• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作甘い水 2

神宮寺稔,29歳,1年後輩の同じ所属
遠藤啓一,29歳,警視庁特殊犯捜査係SIT所属

その他の収録作品

  • 甘さの在処
  • あとがき

あらすじ

警視庁特殊班捜査係・通称SITに所属する遠藤は、新たにSITに配属された神宮寺と同僚以上、恋人未満な関係を続けていたが…。
(出版社より)

作品情報

作品名
甘い水 2
著者
かわい有美子 
イラスト
北上れん 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
天使のささやき
発売日
ISBN
9784344825239
4.5

(178)

(125)

萌々

(35)

(9)

中立

(1)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
20
得点
793
評価数
178
平均
4.5 / 5
神率
70.2%

レビュー投稿数20

レビューというより愛の叫び

数多あるBLのなかで、好きなキャラは誰?と聞かれたら『"甘い水"の遠藤啓一(29)です』と即答できる人間なので…

偏った意見で申し訳ないですが…

待ってました!!
2の遠藤はすごいです。

まず、北上れん先生の表紙イラスト!!普段、勝ち気な笑みを浮かべたイメージの強い遠藤の…なんでしょうこの頼りなげ&儚げな表情は!!たどたどしい手つき!!それに対する神宮寺のアサルトスーツ!!!かぁっこいいい!!!

オビ『何かあったら、お前が助けにきてくれるんだろ?』
上がりますよねテンションが…!!!!


物語の冒頭からデリカシーの無い歯に衣着せぬ物言いと裏表の無い人懐っこさ、食への執着(笑)恋愛に対するある種の欠落ぶりで神宮寺を翻弄する遠藤ですが

だんだんと、神宮寺に対して愛情ぽいものを抱くようになります(必死でかわいーなこのバカ。みたいな)

しかし、本人が未だ傷ついたままのことに気づいていない、深すぎるトラウマのためになかなか神宮寺と上手くつきあうことができません。(まず、恋人という認識から皆無なのですが)

刹那主義+快楽主義でどこか『自分が死んでも誰も困らない』と思っている遠藤。切ない…。

しかし、最期の止めは神宮寺に刺してほしい…でも神宮寺の止めを刺したくないのくだりで

再び、大切なひとを失うことを恐れ(怯える様も愛しい)

立てこもり事件の渦中に巻き込まれることで(得意のムエタイが見れないのがさみしい)


自分が死ぬことで神宮寺を悲しませたくないという…両親の事故以来、欠落してしまったであろう愛情を取り戻します



『好きだ』と言えないのですが、気持ちは充分、神宮寺に伝わったはず。




書き下ろし『甘さの在処』

今年あったいいことが、全て神宮寺絡みなのがもう…かわいいですよね…

神宮寺の些細な仕草で
愛されてるな とか 守られてるなとか感じて、一緒にいるだけで幸せだと思える。 いやー…もう…ホント、ごちそうさまです。



エロさも魅力的な遠藤in温泉。普段とは違った艶っぽい遠藤。

ラストは涙腺が破壊される出来。(つд`)遠藤…末永くお幸せに…!!!!



…神宮寺も良いですよ
(よく訓練された大型犬)

ただ、私、私生活に支障きたすぐらい遠藤が好きなだけで…

22

あんまり痛々しくて守ってあげたくなる。

前作がとても良かったのでかなり過度な期待をしていましたが、
裏切られることはありませんでした。
精神的・心理的に難しい問題をBLと絡めて上品かつ淡々と
(※そっけないという意味ではありません)まとめられている良作だと思います。

前作に比べると格段に甘くなったふたりですが、
遠藤の心に潜む闇はずっと深いところまで根が張っており、
ふたりの距離がかなり近づいた今作を読み終えてさえも、
その根はそう簡単には解けることはないんだなと再確認し、切なくなりました。
遠藤を見ていて一番辛いのは、自分が深い痛手を負っているということを
明確に意識しないままに苦しんでいるところでしょうか…。
一見飄々としていて、時に陽気でさえあるものだから、
余計に痛々しくて仕方ないと同時に、その痛々しさが可哀想で、愛おしいです。
あっけらかんとした言動はそっくりそのまま自分を護る堅い鎧となって、
容易に他人を立ち入らせないんですね。
それでも、今回、似たような傷を負っている篠口のアプローチを断ったことで、
彼は変わりつつあるんだなと感じました。同病相憐れむも辛いですしね…。
遠藤の心が明るい方へ行きたがっているのかなとちょっと安心しました。

