのは、ポルトガル語由来。ポルトガル語のイングランドが「Inglez」なので、江戸時代から「エゲレス」という呼称を使っていた名残。
 
★「Britain」は連合王国の同義語で、「British」をイギリスの市民権及び国籍に関する事項への言及に法律上用いると定めています。それで、UKのオリンピックチームは、「Great Britain」「Team GB」の名称を用いています。

★UKは、今も独立と分裂問題を抱えています。
「ビートルズ」も4人全員がアイルランド系。北アイルランドの独立問題をテーマにした音楽を演奏していたのは有名です。宗教改革から始まって、大戦で「2つのアイルランド」に分断した問題は、未だ解決されていません。国名の通称は、英国にとってナーバスな問題を含んでいます。

★★仔細は、留学スクエアの「イギリス国名の正式名称と英語表記」を参照することをお勧めします。

1

ほほう

甘い。
本編は2人の間が甘くて美味しかった。

アシュレイが由葵を大事に大事にしていて、周りからすれば溺愛どころか宝物のようにしているのが明らかなのにね。
由葵が強気で負けず嫌いではあるけど、アシュレイの自分への優しさに自惚れたりはしないからイライラせずに読めました。
由葵が鈍いからすれ違ってしまうんですけどね。そこがいいのよね。

ただ、エピローグが本編からいきなり10年後?
いやいやそれはもっと本編後からの甘々が読みたかった私としてはいきなり感が凄すぎて置いてけぼりをくらってしまいました。



0

溺愛攻め

とにかくアシュレイが由葵に甘くて甘くて萌えました。

アシュレイは出会った時から由葵が「運命の番」だと気が付いているのです。しかし由葵はまだバースに目覚めていないので、アルファとして優秀なアシュレイにコンプレックスを抱きます。つねにツンツンして冷たい態度を取っていても、アシュレイは一向に気にしません。

美しい由葵に不埒な想いを抱いた輩を近づかせないように影で牽制しているのです。そのせいで由葵は危機感がないのでやたらと危なっかしいです。

取り巻きの下級生が2人の仲良し友人のフリにキャーキャー言ってて、読んでてニヤニヤしてしまいました。

0

攻めが受けにゾッコン!

攻めが受けのことを初めて見た時から好きで、溺愛している。

0

めちゃくちゃ良いオメガバースです!!!

ゆりのさんの「国王陛下の麗しき花嫁」みたいな溺愛執着攻め×美人強気受けが好きです。

具体的に言うと
・俺の嫁扱いする攻めに対して「お前のもんになった記憶はない!」とか反抗するんだけど、攻めは「おいおいあまり可愛い顔して怒るなよ、勃つだろ」みたいな事を言ってのける。で、受けはさらに怒る→攻めは怒った顔もかわいいななんて思ってる。
・受けの知らないところで悪い虫をせっせと排除してる。(そのせいで受けが自分の魅力に無自覚)
そしてここが一番重要なんだけど、「攻めの方が一枚上手に見えつつ、そんな攻めを生かすも殺すも受け次第で結局受けには頭があがらない」

こういうカプっていないかな?と小説好きの姐さんに聞いたところ、オメガバースだけど……ということでオススメされたのがこれ。
読んでみたらさすがのセレクトで、うおぉ〜!!このカプめっちゃ萌える〜!!と。
(最近、このカプの番外編が電子限定で発売されたので読み返してみました。)

パブリックスクール内でも人気を二分するアシュレイ(攻め)と由葵(受け)。
キングの座を狙うライバル同士とされてるけど、ライバル視してるのは由葵だけで、アシュレイに対していつも刺々しい態度。
一方のアシュレイは出会った時から、バース未覚醒な由葵相手に運命の番だと確信し、裏で手を回して由葵を見守り続けている。
アシュレイは策士なんですよ。
二人の取り巻き同士の諍いを上長から咎められたことをきっかけに「1日1ハグして周囲にどれだけ仲良しなのか見せつけてやる必要がある」とか言い出す(笑)
おまけに「もしかして、それすら出来ないほどきみは狭量なのか?」とか「このくらいしないと本当に仲が良いのか怪しまれる」とか言うので、腑に落ちないけど親友ごっこをする由葵。

もう読んでニヤニヤしまくり〜!

