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表題作蟷螂の檻 4

深山典彦,32歳,當間家に仕える使用人,秘書
當間育郎,22歳,當間家の若き当主

同時収録作品蟷螂の檻

西浦健一,19歳,蘭蔵の世話係の青年
當間育郎,22歳,當間家の若き当主

同時収録作品蟷螂の檻

役員達
當間育郎,22歳,當間家の若き当主

その他の収録作品

  • 蟷螂の檻の中の人

あらすじ

超クライマックス!
狂愛の腕に抱かれて

サイコパス執着攻×メス若当主


躾けられた雌の躰

「こんな奥、今まで届いたことないでしょう」
政治家に性接待を強いられた育郎は、
側に侍るのみだった典彦を責めた。
しかし典彦は、いびつな独占欲を告げ
3日間、胎の中を塗りつぶすように育郎を抱いた。

典彦に不信を抱いた育郎は
彼との交わりを断つが、
職場や車中…至るところで雄を咥え込んだ記憶を思い出し
股を濡らし仕事もままならない。
若当主として、夫としてあるまじき
ーーーみだらな雌の躰…。

典彦の食い荒らすような愛に苦悩しながら、
育郎は當間家の当主として決断の時を迎えようとしていたーーー。

下克上主従が織りなす、
執着と依存の官能時代ロマン。

作品情報

作品名
蟷螂の檻 4
著者
彩景でりこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
蟷螂の檻
発売日
ISBN
9784396784829
4.4

(160)

(109)

萌々

(25)

(16)

中立

(9)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
26
得点
702
評価数
160
平均
4.4 / 5
神率
68.1%

レビュー投稿数26

檻から抜けられる…か

地獄はまだ続きまして。
典彦はとことん悪魔のような男。
病床にあった育郎の父を窒息死させたんですもんね。

巻き込まれるな健一、とずっと思ってきたけど典彦に狂わされてしまった。
後に正気を取り戻したからよかったものの。

さち子はさほと不幸にならずよかった。
自身の力で現状を打破するかと思いましたが、その手前で離縁されてしまった。
その方がさち子のためですもんね。

育郎は調教され陵辱され、心では典彦を忌み嫌うも「触れられたい」と。
結局、快楽堕ちですやん、と思ってしまったw
それだけではないとは思いますが。

ま、育郎の言うように「愛なんて詭弁」というのはわかります。

でも結局は、体で落とされた。
典彦という檻に閉じ込められていると。

と、2人が火に包まれているところへ蘭蔵が育郎を助けにきた。

典彦は檻の中で息たえるんでしょうか。
いえ、悪魔だから不死鳥のごとく逃げ出して、また坊ちゃんを追いかけそうで怖いです。

で、ずっと思っていたんですけど、蘭蔵は父に体の相手をさせられていたのに、育郎のように淫乱にはならなかったんですね。
快楽に溺れさせられていたら、健一を誘惑したり欲情したりしそうなものなのにそうではない。
ただ相手をさせられていただけで、そこまで仕込まれていなかったってことかな。

その点、典彦は育郎を調教していたんだわと。
完全に依存させた。
支配するために。

最終巻、どう転ぶのか楽しみです。

1

ただ私の手に落ちてきてほしかった

※ネタバレです。ネタバレせずに読むことをお勧めします



ここで!ここで!ランゾウが!!!!(号泣

わかっていた、わかっていたけどやっぱりイクロウへの愛があったのだと実感できてここで泣かずしてどこで泣く展開…ーーそして最高のタイミングで現れるイイダ!やったぜ!

このあと幸せになれるのかなんなのなわかりませんが、さち子には戻ってきてほしいし、ケンイチだって本当はいいやつだし、早く早く、みんなが安心して笑顔で暮らせる日が来ますように…

ノリヒコはdeadなのかな、、?

0

典彦のエゴ

典彦、鬼畜ですね。
育郎を貶め、もう育郎は仕事も取り上げられ、唯一支えにしてた家族を養うことも出来なくなり。

賢いさち子の善意さえ典彦は利用して健一をそそのかし…。

健一も蘭蔵への独占欲に苦しみ、さち子を手に掛けようと…。

使用人の典彦が自分を慕う可愛い子供を愛して、自分なしではいられなくして、全ての感情を手に入れようと。強烈な独占欲と思い通りに育てるエゴが、たまらなく嫌です。

救いは蘭蔵の育郎を思う純粋さでしょうか。

1

なんてこと!

何故だか4巻で完結だと勘違いしてた…( ;∀;)
途中で収集つかんやん?コレ、って気づいたけど時すでに遅し。

回を重ねる毎にドロドロ具合が増してきて、本作はドロッドロのぐっちゃぐちゃといった様相。
もうハッピーエンドとかありえないよね、コレ。

さち子の闇堕ちを心配してたけど、典彦に操られて闇堕ちしたのは健一でしたね。
最悪な事にならなくて良かったけど…。

典彦は火に飲まれてしまったんでしょうか…。
実は生きてた!みたいな展開もあると思います。
生きてる方がお話的には面白いだろうけど、育郎のためにはならない気がしますね。
ついに飯田と育郎が再会しました。
次巻はいつ出るのだろう。
待ってます。