そんな彼にどうしてあげたらいいのかまだよく掴めないながらも、
ただ誠実な心で愛そうとする神宮寺がまたいいんです…。
「包容力」というにはまだそこまでの余裕はないけれど、
でもそういう気持ちを遠藤へ注ぎたいと思っている、
愛する人に自分がどこまで許されるのか知りたいけれど、
彼の内面に土足で立ち入ることは出来ないと思っている、
相手への思い遣りがあるからこそ、何というか凄く悩みの大きい立場ですよね…。
そんな中で、自分の行動と態度で精一杯の愛情を表現する神宮寺もまた愛おしいです。

「あんたを護る」と、言葉よりも態度で示す神宮寺に命を救われ、護られる中で、
彼への気持ちに確かなものを感じ始めた遠藤が、「甘さの在処」で
神宮寺に抱かれながら涙を流す場面が愛おしくて仕方ありませんでした。
月並みな表現ですが、彼の中の永久凍土が少しでも融けたものであればいいなと思います。
とても温かくて、愛が伝わってきて、忘れがたいシーンです。

16

命を預けられる、特別な他人

ふはー!かなり満腹です!堪能させていただきました!!

1作目「甘い水」では、なかなか遠藤に感情移入出来ず、
神宮寺も難儀なお人を好きになってしまったもんだよと
同情せずにいられなかったのですが。
こちらの2作目でようやく遠藤自身にも共感出来るところがあったり、
タイトル「甘い水」の意味もわかってさっぱりしました!

そしてなんといっても神宮寺の想いが徐々に伝わって…。
健気な神宮寺がまさに大型犬ですw
それも、普段口数が少なくて、遠藤と二人きりの時は
嬉しさでちょっとだけおしゃべりになるというのが萌え!
あとで自分の言動を反省して、遠藤に謝るあたり等
立派にワンコです。
だからと言って、デレデレしすぎていないのがまたポイント♪

当て馬の篠口がまた、いいスパイスになっていました!
遠藤は、篠口から好意を示され誘われても拒みます。
自分が篠口と抱えているものの本質が似ていて、
体を重ねる関係になったとしたら傷を舐めあうだけだろうと。

遠藤にとって神宮寺は、無骨ながらも温かい想いを運んでくれて
安心感を持たせてくれます。
1作目であった事件でも、今回の事件でも、
神宮寺は遠藤の為に体を張ります。
もちろん同僚なら当たり前ですが、
そこには好きな相手を必ず守りきるという強い想いがあって
遠藤はそれがとても心地良いんです。
もし自分が重傷を負って助かる見込みがないのなら、
とどめをさしてくれるのは神宮寺が良いと遠藤は言い、
両親も健在なのに、神宮寺は遠藤がいいと言うのです。
ふぅ、素敵だなー…。
命を懸けられるという面ではヤクザものがポピュラーですが
これは特殊犯捜査係ですから、堅気なので好きですw
使命を全うしようとする強い男は文句無しにかっこいいし!!
専門用語がたまに出て来ても難しくないので
流石の安定感と読みやすい文章で、するする進められます☆

かわいさんもあとがきでおっしゃっていましたが、
「日にち薬」というのが印象に残りました。
どんな事でも時間が解決してくれるというわけではないけど、
きっと時間が経っていく事で、
少しでもツラさが和らいだり、受け入れられるようになったり…。
日にち薬プラス、自分を心から愛してくれる恋人がずっと傍にいてくれたら。
あーもう、お二人ともお幸せに!!
これからも、お互いを守って守られて愛し合っちゃって下さい!

温泉(個室露店風呂)H、大変美味しゅうございました!!
「透過性恋愛装置」の同人誌を彷彿させて、
またそちらも読み返したくなってしまいましたよw

…つうか、まだ遠藤は神宮寺に好きって言ってないような…。
もう、早く言ってあげてー!!と思ったけど、
言わないのが遠藤らしい気もします。
充分態度に表しているし。ふふ。

宮津という先輩と遠藤の軽口のたたき合いが面白かったです♪
そして焼肉と鰻が異常に食べたくなりましたw
本当、食べ物が美味しいと思えるのは
ものすごく幸せな事なんですよね…。

北上れんさんのイラスト、ピンク色の溜息しか出てきません。
神宮寺は男らしいし遠藤は色っぽいし、たまらない!!!!!