あとオメガバースが、単なる運命の番がどうこうに終始していないところがいいと思う。
オメガの現状を打破したい!と気概を感じられるところが好き。

というのも平等を謳う校風だから、例えオメガでもキングになる事は不可能ではないとされてるけど、暗黙の了解でキング=アルファとされているんですね。
ここ、オメガを女性に、キングを首相にと置き換えると、どこかの国みたいだなー……なんて。

そしてオメガに覚醒しちゃう由葵。
アシュレイによる「協力」という名の下のセックスのおかげで(ここも萌えどころ)フェロモンを抑えて周囲にはバレずに済んでるけれど、オメガを隠したまま立候補するのか悩むんです。
そして悩んだ末に「オメガという性に負けたくない」と演説する姿がただただ天晴れというか。

アルファなんだけど、運命の番である由葵の前では下僕……みたいなアシュレイ。
オメガだけどアルファに守られるだけではなく、自分で切り拓いていこうとする気丈な由葵。
すごくいい組み合わせ。


そして、番外編によると続編が出るそうです。

買うわ!!!
楽しみ。

5

「イギリス郊外」とあり、唖然

表紙がきれいだったので購入。
この作家さんは、常にロシアンルーレット。
文章や設定に破綻はなく、当たりも出るけど、外れも少なくない。

これは冒頭に「イギリス郊外」とあり、唖然。数ページ後に、ロンドン郊外とあるので校正ミスでしょうか。オメガバースと閉鎖的な寄宿学校での階級社会をうまくからめてありましたが、唐突に出てくる「バース」という単語の意味がわからず、そこでストップ。オメガバースのバース、生まれのような意味だと理解しましたが、人名かと思いました。

5

「運命の番」を見つけたアルファの頑張り


パブリックスクールものは初めて読んだので日本の寮生活と似ているようで全然違う習慣に驚きでいっぱいでした。
身分制度や上下関係がかなり関係する場所のようで、一歩間違えると昏い話になりそうな設定なので今まで避けていたのですが今作に関しては溺愛もののようなので手に取ってみました。
受けが気が付いていないだけで、裏で受けを手に入れるために暗躍する攻めの溺愛の話といって差し支えないと思います。

舞台はイギリスのパブリックスクール・エドモンド校。
次期生徒総代「キング」を目指す日本の名家・御井所家の嫡男・由葵(受け)は入学当初からライバル視している伯爵家嫡男・アシュレイ・アークランドを毛嫌いしています。早くからアルファとして覚醒しているアシュレイと違い、まだバース性が覚醒していない由葵はアシュレイにコンプレックスをを刺激されるため苦手意識が消えないのです。
実家からも寮長ひいてはキングになることを求められ、そのための努力は惜しまず根回しも怠らない由葵ですが、アシュレイにだけはそっけない態度をとってしまいます。それなのにアシュレイは何かと由葵に絡んでくるのです。
今現在の心配事はキングに決まるまでにアルファ以外に覚醒してしまうことで、そんなことを心配しなくていいアシュレイに対して余計にコンプレックスを感じます。
そんな由葵の態度がアシュレイと由葵の取り巻きに影響を与え、現キングに呼び出され叱責されてしまうのです。キングの心証を良くするため、二人は仲違いしているわけではないことを周りに示すよう親友のように振舞うことを約束します。
少しづつ、距離を縮めようとしている最中、とうとうオメガに覚醒してしまうのです。
絶望する由葵に、アシュレイは何故か周りにオメガだとバレないような工作の共犯者になることを提案してくるのです。

どう考えてもアシュレイにとって益となることは一つもなくリスクしかない提案なのですが、正々堂々とキングの座を争いたいというアシュレイの言葉を受け、由葵はアシュレイの提案を受け入れるのです。
実は、アシュレイは新入生歓迎会で初めて会った時、すでに覚醒していたことから由葵が「運命の番」だと気付いており、番になるための機会を虎視眈々と狙っていたのです。入学以来由葵を狙う輩を遠ざけるなど、そのための根回しは怠りません。
由葵にメロメロなアシュレイなので由葵に触ることを許され秘密を共有することができることはご褒美以外何物でもないのですが、そんなことを知らない由葵にとってはさぞかし不思議だったことでしょう。
由葵視点が多いですが、時々アシュレイ視点が入るので、アシュレイの由葵への溺愛具合がどちらの視点でもありありとわかって、わかってないのは由葵だけという楽しい展開でした。