2

感情渦巻く

3巻に続いてのレビューです。
なんだか凄すぎて、読後に頭がぽかんとしてしまった。
かなり分厚く、ボリュームのある4冊目。
クライマックス!の文字に完結かなと思いきや、まだ続くのですね。
嬉しい反面、どう終わるのかが全く想像が出来なくてハラハラする。
4巻のカバーイラストでは、今まで艶やかに彩られていた蘭の花が燃え、蘭蔵が走り、折り返し部分の顔を覆う健一の手がどす黒く汚れている、という変化が。
3巻から帯に書かれている「メス若当主」の文字だけが残念。
この耽美な作品とはミスマッチかと思う。


人の欲望とは本当に恐ろしい。
きっと、全ての元凶は育郎達の父親世代なのでしょう。
けれど、典彦の育郎に対する感情は執着愛なんて生優しいものではなく、狂愛や妄執という言葉の方が相応しいとも思える程です。
さらっと描かれているけれど、己の欲望を満たすために本来の主すらも手に掛ける事すら厭わない…
恐怖すら感じる大きなものです。
「ただ私の手に落ちてきてほしかった」
持ち得る感情の全てを自分でいっぱいにして欲しい。
これはある意味究極の愛なのかもしれません。
後半の、やっと育郎を手に入れ優しく抱く穏やかな表情からの変化が見事です。

「まだ足りなかったか」
彼はこれだけでは終わらないでしょう。
なぜ育郎で無ければいけなかったのか?
典彦の過去についてもっと知りたくなってしまう。


典彦という檻から逃げようと賢明にもがくも、じっくりと身体の内側にまで記憶させられた快楽からは逃れられず、気付いた時には全てを奪われていた育郎。
追い込まれ、絶望の淵に立たされる育郎がどんどんと壊れていく様子にはたまらないものがありました。
蘭蔵のように愛されたかった育郎が求めてしまった典彦という存在。
離れたくても離れられない、手放せない共依存のような関係にぐるぐるとしていて、不憫で愛らしくて、そこから目が離せない。


4巻では蘭蔵とさち子の交流と存在が唯一の救いですね。
「いくお」「おとと!」「かぁいい」「すき」
どれほど育郎から憎まれようとも、蔑まれようとも、蘭蔵の根底には後天性障害以前からある弟の事を無条件に愛してやまない心があった。
絶望の末、屋敷と共に、典彦という檻と共に果てようとしていた育郎を救いに走った蘭蔵。
蘭蔵はずっと前から育郎のお兄ちゃんだった。
飯田に助けを求めた事により、どう展開していくのか?飯田の存在が一石を投じる事になるのか?兄弟の仲はどうなるのか?
少しでも明るく幸せな方向へ向かって欲しい気持ちでいっぱいです。

そして、さち子。
私はこの優しくも強い女性が大好きです。
BL作品の中で魅力的な女性キャラクターを描くのって本当に難しいと思うのです。
彼女の真っ直ぐな瞳が、凛とした表情のひとつひとつが本当に美しい。
一方的に離縁されてしまったさち子ですが、私はまだ彼女は決して諦めてはいないのではないかと期待をしてしまう。
歪んだ當間家という異様な一族の実態を知る人間の中で正気を保てているさち子が異例なのであって、闇や欲に染まってしまった健一は決して弱いわけではなく、もしかしたら普通の感覚なのかも。
どちらもこのままフェードアウトしてしまうには惜しいキャラクターです。
今後2人はどう出て来るのか、来ないのか。
そちらも気になるところです。

それにしても、on BLUE作品は続きが気になる作品ばかりですね。
続きが読めるのはいつになるのだろう。
彼らの結末をしっかりと見届けたい。

7

怒濤の展開

四巻は怒濤の進展でしたね。3巻で会社のために体を売られ、さらにはその後も使用人に何日間も責められた当主育郎。3巻からずーっと可哀想なまま仕舞いには会社までお払い箱にされてしまいました。サイコパス好きの人には堪らないのかもしれませんが甘めの恋愛に飢えている私にはただただ眉間にシワでした。サイコパスの執着野郎典彦が炎の中で蘭蔵くんに育郎を拐われた最後はほんと、スカッとしました。で、優しい元妻に引き取られて終わりかと思ったら、続くんですね。典彦の死も確認されていないし、5巻が嫌な予感しかしません。

どうか育郎の大学時代の友達が助けてくれますように。
蘭蔵くんが早く健一への愛情に気づきますように。

1

いったん区切り?

育郎を傷つけ、ぼろぼろにして、自分に執着させようと、それだけを目的に暗躍する典彦。

そのなかで、さち子が明るい光をもたらすのか?
蘭蔵に言葉を教えるさち子がまぶしい。
家のため、育郎のためと、真摯に心を砕く。

しかし育郎は自分の会社も追われてしまう。
さち子との家庭を守ることに、生きる意味を見出していた育郎だったのに。。

家のものに暇を出し、ひどい言葉をかけてさち子を離縁する。育郎はどこへ行くのか。
奇しくも健一は蘭蔵を連れて家を出る。
誰もいなくなった家に火を放ち、座敷牢で自害しようとする育郎。
典彦が駆けつけ、牢の中で体を繋ぎながら、共に死ぬ道を。。

さち子、飯田という日の当たる場所にいる人達が救えなかった育郎のところへ、唯一の肉親、無垢な兄が駆け込んできて、火の中から育郎を救う。

土壇場で、兄、蘭蔵の手を取った育郎。
燃え盛る牢の中で、まだ足りなかったか、と諦観の表情を見せる典彦。

育郎は助け出されたようですが、典彦はこのまま亡くなってしまうのでしょうか。

最後は、育郎を抱えた蘭蔵が、館に来た飯田に、助けて、と叫ぶシーンです。
行動した蘭蔵。典彦の元を離れた育郎。
この後、新しい展開になる予感。

0

頑張れさち子!