14

感情の一部が欠落したような遠藤に変化

待ちに待った続編で、前作で何となくくっ付いた感じに見えた二人の新たなその後
深く考える事も無意識に回避して享楽的に人間が本能的に求める事にのみ欲求のままに、
生きてきた遠藤が、苦手で嫌っていた神宮寺に好きだと言われ、遠藤が死んだら
泣いてしまうと・・・そんな言葉を、自分が大切だと言葉だけでなく行動で身体を張って
守ってくれた神宮寺との関係は、未だに恋人と呼べるような関係までにはなっていない。

神宮寺は遠藤に片思いをしていたし、遠藤に誘われ身体の関係にもなったけれど
遠藤の態度はそれ程変わってもいなくて、二人が恋愛関係にあるとも思っていないようで
悪気のない遠藤の言葉に落ち込む神宮寺。

遠藤は本気で自分のトラウマに気が付いていないんですよね。
気が付いていなからこそ、傍にいる神宮寺が代わりに切なくなるんです。
死ぬことは怖くないけど、生死を自分で決める事が出来ないのは怖いと言う遠藤。
それは遠藤の母親の姿なんですよね。
そして、そんな時になったら神宮寺に最後の止めを刺してくれなんて頼む遠藤。
それを聞いた神宮寺の心の痛みは計り知れないです。

10年前の事件から遠藤の心の一部は凍りついたままで、その事に気が付いていない。
タイトルの甘い水のくだりは遠藤が生きていることの証なのだと感慨深く感じます。
自分を薄情だと言う遠藤ですが、悲しむことも出来なくなった心がただの水を飲んで
甘く感じだ事こそが、凍りついた感情が動き出した時なんですよね。

でも、その時から遠藤の心は再生していないように思えるのです。
その遠藤が神宮寺との関係で本能的な思いとは違う感情が生まれてきている感じで、
でも、それを育てるまでは行っていない、深く相手に踏み込まれそうになると
心の壁が拒絶するように現れる。
でも、他の人には覚えた事が無い愛しいと思える感情を神宮寺に感じ始める遠藤。
でも、今回も最後まで好きの一言も言い出せないままでしたが、この先数年後の
桜を見る約束が遠藤の精一杯の思いの表れのようでした。
意外にツンデレさんだったんだと微笑ましく読み終えました。
とても奥深い余韻の残るストーリーで引き込まれました。素敵です。

11

続編を期待しています!

前作『甘い水』の続きです。
前作同様、警視庁特殊捜査係・通称SITが舞台。
今回も攻め受け両方の視点が楽しめます。

攻めの神宮寺は、SITではまだ新人。
学生時代に母親の病院で見かけてから、受けの遠藤に惚れています。
SITにも、遠藤を追いかけ配置転換を希望した言い換えるならばストーカー?

受けの遠藤は神宮寺の一学年上で、SAT時代に引き続きSITでも先輩。
小さな誤解が原因で長いこと神宮寺を嫌っていましたが、前作で神宮寺から「あんたが死んだら俺が泣く」という感じのことを言われ態度が軟化し、えっちまで勢いでしてしまった男前。

前作で体の関係が先に走り、心はどうなっちゃうの?とさぞや心配だったであろう神宮寺。
でも遠藤はああいう雑な対人関係しか築けない(特に恋愛は)人間ですから、神宮寺への気持ちを自覚するのに今作一冊くらいかかっても仕方ないですね。
当て馬的な篠口の存在もふたりを刺激して、思わぬ結果を導きました。
神宮寺はムカついただろうけど、きっと足を向けて寝てはいけないわ!
このおかげでスッキリとした形におさまることができたわけですしね。

しかし遠藤は格闘の達人クラスなのに、前作の神宮寺に引き続き篠口にもキスされちゃうって…
回し蹴りかまして欲しかった…
自衛ラインを引きながら駆け引きをする篠口は、わたし好きではありません。
いくらスマートでも、やっぱりズルいかな。
こういう押し方は遠藤のようなタイプには通じませんでしたね。

この本で『甘い水』の意味が解け「なるほどなー」となります。
そのくだりは、さすがかわいさん!
なので、これはやはり前作から読むことがお勧めです。
でもタイトルの意味が判明して、完結になって欲しくはないです!
お仕事BL色は前作より強いかなと感じる方もいらっしゃると思いますが、挿絵の北上れんさんのイラストと驚くほどマッチしていて素晴らしいですよ。

10

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP