SF作家は担当編集者の夢を見るか? 毎日晴天!17

SF作家は担当編集者の夢を見るか? 毎日晴天!17
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神7
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
41
評価数
9
平均
4.6 / 5
神率
77.8%
著者
菅野彰 

作家さんの新作発表
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イラスト
二宮悦巳 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
毎日晴天!
発売日
価格
¥642(税抜)  
ISBN
9784199009709

あらすじ

SF作家・阿蘇芳秀の小説が、待望の映画化!!
盛り上がる周囲をよそに、
秀の野望は相変わらず、大河を担当に戻すこと。
そんな中、秀は新旧二人の担当と、
迷惑をかけた新人作家・児山への
謝罪を兼ねた忘年会に出席する。
そこで秀が知ったのは、
熱い愛読者でもある児山の想いと、
担当たちの仕事への献身──。
初めて言葉に色がつき、
胸に響き始めた理解と怖さは、
秀の霞んでいた視界をこじ開けて!?

レビュー投稿数2

やっと!

「帯刀家のお話はひょっとしてこれが最終話か?」と思っちゃいましたよ。
だって盛り上がったんだもん、ラストが。
いつにない盛り上がり方で……ちょっと涙ぐんでしうほど盛り上がってしまったんですもの。

秀が今までに起きた様々なエピソードに戻りながら世界との関わり方を回復する様が書かれたこの巻は『遺棄された子どもが自分の居場所を再構築する』という物語の終焉(シリーズは終わりじゃなくてまだ続きます)らしい感動的なラストシーンでした。
特に言葉が足りずにすれ違いを繰り返してきた秀と大河が、思っていることを必死に話そうとするくだりはもう他人事とは思えないくらい心を寄せちゃって「やっぱりちゃんと気持ちを話さないとだめだよ」と思っていたのに、ラストの大河から秀へ手渡されるもののくだりを読んで「あああああ、言語外コミュニケーションというものはある、確かにある!そしてそれが間違いない伝わり方をした場合、極上の幸せを感じることが出来るけど、それって奇跡に近いよね」と大興奮しました。
こんなシーンを紡ぎだしてくれた菅野さんに、とりあえずお礼を言いたい!

いやー、でも長かったですねぇ。
考えてみれば、秀や勇太の様な『酷い捨てられ方』をした子どもが、ちょっとやそっとで自分の外側を信じられるようになんかなる訳がないですよねぇ。自分の外側に牙を剥くことが出来た勇太は『自分VS外側』という意識があったから回復が早かったのだと思うんですけれど、秀はそもそも最初から諦めて生きてきているからなぁ……大河や勇太を始めとする『大切な人』に関わること以外は、起きること全てが『自分とは関係ない、車窓の景色』みたいなものだったなんて。
これ、秀が自分を守るために学習してきたことなのでしょう、きっと。
それが少しずつだけれど、取り払われていく。
秀の担当替えからの様々なエピソードも単なるコメディ要素ではなく、この巻に向けた大きな伏線だったのがよーく分かりました。

なかなかじれったい大河の言動も『何故そうなのか』が解明されました。
大河に対しては今まで何度「ここは突撃するところだろう!この意気地なしめ」と思ったことでしょうか。
でも、そうじゃなかったんだね。
確かに、抱いてなだめようとする男はダメ男だ。
ただそれを解りつつも、面倒くささからその方法を取っちゃう人ってそれなりの数でいると思うんですよ。我慢したあんたは偉い。本当に尊敬するよ。

世界はいつも人を傷つけます。
でも、角度を変えて見れば、それによって救われる人もいる。
人と関わらずに生きていくことは不可能に近いから、いつでも怖い。
その怖さを抱えて、愛する人と共に歩んでいくことに喜びを感じられること。
そのことを『幸せ』と言うのだと思いました。

機能不全家庭の被害に会った子どものお話を読んでしまう方には、是非お勧めしたいシリーズです。ただ、極めて長編、かつ、主人公が入れ代わり立ち代わりなので、結構読むのが大変です。
でも、頑張ってここまでたどり着いた。
読後感、感無量。

2

秀の夜明け

シリーズ開始から21年目の18冊めだそうです。
子供たちが制服を脱いでから、本格的に大河ドラマ(大河と秀のドラマ)が始まったと言っていいですが、
ここへきて、本当にようやく、秀が目覚めます。
ここまで長かった。
かかった巻数的にも長かったけど、今回の本の中だけでも十分長かった。
自覚なく無理矢理大人にされてしまったせいで、自覚なくめんどくさい大人を拗らせていた二人でしたが、子ども達が成人して、仕事面でも担当編集者が代わって、ようやく自分の周りに気が付き始めた秀。
ぼんやりとした薄闇から、徐々に薄明の夜明けへと。
このシリーズ、最初の方の真弓と勇太の子ども達の話はもっとドラマチックでおもしろかったと思ったけど、大人編になってからは、秀の性格上、どうしても茫漠とした難解な展開に陥っていましたが、本当にようやく、秀が人間として覚醒してくれて、、、
長かった。
でも物語内の実際の時間としては5年余り。
そう考えると勇太も秀も、帯刀家ですごく成長したのだと感慨深いです。
このシリーズは、まだもうちょっと続くようですが、この巻が大河と秀の関係の話としてはクライマックスだったと思います。


1

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