やようやくここまできたか…という感じです。
私は、さち子が好きです。
B Lでここまで女性キャラを応援したことはなかったのですが、さち子はこの作品の良心・オアシスになっていると思います。

さて、そんなさち子とも離婚し社長も退任した育郎。
典彦と2人きりの家に火を放ち、炎の中で典彦に抱かれ心中を図る。
しかし、蘭蔵が育郎を助け出し、車で通りかかった飯田に助けを求めるのだった…

典彦はどうなってしまったのでしょうね?
裸のまま動揺を隠せない典彦が、今までの策士の顔とは違って人間らしくありました。
とにかく、終着点が見えないので続きを待つしかありません。
郁郎の…蘭蔵の…それぞれの幸せとは何なのか?

これから新しい展開になりそうなので、次巻を楽しみに待ちたいと思います。

0

ドロドロの先に少しだけ見えた光。

正直、3巻まで読んでリタイアしようと思ってました。もう、ホントBLってよりホラーを近く感じたので。しかし、一方でこの二人の行く末を見届けなければならないと変な使命感も覚え4巻を手にしました。結果、読んでよかったです。
典彦の歪んだ愛はもちろん、育郎の壊れていくなかでの苦悩や登場人物それぞれの想いが交わり物語はクライマックス。かと思いきや最後に蘭蔵が育郎を助けにくる。幼い頃に手を握り返した育郎に対する純粋な愛が、彼のなかにはあって行動を起こさせたんじゃないでしょうか。そして飯田に言った助けての一言。何て純粋な兄弟愛なんだ(泣)と個人的唯一萌えた場面です。もうこのまま二人で逃げて終わりでもいい気がしましたが、そうさせないのが典彦が放った、まだ足りなかったかの一言。こえーーー!!
表情がなかったのが余計怖かったです。
話の内容的にハッピーエンドは難しいかもしれないけど、とにかく育郎と蘭蔵には最後には心から笑ってほしい。できれば典彦にも救いの手を。ここまできたら最後まで付き合う覚悟で続編を待ちたいと思います。

4

病みきった羅刹の旧家:謎解き編

 シリーズ四巻目ですが、相変わらずなエログロなドロドロした田舎の旧家でお家騒動してる話です。
 内容については、既にたくさんの方が描いておられるので詳しくは書きません。
 ただし登場人物が幸子(受け:育郎の妻)と飯田(育郎の大学時代の悪友)以外は全員が病んでます。
 蘭蔵(育郎の兄)は父母に虐げられた結果、頭は幼児返りしていますが…本当に純粋で!本作の癒しです。

 メインのカップリングはNTR趣味の外道秘書:深山典彦×牝当主:當間 育郎
 ちなみに表紙の絡み合う二人の絵がすでに、ラストで起きる展開のネタバレになっています。
 この四巻目は話としては本当にしんどいけど、謎解き編になっていたので良かったです。
 典彦がいままで育郎にやってきた非道な行いの意図が解かるので、ある意味スッキリしました。
 これですべての病みの原因である典彦が焼死してくれていれば、もっとスッキリできるのですが…
 まぁ次巻に続くようなので、ストーリー的にも中途半端になるので典彦は死なないでしょうね。


☆エロい部分について

 チンポ修正は白抜きでキツイですが、アナルの修正はゆるくてハッキリと輪郭が見える場面もあります。
 また見せない構図、またはセリフや擬音などが多用されているので修正は気になりません。
 全体的にエロシーンは汁多めで、唾液・精液は当たり前ですが…おしっこ描写に注意してください!

 実は三巻目の最後に趣味から外れた、ショックすぎるNTR展開で四巻目を買うか迷ったのですが。
※攻めの典彦が自らの手で牝に仕立て上げた育郎を、真珠チンポおじさん(本多先生)に抱かさせたエピソード…最悪でした。
 その真珠チンポおじさんに抱かれてから、完全に牝に堕ちきった育郎がひたすらにエロいです。
 会社の会議中に淫らな妄想をして、部下たちの見ている前で牝顔を晒しながら精子を漏らしてしまう始末。
 三巻目の最後は、読者にとってもショックなNTRでしたが…牝堕ちした育郎の気持ちを分析すると
 自分を愛してくれていた典彦に裏切られ、母親と同じ枕懺悔をさせられて壊れたのでしょうね。
 この巻でもNTR描写はありましたが、典彦の邪悪な企みにばかり目がいって気になりませんでした。

 性格がとことん悪い病んだS攻めに執着され、虐げれて牝堕ちする受け。
 および相互依存な病んだ関係BL好きには堪らない話でしょうが、やはり趣味じゃない話でした。
 ただし!卓越した画力に話自体には引き込まれる部分もあるので、中立評価です。

3

一番共感出来たのは本多先生

この物語で一番共感出来たのが真珠・本多先生。的を得たお言葉をいただきましたので。

一気に4巻読みましたが、もう少しスピーディに話を進めても良いんじゃないかと。育郎が思ったより(社会的に)無能で、ハラハラ感がない。典彦の企みだけがさくさく進んでいく(実行犯がよく失敗しちゃうんですけどね)。堕ちていく美学を丁寧に描きすぎてるのかな?