二人のヒミツの関係がバレるのではと結構ハラハラドキドキしました。
キングの座は誰の手に?アシュレイの由葵への想いは届くのか?何かと絡んでくる家柄だけの屑男との顛末は?といろいろありましたが、その間に何度も絡みのシーンが挟まれ、配分も申し分なくとても楽しく読み終えました。
というか、ここで終わるのがちょっともったいと思ってしまいました。
最後、いっきに10年経ってしまってきたので、キングが決まってからの二人の最後のパブリックスクールでの生活やそれぞれの家族との話、名前だけで実際出番のなかった由葵の弟やアシュレイの弟、卒業してからの二人、由葵の親友視点の話など、もっといろいろ読んでみたかったです。

7

思いっきり耽溺しちゃって下さい。

 「耽溺」…なんか響きがいいわー、笠井先生の表紙も美しいし、と迷わずポチッと購入。
私的にはとっても好きなお話でした。

 
 イギリスのパブリックスクールを舞台に繰り広げられるオメガバース。


 受け様の由葵は名門出身の日本から留学生で、未だにバース覚醒はしていない。
「花のアフロディーテ」と謳われる美貌の使い道を理解していて、寮の監督生となり、次は寮長、学生総代のキングまでも目指して努力の麗人。
当初はすでにアルファとして覚醒している攻め様であるアシュレイに対抗心もあったのですが、グイグイくるアシュレイとの距離感を図りかねてるかわいい面もありました。
アシュレイから抱きしめられて、ハグだ、と言われると、これってハグ?ハグ…だよな。と自問自答してたりするのが、違うから!!!とつっこみたくなる天然ぶり。


 攻め様のアシュレイは13歳の入学時、すでにアルファとして覚醒していて、受け様である由葵をひと目見た時から、自分の運命の番だ、と確信していて。
以来、由葵にちょかいをかけようとしていた不埒な輩を水面下で牽制して、いつか由葵がΩとして覚醒した時は絶対手に入れるつもりで、不自然にならないよう距離を縮めようと画策しているのですが、そんな時の由葵とのやりとりが苦笑しちゃいました。
由葵が自分にそっけないのは、自分にだけ気を許してる、甘えてるからだ、なんて言っちゃうのに対して由葵が内心抗議してる、つっこみを入れてる、というやり取りが多々あって、かわいいなぁもう、なんて。
んで、俺様系かと思ってたのに、ひたすら由葵を大事にして、尊重しているアシュレイに好感度マックスです。(俺様系も好きですけど)


 由葵がΩに覚醒してからは、Ωがキングになった前例がない為、覚醒したことを隠す共犯者としてセックスと抑制剤で乗り切ろうとする2人。
ここでも、アシュレイは由葵の心情を慮って下手に出つつ自分の方へ落ちてくるようしっかり誘導しててて。
最終的には、ライバルであるアシュレイに対して誠実であろう、とする由葵の決意に拍手でした。

 「耽溺」ってどんな意味なんだっけ?と調べてみたら、周りが見えないくらい溺れる事、とあまりいい意味では使われないようですが、アルファ、というか攻め様に至ってはそれでヨシ!!
周囲の人間どころか、受け様の反論さえも華麗にスルーして、思いっきり溺れたらいいよ。

 

9

英国エリート社会、どれだけスペックがいるんだ…

パブリックスクール(階級社会)×オメガバース(格差社会)という相乗効果設定で、学園の頂点の座(キング)を目指すのは更に難易度が高くなる…という所が面白かったです。この小説を読んで意外とパブリックスクールとオメガバース設定は親和性があるんだなーと実感しました。

ダメオタクな凡人には、家柄に学力は勿論、スポーツやゲームで勝利して、社交も出来て人望厚くないとエリートになれない無理ゲーな英国社会にあんぐりしました。どれだけスペックがいるんだよwww パブリックスクールに入学した生徒達は頂点を目指すべく、同性同士のみの全寮制のコミュニティの中で、切磋琢磨して競争、努力の毎日を6年間積み重ねていく事を強いられる…という現実に読んでいてしんどくなりました。産まれた時から自然と競争を義務付けられる男性は大変だなー。