横溝正史や手塚治虫の「奇子」など、戦後を描いた秀作は少なくなく、「幽閉」「白痴」「没落」は、あの時代独特の、開放感と閉塞感が同時に入り混じった淫靡・耽美の世界を構築する挑発的な装置の一部で、田舎の家長制度がまたいびつな執着性を生むのだけど、、、それだけじゃドラマというか面白い漫画という訳じゃない。そこに上手く狂言回しとしてブン屋の飯田が登場したので、うーん、丁度4巻出た時点で始めから読んだ私には、これまでが冗長なプロローグで、何かが始まる前兆の様な気がするのです。。。気がしたいのです。まだ育郎と蘭蔵、典彦の物語はこれからだと。

ということで、この先を期待して中立とさせていただきます。

11

「ただ、私の手に落ちてきてほしかった」

炎に巻かれながら、奥の部屋での情事。
そこへまさかの闖入者、蘭蔵さん。

「莫迦か逃げろ 死ぬぞ」と、蘭蔵さんに駆け寄る育郎を見た典彦の表情からは、動揺や絶望を感じます。

「まだ 足りなかったか」そう言った典彦は、一体どどのような顔をしていたのでしょう……

愛しくて、愛しくて、大切にしたい。
大切にしたいから、壊したい。
壊れていくところが、見たい。

「私以外の何もかも全部だめだったと 自分には何もできなかったと ただ私の手に落ちてきてほしかった」

典彦の歪んだ愛の行く末は……
この物語がどのような終わりを迎えるのか、じっくりと見届けさせて頂きたいと思います。

12

自分の目で確かめるまでは死は認められないかな

 あらすじでクライマックスと謳われていて、終盤もまさにクライマックスっぽい展開だったので、最後のページの「つづく」という文字を見るまですっかり最終巻だと思い込んでいました。仮にこれで終わりだったとしても、良い意味で後味が悪く印象に残る作品になったんじゃないかなと思いますが、続くなら続くでこの兄弟の行く末をしっかり見届けたいという気持ちもありますし、嬉しいですね。

 育郎の正の感情も負の感情も、丸ごとすべてが自分に向けられるものであって欲しいという典彦の想い。究極の執着であり、愛だと思います。相手に興味すら抱かれないよりは、憎まれる方がよっぽど良いと思える人間って、そう多くはいないと思うんですね。大概の人は相手に嫌われることを恐れている。だから典彦のようなキャラは貴重だし、とても興味深い。自分に対して育郎が抱く感情が強くなるなら、第三者に彼を嬲られても構わない。最後までただ甘やかすこともなく、一貫した態度で育郎を檻で囲った典彦は、執着攻めとして素晴らしかったです。

 そんな典彦の策略にはまり雁字搦めにされた育郎は本当に気の毒だけど、外道な攻めに捕食される不憫受けが好きな腐女子としては、ついつい食指が動いてしまいますね。体液に塗れて泣き乱れる彼の本質は、檻の中でひたすら可愛がられていた兄に、羨望を抱いていた孤独な男。やはり彼はそういう意味で蘭蔵になりたかったんだなぁと。切なくて、可哀想で、愛おしい。自分にとって蘭蔵に対する父親のようになってくれるかもしれない唯一の存在が、典彦なんですね。ただ、皮肉にも憎んでいた兄に救われてしまった育郎。彼は蘭蔵に恨みや嫉妬しか持ち合わせていないわけではないと思うので、この兄弟が分かり合うことで何か希望が見出せるのか、それは叶わず再び闇に引き戻されるのか、続きが待ち遠しいですね。

4

善悪の彼岸。境界。踏み越える者は誰か。踏み留まる者はいるか。

あわわわ。私もすっかりこれが最終巻、いよいよの完結編だと早とちりしておりました。
典彦の妄執は 育郎さんの身体を蹂躙するだけでは飽き足らず、その身を失脚させ、寄る辺の無い暗黒に突き落とし、なお「壊れて行く様を見たい」と追い詰める。
ただ自分だけに縋りつくしか生き様がない程にと、奸計を張り巡らせ 周囲を巻き込んで狂わせて行く。
たった一人、育ちが良く、その素直な心でもって 育郎を支えたいと願っていたさち子もとうとう離縁されてしまう。この物語の中で、唯一の良心。強くて正しい心の持ち主であったさち子。育郎は、男としてさち子を愛する事は出来なかったけれども、さち子の強い心を愛すればこそ、彼女をこのおぞましい屋敷から逃がしたんだと思う。憐れみや同情を 最初から疎ましいと思っていたなどと 心無い言葉を言い放つ育郎の優しさ。
さち子には本当に出て行って欲しく無かった。彼女だけが、ただひとり、この物語の救いになるかと思っていたのに。

蘭蔵に対する愛情がどこか歪んでしまった健一は、素直なだけに簡単に典彦の企みに堕ちてしまう。
さち子に嫉妬して。それでも屋敷から蘭蔵を逃がしたいと逃避行を目論む。
ところが‼︎
全てを終わらせようとした育郎は、屋敷に火を放ち、典彦共々心中を図る。
ああ、これで何もかも終わるのだ。意外に呆気なかったな、そういう終わり方かぁ。らしいなぁ。
なーんて、思っていたら⁈
屋敷から程なく離れた場所で、炎を見た蘭蔵は健一の手を振りほどき、ひとり育郎を救けに向かう。
炎に包まれ、焼け落ちる家屋をかいくぐり、育郎を救い出した蘭蔵は、車の前に飛び出し大声で助けを乞うのだった。車に乗っていたのは、育郎の大学時代の同級生、飯田。彼は本当の意味で彼らを救えるのか。
たった一筋の光となってくれるのか。次巻が待たれます。待ちきれない。
典彦は、炎の中で息絶えて欲しい‼︎ なんか逃れて醜くなってなお、生きながらえてそうだけど‼︎

所謂白痴と呼ばれる蘭蔵の無垢さ。疎まれても育郎を『可愛い弟』だと、ただひたすらに、それだけを認識していて。この無垢な愛情だけが、育郎を救うのか。
物語はどう収束するのか、想像すら出来ませんが、どうか光ある救いを願ってやみません。

0

もはや、愛情というより情念。

3巻がなかなかに辛くて…4巻は購入したものの、すぐに読むにはためらわれて、心の準備をしてから読みました。

しかし意外にも4巻は、3巻同様むしろそれ以上のかなりのえげつなさにも関わらず、救いの手が要所要所にあったせいか覚悟していたよりは読後感は悪くなかったです。

私は、病んでいるとか、愛情表現が下手くそで変な方向へひねくれちゃってる方が愛しくてたまらないのですが、典彦は今までは好きになれませんでした。と、いうのも典彦からは1番核になる『愛情』の部分がほとんど感じられず、陰湿な執着心ばかりが全面に出ていて掴み所がなく、愛しさの延長での性的な欲求というより、むしろ根底では憎んでいるのかとさえ思えたからです。

ですが、今までの感情が希薄で陰湿で狡猾な感じから、4巻では自分が仕向けたことが表面化することにも躊躇せず、育郎の身体を辱しめ、外堀も埋め、さらに精神的にも追い込んで、育郎の持つ感情の何もかもを奪い尽くそうとする姿に、初めて彼の人間らしい感情が見えたように思えました。

ただ、なぜ相手が育郎でなければならなかったのかという点に関しては、理由付けが薄く、自らへの絶対的な愛情を示してくれる宿主に寄生したい典彦の格好の餌食になっただけにも見え、育郎自身は少なくとも一時は純粋に愛情を感じていたし、どんなに酷い仕打ちをされていてもやっぱり典彦を求めていただけにやるせなかったです。

典彦の最期は確実に表現されていないし、そしてあの一言…。ゾンビのように甦って、さらに邪悪さと情念に拍車をかけて、また育郎の前に現れたらと思うと…かなり怖い。もうBLじゃなくてホラーになっちゃいそう。でも…育郎を取り合ってバージョンアップした「ゾンビ典彦」と「後釜狙い飯田」で直接対決するのも話としては面白そうだし、むしろ読んでみたい気もする。かなりアクの強いキャラだったし、やっぱりこのままフェイドアウトじゃなくて典彦にはもうひと暴れしてほしいかも(笑)

5

ここで完結。。。とかってに思ってた。
ちょ・・また良いところで(;´Д`)あうー。

さて、お話もヴィジュアルもこれまた秀逸。
うっかり夢中で読んでしまった。
攻の執着たるやという部分もいい気持ち悪さで描かれております。
とても大事ですごく執着している相手をあえて他の男に目の前で犯させる。
その相手に抱かれている受を見る表情もまたw
わかってらっしゃるw
昨今甘めのBLが多いなーと思います。
甘いのも良いですが、個人的にはすこしイカれた攻を見ると萌えます。
どんな気持ちで、どんなふうに感じるのか。
ゾワっとする。

後半、怒涛の展開。
どうなるのか待ち遠しい。
ここまで来たらハッピーエンドじゃなくても良い気すらする。

5

恐ろしいほど圧倒的な世界観にのまれました

超クライマックス!とあったので、勝手に最終回かと思いこんでました…アホです、この落胆。
しかもまさかのシーンで、つづく…ひどい、一年も待てない ><
お家炎上とともに、私も燃え尽きてしまいました。

デリコ先生はまさに異才ですね、この読後の放心状態…なかなかないですよ。
毎回作品を読むたびに、いろんなものを持って行かれてしまう作家さんです。
そして、また1巻から全て通して読み直し、お腹いっぱいな状態なのに
4巻は何度も読み返してしまう…中毒性のあるおそろしい作品でした。

ずっと行く末が気になっていた、光属性のさち子。
この屋敷で一人だけ毒にのまれず、典彦に唆された健一に襲われても怯まず
善良に育郎を支えてきましたが、本意ではなく育郎に離縁されました。
個人的にはさち子が無事に屋敷を出られたことにホッとしました。
ただ、さち子がこのまま傍観するのか?絶対しないですよね…どう絡んでくるのか楽しみですが、
この作品の良心であるさち子だけは、最後まで光属性のままで終わって欲しいです。

これぞサイコパス執着攻め…3巻末で真珠持ちの政治家先生に寝取らせた後に上書きする典彦。
「貴方の縋る相手が私だけであればいい」
「貴方の思慕も愛情も信頼も憎しみも苦しみも絶望も、唯一私だけに向けられるものであって欲しい」
愛おしくて仕方ない、ずっと自分の痕をつけたいと思っていたと言い、
3日間壊れるほど抱き潰して、育郎から拒絶されてしまう…それも計算済みの行動でしょう。

屋敷に戻ってからは更に周囲を翻弄する典彦、健一を唆してさち子を襲わせ、
健一に育郎を犯させる…狂気ですよね。

典彦の唆し方が、その人がもともと持っている毒を引き出すというか、
善良であったはずの健一が、蘭丸への愛情と嫉妬を拗らせて、狂気に駆り立てる姿が悲しい。
最後に蘭丸は育郎の元へ行き、健一から離れたんですが、このまま終わるハズはない!
典彦の狂気が健一に投影されていますが、既に蟷螂に食われてしまった健一は転がるしかないのか…。
手を放した蘭丸を追いかけなかった健一なので、踏みとどまってくれる気もします。