肝心のBL部分では、カップリングが微笑ましくて好感が持てました。激甘カップルです。由葵は男子校の姫のような容姿ですが、気位が高いため意外と萌えました。パブリックスクールで××発覚で、結婚、出産でキャリアを閉ざされた女性の代弁者的な存在で描かれるのかと思ったら、違った結末で良かったです。あまりBLの受に女性の代弁者を担わす部分が見えると萎える方なので、そこは好感が持てました。そろそろパブリックスクールもので、英国人×英国人設定を読みたいです。共感を呼びやすくする為か、必ず受は日本人の設定の小説が多いので…。

パブリックスクール生活での風物詩や現実もしっかり描かれ、良作で上手く纏まった作品ですが、欲を言えばもう一捻り欲しかったかも。意外性やアクがもう少し強ければ、もっと惹きこまれた気がします。全体的に綺麗に纏まり過ぎた所が少し物足りなく感じました。
余談ですが、読んでいる最中にあとがきを見てしまい、ネタバレ!と思って、半分ガッカリしつつ最後まで読むと、ネタバレの内容と違ったという…。あとがきの内容が少しまぎらわしかったです。今後は最後まで読むまで、あとがきを読む事はやめようと決意しました。

笠井先生のイラストは美麗でパブリックスクールの美少年達を堪能できました。


7

パブリックスクール&オメガバース

ゆりの先生&笠井先生という私的最強タッグの一つ。それもあってか、苦手なオメガバースのはずなのに、こちらのアルファも可愛らしく感じられたので萌2。攻め受けの掛け合いが楽しいです。パブリックスクール&オメガバース設定の「本編250Pほど+あとがき」。カラー口絵がまさかの★攻めの御開帳★wですので、ご注意ください。

お話は、攻め13歳のエピソードから始まります。新入生親睦会に出席するべく回廊を歩いていると、側の小庭でもたついている少女が。それは新入生で一番の美人と認定されギネヴィア姫に仕立てられた受けさんで・・と二人は出会います。このシーンの受けさんがぴらぴら衣装、ロン毛で神絵!!女装ってそんなに得意でないはずなのに、笠井先生の描かれる「ほぼ女子」は、なぜか好き。こりゃ惚れるよー。

攻め受け以外の登場人物は
受けの親友ロベルト、エリオット(由葵のファグ=世話をする1年生)、同級生で同じく寮長を狙っているギル(アルファ)等々。最初っから最後までほとんどパブリックスクールが舞台です。

**攻め受けについて

受けさんがオメガ覚醒前で、運命の番に気付けないという設定。攻めさんは出会った13歳の時に、「番だ!」と気づいているのですが、受けさんが全く気付いていないことを分かって、じっと忍耐しているというところが良かったです。無理矢理目覚めさせる傲慢野郎が多いと思うのに、まあよく頑張りました。嫌われるのは絶対ヤだということで、最後の最後まで「うなじ噛んでいい?」と確認しながら事をススメようとするのが可愛かったですw

受けさんはオメガ覚醒後も弱っちくなく、上昇志向満点。寮長、その次は学校の「キング」を狙って攻めさんと切磋琢磨していて、そのあたりので二人の掛け合いも最高です。攻めさんの方が腹黒く(お約束)、仲良しの練習♡といいながら、ぎゅうぎゅうハグして尻触って・・と、やりたい放題で楽しい。

やっぱり尻に敷かれ気味なアルファだと楽しいわと思った1冊でした。

8

(糖度)大幅増量でお送りしています!!

私は元々、ゆりの先生が書く、執着攻めと強気美人受けが大好きなのです。
ライバル関係にある二人が、猫を被って空々しい会話を交わしてたりするのが楽しくて仕方ない。
本心を隠しての、駆け引きめいたやりとりと言うのがツボなのですよ。
で、どちらに軍配が上がるかな~とニヤニヤ楽しむ。
まぁ、大抵攻めが一枚上手なのですが、実の所はやり込められた感のある受けの方が立場が上。
だって、何だかんだ言いつつ、攻めは受けにメロメロだから!
攻めの生殺与奪権は受けが握っているんですよ!! 受けがその事に気付いて無いだけで!!!
受け贔屓の私としては、たまらない関係だったりするわけです。

が、今回ですね、まさにこのいつものパターンだと思ってたら、攻めが途中から逸脱。
そう彼は、超溺愛攻めだったんですよー!!
いや、ゆりの先生と言うと溺愛攻めがお約束なのですが、傲慢で実は黒幕だったりするパターンが多いのです。ご本人もおっしゃる通り、ラスボス的な。愛情表現が屈折してるタイプの。