そして、お家炎上で典彦との心中が叶わなかった育郎。
典彦を拒絶してからも、ずっと典彦に囚われ続ける姿は、まさに蟷螂の檻です。
1巻の頃にはタイトルの意味が理解できなかったんですが、
4巻にして胸に刺さるタイトル…おそろしい><

典彦が望んだとおりに、育郎の感情は総て典彦に向けられ、典彦に縋って二人だけの世界。
燃える牢部屋の絡みシーン、カラダを繋げたまま心中…あの描写に息をのんで引き込まれてしまった。
蘭丸を助けようとして、育郎は助けられましたが、典彦は炎に消えはしたものの本当に死んだのか?
サイコパスは簡単には死にませんが…。

典彦不在となり、育郎のあのカラダはどうなってしまうのか?!
そこが気になる…育郎がカラダを持て余すことは確実ですが、かと言って
大学同級生のイケメン飯田と関係を持ったりしないで欲しい…。

育郎の生きる道は?伯父に会社を乗っ取られ、
新聞記者の飯田が何やら探ってましたが、何か動きがあるんでしょうか。
蘭丸はどうなるんだろうか?もう?だらけでモヤモヤする。
育郎は穏やかに暮らせるんでしょうか…
5巻発売まで結末を悶々として考える楽しみに変えたいと思います。

デリコ先生のすばらしい妖艶なエロス…圧巻でございました!

11

ぜひ、ネタバレを読む前に!!!

蟷螂の檻4巻を読むにあたり、
1〜3巻を読み返すことにしました。
続けて読んだため、かなり疲れました……。
読み応えがありすぎてゲッソリしました。
(とても素晴らしいということです)

4巻では、妻 さち子の代わりにお偉いオッサンと
寝てしまった受 育郎から始まり、
色々ありまして火事の現場から
受の兄の蘭蔵に助けられる、という場面で
終わりました。
これはぜひ、ネタバレを読む前に読んでください。

個人的評価
ストーリー ★★★★★
登場人物 ★★★★★
エロ度 ★★★★★

毎巻毎巻、すごいボリュームです。
次巻の発売がおそらく1年以上先ですので
それまでに何度か読み返すのが理想ですが、
読み返す気力がないくらいしんどい内容です。
(とても素晴らしいということです)
このテンションをしばらく引きずってしまうため、
自分がめちゃくちゃ元気な時に読むことを
強くオススメします。

4

ネタバレ読むでねぇ

つ、つかれたーー…(いい意味で)

人間関係がこじれにこじれまくって、どう落とし所を見つけるのか展開が読めなかったけど、四巻、絶妙ないいところで落ちたーーーー
5巻の妄想が膨らむわーー

ネタバレ絶対読まないで!!


以下ネタバレ↓
のりぴこがホントどうしょうもない。3巻まではもっとやれだったけど、今回途中から嫌悪感でたもん。すきだけど。坊っちゃん可愛そう…と、でりこ先生の思いのままなのか。らんぞーとさちこが救い。五巻は飯田と坊っちゃんとらんぞーが絡んでくるのがすっごい楽しみ。"檻"から出られた坊っちゃんと蘭蔵との今後の関係は上向きになってほしい。果たしてのりぴこはあのまま死ぬのか、のりぴこのことだから火傷痕だらけでしつこく気持ち悪く現れてほしい気もする…

6

5巻が待ち遠しい

前巻から結構時間が空いていたので、本当は1~3巻までの内容をおさらいしてから読みたかったのですが、早く読みたい気持ちを抑えきれず、手に入れた瞬間貪るように読んでしまいました。

ですので難しい考察などは全くできていません。
ただ一つ言えることは、4巻は非常にえっちだったということだけです。

3巻では汚らしいおじさんにぐちゃぐちゃに犯されて満身創痍の体だった育郎さんですが、この巻では開幕早々サイコパス典彦によってこれでもかというほど穴をいじめられますので、「彼のお尻は大丈夫なのだろうか?」と違う意味でもドキドキハラハラしながら読み進めました。

こんな私の心配をよそに容赦なくストーリーは展開していきますので、気がついた時には育郎は社長の役職から降ろされ、さち子とは離婚し、屋敷は燃えていたというわけです。

色々な事件が一気に起こり、読んでいる私も何がなんだか分からず、ただ怒涛のように挿入されるエロシーンだけはやたらと記憶に残っているので、前述の感想に至りました。

その間典彦は様々な謀略をめぐらせて當間家全体を引っ掻き回していたような気がしますが、こいつを止めてくれる人はいないんだろうか。ちょっと変わった趣味をお持ちのようで、育郎を我が物にするだけでは飽き足らず、さらに自らの手で壊すということに至上の快感を覚えるそうですね。こんなやつに付き合わされる育郎かわいそう、、

この地獄のようなストーリーの中に現れた唯一の光明(?)である飯田くんは今後どう関わってくるのか… さち子もここで引き下がる女じゃないですよねー
ともかく典彦の檻から一旦出ることができた育郎はこのまま人間として立ち直ることができるんでしょうか? 早く続きが読みたくてたまらないんですけど5巻は早々に出てくれることを期待します。

20

育郎地獄篇

3冊一気読みしてドロドロしてた所に届いた4巻。
これでもか!の展開がまだ続いています。
それどころかますます、です。
育郎は性接待の後の典彦による荒淫で、心身ともに限界までいってしまった感じ。
さち子の行動も裏目。
健一の献身も裏目。
キモ八の字眉毛・典彦は淡々と皆をミスリードしていく…
でも今回、2巻のレビューで書いた「坊ちゃんと奥様共々意のままにしてやる」という見解は変わってきました。
典彦が作内で言う通り「貴方からの思慕も愛情も信頼も憎しみも苦しみも絶望も総て」欲しているだけなんだなぁ、と。
この物語、登場人物たちがただ愛して、ただ愛されたくて、行動してる。そういう話なのかな。
終盤、心中ね……と思いきや。まだ続くのですか!
典彦は死んだのか?育郎は心を保てるのか?
健一は。さち子は。
蘭蔵は変わるのか?

典彦の気持ち悪さや性接待の胸糞、蘭蔵と父親の関係性など、心がざわつく作品ですが、辟易としつつも逆にこの後イイ話などになってほしくはない。
もっともっと「これでもか」を極めて、誰も見たことのない黒さで塗りつぶしてほしい。
辟易ぐらいじゃ甘い。打ちのめしてみろや!
…と期待しております。

1

読み応えありありでした!

こ、こここここで続きかあー!!
というところで4巻が終わります。

ちゃんとした、あらすじ込みのレビューは他の方も書かれているので、
ネタばれありの感想を。


典彦は、人として結構最低なんですよね…
典彦は無能ではないはずだから、
当主となった育郎に、上に立つのに相応しい教育をしながら、支えていく事も出来たはずなのに、
彼はそうしなかった。
周りの者をまるで手駒のように使い外堀を埋め、育郎を自分という檻に閉じ込め、
貶めて、自分だけのものにしようとした。

當間家の火事の中から蘭蔵に救い出された、
というか、育郎もまた蘭蔵を守ろうとして炎の中から脱け出したわけなんだけれども、
この後どうなっていくのか。
典彦は死んでしまったのか。

さちこが去った後、大学時代の友人だった飯田が、真っ当な人間として育郎に関わってくるのでしょうね。友情と恋情の間のような関係で育郎の側にいてくれるのかもしれない。
蘭蔵も無償の愛情を育郎に持っていてくれている。

もう、これは私の希望なのですが!
育郎、周囲に助けられて、社長の座に返り咲いて欲しい。
典彦には生きていて欲しい。
そしてもし飯田とちょっとナニかあったとしても、
最終的には檻から出られ強くなった育郎に、自分の意志で典彦を求めて欲しい。
典彦キモい、無理!という方も多いでしょうが、
どうしても離れられないと求め合ってしまう2人が見たい!火傷の痕だらけでも、身体を繋ぐことが出来なくなってたとしても、
お互いが2人でいることを選ぶのを見たい(願)
それが周囲からみたら幸せにみえなくても!
少数派かもしれませんが(汗)
お願いします~!!

2

情念渦巻くドロドロ愛憎劇

完結していない作品はレビューを控えていたのですが、三巻のレビューを見ていたところ、四巻の購入を迷っている方が一定数いらっしゃるのではないかな、と思い、書いてみます。
盛大にネタバレしますので、読みたくない方はスルーでお願いいたします。
(ちなみに私は三巻の後半からの展開が地雷ですので、おもにそれに関する感想になります。そうでない方には不愉快な内容かもしれませんので読み飛ばして頂けると幸いです)




結論を言いますと、三巻後半のアレが無理だった人は、今回も無理だと思います。
私はこの、「好きな人に不本意な相手とのセックスを強要される、しかもそれで感じてしまう」というのがまさに地雷で、典彦目線から見れば「寝取らせ」になるのでしょうが、ある意味、この巻におけるそのシーンは、三巻ラストのそれよりも読んでいてきついものがありました。

典彦は「憎しみもすべて自分に向けさせる」ためにそれをやっているため、会社のため、妻のためという理由があった前回よりも、典彦の外道、下衆っぷりが際立っているシチュエーションとなっています。
これがまあエグい。育郎の反応も、寝取らせた相手の反応にも、目を背けたくなりました。

私はこの作品の舞台設定や、おどろおどろしい陰湿で淫靡な雰囲気が非常にツボで、かつ下剋上や執着愛に萌える質なので、二巻まではワクワクしながら読んでいました。
ですが、あまりにも受け攻めともに闇が深く、どちらにも共感できず、いつからか心の拠り所は強くて賢いさち子だけ。
BLなのにさち子を全力で応援してしまう、という状況に、私の中の萌えは行き場を失いました。

典彦が抱いているのは愛情、執着というより破壊願望ですし、育郎はそれでも彼を求めてしまうものの、恋愛感情よりも唯一の依存先を失ってしまうことへの、恐怖が勝っているように思えます。

マンガとしては、引きもすごいですし、先が気になってどんどん読まされてしまう面白さがあります。今回タイトル回収がありましたが、そのあたりの流れにはくるものがありました。

この先の希望は新聞記者と蘭蔵です。特に蘭蔵はすごくよかった。
もともと悪いのは父親で、兄には罪はなかったわけですし、兄弟で和解して、ほのぼのハッピーエンドなんていうのもいいなあ。

私のように「主従愛大好物! 下剋上萌え!」みたいな感覚で手を出すと後悔する作品であることは間違いないと思いますが、
相手を傷つけてでもモノにしたい、というような、手段を選ばない攻め、鬼畜攻め、NTRなどが好きだという方には、ものすごくハマる展開ではないでしょうか。