それが今回、超真っ直ぐ受けを愛する純愛攻め。
ここまでてらい無くストレートな愛情表現をする攻めて、かなり新鮮でした。
そして甘い!めちゃくちゃ甘い!!
確かに(由葵に)耽溺だよ~!!(≧∀≦)
まぁそんなワケで、甘いもの好きな私は大変満足のゆく作品でした。


内容ですが、パブリックスクール×オメガバースです。
次期総代(キング)を共に狙う、監督生のアシュレイと由葵。
人気を二分する二人ですが、キングとなるにはアルファである事が暗黙の了解。
既にアルファとして覚醒しているアシュレイに対して、まだバース未覚醒の由葵はコンプレックスを覚えています。
そんな中、突然オメガとして覚醒してしまう由葵。
絶望する彼に対して、アシュレイがした思わぬ提案とは-・・・と言うもの。
ライバル関係にある二人が、パブリックスクールに入学して出会ってから、キングの座を狙って切磋琢磨する様子、そして結ばれるまでとなります。

序盤はいつもの如く、策士であるアシュレイに、ちょい抜けた所のある由葵がいいように騙くらかされています。
二人の取り巻きである下級生達の仲が悪い事が、キングになるためには不利に働くのです。
そこで、アシュレイを煙たがっている由葵に対して、周囲に親友だと思わせる為、仲が良いアピールをしようと提案するアシュレイ。
「親友同士なら毎日ハグするのが当たり前だ」だの、「尻を撫でる程度のスキンシップは普通だ」だの言いくるめられ、「そういうものか・・・?」と受け入れている由葵にニヤニヤします。
そう、かなり強気でありながら、ちょい抜けてる所に可愛げがあって萌えるんですよ。
で、皆の前だと邪険な態度が取れないのを良いことに、アシュレイが由葵にベタベタと、ここぞとばかりに触りまくる。
そんな彼に、内心では青筋を立てながら、猫を被った笑顔を振りまく由葵。
前半がこんな感じになりますが、個人的にこうゆうやりとりが死ぬほど好きなのです。
萌えて萌えて仕方ない。

が、今回はここから、更に萌える展開。
由葵がオメガとして覚醒-。
すると、その事を二人だけの秘密にして、オメガである事がバレないように協力すると言い出すアシュレイ。
当然その協力とは、発情期にエッチする事なんですけど。

今回ですね、アシュレイが本当に真摯なのですよ
由葵を上手いこと騙くらかして手に入れようとするのでは無く(ちょっとはそれもあるけど)、ひたすら彼の事を大事にして行動している。
ゆりの作品では珍しい事に、超真っ直ぐなタイプなのです。
彼の由葵への愛情は絶対的で疑いようが無い-。
だから読者としては、甘さに存分に浸れると申しましょうか。

由葵がオメガに覚醒してからはエロ三昧なのですが、アシュレイはこれ以上無いほど由葵を大切に抱きます。
そしてエッチの最中も、また事後も、やりとりが激甘!
ちょっと実家に帰省と離れるだけで「寂しいと思ってくれるか? 私は寂しい」と言い出すアシュレイ。
そして、「由葵の身の回りの世話をあれこれしたかった」と由葵のファグを羨ましがる・・・。
いやもう、ここまで素直に愛情を口にする攻めて・・・!!
また、普段ツン気味な由葵の、ここでのデレが最高なのですよ。
甘いな~! 甘すぎるな!!

この後も由葵の思い込みからちょっとした誤解があったり、キングの座を狙って由葵に執着する同級生とのイザコザがあったりと、波乱はありますが。
とりあえず、そんな感じの超甘々で純愛が素敵な作品になります。

あと、こちらはオメガバース。
由葵はオメガと言う性自体に最初は否定的です。
と言うより、アルファでなければダメみたいな固定観念が。
これの落とし所が素敵でした。
そう、どんな性だろうと、自分は自分。
その事に気付き、真っ直ぐ受け止める由葵に胸が熱くなります。
オメガバースだからこその着地点ですね。

あと最後になっちゃいましたが、表紙がめっちゃ素敵なんですよ。
透き通る羽の細かい部分まで繊細な美しさ。
で、口絵カラーはすんごい事に!!
店頭でカバーはかけてもらわない方がよろしいかと!



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