7

読み応え満点、満足です。

四巻ですね…いや~今回も読み応えすごかったです。

言い方悪いんですが、典彦さんホントに気持ち悪い…気持ち悪いんだけれども、その奥に、その先に、なにがあるのか気になってしまいます。
後半、育郎は典彦と心中しようとした…?炎の中の交わりは、吉原炎上を連想しました(古いかな…(涙))。

レビュアーさまに同意!と感じたのは、さち子さんがBLらしからぬ、素敵な女性に読めるところです。わたし一生懸命やってます!アピールも過度になくて、素直に共感しました。

これからの展開はどうなるのか…育郎とらんぞうさんを助けた元同級生で新聞記者の飯田と共に、どこに向かうのか。そして典彦は…。
続きが楽しみです。

10

擦れ違う愛情に、切なさと萌えが詰まってる

『蟷螂の檻』の4巻。

3巻で、会社のために育郎に性接待をさせた典彦。
そして、その姿を、育郎の妻・さち子にも見せつけた。
男に抱かれた育郎を、今度は典彦が壊すほど抱きつぶした。

典彦の外道っぷりはどこまで行くのか、そこに愛はあるのか―。そんな3巻でしたが4巻も典彦の暴走は止まりません。


以下4巻のネタバレあります。ご注意ください。







典彦に少しずつ壊されていく育郎ですが、それに付随するように、会社乗っ取りをたくらむ人物も登場し、育郎はどんどん追い詰められていきます。

『蟷螂の檻』は、典彦と育郎の歪んだ愛情が描かれた作品ですが、4巻で大きくストーリーが動きます。

まず育郎の妻のさち子。
精神的に不安定なキャラが多い中、彼女の存在はまさに正義です。
夫が他の男に抱かれる姿を見ても、動揺はするものの取り乱すことはない。
育郎と婚姻関係を結んだ以上、育郎を支えるのが自分の務めという意識がきちんとあるから。
そして、育郎の腹違いの兄の蘭蔵を思いやり、優しく接しようともします。

もう一人は蘭蔵。
彼は子ども時代の事故(というか事件)のために発達障害というハンデをおっていますが、さち子と関わることで少しずつ自我が芽生えてくる。
この作品において、蘭蔵という青年は大きなキーポイントなんですよね。
育郎という人物を形成した大きな因子。
でも、今の育郎を救うのもまた、彼なのかも。
蘭蔵の育郎への愛情がピュアすぎて悶えます。

そして、飯田くん。
飯田くんは、2巻で登場した育郎の大学時代の友人です。
ブンヤさんになっていた彼は、藤間家の会社を調べ、育郎が追い詰められている事をかぎつけます。
そして、かつてほのかな恋心を抱いていた育郎を心配してやってくるのですが。

典彦と育郎。
育郎とさち子。
育郎と蘭蔵。
そして西浦くんと蘭蔵。

彼らの間にはきちんとした愛情が流れている。
流れているのに、ベクトルが相手にきちんと向いていない。
それゆえにすれ違い、勘違いし、愛情の行方が定まらない。

なぜならそれを操作している人物がいるから。
典彦です。
彼の育郎に向けた歪んだ愛情がすべてを壊していく。

が、それでも、育郎は典彦を求めちゃうんですよね…。
それが、子ども時代からお世話してくれたことによる刷り込みなのか、愛情なのか。

どこまでも果てしなく切なく、ほの暗く、そして怖い作品です。

で。

4巻も「何故ここで終わるのですか、でりこ先生…!」というところで終わっています。

典彦と育郎の安否。
そして蘭蔵と育郎の関係は。
飯田くんはどこまで踏み込んでくるのか。

はー、続きが気になる!

『蟷螂の檻』は、表紙がいつも素敵です。
昼ドラ感満載な淫猥な空気感も良いし、育郎の色気もけしからん美しさです。
が、それ以上に、それぞれの表紙は本誌の内容を端的に表すイラストになってるんですよね。

本誌を読み終えてから表紙をしげしげ見ると、その素晴らしさに圧倒されます。

ドロドロの人間関係、歪んだ愛情、複数の男に育郎が抱かれる描写がある、といった作品なので、好みが分かれる作品かもです。甘くて優しいお話を好む方には正直あまりお勧めできないのですが、4巻も素晴らしく泥沼でめっちゃツボでした。

文句なく、神評価です。

15

坊っちゃんの運命やいかに?!

もはやBLの萌えはないけどそれはとっくにどうでも良いと思ってます。話が面白くて!こういう人間の汚れた部分がいっぱいのドロッドロした作品大好きです。當間一族怒涛の展開になってきました。ようやく色んな方達が自分の私利私欲で大胆に動き始めてきていますが、とくに典彦のサイコパスっぷりが最高潮であります。坊っちゃんに危機迫る!

さちこさん本当お綺麗でBL誌上一番好感度が高く華のある女性キャラではないでしょうか。BLに登場させるだけではもったいない。彼女を主人公にしてストーリーを描いたら面白いかもしれませんね。

読み進めたいくうちに、あ、この巻で終わりかなぁ、こういう最期だったのね〜としみじみ浸り始めていましたら…まだ続くのですね!坊っちゃんの運命や、いかに!?

あ〜、早く続きが読みたい!!コミックス化は次また一年後くらいでしょうか。待てません!

14

この作品が収納されている本棚

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